『青の数学』2巻
数学との格闘。
やっぱり数学のことはよくわからなくて、でも、教科書ではない向こうにはきっとこんな風景があるんだろうな、と羨ましくはなる。
だけど、それを数学ではない別のものに置き換えれば、多分私も知ってるものだろうな、とも。理由なんてわからなくて、選んだわけでもないのに好きになってしまって、それならそれで好きでだけいられたらいいのに、いっそ嫌いになりたいなんて思うような何か。
主人公、兄弟子たちに見守られて、声をかけられて、そのことが彼らを励ましたりもしながら歩んできてたんだなあ。
昨日書いた「発見された手記」が、我ながら嵌まっている気がしてる…。
物語の発端になったり、物語そのものだったりするあれ。ただの備忘録のはずなのに、いやこれ誰かに読んでもらうの前提だよね?という。(物語の中に出てくるものとして考えると、そりゃあ物語性を持たせるためなのだから当然としても)
『星空のオンエア』
最初の話、ああ…やっぱりそうなるのか…。だけど最後の話で、自覚がないわけではないとわかってまだ少し、よかったかな。わからないままでいる方が、傍で見ているとつらい気がする…。海の話は…譲るってのはどうなの…?
『ニセモノだけど恋だった』
レンタル彼氏の客とサービス提供側の、視点交互の話。それぞれに、足掻きもがいているところでのちょっと変わった交流。
…最後、文章の意味が取れなくて明後日の方向な勘違いをしたけど、エンディングロールに吹き替えの声優さんは載らないか(苦笑)。
しかし、そこでの再会を求めるってのは気が長いなあ…。それまでに諦めたらそれはそれ、ということなのか。
『死にかけ探偵と殺せない殺し屋』
殺し損ねた殺し屋に憑りついた嫌われ者の名探偵。変則的なバディもの?
んん〜、面白そうな設定やキャラクターだったのだけど、何かいまいち乗り切れず…。
『異世界居酒屋「のぶ」』五冊目
今回、短い話をつなぐのは老舗宿屋(?)の料理人。あとは、目覚ましく成長する弟子のハンスと。政治も物語の下で静かに変化している…政治はよくわからないのだけども…。
老人三人組の若かりし日の、旅立ち前の話がよかった。…ところでこの、先祖が辿れないってのは何かの伏線だったりする…?
「のぶ」のみんなが楽しそうなのもいいけど、日本組の二人がゆったりと休日ご飯を楽しんでいるのもいいなあ。
『京都寺町三条のホームズ』9冊目
手に入れたら興味を失う…また、難儀な設定を背負わされたなあ…。まあこの二人なので、そんなことなかった、ということで甘く収まる気はするけど。
あちこちで恋バナ…なので、安定の秋人さんに落ち着く(苦笑)。
『新・水滸後伝』上巻
てっきり水滸伝と思っていたら、水滸「後」伝だった(苦笑)。水滸伝をまだまともに読んだことがないのだけど、でもまあ、さほど問題なさそう。
岳飛の時代かーそういえばそうか。
それにしてもなんでこう、武侠ものとか中国や日本の古典作は、ばっさばっさと人を殺すんだ…せめて、ちゃんと証拠集めとかしようよ…。
とにかく下巻へ。
『新・水滸後伝』下巻
梁山泊一味、島にて統治す。
お国を出たら、怪僧はいるしでこっちの方が断然楽しい。まー変わらず人はざくざくと死ぬのだけど、でも梁山泊一味は健在で嬉しい。
自分たちを題材にした劇を見て大笑いしてるところが楽しいし、それきっかけで仲間を思い出すとか酷い(笑)。
ハッピーエンド。
あとがきの飄々とした語り口ににやにやしてしまう(苦笑)。でもまあ、水滸伝ならともかく、水滸後伝をリメイクする作家さんはなかなか見つからなそうだよねー。
『冥途のお客』…冥途からのお客と関わることどもを書き綴ったエッセイ。
書いてある時期が少し前だけど、発行それほど前じゃないよね…? と思ったら、以前出したものの再版とのこと。
五十を超えてからそういったことが身の回りで起こり始めた、というのは珍しい気が…そうでもないのかな? まあ、それまでも気付いてなかっただけかもしれないし(苦笑)。
力説するわけではない書きようで、胡散臭さが減殺されている感じ。
『天空の矢はどこへ?』
今回も、序盤はなかなか読み進まなかったのだけど、途中からはするすると。
隔離されたデータ内容は明かされず。後々関わってくるのやら、単にこれはそういう話なのやら。
