虚言帳

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2004.12

2004 年 12 月 1 日 うわもう?!

 先生が走る時期ですよー(何か間違ってるから)。
 
 ああもう、年の瀬ですか。
 年始年末は結構好き(大掃除とか。普段からやればいいのに)なのだけど、気ぜわしいというか・・・今年は、それが気分だけではなさそうで厭な感じです。
 そんな十二月。ちなみに、レポート提出予定は明後日です(没)。

 別件のレポート(これの提出は来週だからまだ余裕がある。簡単だし)が、児童書を四種と漫画を一種読んで、紹介文とそれを選んだ理由を書くというもの。
 とりあえず私は、「戦い」というテーマ(テーマが幾つかあります)で、『水色勾玉』『僕の稲荷山戦記』『モモ』『トニーノの歌う魔法』『封神演技(漫画)』で行こうかなと考え中。・・・今日の学校の帰り、友人に話したのと少し変わってるのだけど(笑)。
 本を選ぶのは、今までに何冊も読んでいるから、どれにしようかと選ぶだけでした(笑)。簡単簡単。問題なのは紹介文だけで、まあそれもなんとかなるでしょう。
 そして、友人は「魔法」のテーマに決めたらしいのだけど、それで『魔法戦士レイアース』書くから貸して、とメールがありました。
 因みに、私が持っているのははじめに出た形で。新装版の小さい方ではなくて大きくて。六冊と言えども、重いです。一気に持っていく必要はないとしても、分けても重いものは重い。
 はっきり言って、持って行きたくない。
 それが、読んだことが無くてと言うなら、多分持って行ったでしょうとも。どんなのやったか忘れた、と別の友人が言ったときにも持って行ったし(これで、既に一度大学に持って行ってるし多分そのときにその友人にも貸した)。
 その友人が、下宿しているから、本をあまり選べないというのも判る。だけど、重いのだけど?と既に、メールで送りました。それでも貸してくれといわれたけど。「魔法」で、私も、他に浮かぶ候補は少しだけです(そして長い)。
 だけど、人に迷惑かけるなら他選べ、とも思うのだよね。
 その上、偏った考えだけども、私も「戦い」で『レイアース』は考えたけど、人によっては絵柄が読みにくいかと、外しました。『うしおととら』もそう。対象が「子ども」というだけだから、男女どちらもだろうということもあるし。
 だから自分で選んだものも、小説は主人公が男の子のやつと女の子のやつと同じ冊数にした。漫画だって、(少なくとも私当時だけど)男女どっちかが手に取りにくいっていうのは避けた。
 ただの課題なんだからどうでもいいと言えば、それまでだけど。実際、他の人がどれだけ適当にしていても、自分でどんなに適当にしようとも、それはいいと思う。他の人を巻き込まないなら。
 普段、漫画を貸したり(そして時々借りたり)しているから、というのもあったのだろうけど。だけどあれは、面白いと思った本を読んでもらって共感してもらう(と言うか布教?)とか、借りるお返しに貸すとか、そういうもので。
 これで、この友人が普通に外出できるようなら(諸事情で、あまり一人での外出はできない)、「古本屋で買うか立ち読みしろ」と、持っては行かないだろうなあと思いました。間が悪い。
 重い荷物持ってると、電車、座れるならまだいいけど、立ってると物凄く疲れるのだよね。下宿していて自転車で数分とは違うのだよね。
 とまあ、明日、やはりいくらかは言うだろうけど、全部言ってあれ以上友人の症状を悪化することになってもあれなので、ここでいくらか息抜きを。
 
 まあ、あれだなあ(指示語が多い)。
 明後日提出のレポート、まとめの糸口は見えてもその先が見えないってのでいらいらしてるのもあります。
 でもだから余計に、間が悪いのだよなあ。
 
 余談ながら、今までで私がきれた(自己制止が効かず怒った)のは、覚えているのは二度程度です。
 一度は中学時代で、言ったことの筋が通ってなかったというのが印象に残っていて、物凄く気持ち悪い。子供だったのだなあと思います(中身が)。その場にいた二人、忘れてくれているといいのだけど・・・。
 もう一度も中学時代で、これは、父が先にお風呂に入って、そのまま中で寝て何時間か出てこず、おかげで翌日物凄く眠かった(風呂に入ってからでないと寝る気になれなかった)という件ですか。怒って色々と言って、「もう二度と先に入るな」と言って、今でも、それを守ってくれています(笑)。
 それ以降は、多分ないはず。
 どうせなら、にっこり笑って怒ってる人の方が怖くて面白いと思うのだけど。絶対零度の微笑み?(笑)

 ええと、そんなわけで今日も連載はなしで。多分、明日もないのじゃないかと思うけど・・・。
 今までの分のページはつくってあるので、ここにリンクを貼っておきます。・・・物凄く読みにくいけどね・・・。
 これは、ただそのままコピーしただけで、全体の手直しは、全て書き終えてからです。
 → 日記連載過去記録

 突然だけど、今見ていた歌番組で「さくら」がかかって思った。
 もし卒業式で、この曲が、歌声入り(物凄く上手か本人)で流れたら、泣くだろうなあ。
 今まで三度の卒業式で、式そのものに泣いたことはないし、上記の状態でも、やっぱり式そのもので泣くのではないのだけど。歌詞が、やはり。
 小学校の卒業式で、式の後、みんなで写真を撮っていて泣きそうになったのは、式の前に担任の先生が言った、「もしここにいるみんながもう一階集まったとしても、それは今とは違う」ということが、ようやく呑み込めて、それでだった。
 だから多分、泣くだろうなあ。・・・卒業式で、あのCDを流してくれるなんてことないだろうけど(笑)。

2004 年 12 月 2 日 まあとりあえず

 提出分のレポートは終わった・・・てか終わらせた。
 ほぼ書き殴りなだけに、先生が読んだ後の反応が怖いです。おそらく卒論の叩き台になるから、きっちり突っ込まれるよ、そのうち。うはあ・・・。

 そして、昨日はそれがまとめられるか本当に疑問だったのです。そんなものだから、件名が「竜を連れできてくれ」なんていう間抜けなものじゃないかとびくびくしていたのだけど、それは友人宛のメールでした。良かった。
 いや、竜ねえ。
 今回、資料を読んでいて思ったのだけど、竜って喋り出すと間抜けになってくるのだよね・・・道化役になってくるというか。喋らないときは、象徴というか、回り(人)が持ち上げてくれるのだけど。
 口を聞き出すと、人と対等かのようで、いくらか落ちているような。

 さてところで、レポートは思っていたよりも少し早めに終わって、来週提出の別件レポートをしようかと思っていたのだけど。
 これなら連載分も書けるよー、と思ったのに。
 結果は、もう眠いから寝ます(爆)。

 そう言えば、メールマガジン、まだ解約してなくて長い間発行していなかったら、「発行しなよー。読者が待ってるよー」というメールが来ました。発行元から。
 うーん、私としても、早く次の予告を出して廃刊手続きを取りたいのだけど・・・。まだ、次の算段が立ってないから、発行は無理です。うう。
 思うに、日記連載を止めて、その調子で書けばすぐなのだよね、きっと。でも、まだ資料読んでないし。
 田舎の感じが出したいから、これはちゃんと読みたいなあ。そもそも、前から読みたかったやつだし。『現代民話考』。
 そんなわけで、次のメールマガジンは多分、土着的なので・・・いけたらいいなあ。血みどろだけど(え)。

 今更な追記ですが、昨日のところで怒ってるやつは、相手側にも仕方ない事情があると十分に知った上で言ってるから、結局のところは我が侭でもあります。
 私の腹の立て所が微妙なのだよねえ、ということで。
 そして、本人にきっちりきっぱり言ったからもうどうでもいい(笑)。二度目はないけど。  

2004 年 12 月 3 日 何事

 昨日、久しぶりに「一日に何人来たか」の記録を見て。少し多くて(ここにしては)吃驚しました。
 何が起きてるのー?
 嬉しいことではありますが。ありがとうございます。

 さてところで、ゼミでレポート提出して。・・・来週に評論するらしいけど。恐ろしすぎだ。
 ゼミが、漢文(古中国文)の購読というものでして。今は、「釈玄照」という、竜が説法を聞かせてくれたお礼に何かするよー、と言って、雨を降らせてくれと頼んだら、勝手はできないけどある人に頼んで弁護してもらえば大丈夫かも知れないから弁護してくれるよう頼んでね、という話(なんだそりゃ)。
 やあ、面白い。
 そのうち、借りているブログででも、その訳文を載せていきたいと思っているのだけど・・・時間が。
 先生の意見に寄りかかっている感じだけど、一応私自身も訳を試みているし、最終的な文章の形は私が書くからいいかなとか。
 そしてそれをもう一段進めて、意訳の感じで小説仕立てにしたいなあと思っています。
 それは、こっちに載せるかブログに載せるかあるいは両方かは未定。
 ここはこうやって、とか考えると楽しい。・・・先生ごめん、ゼミ受けながらこんなこと考えてます(爆)。

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 高柳は、思わず目を逸らした。
「・・・あのさあ。体育、休む必要ないんじゃないか?」
「いくらなんでもばれるだろう」
 憤慨と言うよりも不満げに、奏は高柳を睨み付けた。
 昔ながらのセーラー服で、生地が厚くゆったりとしている。だから体の線は判りにくいし、そもそも制服を着て通っているなら女子だと、先入観がはたらくから気付かれないはず。そう説得されて、今に至る。しかし、体操服だとそうもいかない。
 そう言うが、高柳は、いやいやと首を振る。
「それを言った人は正しい。先入観ってのは凄いもんだぞ。麦茶の入れ物に入ってたからうっかりめんつゆ飲んだってのはよく聞く話だけど、あれだって、匂いカイで気付いてるはずなのに、黙殺しちゃってるんだよな。意識上の盲点や死角なんて、大体が思い込みによるものなんだぞ」
「・・・だから?」
「ここは女子校だ。生徒は、年齢は多少前後しても、みんな女の子だ。そう思ってたら、多少変なところがあったって、そんなはずがないって勝手に打ち消してくれる。案外、ばれないと思う」
「そうか?」
「まあ多少は、細工した方がいいだろうけど。胸には詰め物でもしとけ。で、なるべくジャージ脱がないようにしてればいいし。もうしばらくは、ジャージの子も多いだろ」
 そう言われて、とりあえず検討してみる。
 しばらくの間、そうやって、奏は考え込んでいた。
「とりあえず、考えておく。・・・ありがとう」
 酷く厭そうに言う。後で義兄か行に相談しようと思うが、あっさり高柳の案に賛同されそうで厭だ。しかし、どれだけこの学校にいるかも判らないのに、体育を休み続けるのも不自然というものだろう。
 これ以上話していると、何か墓穴を掘りそうだと、奏は額を押さえた。
「・・・悪い、少し寝させてもらう」
「ああ。カーテン閉めとけよ」
「うん」
 のろのろと、ベッドに移動する。囲む仕切りのカーテンを閉めるときに、高柳が机の後ろの戸棚から、本や書類を引っぱり出すのが見えた。なんだかんだ言って、真面目に仕事をしてるんだろうなと、案外失礼なことを思った。

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 これでようやく、場面を移れます。長かった・・・。
 ところで、改めて養護教諭の資格を調べたら、医学部でもとれるけど、それは看護学科だった・・・。み、未来ってことで(汗)。きっと、医学部が八年生になったときに一緒に改変されたのですよ。
 そして、大学や専門学校で資格を取る場合、別にその後、他のところに通わなくてはならないということはないのでした。・・・はじめにちゃんと読んでおけや・・・。
 そのあたりの本文での書き込みは、きっといつか。