そして、百年シリーズといよいよ絡み明かされる部分が…とか言いつつ、百年シリーズの三作目読んでないし一作目二作目ももはや概要しか覚えてない…。
『夏空白花』
敗戦後、夏の野球大会(今は高校野球だけど当時の学制としては中学)の復活のために動く、新聞社勤務の主人公。
沢村栄治とベーブ・ルースの対決は知っていたけど、てっきり戦後だと思っていたし沢村栄治がそんな状態で戦死していたとは知らなかった…。
事実を基にした創作だけど、実際にこういった人たちが奔走してのものだったろうなと思う。良くも悪くも、望み、望まれ続いた大会。
『東遊記』
殺しきれず封じるにとどまった太古の悪神の甦りを阻止し、完全に滅ぼすために日本を目指す少女と唐の将軍、留学生として来ていた空海と橘逸勢御一行。
んー…やたらと史実との統合性に気を払っているところや、逸話をせっせと盛り込んでいるせいでかあまり話に動いた感じがなく…。活劇を期待して読んだだけに、あまり面白いと思えたなかったなー。
話は明らかに終わり切っていないから続くのかもだけど、私はもういいや。
『最後の晩ごはん かけだし俳優とピザトースト』
今回のゲスト幽霊、何かもう、がんっときてしまった。なんだろうなあ…。
海里は、なんやかんやで区切りをつけられて良かったなあ。優しいようで厳しい言葉を、感情のままではなく伝えられたのは良かった。やっぱり、どんな風に伝えるかで届くかどうかってあるからなあ。怒鳴るのの何が駄目って、怒鳴られたり喚かれたりの、そういうことへの萎縮が先に立って、言ってる内容がなかなか入って来ないってところだし。
『京都寺町三条のホームズ』十冊目
予想通りに、甘く収まった(苦笑)。そしてわざわざ断り書きがあって何事かと(笑)。
『あやかし行灯』…「九十九字ふしぎ屋商い中」三冊目
ようやく(?)、冬吾のことも何かがわかってくるような気配。はじめの話、おとっつぁん活躍!(笑)
幼い子にあってさみしいのって、きっと忘れるんだろうなあ、覚えてないだろうなあ、というそこだよなあ…と思ったり。
『マトリョーシカ・ブラッド』
五年前に失踪した人が埋まっている、との連絡を受けて掘り出せば何故かマトリョーシカとともに埋められていた。そんな事件を皮切りに、過去からこぼれ落ちてきたあれこれ。視点人物は、二人の刑事。
うーん。この人の小説、警察組織への不信が強いけど何かあったのかな…。
『見た人の怪談集』…アンソロジー。
佐藤春夫の「化物屋敷」を読み返したくて。
そして題名から、実話怪談かなーと思ってたら、多分そうでないものもそうなのもある感じ。
泉鏡花…朗読したらいいのかなあ、文体が独特すぎて全然物語が頭に入って来ないのだよなあ…。
『幽冥食堂「あおやぎ亭」の交遊録』
小野篁が出ていると聞いて(苦笑)。
主人公は表紙右の茶髪青年で、篁さんは左の黒髪の人。主人公のふんわりさ加減が、何と言うか…微笑ましい…?
物語のバランスが悪い気がするけど、シリーズ化前提で初めにインパクトを、と盛り込んだせいなのかな。
正直、物語展開はそれほど好みではないのだけど、キャラクターとか設定とかは好きなものも多いから、次も読んでみよう。
『クローバーズ・リグレット』三巻
完結…と言いつつ、いやこれ続編ありでも全然問題ないよね…? 作者も書きたいみたいなこと書いてるし、まだまだ読みたい…。
それにしても今回、今まで以上ににやにやっていうかじたばた(笑)。誰も彼もかわいい…ゆるっともふっとな小動物も込みで。
かなり遊んでいるのに、サバイバーズ・ギルドの件を変わらず置いているように、突いてくるところは突くなー。好きだなー。
『火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿』
ネットの炎上案件を解決する、というか、ネット万事屋(他に振れるものは案内して、無理ならこちらに、というスタンス)の人とそれにかかわって助手になった青年と。
ネットスラング苦手なのと、作者の想定している対象年齢からずれて「おばちゃんついていけんわー」状態なのか、台詞回しは苦手だけど、物語自体はまあそこそこ。もうちょっとゆっくり展開のが良かった気はするけど。
そして続くっぽい?