2004 年 12 月 4 日 雨が降る〜

 さっき思い出したのだけど、昨日のゼミで。
 訳文の一つで、私が「わたくしめにできることはありません」と訳した文がありました。原文は「僕之無堪」。読みは「僕の堪ふる無き」。
 その訳を読み上げると、先生が、「ああ、そこはね」と。「無能だから、ですよ。『堪』の字が『能』と同じだからね」
 無能・・・。
 思わず、大佐出て来たよ・・・(by『鋼の錬金術師』)。うわあ、ごめんと思いながら(笑)。

 だけど、大佐は有能だよねえ、本当のところ。あの年齢で大佐だし。中央にいる(移った)し。
 昨日、コンビニでコミック立ち読みしたら、駆けつけるところでしたね。次の巻は大活躍ですよ、大佐。本当に有能なんだー、と思ったものでした。
 しかし、あの漫画は展開が怖い(色々な意味で)。

 ところで今日は、友人と歴史博物館に行って来ました。
 大学で知人からタダ券もらったのさ〜。その子は京都に住んでるから、そのためだけに姫路に行くのもねえ、ということで。今回、料金結構高かったみたいで、得しました。わーい。
 しかし、もらった時点で行けそうなのは今日しかなく、展示期間は明日まで。ありがたいけど切羽詰まってるよ!と思いました(笑)。
 「姫君たちの優雅な生活」という展示(多分)で、徳川分家の姫君や奥方の身の回りの品など。
 物凄くきらびやかー。全部純金のとか、凄いよ・・・。保存状態も良かったのですよね。
 そしてその中に、丁度、今日の講義(中国文学・今は白楽天)でやった漢詩がありました。「三五夜(=十五夜)中新月色 二千里外故人(=友人)心」という、律詩の中頃。まあ、『白氏文集』って、日本で人気あったしねー。
 それにしても、凄い偶然です。こんなこともあるのかあ。

 その後、雨の中パフェのおいしい喫茶店に行ったら、貸し切り出店に入れませんでした(爆)。
 ・・・そんなこともあるのだねー。

 とりあえず今日は、連載お休みで。レポート準備します。

2004 年 12 月 5 日  本の山

 レポートを書くのに、話の内容は大体覚えているしネット書店の紹介文を参考にしようと思っていたから、本は必要ないやと思っていたのだけど。
 本の中から一文、抜き出して見出しのように付けよう、と思ったものだから、昨日、持っていない三冊を借りてきました。借りられていなくて良かった。
 そして今日、どこを抜き出そうかなあと拾い読みをしていたら。・・・読んでしまうね、やはり。拾い読みのはずが、気付けばしっかり読んでいたり。結局、普通に読むのの半分くらいはかかってしまったのではないかと思います(汗)。
 そんなわけで、明日は漫画の『封神演義』(全二十三巻)を読み返します(笑)。

 ところで、「猫屋」に五本追加。
 最近書いたわけではなくて、わりと前。多分、一年以上は。以前に実施したアンケートの、抽選おまけ用の冊子分に載せたものでした。アンケートに答えてくれた方には、送りました。
 今更(「完結」とも表示してるのに)だけど、なんとなく。並べ方に、特に意味はありません。そのうち、「時間軸」「書いた順」などで並べても面白いと思うけど、前者ははっきりさせてしまうと何か面白くないというのが、後者ははっきりと覚えていないというのがあってちょっとなあ。
 それにしても、載せるために読み返していて。やっぱり好きだなあ、こいつら。と、思いました。彰やロクダイやセイギや。
 仕組みやら何やら、不明瞭なところが大量にありますが、そのあたりは好きに想像していただけると嬉しいです。・・・誰か、この世界観(「猫屋」や「桜の咲く世界」)使って話書いてくれないかなあ。そこまで思い入れてももらえないか(苦笑)。
 蛇足でなく、楽しんでもらえるといいのですが。

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 宿題を終わらせていなかった数学を乗り切って、三時間目は芸術の選択授業だった。
 合唱、合奏、作曲、美術鑑賞、描画、工作、工芸、ダンス、演劇・・・細かい分野に区切られた選択肢の中から、選んだのは行だが、奏の受ける授業は演劇だった。描画にでもしてくれた方が安全なのにと思うが、そう言っても、有能な同僚は微笑するだけだった。
「あれ、君が転校生の? うわあ、ラッキー!」
 ショートカットで丸顔の少女は、面食らう奏にも関わらず、握った手を元気良く振った。結構痛い。
 昨今の主流に洩れず、前期と後期の二期制の剣美学院では、年に二度の発表会が恒例になっている。文化祭とは別に、その日が取ってあるのだ。
 演劇の授業では、今期は、三グループに分かれての発表のようだった。それぞれ一グループが、二十人程度。三学年が合同で行なうため、人数はそれなりに集まる。
 時間割表に書かれた教室に辿り着き、とりあえず近くにいた子に声をかけた結果がこれだ。意味がわからない。周囲にいた生徒が数人、こちらを見ていた。
「凄いねえ、こんな偶然あるんだ! あ、ボク、宮島玲奈。Bグループのリーダーだから、よろしくね。ちなみに演出だから」
「よ、よろしく・・・?」
「こっちもよろしくお願いします、太刀葉先輩。二年の金田です。人数の関係で、先輩は私たちのBグループに入ってもらいます」
 そう、にこりとも笑わずに言ったのは、赤っぽい茶の癖毛を一つにまとめた少女。奏よりも身長が数センチ高く、なんとなく威圧される。
「ちなみに、Aグループはロミオとジュリエットの一部を、Cグループは劇団から台本を借ります。私たちのBグループは、短編小説の脚本化です。本来なら、先輩には、どこのグループがいいかを選んでもらって、そこで裏方をやってもらうことになるはずだったのですが、先日、このグループの役者が一人、入院してしまいました。今期は学校を休むそうなので、できれば、役者をお願いしたいのですが」
 淡々と言いながら、薄い台本が手渡される。緑の表紙のついたそれは、奏も読んだことのある小説だった。登場人物は、五人ほどしかいなかったはずだが。
 ぱらぱらとめくってみると、所々、台詞にマーカーで線が引いてある。それを見て、え、と声を漏らす。
「これ・・・主人公のような気がするけど・・・」
「そうです。もっとも、この台本では、主人公格の役は三つありますから、とりわけ、というものでもありませんが。おいしい役どころではありますね」
「他の人がやった方が」
「他の役者が二役をするのは無理です。そして裏方は、裏方がいいと言っていまして。先輩が断われば、投票になります」
 そう言っている間に始業のチャイムが鳴ったのだが、Bグループは宮島と金田を中心にしているらしく、三人の周囲に十数人が集まってきている。どれも、先程から視線を向けていた生徒たちだと気付く。見る目に、期待が込められている。
 教師は来ないのか、と思うが、指導役は、今は他のグループを見ているらしい。
「だけどねえ。たっちー美人だから、まずきまりだね。見栄えいいしやりたくないし。決まり決まり」
「えっ、そんな?!」
「ダメ? どうしても、ダメ?」
「う・・・」
「ダメ?」
「・・・いいよ」
「やたーっ! 決まったね!」
 はじめから決まっていたじゃないか、と、奏は心の中でだけぐったりとした。引きつった笑みを浮かべる。
「だけど、演技力にまで責任は持てないよ」
「ちなみに、敵対する社長役は私です。よろしくお願いしますね、太刀葉先輩」
 そう言って軽く、金田は頭を下げた。

2004 年 12 月 7 日 日付偽ってます

 朝に一本と帰りに一本と、映画を見て帰ってきたら十一時。
 メールだけ見て、あとは日記書いてとっとと寝ようと、と思っていたら・・・なんとなく、別サイト(どうやらブログらしい)の整理を始めてしまってもう一時。睡眠時間・・・。

 とりあえず、「ハウルの動く城」と「笑いの大学」と、両方面白かったです。どちらも、パンフレットまで買ってしまった。
 詳細感想は明日ということで。
 そんな状態なので、連載も休みです。しかし私は、演劇を出したがるなあ、どうも。

 ところで、猫屋を読み返していて(今日読み返したわけじゃないけど)思うこと。
 私は、当然死んだことはなくて。近しい肉親の死すら体験していないのに、ああいったものを書いていいのかとか。
 体験していないと書けないとか、そういった体験がないと経験が浅いとか、そんな馬鹿げたことを言うつもりは毛頭ありません。それは、「お前に俺の気持ちはわからないと」と言うのと同じくらいに馬鹿げたことです(想像はできても、違う人間なのだからわかるはずがない。全く同じ状況になったところで、抱く感情は別物のはず)。
 だけど、ああいうものを書いて、それに近い体験をした人は、どう思うのかな、と。
 死にたいとは思っていないのに、「死にたい」と騒ぐような、そんな不快感を与えるのではないかなと。
 連載の主人公の奏は、両親を亡くして、姉も亡くしています。だから不幸だ、とは思わないけど、似たような境遇であれを見たら、どう思うだろう。
 ふと、思います。
 きっとこれは、明確に答えを出せはしないのだろうけど。
 そして非難されたら、私はどうするだろう。

 ・・・そろそろ、寝ます。

2004 年 12 月 8 日 今日は何の日

 昨日、思い立って別サイトの日記(これがどうやらプログになっていたらしい)の整理をしたら、それが全て「更新」として発信されたらしく、訪問者数が見たことのない数字に・・・。さすがに、三桁はいっていませんが。
 何か、詐欺をした気分だなあ・・・。

 今日は、友人と会ってきました。スーツを見るのに付き合ってもらったはずなのに・・・成人式前と同じように、先に、探している張本人が飽きてしまいました(爆)。
 そして、三宮の駅で落ち合って、姫路の駅前をぶらぶらとしていたのですが。
 会ってすぐに、「合わない先生(むしろ「人」か?)っているよねえ」という話で盛り上がりました(笑)。でもだって、いますよ。
 とりあえず、元気で良かったです。お互いにね(笑)。

 映画。
 「ハウル」は、原作が好きだから心配だったのだけど、別物として面白かったです。
 原作とは違っていて面白い、というのが、私のアニメ化や漫画化、映画化の理想型で。合致していて嬉しかった。
 そして、カルシファーやヒンが、すっごく可愛くて。映画観ながら、実は密かに「かわいい、かわいいっ!」と、声を殺して叫んでいました。友人はともかく、逆隣の人に聞こえてないといいけど(汗)。
 観た後、友人と「倍賞千恵子凄い!」と言っていました。十八歳から九十歳・・・凄いよ。さくらだよ(←寅さん)。
 とりあえず、「弱虫弱虫」と、原作でも盛んにあったハウルの弱虫っぷりが、ようやく実感できました(笑)。
 「笑いの大学」は。どうして三谷幸喜の作品って、優しく笑えるのだろう。
 前々から繰り返していることだけど、「上質のコメディー」って言うと、この人を思い出します。真面目だから、それが傍で見ていると面白い。馬鹿にしてじゃなくて、ただ、素直に面白くて。
 役者さんたちも上手で、見せ方も上手くて。
 笑えるのに、それがそのまま哀しくなるっていうのが痛い。そんな意図があるのかは知らないけれど、やっぱり、戦争なんて厭だと思う。
 椿一は、本当に物凄いと思う。

 ところで、今日が何の日か。朝に新聞を読んで、そうだったと、思い至りました。そんな自分が情けない。
 ジョン・レノンや力道山が刺された日、でもあるらしいです。
 真珠湾攻撃の日。
 終わりの日は覚えていても、始まりの日は覚えていないなんて。攻撃を受けた日は覚えていても、攻撃した日は覚えていないなんて。
 よくある話だけど、それで終えていいはずはないのだよなあ。

 「めだか」。
 昨日、映画を観に行って観れなかったために、ビデオの録画予約をしていて、今観ています。
 夜間高校の話で、生徒の一人が難関の大学に行きたいと思っているのだけど、模試判定は九パーセント。成績は、そう悪くはないのだから他を受けるように指導しろというのが学校の方針。
 進学率を上げろということです。
 ハッピーエンドとは限らないけど、全体的に甘い(緩い)展開の話です。だけど、疎ましくはないです。
 「停滞していたところに何も(恐れを)知らない新人が飛び込んで前向きに変わっていく」というのは、今やフジテレビの定番だと思うけれど、それが力強いのは、やはり求めているからなのだろうなあ。
 そして、こういうのを観ると、先生たちはどんな気持ちで進路指導をしてくれたのかなーと、考えてしまいます。高校の担任は、部活の顧問でもあって。幸いにも、好きな先生でした(ちなみに、私が今の大学にいられるのは、このときの担任とクラスメイトのおかげです)。
 
 ところでこのごろ、「めだか」のドラマの主題歌「正夢」を、有線でよく聴くのだけど、その前後にT.Mの新曲を多く聴く気がするのは何故だろう・・・。
 今日入った喫茶店で、「メリッサ」が流れてました。思わず、聞き耳を立ててしまった(笑)。


 < メッセージありがとうございます >

6日21時頃の方
 学生さんですか。学生には学生の苦労がありますよね・・・色々と。本当に。

8日23時頃の方
 それが良いことで、不幸を望んでいるわけでは勿論ないのですが・・・。
 生きていれば、長ければ長いほど誰の死も体験しないということはないのだけど、それでもどうなのだろうと、思ってしまうというだけのことです。
 ご助言、ありがとうございます。


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 そして、すぐに顔を上げると、宮島を見た。
「それじゃあ、始めますか?」
「だね。はいっ、てことで解散〜」
「え?」
 これからじゃないのかと、意外に思って声を漏らすと、奏とほぼ同じ目線で、宮島がにこりと笑った。
 集まっていた数人は、安堵したようにして、台本を広げて本格的に座り込んだり、ノートを広げたりしている。
 困惑して、問うように見返した。にこりと、やはり微笑み返される。
「たっちーは、とりあえず台本読んでて? 見られるなら見ててもいいけど。一回目は、ボクが代わりにやるから。あ、その間に衣装も終わらせといてね」
「りょーかい」
 応えたのは奏ではなく、別の生徒。大学ノートを持って、奏を手招く。
 とりあえず大人しく従って近付くと、古風な眼鏡をかけた少女は、小首を傾げるようにして奏の全身を眺めやった。
 思わず、身を固くした奏に気付いてか、はっとしたようにして、何度もまばたきをした。
「あっ、すみません。中部三年の、久木です。衣装担当です、よろしくお願いします」
「チューブ・・・?」
 随分と前から活動している、兄がよく聴く音楽グループが思い浮かぶが、そんなはずもない。久木は、一度驚いたように目を見張って、ああ、と、小さく肯いた。
「中等部です。略して中部。たっちー先輩は、転校したばかりなんですよね、すみません」
「たっちーって・・・」
 それは、宮島に有無を言わさずつけられた呼び名ではなかろうか。定着なのか。くらりと、奏は架空の頭痛にめまいを覚えた。
 少女は、ノートをめくった。
「近未来劇ですから、持ち寄って済ませようと思ってるんです。たっちー先輩の役は、食品安全管理局の職員・・・役人みたいなものですから、スーツを用意しますね。シャツはありますか?」
「スーツも、借りられるよ」
「男物ですよ?」
「うん。兄がいるから」
 嘘ではない。しかし、この場合、スーツは勿論、自分のものを持って来るつもりだ。
 それじゃあと、少女はノートに書き込みながら言う。
「黒でお願いします。シャツは・・・水色で。ありますか?」
「ごめん、シャツは。白ならあるんだけど」
「じゃあ、それは用意しますね。ネクタイも、こちらでも用意しますけど、あれば持ってきてもらえますか?」
「うん。何本くらい?」
「できれば、あるだけ。実際に合わせてみて、いいものにしようかと思ってるんです。あっ、革靴もありますか? ヒールなしで」
「ああ・・・それも借りるよ」
 借りるも何も、それも自分のものなのだが。
 少し不思議そうに、久木は首を傾げた。
「お兄さんにですか?」
「うん」
「サイズ、合いますか?」
「あ・・・うん。ほとんど、体格変わらないから」
「へえー。凄いですねえ」
 実は冷や汗をかきながら、うんそうだね、と、奏も相づちを打った。
 しかし訝しむこともなく、久木はノートを見直した。少し覗いてみると、それぞれの役の衣装イメージが書いてあるらしかった。
「それじゃあ、スーツと靴とネクタイ、お願いします。学校に置いていてもいいなら、来週にでも持ってきてください。一応、専用のロッカーはあるんです。鍵もついてるんですけど、不安ならそのうち」
「それじゃあ、なるべく来週に持ってくるよ」
「お願いします」
 そう言って、久木はノートを閉じた。

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 ところで、これに出てくる台本の原作は『品種改良』という、田中芳樹の短編です。
 今日題名を出すつもりだったのだけど、そこまで行くと少し長すぎるかと・・・。そして、明日書き出したら、題名が出ない方向に話が流れていくかも知れないのだけど(笑)。

2004 年 12 月 9 日 本を抱えて

 朝から、図書館に行って来ました。今日の講義は一時間だけで、休みだったので。
 講義の予習参考に借りた本が二冊と、ゼミのレポートに使ったのが一冊、講義のレポートに使ったのが三冊。それと、今日が返却日だけど読めてなかったのが二冊。
 そうして、未読で再度借りたものと、予約していた一冊は措くとして。更に三冊、借りてしまいました。・・・今、三冊既に借りてるのに・・・。
 凄く、返却期日までに読みきれる自信がありません。どうしたものか。
 えーっと・・・しばらく、読書に没頭します。一部、試験とかあるのに(汗)。

 それにしても、本を八冊入れたカバン。床に置いたら、鈍い音を立てまして。
 ・・・「鈍器の出来上がり」と思った自分が何だかなあ。

 ところで、図書館のことを考えていて、ふと、子供のときって、こんなに追われるようにして読んでなかったよなあ、と思いました(楽しんでやってますが)。
 それだけ借りられる冊数が少なかった(数年前まで、上限四冊で。今は、六冊になった上に父のカードも使ってる)というのもあるけど。
 違いはどこだろうなあ。睡眠時間が減ったあたりでしょうか?
 しかしとりあえず、これだけ本を読んでいるのも買っている(借りるのに比べたら微々たる量だけど)のも、図書館がなかったらないだろうなと、思います。
 凄いなあ、図書館。

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 じっと見つめられて、奏は首を傾げた。それに気付いて、誤魔化すように笑う。
「あっ、終わりです。どうぞ、読んでください、台本」
「うん・・・?」
 開いて眺めるが、やはり、見られている。まさかばれてはいないよなあ、と思いながら、ざっと目を通した。
 演じやすいようにか、二役が女に変わっているだけで、あとは大体、奏が読んだものと同じだ。説明まで台詞で言うため、長いものもあるが、大体は、短い会話で成り立っている。全くの門外漢だが、そこそこいいのではないかと思う。
 奏が、この台本の原作を読んだのは、高校生の時だった。
 学校の近くに立っていた、今時珍しいような、いかにもな古本屋で、何気なく取った一冊だった。数十年前に発行されたものと知って、古びていない内容に驚いた覚えがある。今でもその文庫は、二度の引っ越しに付き添って、奏の本棚に並んでいる。
 久々に、帰ったら読み直そうかと考えて顔を上げると、久木と目があった。
「何か、ある?」
 目が合ってしまった以上、無視するのも如何なものかと、穏やかに訊く。久木は、ええとと、俯いて言葉に詰まったあとで思い切ったように顔を上げた。眼鏡が、少しずれてしまっている。
「役者、受けてくれてありがとうございます。万が一回ってきたらどうしようって思ってたんです。あたし、一対一なら平気だけど、大勢の前って、ダメなんです。それに」
 ここでまた躊躇って、しかし、笑顔になる。
 笑うと随分可愛らしくて、奏も、つられて笑い返していた。だがそれも、次の言葉を聞いて固まった。
「たっちー先輩、美人だから。きっと、すっごく評判になりますよ。男役だから、余計に」
「・・・そ、そう」
「絶対そうですって。ミッキー先輩には悪いけど、たっちー先輩の方が、絶対いいです」
「・・・ミッキー先輩、って?」
 命名者はやはり宮島だろうかと思いつつ、脳裏に、有名な擬人化ネズミが浮かぶのを止められなかった。少し、由来が気になるところだ。
 久木は、明らかに「しまった!」と言うように、口元を手でおおった。不思議に思った奏が促すと、気にするように練習している金田たちを見て、ちらりと、奏に目線を戻した。
「内緒にしてもらえますか?」
「うん。口は堅いよ」
 そう言うと、安心したように、共犯者めいた目線を寄越す。間違っても、この子には秘密を漏らさないようにしよう、と心に決める。
 ちなみに、姪の夏雪曰く、内緒話の七割方は、どうでもいいような内容らしいのだが。
「ミッキー先輩って、禁句なんです。いきなり入院して、パニックだったから」
「だけど・・・それは仕方がないんじゃあ・・・」
「そりゃあ、事故や病気なら別ですけど」
「違うの?」
「中絶らしいですよ」
 さらりと言われた言葉に、奏の方が動転した。思わず、下手なことを口走らないように唇を噛む。
 久木は、奏の反応に気付かずに、わずかに冷笑を浮かべた。
「遊んでたらしいから、不思議じゃないですけどね。親は知らなかったみたいですけど。それで大騒ぎして、学校はしばらく休みなんです」
「・・・それはまた・・・」
「あの人、嘘は上手いから。ショックを装って学校さぼってるって、噂です。それで代わりがたっちー先輩なんて、ラッキーです」
「そ、そう?」
「はい。役者、頑張ってくださいね。楽しみにしてます」
 そう言って、まるで無邪気に、久木は笑った。

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 うー・・・こういうのを、容易く扱うのはあれだけど・・・。
 しかしとりあえず、噂って残酷なものです。

2004 年 12 月 10 日 単純上等

 今日のゼミは、ゼミらしかったです(笑)。
 レポート(おそらくは卒論の下敷きになる)の短評ということで、物凄くどきどきしてたのだけど、誉め上手でした、先生。
 「こうした方がいいんじゃないか」ということは言われるのだけど、「これは駄目」だとかいうことは仰らず。「よく調べてる」と。
 単純だから、私は、「じゃあ、もっと頑張ろう」と思いますよ(笑)。

 ところで、朝会った友人に。
 「何か溜め込んでない? 大丈夫?」と言われました。ここを読んで、心配してくれたようで。当人は、「え、何かやばいこと書いてたっけ・・・?」と思ったのですが(爆)。
 ええまあ、荒れていた内容の時がありましたねえ。←喉元すぎれば熱さ忘れる
 だけど、ここで愚痴ってれば大丈夫。ここで愚痴れなくて、誰にも言えないときには厄介なことになると思うけど。だけどまあそれも、適当に書き散らしてたり本読んでたりしたら、消えるのが大体だし(逃げ?)。
 うーん。つくづく、ここってストレス発散の場だったのだね・・・(苦笑)。