語り手の過去は、読者には知れてるけど他の人は知らないのかなー。知ってそうな気はしなくもないけど、どうなんだろ。
『C.S.T. 情報通信保安庁警備部』1巻
プログラミングに詳しい人が書いたのかと思ったらそうではなかったところに吃驚…。ペンネーム秘話に噴く。
もうちょっと組織とか班としての動きがあった方が面白かったかな、とは思うものの、まあまずまず。
主人公…最低な男だけど、主人公視点で見ちゃうとそうも断罪しきれないのがなー。ずるいよなあ。
『C.S.T. 情報通信保安庁警備部』2巻
発端は些細と思いきや…の、ストーカー事件。
浅井君、連絡先のそれはちゃんと渡してあげよう、出来れば知らんふりして…ってしそうにないキャラクターだよなあ(苦笑)。
予言の人には突っ込まないかー。トリックがあればまだましなのにねえ…。
『『C.S.T. 情報通信保安庁警備部』3巻』
ライバル二人が親睦を深める巻(違)。
しかしまあ、彼は気の毒だったなあ…あとがき情報による、そもそもは主役の片割れだったはずっていうのを知るにつけ。まあ、内面描かれなかったからあまり肩入れできずに終わったキャラクターなのだけど(苦笑)。
結構好きだったけど、もっと全般的にキャラクターの掘り下げがあれば、読者ついたかと思うともったいない気がする。まあ元から三部作構想くらいだったようだけど。
でも、主役二人じゃない人たちが主役の短編集とか読んでみたかったな。
『かわうそ堀怪談見習い』
んんんんんん…? 連作の怪談話かと思ったら、なんだかよくわからない…。読み終えてからも、首を傾げてしまった(苦笑)。
雰囲気は好きな感じ。
『合邦の密室』…文楽と過去に起こった事件と親子の話。
途中で助手が変わるのはいいけど…その交代、気の毒というか…芸能の人としてとても気の毒……。
案外読みやすかったし面白かった。東京オリンピックや大阪の博覧会がとても華々しく光ったのは、それだけ世情が暗かったからだよ、という話でもある。
『ヘンな論文』
変わった論文を選んで掲載…かと思ったら、かいつまんで、突っ込み入れて概要を紹介してくれてた。
わかりやすいし面白い。あくまで真面目だろうからこその面白さ。ラジオ放送で紹介したもののようで、そこから作者自身から反応があった、なんて楽しいことも。
…それだけに、最後の湯たんぽが…。楽しくて、これ充分に本にできるよね、出てないかなあ、後で調べよう、とわくわくしながら読んでいた顛末が…酷い。伊藤さんの湯たんぽの本、読んでみたかった。
『本を愛しすぎた男』…稀覯本を盗む男と、捕らえさせようとした古書店主を中心にしたルポ。
泥棒男、取材を始めた時点では詐取の方が正確。アルバイト先から客のクレジットカードの番号を大量に盗み、それを使って色々と手に入れていたようで。図書館からも盗んでいた疑いあり。
この泥棒男が、直接会えば人当たりの良さに騙されるのかもだけど、ただ文章を読む身としてはその精神構造が理解し難い。何ふざけたこと言ってんだ、と。
もうちょっと、古書店主たちの話の方が読みたかったなあ。
『LABS 先端脳科学研究所へようこそ』
脳内のイメージを外部でも映し出せる装置の開発に被験者として参加した主人公。そこで同じく被験者の女性に一目ぼれして、研究にがっつりと関わっていくことに。
うーん。あまり合わず。せっかくの技術だけど、わくわくすると思えなかったのが大きいような…。
ところで『神様のパズル』読んだことがあるけど、シリーズ化してるとは知らなかった(著者略歴情報)。
『片想い探偵 追掛日菜子』…推しのためにと事件の解決を図る女子高生と、その兄(巻き込まれ)の短編集。
推しが好きすぎて、「迷惑をかけない」をモットーにしながらも物凄い行動力と技術力(?)でデジタルにもアナクロにもストーキングをする女子高生。彼女の推しは何故か事件に巻き込まれ…。
なんやかんやで、短期間で推しがころころと変わるという。しかしその都度、物凄い熱量を注いでてすごい…感心するやら怖いやら。こんな身内は嫌だ…(苦笑)。
『片えくぼ』…「新・知らぬが半兵衛手控帖」五冊目
胃痛の話、まさか病死でシリーズを終えるのかとドキドキしてしまった…無駄な深読みでよかった(苦笑)。
お坊さんとか、また出てきても面白いだろうなと思うけど、このシリーズ、あまり準レギュラー以外の再登場がないのがさびしいところ…。
『世界の水の民話』…世界各地の水に関わる民話を集めたもの。
世界各地、と括るには、ヨーロッパとアメリカが多いかな? 島国は水の民話には事欠かないと思うのだけど、そのあたりがあまりなかったなあ…。あと、わざわざ日本民話の会がかかわっているのに日本の民話を敢えて省いているのも少し残念。