 さて、明日は、本店が名古屋の出版社の、説明会(?)に行ってきましす。
 直前まで、出席と応えたものの、メールで出席できなくなったとでもでっち上げて断わりを入れようかとか悩んだのだけども。きっと、採用試験も受けないだろうけど、出版社自体には興味があるので、行くだけ行ってみようと思います。
 今では、少し楽しみ。
 しかし、大阪を一人で歩くのって初めてだよ・・・梅田のセンタービルってどこさね・・・(没)。
 時間はそこそこあるはずなのだけど、迷いに迷って辿り着けなかったらどうしよう(爆)。地図も印刷したのだけど、それでもわからないときには、人に訊いて回ろうと思っているから、きっと大丈夫だろうけど。
 十年やそこら以前は、一人で買い物もできなかったことを考えると、随分な成長です(笑)。
 まあ、楽しめたら良いなと思います。・・・何か、目的が違ってる気がしないでもないけど(笑)。

2004 年 12 月 11 日 迷子の収穫

 行ってきました、会社説明会。
 本やら子供用の教材(楽しそう)がいっぱいで、面白かったー。
 しかしやはり、就職希望は・・・出さないような。出したところでとってもらえなさそうだけど。
 書類提出まで、一月ほど猶予があるから、好きなだけ(期限付きだけど)悩もうと思います。何がしたいとか、まだわかってないよ私。

 ところで、その説明会場に至るまで。道に迷いました(爆)。
 わざわざ、友人(よく梅田に行く)に細かに説明までしてもらったっていうのに・・・。や、友人が細かく説明してくれたところは大丈夫だったのだけど、その後の「多分、行ったら判る」部分で、ほぼ真逆に行っていました(笑)。
 地図印刷してなかったら、絶対に辿り着けなかったよ。そして、「人に訊けばいいや」と思っていたのだけど、はじめの方、地図を見つつ実は反対方向に歩いていたときにかなり行ってしまっていて(実は横辺りを通っていたのだけど)、訊く余裕すらなくなってしまっていました。
 人に訊いて、ゆったりゆったり説明を聞くよりも、地図の建物を虱潰しに探した方が早い(予想)という。・・・盲点(違うから)。
 その途中、300円均一の店の横を通ったときに、ほしかったのに近い帽子を見つけ、帰りに寄ろうと決めたり(笑)。
 なんとか、間に合ったからよかったけど。結構ぎりぎりでした。三十分以上彷徨っていたよ・・・(駅からは徒歩九分らしい)。
 
 そこで買った帽子、飛行機乗りが被ってそうな(偏見)、耳当て状の布がついたもの。
 寒いときに自転車こいでると、冷たくって頭が痛くなるのだよね。耳も冷たいし。
 かといって、帽子を被ると耳あてがつけられないし耳あてをつけると帽子がかぶれないし。
 しかし、「これ被ってチャリ乗ったら変かなー」と親父に言ったら。
「今更、いいやろ」
「・・・今更って何、今更って」
「つい口が滑った」
 親父・・・(滅)。

 うー・・・今日も連載なしで。次を昼食時にするか放課後にするかで悩み中。

2004 年 12 月 12 日 企画っていうか季節ものなだけだけど

 昨日、スーツ(もどき)で学校に行ったら、友人に「夜会服」と言われました。「蝶ネクタイでもついとったら、エスコートされそう」て。
 えー?
 と、思ったのを今朝、思い出しました。遅いししかも何故に朝一(笑)。
 自分が謎です。

 ところで、昨日設置したアンケートだか投票だか。
 企画というか、ただの年始の更新ということになりそうですが。友人知人たちにも、送ろうかどうしようか。年賀状、まだ買ってすらないし・・・。
 「猫屋」や「敷衍遊戯」は自己パロディ(ちょっと虚しい)で、既存キャラで正月だと、多分「終わらない時間割」か「明日の明日」になるだろうなあ。ちなみに、前者になった場合、サイト掲載はあり得ません(笑)。や、いくらなんでもそれはね。その場合は、メールアドレスを入れてもらったら、自動で送られるようにでも設定するつもりです。
 「正月か鳥の話」ってのは・・・何を書くつもりだろう(爆)。と、鳥人間でも書く?
 期限は決めてないのだけど、まあ、クリスマスくらいまでかなー。

 そしていよいよ。
 終わりました、「新撰組!」。昨日の「スマステーション」観てて、この人たちの中では、(違う形で続いてはいても)終わってるのだなあ、と思ったのだけど。終わったなあ。
 十五分延長の一時間だったけど・・・親父が寝ていてくれて良かった・・・(そして母は別室)。
 色々と語ると長いしあれなので、二つだけ挙げると。
 捨助。馬鹿だよ、本当に。大馬鹿すぎだよ。そしてこいつは、考えれば簡単にわかることすらわからないほど、「かっちゃん」が好きで、仲間に、新撰組に入れたことが嬉しかったのだろうなと、思いました。
 左之助。唯一と言っていいほど本当に、最後まで明るくて。辛くないはずも、淋しくないはずもないのに明るくて、それが嬉しかった。最後の木の上からの言葉も、その後も、あまりにらしくて笑えました。笑えた分、哀しかった。
 私の中で、このドラマは決定打だろうなあ。きっと、司馬遼太郎の『燃えよ剣』に並んで、私の中で「新撰組」を形作るだろうと思います。

 ちなみに、ずっと観てないと、本当の面白さはわからないと思うのです。
 どれもがそうだと言えばそうだけど。細かいところが積み重なって、繋がっているから。
 だから、何話かだけ観てみるのをやめたり、所々しか観てなかったら勿体ないなと思います。まあ、会わないとか、通して観ても面白くないと思う人もいるのだろうけど。

 今日の映画は、「戦場のピアニスト」。一月弱前から、「海の上のピアニスト」と勘違いしていたことが、今日バイト先で発覚しました。・・・馬鹿だ。
 あまりにずっしりとくる内容に、見るのをやめようかとも思ったのだけど。宮本さん(主役の方の声をあてている声優さん)の声聴きたさに見通しました。見るとこ(聴くとこ?)違うよ、明らかに(汗)。
 でも本当に。やめてくれ、って思いました。見てて。だけど、ああいう体験をした人は本当に、ずっとずっとやめてくれって、思って、何度も絶望したのだろうな・・・。
 それが、こわいです。

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「謀りましたね」
 押し出された声に、義兄は、すっとぼけた顔をした。困惑しない時点で、既に白状したようなものだ。
 夕刻、事務所での光景だった。奏は一度、行の部屋に寄って扮装を解いている。
「何を言ってるんだ、奏?」
「目を逸らさない、狼狽えない、わざわざ名前を呼んだ。呆れるほどに判りやすいですね、義兄さん」
「・・・ばれたか?」
「ばれる嘘しかつかないんだから、当然でしょう」
 冷ややかに睨み付けて、来客用のソファーに腰を落とす。
 この義兄が、いつかはばらす、あるいはばれる嘘か、一生通し抜く嘘くらいしかつかないとは、奏も知っている。今回は、その前者だったということだ。
 そうと知ったところで、腹立ちが収まるわけもなく、向かいのソファーに、水羊羹を持って移動してきた髭男を睨み付けた。
「三木玲於奈、高木妃沙。それ以外に、一体誰の情報を抜いたんですか。依頼者の渡したものを、全部見せてください」
「ほお、もうその二人の名前を聞いたのか。いつもながら、優秀だなあ、奏」
「・・・だから。話を逸らそうとしてるのも、判りやすいです」
「ぬ」
 言葉の後に、わざわざ名を呼ぶのは、誤魔化そうとしているときだ。
 奏は、プラスチックの容器に入った水羊羹をすくい取りながら、溜息をついた。行とは別の意味で、やりにくい相手だ。敢えて分類するなら、高柳と同じ部類になるだろう。
「どうせ、行さんと二人で、報せない方がいいと判断したんでしょう。だけど俺だって、嘘くらいつけます」
「どうかなあ。奏は、すぐに顔に出るから」
「つまみ食いしたときの義兄さんよりはまし」
「ぬ。ここで家庭内事情を引き出すのは卑怯だぞ」
「タヌキ相手には、それくらいしないと効かないでしょう」
 しらっと言って、スプンをかじる義兄を見る。どう言ったところで、本当に必要と判断したなら、一言たりとももらさないだろうとも解っている。
 本当に、喰えない相手だ。
「話を戻すが、その二人は何者なんだ、奏?」
「飽くまで噂ですけどね。高等部の三年と二年で、どちらも中絶したらしいですよ。三木玲於奈は休学中で、高木妃沙は普通に通っています」
「ふうむ。嘆かわしいが、珍しいことでもないな」
「・・・わかりましたよ。大人しくします」
 深々と溜息をついて、空になった羊羹の容器を持って立ち上がる。
 姉は子宮に難点を抱えており、子供を産むことは無理だと言われていた。産めたとしても、未熟児で、母胎か子供か、あるいは両方が死ぬだろうと知らされていた。それでも、無謀にも出産を決めて、その上生きた。
 奇跡だと、誰かが言った。
 夏雪の名前の由来もそれで、「夏に雪が降るみたいに、奇跡みたいなことだから」と言ったらしい。本人は、それを聞いて「それって異常気象だよねえ」と、照れたように笑っていたが。
 義兄は、強く反対して、姉に説得されたのだった。その内容までは知らないが、説得というよりも、教え諭されたのではないかと、奏は思っている。
 そんな義兄が、あまりに一般的な言葉をさらりと口にするからには、相応の意志が読み取れた。
「それじゃあ、失礼します。邪魔してすみませんでしたね」
「また、後でな」
 飄々と、手を上げる義兄に苦笑して、奏は、プラスチックケースを簡易炊事場の流しに置いた。そのまま出ようとして、思いついて降り返る。
「今日の夕飯は、ピーマンの肉詰めですから。早く帰ってきてくださいね」
「むう」
「好き嫌いは、教育上悪いですからね。たくさん作って待ってますよ」
 にっこりと、ささやかな嫌がらせをして、奏は事務所を後にした。帰りには、ピーマンを買いにスーパーに寄ろう。


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 思いついた物語。
 自殺した友人か昔の恋人から、小包が届く。中身は、手紙とロボットペット。ロボットペットの中は、造り替えられていて、友人(恋人)のデータ。言動が、友人(恋人)そのもので、会話もできる。
 まるで、友人(恋人)そのものが居るようで、しばらくは、普通(しかし異常)に暮らしていく。
 人の人格を丸ごとコピーする、というのは物凄い技術で、発表したら物凄いことになるんじゃなかろうか(門外漢)。実は凄い研究者だった友人(恋人)。
 だけど、それは、学んでも成長することはなく。一切考え(意見)を変えないところで、そのことに気付く主人公。
 そうして、やはりそれは、友人(恋人)ではないと悟る。
「どうして、こんなもの・・・! こんなものつくらないで、どんなのでもいいから、生きててほしかったよ・・・!」

 ふうっと浮かんで、でもきっと、書くことないだろうなー。淡々としてるし。そういった日常を書くのって、意外に難しいのだよね・・・。
 読むなら、非日常ものが好きですから。ファンタジーとか。

2004 年 12 月 13 日 咄嗟に動けるといいよなあ

 何かを、うっかり肘を掠めて落としてしまいそうになったときとか。手が滑って落としそうになったときとか。
 考えるよりも先に体が動いて、受け止められてから、安心して体が強張ります(笑)。
 自転車に乗ってこけたときとかもそんな感じで。一瞬空白があって、気付くと、無事に着地してるのですよねえ。
 ああいうときばかりは、動けることに感謝します。や、普段から、好きに動ける体には、物凄く感謝してるのだけど。
 頭、真っ白になりますよねー。そして、その瞬間を覚えてないのを、残念に思います、いつも(笑)。

 バイト先が、客の入りも減ってきたので、入る日数を減らされてしまいそうです。週二が週一・・・。
 五月頃には確実に辞める人が、週二で入れるならそれまで残って、無理なら二月末くらいまでとなりそうで。その頃、他に二人辞めるらしくて、それはきついということらしく。
 週一だとさすがに、(小遣い稼ぐだけならそれでも十分なのだけど)定期代稼ぐのは難しいから・・・平日に入れるところを探して、土日もと言うなら、今のところは辞める方針で、バイト先を探します(汗)。うあー、面接やだー。
 それは既に、店長(代理)にも言ってあるから、気兼ねはないということで。私は麺もゆでられないから(ラーメン屋)、その分の人手は足りてるし。
 次のバイト先・・・本屋が良くて、三宮で募集しているようだけど、物凄く微妙・・・。時間や時間割が。来期の時間割、どうなるかまだよくわかってないし・・・。
 つか、四年からバイトってどうなんですかー。採る方としては、他にも人がきたら、長くやってくれそうな一年とか二年とか採るよなー。むー。

 そう言えば、昨日の新聞(神戸新聞)で、小中高生にアンケートを取ったら、二割くらいが「死んでも生き返る」と回答したんだとか。
 そして、「生き返らない」「わからない」が三割くらいって・・・えっ、残り半分は?
 それにしても・・・生き返らないって。「生き返ると思う」を選択した理由の半分くらいが、「なんとなく」だそうです。それは、「生き返らない」でも同じ。
 うーんー、でもまあ、「どうして生き返らないと思う?」と訊かれても、どう応えていいかわからないか・・・。選択式だとしたら、選択肢自体に問題があったんじゃないかという気もするけど。そうなのだろう。
 だけど本当に、生き返らないって。あったら嬉しいかも知れないけどさ、それ。

 ところで、今日ようやく、『沙門空海唐にて鬼と宴す』(全四巻)を読み終えました。
 分厚くて持ち運べないから、家で読むしかなくて(主な読書時間は電車の移動中と家)。思っていたよりもかかりました。まあ、図書館の返却期日までに読み切れてよかったけど。
 一巻だけ先に借りていて、三巻と四巻が棚にあるのを見て、二巻が他の館にあるのを調べて、三冊、一気に読める状態で借りたものだから。その上、他にも数冊借りているものだから。全て期限内に読みきれるかは、かなりなところ賭です(爆)。
 そして今は、『幽霊人命救助隊』を読み始めています。
 何も知らなかったのだけど、『十三階段』の作者のものらしく。あれが面白かったから、こっちも期待(そもそも、話の筋が面白そうと思って借りたのだけど)。読み始めて数十ページ、まだまだ序盤のところだけど、期待通りそうで嬉しい。このままいってくれるといいなあ。
 図書館で借りた本とは別に、購入(主に古書)したものも未読が多いです。山積みだよ・・・。
 そんな中でも、この間買ったばかりの『フェンネル大陸偽王伝』の二巻。物凄く楽しみなのだけど、図書館の本を読み終えるまで、あるいは持ち運びができる図書館の本が尽きるまでお預けです。うー、気になる・・・。
 しかしまあ、本格的に読書期間突入で。・・・竜の資料、中国文で書かれているものを、一日一枚ずつぐらい読んでいこう、と決めたのはいつだったか・・・(遠い目)。

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 その日の夜、食事を済ませた奏は、せがまれて、夏雪の宿題をみていた。数学の問題で、奏は、なんとか解けるものの、決して得意ではない。
 実験的に導入されている、教科書やノート代わりにもなる、ノートパソコンに似たTPS(Total Portable System 携帯用総体機器 通称:トポス)の画面を睨んで、頭を掻く。
「うーん」
「わからない?」
「ああ、うん、いや、見当はついたんだけど、そうじゃなくて」
「なくて?」
 不思議そうに、先を促す夏雪に肯いて、TPSのモニター画面を指差す。
「旧い人間だなんて思ったこともなかったけど、こういったものに違和感を感じるのって、古くさいのかなあ、と思って。やっぱりどうしても、学校っていうと、紙の本とノートって思っちゃって」
「ああ。うん、だけどそれは、あたしも思うよ。これはこれで面白いけど、なんて言うかな、紙で見る方が安心っていうのはある」
 夏雪が同意するに至って、奏には一つの推測が浮かんだ。
 この考え方は、世代のものではなく、この家のものだ。家中に紙の本が溢れており、電子文庫も、一応端末はあるのだが、使われることもなくほこりを被っている。もう、何世代も前の機種だ。夏雪も奏も、幼い頃からモニタで読むよりもずっと、紙面で読む方に慣れ親しんでいる。
 それが逆行している感覚かといえば、そうではなくて、多様化していくだけだろうと、奏は思っている。それでも、TPSのように、最大の教育機関が電子機器の取り込みを伺っているとなると、その説も危うい気がする。義兄の頃の、「IT教育」とは、多少意味合いが異なってくるからだ。
 義兄や奏たちの頃は、電子機器はまだまだ過渡期であり、使えない人も多くいたためか、使い方自体を教えられる段階だった。その先は、言ってしまえば個人の領域だ。しかし最近では、得意不得意はあっても、使えることが前提で多くの物事が設定されている。言うなれば、以前の電子機器は二次方程式で、現在は加減乗除といったところか。
 自分も、その多くの利益を享受しているはずなのに、何か違和感を憶える。ただの感傷だろうか。
「まあ、便利と不便半々ってところだけどねー。ノートは、やっぱり書いた方が覚えられるし。あたし結局、トポスのノート機能ってほとんど使ってないもん、授業中」
「ふうん。これって、アンケートとか採るんだった?」
「うん、半期ごとに。とりあえず、あたしたちが初モニターだしね」
「そっか」
 言いながら、TPSを操作して、今取り掛かっている問題に必要な公式を呼び出す。机の上には、ノートの他に、他の教科のディスクも散らばっていた。少し見てみたくて、奏が持ってくるよう頼んだのだった。TPSは、本体の容量確保のために、教科書分は、MOディスクを入れて使うようになっているのだった。
 夏雪に解説をしながら、頭の片隅で、今日受けた授業を振り返る。目的からは逸れるのだが、元々勉強は嫌いではなく、しばらくの間、勉強が必要ないか専門分野にどっぷりと浸っていた身としては、新鮮に感じられた。
 そして、行の英語の授業を受けて、その教え方のうまさに舌を巻いた。教員免許をとりはしたが、十数年放置して、授業をしたのは教育実習字のみというのは嘘だろうと、言いたくなるほどだった。儲からない探偵事務所の秘書よりもよほど、向いているのではないかと思う。
「ありがとう、おやすみ」
「おやすみ」
 解き終えて、夏雪は自室に引き上げていった。ちなみに、夕食でピーマン責めにあって、義兄は食後から部屋に引きこもってしまっている。娘の教育に悪いからと、嫌いな物まで無理に食べる姿勢は、微笑ましくも涙を誘う。その甲斐あってか、夏雪に好き嫌いはなく、そして、父がピーマン嫌いということも知らないのだった。
 何とはなしに溜息を一つこぼすと、部屋の電気を消して、奏も二階に上がった。あとはメールだけ確認して、寝てしまおうと思っていた。

2004 年 12 月 14 日 漫画の日

 いつものように学校に行ったら、友人たちから、合計九冊の本を借りました。全て漫画。
 嬉しいけど、吃驚したよ・・・!
 ちなみにそれらは、『未来冒険チャンネル5』『WILD LIFE』。
 前者、物凄く続き気になるのだけど・・・「全五巻」ってことだから、ないのだよね、続き・・・?
 後者は、現在連載中だから終わってなくて当たり前(そらな)。そう言えば、別の友人も好きだといってたなあ・・・一年半くらい前に聞いた話だけど(たぶんこれだったはず)。
 明日、九冊抱えて学校行ってきます(爆)。

 そして遅ればせながら、突っ込みありがとうございます、時実さん。
 早速訂正しました。
 ふふふ・・・「髪の本」って一体何でしょうかね・・・カツラのパターンや、髪型カタログになっているのでしょうか(爆)。そんなものが学校のイメージだとちょっと厭です。
 ありがとうございましたー!

 今日はもう、時間が時間なので連載なしで(また日付偽ってるし)。

2004 年 12 月 15 日 にゃー

 うわあ、カウンター、回ってますね(汗)。10000いってたのか・・・。
 ありがとうございます。なんとはなしに、嬉しいのものです。
 そうして、企画発動ってことで。今回も申告者なかったから(笑)。←だからするってわけでもないけど
 おそらく、数日間には回っていたのだろうけど、気付いたのが今日なので(爆)、今日を入れて、約十日間限定とします。細かい説明はそこのページに書いていますが、今回は「台詞」です。そこから話を・・・つくれるのかなあ(爆)。
 「台詞」が必須で、「舞台」「登場人物」「お題」が自由記入です。今回は、メールアドレス未記入も可で、その場合、サイト公開時に見ていただく形になります。
 企画を考えるのは好きー。
 実行するときに、なんでこんな大変なことを、と思ったりするけど(笑)。
 どうぞ、よければご参加下さい。

 ちなみに、キリ版踏まれた方、申告は今からでも間に合います(笑)。←そう言う自分が、余所様のところに行くと案外カウンターを見てなかったりする。キリ版は踏みたいと思ってるのに・・・(没)

 学校が冬休みに入るため、長期貸し出しで数冊、本を借りようと企んでいます(と、前にも書いたけれど)。
 『現代民話考』が確定なのだけど、他に読みたい本も。クローン関係のものがいくつか読みたいなと、リストを作っていました(講義中に)。・・・貸し出し数六が少ないと思ったのって、多分初めてだよ・・・。
 それにしても、その両方が、次のメルマガ(予定)分の資料というのがなんとも。まあ基本的に、趣味半分なのだけど。
 しかし、『現代民話考』欲しいなあ・・・誰か、ごそっと買ってくれないかな(笑)。本代にしか使えないお金、というのが十万ほどあったら、半分くらいはすぐに消えます(笑)。そして残り半分は、ちびちびと使っていきます(爆)。

 カミ違い。
 つい先程、父が帰宅しました。そして、「いつの間にか手が切れてた」と、絆創膏を貼った指を出しまして。
「紙?」
「ああ、昨日行ったんだ。そしたら混んどったから・・・」
「・・・紙で切ったんちゃうん、って言いたかったんやけど・・・」
「・・・・・・ああ、うん。そうやろな」
 数日前に、「髪伸びたなー」という話をしていたのだよね、そう言えば。髪と紙の取り違え。「噛み違い」にまでなると、もう駄洒落です(爆)。
 昨日の誤字があったからなんとなく。