まあそれはそれとして、色々とあるし色々とあるのに地域が離れていても似たような話があったりで、面白い。
しかしこれ、シリーズもののようだから、シリーズ一覧あるかと思ったらどこにもなかった…。何かいろいろと惜しい…。
『クローバーズ・リグレット』1巻
再読。
はじめに読んだときは全く気に留めなかったけど、微妙にコヨミのバックグラウンドもあるっぽい書き方がされてる…? 高校くらいまで資産家のお祖父ちゃんがいたとか、何かできることがあったはずなのにやらなかった過去があるっぽいとか。賑やかし要因と思ってた…し、あとがきで、そもそもちょい役のつもりだったとか書いてるから。えーこれもっと掘り下げられたんじゃないのー。読みたいなあ。
そして、出会った当初は本当にお互い(少なくともナユタは)恋愛対象と見ていなかっただろうところに改めてにやにや。
『甘葛煎再現プロジェクト』
古代、貴重な甘味の一種としてあった甘葛煎。しかし製法も実態も、江戸時代にはすでに失われていた。その再現を目指した奈良女子大学での活動報告書籍。
本書でも何度か触れられているけど、「趣味どきっ」という番組で見て気になっていたので、まとまったものが読めて嬉しい。
四章に分かれていて、一章は甘葛煎そのものについて、二章が再現風景、三章は科学的な成分分析、四章は古代の菓子について。付録で、甘葛煎研究の第一人者の方の講演再録。
書き手は複数なのに印象が揃っていて、一丸となって取り組んでいた様がわかるようで面白かった。
『クローバーズ・リグレット』2巻
再読。
返す返すも、くらげさんが生きていれば…。いや。まあそうすると、お父さんの状態の発覚が物凄く後になっていたか犯罪組織(?)のなんやかんやに巻き込まれてクラゲさんもろともに闇に葬られていたかもだけど。
消せないフレンドリスト、わかる。きっと、事実を知っても消せないままだと思う。
それにしてもコヨミの、「年金搾取?」発言に笑う。うん、頭の回転早いよね…(笑)。
『怪異十三』…国内篇が七本と海外篇が六本で十三本+編者の自作のアンソロジー。
岡本綺堂は、やっぱり何と言うか、文章に過不足がない感じだなあ…凄いなあ。
「佐門谷」が好きで、やっぱり怪奇よりもミステリのが好きなのかなあ、と思ったりも。
『怪奇編集部『トワイライト』』
異質なものが見える大学生が、それと知らずに怪奇現象(UMAなども含め)を扱う雑誌編集部でバイトを初めての話。
全て(?)を知る幼なじみもついていて、バイト先の人たちも、変わってはいてもいい人ばかりだしで、読んでいて気が楽。軽いノリで読みやすく。イラスト描いてる高山さんが漫画化したらかなり楽しそう…(ないだろうけど)。
しかし、幸運グッズのあれは作成元が凄いのか、主人公が増幅器にでもなってるのか。
この作者、平安時代が舞台のものは少し合わなくて離れていたけど、この感じは楽しい。
『招キ探偵事務所 字幕泥棒をさがせ』
新作映画の字幕が違うものと入れ替わっていた、というところから始まる謎解き。
色々と回りくどい(主人公たちが)けど、まあ、いつもそんな感じだし…。それなりには面白かった。
気になるのは、先生、ちゃんと暮らしていけるだけの収入あるの?ってところ(苦笑)。
『英国怪談珠玉集』
重い(物理的)。32編収録で、読みごたえもたっぷり。
「人殺しのヴァイオリン」「青の無言劇」「蜂の巣箱の傍で」「コーニー・コート七番地B」「彼等」「名誉の幽霊」が好き。
曖昧な終わり方というか、さあ後は考えて(わかるでしょ?)という感じの幕引きが多くて、英国っぽい(偏見)。
『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』
イギリスの熊たち…かつてイギリスにいた、熊たちの話。虚実入り乱れ? 虚のみ? なんとも、妙な感じの八編。
熊たちに背を向けられたのは、きっと本当はイギリスだけではないんだろうな。
挿絵がまたいいなあ。
イギリスにおける熊のことをざっとまとめてくれているので、あとがきを先に読む方がわかりやすいかも。
『妖精のスープ』
教室に友達がいなくて、家では幼い妹に母親を占領されているようで、居場所がないと感じる主人公。森で妖精を見かけて、スープ作りを教わって、自分の立ち方を見つけていく物語。
といっても、超常現象的な何かがあるわけではない。何気ない書きようなのに、何度か、泣きそうになってしまった。遣る瀬無さとか当て所なさって、程度の差こそあれわかるから。
森さん、一般文芸と並行して児童書の新刊も出るのって、何かいいな。
児童書群を出て他の本も読むようになった時、そちらの存在も知って読み始めたら、嬉しいだろうなあ。
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