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 部屋に入って、電気をつけるよりも先にパソコンの電源を入れる。
 旧い部品を組み合わせた手作りだからかソフトの入れすぎか、奏の主パソコンは立ち上がりが遅い。最新機種とは随分な差だ。体積も大きいが、奏がはじめて組み立てたもので、完全に壊れるまでは手放す気になれない。ちゃんと、こまめなバックアップは取っている。これも、古臭い感情だろう。
 立ち上がりを待つ間に、書棚から文庫本を引き抜く。白と緑を混ぜたような、濁ったエメラルドグリーンのような色の背表紙。保存状態が悪いわけではなく、年月によって古びた本。そっと、ページをめくった。
「なんだかなあ・・・」
 少し読んで、息をはく。
 高柳に、この小説に授業、喫茶「けせらせら」。どれも、高校の頃を思い出させた。高校時代は、遠いようで近いようで、はっきりしない。当時を懐かしんだところで戻れないことだけは確実で、それが、何か妙な感じだった。
 姉や義兄、夏雪と暮らし、この家から通っていた。大学は、二年の間一人暮らしで、その後が義兄と夏雪との生活。そう考えると、気楽で幸せだった頃との、境目がその辺りだったのかも知れない。
 姉は突然の事故死で、まだ犯人は捕まっていない。犯人が手の届くところにいれば、奏は、報復をせずにいられる自信がなかった。恨みを返したところで意味がなく、更なる嘆きをよぶだけだとは、十分に知っている。しかしそれでも、姉が亡く、犯人が生きている状態を赦せるのか。そこまで、自分の度量は広くない。優しくもない。
『かなー? いないー?』
「・・・和弥?」
 起動すると、すぐにメールの送受信とラインへの接続を設定してある。そうやって呼びかけられた声が、懐かしい友人の声で、奏は、文庫本を投げ出す勢いで画面に向き合った。
 画像はなく、発信元も明らかになっていない。最近のカフェや公共施設からではなく、数世代前のものと判断して、文庫本を置いて、慌ててヘッドセットのマイクを装着する。
「和弥? お前、和弥か?」
『いるじゃん、やっぱ。久しぶりー』
 回線が繋がっていても、席を外していることもある。それでの反応だが、のんびりとした声に、少し苦笑する。
「久しぶり。昨日、『けせらせら』に行ったよ。おじさん、元気そうだった」
『ああ、ほんと? かな、まだ店に行ってくれてたんだ?』
「たまたま、久しぶりに。タカに会ってね」
『くずー? まだ仲いいんだ、あれと』
 高柳の下の名前の、葛生を伸ばすように発音する。そう言えば、そんな呼び方だったと思い出す。思いがけず、懐かしい。
「実際に会うのは、卒業以来。医者じゃなくて保険医になってたよ」
『ええ? 生徒に手ぇ出しそー。思い切ったコトするなあ、とったガッコ』
「俺も思う。今どこにいるの?」
『えーっとね、南の方』
「はあ?」
 わざとだったのか、笑い声が聞こえる。思わず、奏も笑ってしまう。
 人一倍元気だった、友人の顔を思い描く。ぼやけてしまっているそれに気付いて、淋しく思った。
「こっち、帰ってこない? みんなにも声かけてみるし。成人式も出なかっただろ? 久しぶりに」
『あー、うん、いいねー。うん。明日帰るよ』
「明日?」
『うん。夜くらいにそっちつくから、飲みに行こ』
「明日の夜って。急だなあ」
『善は急げ! 空いてない?』
 突拍子もないところが相変わらずで、むしろ、磨きが掛かっていそうでこわい。金曜の夜か、と呟いて、少し考えた。
「俺は大丈夫だけど・・・」
『じゃあそれで。くずーとか、適当に声かけて?』
「わかった」
 いくら週末とは言え、いや、週末だからこそ、付き合ってくれる者は少ないような気がする。それでも、気まぐれな和弥に会うのが楽しみで、日を延ばすのも少し厭だ。
 それから、とりあえずは「けせらせら」で六時に集合と決めて、和弥は通信を切った。奏の方は、知っているだけの和弥と共通の友人に、ラインが繋がっていれば呼びかけて、他には片端からメールを送る。浮かれている自分を自覚する。
 メールの送受信やラインの通話で、夜は更けていった。


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 覚えているでしょうか? 今日出て来た和弥は、奏と高柳が入った喫茶店「けせらせら」の店主の子供で、奏たちの同級生。
 実は、通話相手を誰にするか、直前まで決めてませんでした(爆)。
 筋がとっちらかり・・・新聞連載してる人って凄いなあ。比較対象が大きすぎですが(汗)。

2004 年 12 月 16 日 遅蒔きながら

 「お正月企画〜」と、アンケート(?)を取っていますが・・・え、全部一票だったら、全部書くの?と、今更ながら気付きました(爆)。
 うわあ。何も考えてなかったよそのあたり・・・。
 うーんー。同票だったときは、もしかすると一番書きやすい一つだけかも知れないなあ。
 もうちょっと、考えてから動こう(今日の教訓)。

 今日、学校帰りに駐輪場で、高校の部活の後輩に会いました。やはり、先に気付いたのは向こうですが(爆)。
 ・・・実際のところ、声で判ったけど見えてなかったのだよ。間近に行くまで(汗)。いい加減、眼鏡かなあ・・・。
 懐かしいねー、と少し話をして帰ってきました。
 髪を、成人式に備えて伸ばしているらしいです。・・・そう言えば、随分と長かったのに、「猫屋」で彰をやってもらうために、切ってくれたのだよなあと思い出したり。懐かしい。
 昨日、別の後輩からメールが届いていて、何か狙ったようでした(笑)。

 ところで、学校の図書館で四冊借りて、家に帰ってきて積み上げて、つくづく思います。・・・これ、休み明けるまでに読み終えるのか・・・?
 ちなみに、現在市立図書館で借りている本は五冊。何か、無謀に思えてきた・・・(遅)。

 >時実さん
 それ、物凄く怖いですよ・・・泣きますよ。人皮だけならまだありそうだけど(それも怖い)。

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「あ」
「え?」
 移動教室の途中で、すれ違いざまに呟かれて、奏は、思わず振り返った。咄嗟の行動だったのだが、これで関係がなければ恥ずかしい。
 しかし、振り返ったことで思い切り顔を合わせてしまい、関係はあったけどどうしよう、と焦る。呟いたのは、保健室で会った少女だった。
 少女は、睨むようにして奏を見つめたが、ふいと視線を逸らすと、そのまま歩み去っていった。ぽかんと、それを見送る。
「奏ちゃん? どうかしたの? 今の子は・・・二年生だったみたいだけど」
「あ・・・いや、何でもないよ。行こう、遅れる」
 にこりと微笑み掛けて、先に歩き出す。すぐに、御劔もそれに並んだ。さらりと流れる髪に、少しどきどきする。
 それでも、努めて平静を装う。
「ごめん。ただでさえ遅れてるのに」
「元々、私も職員室に用事があったのよ」
 そう言って、微笑む。
 今二人がいるのは、特別教室のある棟だが、目的地の生物室は一階上になる。奏たちの教室は三階だから、そのまま横に移動すれば良かったのだが、担任に呼ばれ、職員室に行っていた。
 御劔は、ついでと言いながら、奏に付き合ってくれたようなところがある。優しい子だ、と思う。
「それに、岩永先生はいつも来られるのが遅いから。少しくらい遅れても、大丈夫」
「そう――!」
 階段を上る途中、降りてくる生徒に当たってバランスを崩した御劔の腕を掴む。空いたもう片方は階段の手すりを掴んでいる。一瞬の出来事で、動いたあとで、奏はどっと汗をかいた。
 踊り場まであと二、三段というところで、後ろ向きに落ちれば、下手をすれば大変なことになっていた。体が動いて、良かった。
「平気・・・?」
「え、ええ。ありがとう」
「良かった。危ないなあ。気付かずに行っちゃったみたいだけど」
 ゆっくりと手を離して、両手を使ったせいで落としてしまった教科書やノートを拾い上げる。筆箱は、下にまで落ちてしまっていた。
「ごめんなさい、教科書」
「どうせ、使ってれば汚れるものだよ。足とか、捻ってない? 違和感があったら、とりあえず診てもらった方がいいよ」
「大丈夫」
「後で痛むこともあるから、そうなったら我慢をしないようにね」
「ええ、ありがとう」
 再度階段を上りはじめる。まだ休み時間でざわめいているが、教室棟と違って、廊下に人の姿はなかった。
「時々、奏ちゃんって年上みたいね」
「そう?」
「一人っ子だから、なんだか嬉しいわ」
 そう言われて、あやふやな笑顔を返す。騙してるんだ、と思うと、気が重かった。
 始業のチャイムが鳴って、二人は足を早めた。

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 高柳の同僚との会話を書きたいなーとか、高柳の人知れない(?)努力を書きたいなー、とか考えているのですが。何故こんなに高柳寄り・・・。
 そしてちなみに、高柳の下の名前「葛生」は、「クズウ」と読みます。和菓子であったような気がするのだけど。

2004 年 12 月 17 日 正義の味方!

 朝、友人たちととんでもないヒーロー物(?)の話をしていて、それならこれを読むべきだ、と『ヒロインを目指せ!』(全二巻)という漫画を貸す約束をしてきました。
 で、引っぱり出したついでに再読。
 ・・・ああ、やはり好きだなあ、この人の話。馬鹿で(笑)。雑誌「なかよし」で連載していたものだから、対象年齢は低いだろうと思いますが。楽しいからいいや。
 この人、このところ新刊出てないのだよなあ。漫画描くのをやめてしまったのかなあ。だとしたら残念・・・。

 いい加減に、年賀状の準備をしないとやばいです。
 とりあえず、県外に出ている友人たちに、実家宛でいいのかを聞かなければならないのだけど・・・。しかし、そもそも誰に出すのかちゃんと決めていない(汗)。
 毎度のことながら、年賀状らしくない年賀状が届いても気にしないで欲しいです(私信)。
 そして、小学生みたいな絵が届いてもそっとしておいてやってください(私信)。

 年明け、友人連中に会いたいなあと思いつつ。連絡取ってないから、帰ってくるのかさえ知らないや・・・(爆)。
 年末はきっと、掃除とバイトに明け暮れていることでしょう。うっかり、餅つき(つくのは機械)の日にまでバイトを入れてしまい、母に「昼にやって!」と頼んだところでした。あはは・・・すっかり忘れてた。
 そして、クリスマスイブもバイト。・・・何も予定はないけど、いいよ、そんな日にラーメン食べに来なくても・・・。

 連載は、気力があればということで。
 何か違う掌編も描いてみたい(思い切り馬鹿馬鹿しいの)けど、そんな余裕も構想もなく。誰か、喜劇の文才をください。それと余裕。

 追記。
 さっき、『姑獲鳥の夏』の映画の公式サイトを覗いてきました。
http://www.herald.co.jp/official/ubume/index.shtml
 ここの「イントロダクション」のはじめのところ。主な役者さんたちと、監督と原作者(京極夏彦)の集合写真を見て。
 作者のがよっぽど京極堂だよ・・・!
 と思ったのは、私だけではないはず。あれで髪が黒くてもう少し痩せてたら、本当にイメージそのものだよ・・・(私の中の)。
 映画。
 やはり役者さんのイメージが(集合写真を見るに)違うものもあるからなあ・・・見に行くかどうかは、迷い中です。

 そして今日は、もう余力はありません・・・。

2004 年 12 月 18 日 日本昔話

 グリム童話はもう何回かやったから、という安直な理由で上げた日本昔話。意外に、大人数のよく知られている話が思い浮かばない・・・。
 それに、意外に忘れてたりするんですよね。「さるかに合戦」って何々出てたっけ、とか。
 うーん。どれで書こう。
 投票の締め切りはまだだけど、あのまま動かない気がするよ・・・物凄く(淋)。

 一番好きな講義が、今日で終了です。後は試験だけで、来期はないです。淋しいー。
 そして、その講義で漢詩を作る、というのがあって。楽しかったので、年賀状に流用しようかと。漢文だと、なんだか騙されて凄いように見えるし(爆)。
 そうは言っても、送る人を選びますね、さすがに。自作はごくわずか(同じ講義をとっていた友人)にして、他の人には、中国の詩人のものをおくろうと思います。結局漢詩は漢詩。
 さらさらっと一句、見事に詠めたら凄いよなー。

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 そうして、チャイムの余韻が残っているうちに教室に入る。席が判らない奏は、迷って一旦止まる。御劔は、振り返って小首を傾げた。
「空いているところでいいと思うわ。成績順だから、後ろしか空いてないけど」
「成績順?」
 意外に思ったのが顔に出たらしく、御劔は苦笑を返した。促されて、階段状になった後ろの方に行く。
「単元ごとに小テストをするの。さすがに点数までは言わないけど、前から悪い順。あてるときは、前からあてるから理に適ってるとも言えるわね」
「ああ、なるほど」
 言って、一番後ろの列の端に座る弓歌に、やはり成績がいいのかと、なんとなく納得した。その隣が空いていると言われ、椅子を引く。奏が座ったのとほぼ同時に、生物教師が到着した。
 着古されたような白衣を羽織った、四十ほどの女性教師。教壇に立つと、クラス名簿と教室の中を見ながら、奏のところで目線を止めて、独りで肯く。
「それじゃあ、百四十二ページを開いて・・・」
 分厚い教科書を開いて、雑談を挟むこともなく始まる授業に耳を傾ける。
 その最中に、ぼんやりと一緒に授業を受ける生徒たちの後頭部を見ていると、一番前の列に座るショートカットの少女に目がいった。演劇の授業で一緒になっている、宮島だった。
 二クラス合同の授業だから、どうやら、宮島は隣のクラスだったらしい。
 一瞬、ちらりと振り返った宮島と目が合った。しかしそれだけで、淡々と授業は進む。
 奏は、御劔に取らせてもらったノートのコピーをめくった。昨日、同じ授業のものだけでもと、持ってきてくれたものだった。読みやすい、綺麗な字が並んでいる。
「ノート、わからないところがあったら言ってね」
「うん、ありがとう。助かるよ」
 小声での御劔との会話も挟み、そうやって七十分の授業は過ぎていった。
 二期制で、七十分授業が六時間。それが、今の剣美学院の時間割だ。奏が高校生の時はまだ五十分授業が多かったが、高校は今では、適切な授業時間を模索している最中だ。
 授業が終わって立ち上がると、教室を出ていく生徒たちの間から、また、宮島と目が合った。しかしそれだけで、すぐに逸らされてしまう。昨日の一時間程度の付き合いとはいえ、声くらいかけてきそうなものなのにと、少し意外に思う。
「次は・・・現国だった?」
「ええ。あと一時間で終わりね。明日は休みだし」
「補習はとってないの?」
 奏の義兄が中学校や高校に通っていた頃、盛んに騒がれた「ゆとり教育」の一環で行なわれた完全週休五日制は、一度は定着するかと思われたものの、今では、行なっているのは全国の二、三割といったところか。
 剣美学院では、とりあえずは少数派の週休五日制を選び、その上で、他校へ進学することを考える者を中心に、土曜に補習を充てている。だから、人によって休日の数は異なっていた。ちなみに、幼等部と大学部は一貫して週休六日となっている。
 並んで歩きながら、御劔は苦笑した。
「私は、このまま進学だから。生徒会の方も、まとめて済ませたいことが多くて」
「え、じゃあ、土曜日にも来てるの?」
「いつもじゃないけど。奏ちゃんは、補習とらないの?」
「もう少し、慣れてからにしようかと思って」
 実際とのところは、行や義兄から、受けろと言われていないだけのことだ。とった方がそれだけ多くの人と知り合えるのではないかと言ったが、とりあえずはいいと言われた。
 教室に戻ると、半数以上が戻っていた。賑やかと言うよりも騒々しくて、三日目になるが、奏は思わず、逃げ腰になる。
「あ、弓歌さん、舘さん!」
 かたまって話していた、数人に呼びかけられて荷物を置く間もなく足を運ぶ。
「ねえねえ、今日暇? 帰り、どっか寄ってかない?」
「ごめんなさい、用事があるの」
「そっかあ。舘さんは?」
「ごめん、私も・・・」
 二人揃っての不参加に、残念そうに声を漏らす。もっとも、御劔が無理なのは、予め判っているようでもあった。いつも忙しいのだろう。
 すぐに、駅前にある店の話題に移る。そうやっているうちに、次の授業を告げるチャイムが鳴り響いた。

2004 年 12 月 19 日  没

 没ネタ。・・・ってわけでもないけど。
 「やみいろらせん」に出てくるロンアルとリウの話。二人が、十代後半くらい。
 ロンは記憶を喪っていて、リウは便利屋のような仕事をしている。その途中、宿で再会して(当然ロンは覚えていないのだけど)。強引に、ロンを連れて、以来物を届け先に持って行くのにつきあわせることに。
 そこに、思い込みから始まってリウに惚れたフーチェンが絡んできて。
 何か、考えていたのは割とシリアスな話だったのだけど、筋だけ書くとコメディーっぽい・・・何故だ。

 ノートの整理をしたら出て来ました。続き書くつもりがあるのかないのか、ってとこでここに書いたわけですが(苦笑)。
 フーチェンが、リウが盗みの依頼で屋敷に潜り込んで、刃向かってきたところをうっかり強く攻撃してしまい、仕方がないから治療して逃げたら、治療(治癒)途中にうっすらと意識を取り戻して惚れたというくだり。妙に気に入ってます(笑)。
 くだらない話が書きたいなあ・・・。

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 喫茶店「けせらせら」の入り口は、自動ドアではない。うち開きの、ドアノブと鈴の付いた扉で、開けると音がする。
 ちりんと、耳に馴染んだ音を立てて、奏は扉を押し開けた。
「遅いぞ、かな」
「ごめん。って、一応セーフだよね?」
 入ってすぐの、級友の声。反射的に謝って、入ってすぐのレジの向かいにかかっている時計を見遣る。六時丁度を指していた。
 その下で、店主が笑顔を見せている。慌てて、奏は挨拶を口にした。
「やあ、いらっしゃい」
 にこやかな笑みが、心なし、前よりも嬉しそうに見える。父一人子一人だから、やはり、和弥の帰宅が嬉しいのだろうかと思う。
 調理学校を出て以来約二年間、連絡は取っても帰ってくることはなかった和弥は、入ってすぐの四人掛けのテーブルで、頬を膨らませていた。その前には、空になったパフェの容器と、食べかけのサンドウィッチがある。
 むうと、奏を上目遣いに軽く睨む。
「何で誰も来ないんだよー。今日って、かなだけ?」
「俺だけだと不満? 和弥が唐突すぎるんだよ、いつも」
 苦笑して、向かいの椅子を引く。薄い茶のジャケットを羽織って、当たり前だが、制服は着替えてきている。
 和弥は、八つ当たり気味にサンドウィッチをつまんで、囓った。
「だって、思い立ったが吉日の善は急げだし」
「和弥の場合それは、短慮ってものだよ。すみません、コーヒーゼリーください」
「はい。――和弥君、あまりわがままを言って困らせるものじゃないよ」
「言われなくたって・・・文句言ったわけじゃないんだよ、本当に」
 傍からは妙にも見えるが、和弥は父親と仲がいい。それを知っている奏は、やり取りとも言えない二人のやり取りに、微笑を浮かべた。
 そして、からかうのはこの辺にしておこうと思う。
「タカの方が先に来てると思ったんだけど、読みが外れたな」
「え? なんだ、くずー来るの?」
「来ないなんて言った覚えないよ。ちなみに、漱と鶴見は七時に向こうで合流で、鈴木は来れたら来るって」
「・・・騙されたー」
「相変わらず、変なところ騙しやすいね」
 自分のことは棚に上げて、笑った。むくれる和弥も、友人たちに会えると知ってか、少し嬉しそうだ。
 こうやって、昨日の今日で集まれるのは、そもそも二人の共通の友人が多かったのと、地元に就職した者が意外に多いからでもあった。
「でも、そうかー。リカとちなっちゃんとマサに会えるのか。みんな、今は何やってるの?」
 いくらか浮かれて、身を乗り出す。奏は、店主からアイスとクリームがトッピングされたガラスの器を受け取って、ええとと、思い出すように目線を泳がせた。
 そこに、ちりんと鈴が鳴る。店の扉が開いた。
「おーお、無駄にたくましくなったな姫」
「うわー、軽薄外見に磨きがかかったねくずー」
 久々の再会にも関わらずの憎まれ口の応酬に、奏は、たぬきときつねの化かし合いを幻視する。思えば、高校時代もそうで、この二人の仲の良さは、一見、仲が悪いかともとれるようだった。
「あ、コーヒーください」
 店主に告げて、奏の隣りに腰を下ろす。そのときに、鼻先を掠めた変に甘ったるい匂いに、奏が軽くむせた。
「何、この匂い」
「んー? ああ。病院寄ってきたら、主任に捕まってな。煙草だろ」
「病院? くずーって、保険医になって生徒を毒牙にかけてるんじゃなかったっけ?」
「おい奏。お前、このお天気女に何吹き込んだ?」
「万年春男に言われたくないー」
 呑気な、それでいてしかめ顔の二人に、思わず笑ってしまう。
 それぞれに不満そうなかおをされて、ごめんごめん、と、軽く謝る。その間に、コーヒーも運ばれてきていた。
「俺はただ、保険医やってるって言っただけ。病院は、当直のバイトしてるところ?」
「ああ」
「え、何なに? なんで保険医で病院のバイト?」
 再び身を乗り出した和弥に対して、高柳は、湯気の立つコーヒーカップを傾けた。目線を受けて、説明する気がないらしいと知った奏は、肩をすくめた。
 教えるつもりがないのではなく、自分で言うつもりがないらしい、というところが横着だ。
「現場を離れてると感覚が鈍る、って言って、当直だけはしてるんだってさ。学校と両立で」
「・・・教師って、バイト禁止じゃなかった?」
「私立だから」
「へえ、そういう問題なんだ」
 高柳の回答に、納得の体で肯く。奏は、そんなことも思い浮かばなかった自分が、実は馬鹿じゃないかと疑った。
「でもさー、そんなことするならそのまま医者になればいいのに。大体、医者って二年くらい研修しなきゃいけないんじゃなかった?」
「姫。興味のないことには底抜けに知識のないお前がそれだけ知ってたことが驚きだけどな、知識が古い」
「えー?」
 「カズヤ」を「カグヤ」と聞き間違えた、という単純な事実を起因とする和弥のあだ名は、はじめこそ嫌がっていたものの、定着してしまっている。それを言うなら、名前を呼ばれるのを嫌う高柳が、呼ぶのを許していることもそうか。
 そう言えば、今日すれ違った女生徒。昨日保健室で出会ったあの少女も、名を呼んでいたが。
 奏が、そんな関係のないことを考えている間にも、高柳の言葉は続く。結局のところ、横着がっても自分のことだ。
「医学部が六年制から八年制に伸びたのは、研修期間を内包してのことなんだよ。実質、最後の二年なんて大学には報告くらいだけどな。だから、就職してないだけでお医者様だぜ?」
「医者になったら言ってね。そこの病院には行かないようにするから」


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 研修の制度とか、良く判らなくてネットで探していたのだけどひっかからず。が、今日、検索の言葉を換えたら出て来ました。あっさり・・・。
 そしてそれは、インターネットのトップページに設定しているフリー辞書だったり。オチがつきましたね(爆)。
 ちなみに、上記の制度は、飽くまで、現状を参考にした創作です。架空のものです。ないとは思うけど、実際のものとは思わないでくださいねー(間違ってはないと思うけど、参考資料そのものがネット上のものだし)。

2004 年 12 月 20 日 ドライバー、一本

 試験(持ち込み可)の回答を書いて(既に問題は出題されており、論述形式)、印刷しようとしたところ。紙が詰まりました。・・・ざら版紙(茶色の質の良くない紙)じゃまずかったか、やはり。
 少しでも紙が出ていれば、引っ張って出せるのだけど、完全にプリンターの中。
 どうしよう・・・印刷は学校でやってもいいけど、プリンターが壊れたらそのうち困る・・・今修理に出しても戻るのは年明けだろうし、修理代勿体ないなあ・・・紙引っ張るだけだし分解したらどうにかならないかなあ・・・。
 そんなわけで。ドライバーを出してきて解体作業。
 解体と言っても、さすがに部品をばらして復元できるとは思えず、カバーを剥いだだけですが。それでも、カバー部分を折ってしまわないかと冷や冷やしたよ・・・元に戻せるのかも怪しいと思ったし(大人しく修理に出せ)。
 結果は、何とか引っぱり出せて、印刷も正常にできて、良かったよかった、なのですが。・・・一つ、どこから跳んだか判らなくて戻せなかった部品が・・・。カバー外してたら、いきなり落ちてきたんですよ。気付けば床の上。
 ・・・もしも、我が家のプリンターが火を噴いたら、おそらくそれは私のせいでしょう(爆)。
 それにしても、よくあんなものを造れるよなあ。設計やら何やらの人、凄いなあ。

 バイト先にて。
 雇用の関係で、毎年書類を提出しなければなりません。や、それはいいのだけどさ。
 ・・・もうちょっと早く言って欲しい・・・。
 一、二週間前にその用紙自体は店に来ていたらしいのだけど、私が渡されたのは昨日だよ・・・。そして、できれば明日持ってきて欲しいとのこと。・・・今日だったら、一日暇だったのだけどー・・・。ちなみに明日は、唯一の帰宅が遅い日(滅)。
 またあの店長代理は・・・。会うことがないからって、連絡遅れすぎだよ。
 なんだかなあ。

 あ。ところで昨日の補足ですが、リウとロンの話。
 あれは、リウとロンというキャラクターは同じ(むしろそれを「やみいろらせん」に流用した)なのだけど、全くの別物です。
 そもそもが、昨日書いた没ネタ(?)では、二人は有翼人種だし。
 以前から考えていた話では、そういった設定の移動があるものが多いです。「夜道」もそんな感じだし(そしてそれの元の話を、メルマガにしようと頑張っているところ)。

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「いつまで経っても可愛くないなあ、お前ってやつは」
「くずー相手に可愛くしても、不気味なだけだし」
 目の前で繰り広げられる不毛なやり取りに、奏は、半ば感心して溜息をつく。会話は二人に任せて、ゼリーに取り掛かる。
 この二人、付き合ってたんだよな。そう言えば。
 程良く苦いゼリーと甘すぎないクリームを口に運びながら、口の悪い二人をぼんやりと見つめる。
 二人の付き合いは、周囲からは意外ながらもそんなものか、という、どこか納得した感じで受け止められたものの、さしてそれまでと変わらず、気付くと分かれていた。それでも、それまでと付き合いが変わらなかったのが、不思議と言えば不思議だった。奏は、高柳から直接「付き合うことにした」と聞いたのだが、その後も特に変化は見られなかったように思う。
 もう、三年近く前の話だ。中途半端に近い。
「かな、探偵なんだ?」
「えーっと・・・多分、期待されてるのとはかなりなところで違うと思うけど。殺人事件には遭遇しないし、パズルゲームみたいな推理もしない」
 突然話を振られて、回想を振り切る。注意はいっていなかったものの、一応、話は聞いていたからこその反応だ。
 そんな奏の応えに、和弥が明るく、高柳がにやりと、笑う。
「懐かしい懐かしい。かな、変な感じに注釈入れるんだよねー」
「そうそう。ちょっと外れててなあ」
 殊更に悪意があって言うわけではないのだろうが、なんとなく、そう言って笑う二人に腹が立つ。何か言ってやろうかとも思ったが、時計に目をやって伝票を取る。
「そろそろ移動しようか。少し歩くから、丁度いいくらいになるだろう」
「予約?」
「うん。大丈夫だろうとは思ったけど、一応」
「まめな幹事さんでよかったな、姫」
「そうだね。間違っても、くずーに任せなかった自分を誉めたくなるね」
 なんだか羨ましくない仲の良さだな、と思う奏だった。とりあえず、三人分をまとめて払う。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま」
「遅くなるから、先に寝ててね?」
「ああ。楽しんできなさい」
 優しい「ありがとうございました」と言う声に送られて、店を後にする。出てすぐに、高柳が手を出した。
「コーヒー代」
「ああ」
 受け取って、ポケットに落とす。それを見て、慌てて財布を捜す和弥を、苦笑して制する。
「いいよ、店に着いてからで」
「そう? じゃあ、後にする。――いいなあ。落ち着く」
 ぽつりと、呟くように言って、そろそろ闇の降りてきた空を見上げる。赤い月が、やけに大きく見えた。
 奏が、訝しげに首を傾げると、和弥は苦笑で応えた。
「割り勘か、食べた分だけ払うのが。おごられるのって、借り作るみたいで居心地悪くって。おごっておごられて、ならまだいいんだけどさ」
「ラッキー、くらいに思ってりゃいいのに」
「少しならそれでいいけど。続くと、やっぱね。後ろめたいって言うか。断わったら妙なかおされるし」
 並んで、歩いている。
 奏と高柳に挟まれた和弥は、ごく自然に、言動は一般的な男に近い。しかし、束ねた長い髪や体つきなど、見れば女と判る。本人はそれを、忌避はしないものの、疎んでいる感があった。
 むうと、短く唸る。
「お金ないときは助かるけどね。それを気の毒に思っておごってくれるならともかく、女の子だし、って勝手に、庇護されるのはやだなーって」
「成る程」
「だけど、おごられて腹立てるのも変な話だな」
「状況の問題なんだよ。理想は、共同戦線だからね」
 きっぱりと言いきる和弥の横顔は、子供っぽいのに綺麗だった。奏は、いつもこういうところで驚かされる。
 期せずして、奏と高柳は、揃って和弥の肩を叩いていた。何も言わずに、ただ、手を乗せるだけ。それが、時には雄弁な言葉となることを、三人は知っていた。

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 書いてて、ちょっと思ったので追記。
 話を書いてると、自分の考えに重なったり真逆だったりと色々な考えが出てくるけど、どれも、大なり小なり加工されてますね。まあ、「お話」なのだから当たり前ですが。

2004 年 12 月 21 日 長いコート

 裾の長いコートを着て、ボタンを閉めずに自転車に乗ると危険です。車輪に巻き込まれます。
 ・・・まあ、予想の付くことですが。巻き込んでしまったときには本当にどうしようかと思ったよ。焦った・・・。
 図書館に寄って、本を借りていたら思っていたよりも時間を喰って、慌てて駅まで(自転車で)疾走していく途中のことでした。急いでたから、ボタン止めてなかったのだよねー。
 ああ吃驚。

 ところで、今日の昼、「スタジオパークでこんにちは」というトーク番組を録画していました。「新撰組!」で井上源三郎役をされていた小林隆さんが出演だったので。
 で、それを見ていたら、父が帰ってきて。
「これ誰?」
「源さん。『新撰組!』で井上源三郎やっとった人」
「ああ」
「一人だけちょっと年いっとった・・・って、『源さん』で判ったん?」
「あの、ちょろちょろしとったのやろ?」
「うん」
「一人だけ裸みたいな」
「それ、左之助ちゃうん?」
「え? それはあれやろ、不良役やっとった」
「・・・?」
「眉毛剃っとった」←「ピン☆ポン」のアクマ
「・・・・・・それ、捨助」
 父の中では、皆ぐちゃぐちゃでした(まあ、ほとんど見てなかったんだから仕方ないけど)。多分、局長(近藤勇・香取慎吾)以外は判ってないだろうなあ。

 しかし、この間も思ったけど、私は何故に、漫画やらドラマやらの登場人物をちゃんと覚えてるのだろう。
 この間、話題に上った『ヒロインを目指せ!』も、長い間読んでなかったはずなのに、大体覚えていたものな・・・。
 ううむ。
 悪いことではないのだけど、その記憶力、実在の人たちにより多く使いたいよ・・・。バイト先の人とか、覚えるのに随分時間かかったのに(汗)。まあ、視力悪くてちゃんと見えてないから、ってのもあるのだけど。

 年賀状。
 まだ途中で、宛名も書いてないけど・・・凄く、誰か忘れてる気がする・・・(爆)。ど、どうだろう・・・。
 今の予定では二十枚(一人喪中で、寒中見舞いを送ろうと。だから、五日以降になるのだけど)。忘れてたらごめんなさいだなあ(汗)。
 そして、メールで送る方は目処が立たず。ど、どうしよう・・・? 明るい話を書きたいなあと思いつつ、私が書くとどうなるか。年始に相応しくないものが行ってしまいそうで怖いです。・・・はは(汗)。

 ・・・ものすっごく懐かしいものを発見しました。
 このサイトの大本の、高校の文芸部のサイトを作っていたときに借りていたサーバーが、他と合併(?)をしていたのだけど、そこはもう、削除されているものと思っていました。が、まだ残っていて。
 ほとんどのデータが消えていたけど、幾つかだけ残っていて。そのうちの一つ、企画段階にあった「天球学園」。・・・見てびっくりしたよ、存在自体、ほとんど忘れてたよ!(笑)
 ちなみに、こちら
 友人たちと企画を練ったのだったと思うけど・・・覚えてるかなあ。

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「おい、大丈夫か?」
「だあいじょぶだいじょぶ」
「・・・いつも思うけど、どうして酔ってる人って、大丈夫だとか酔ってないとか言うんだろうね」
「なあ」
 足下の危なっかしい和弥を挟んで、二人は夜道を歩いていた。大通りを一本奥に入っているため、いくらか、ネオンは少ない。
 久しぶりに会った友人たちとは、駅で分かれた。三人が、電車に乗って帰るのを見送って、今やバスもなくなって、タクシーを使おうかとも思ったが、歩きを選んだ。
 和弥の家まで、奏も高柳もそう距離が変わらず、二人で送り届けることにする。少なくとも、一人で帰らせるのは危ない。
「なあに、そのいいかたー。まるでよってるみたいじゃないー」
「酔ってるよ、十分」
「よってないってー。ふたりよりのんだりょうすくないもん」
 それは、比べる対象が間違ってる、と奏は思う。自分はともかく、高柳はザルかウワバミだ。一緒に酒を飲むのは初めてだが、間違っても飲み比べはしたくない。
 実のところ奏は、自身の正気を危ぶんでいた。どうやら外には出にくいようなのだが、強くはない。
「タカ」
「ん?」
「もし俺倒れたら、とりあえず先に和弥送って、その後連れて帰ってくれない?」
「・・・酔ってるのか、お前も」
「うん。多分」
 そう言って笑うと、隣で、頬を上気させた和弥が、けらけらと笑っていた。いつも明るいが、酒が入って、変なくらいにハイになっている。泣き上戸でないだけ、ましか。
 多分大丈夫だろう、とは思うものの、気を張っていないと、目が泳ぐ。
「ちょっと、飲み過ぎたなあ。つられた」
「ふうん、そんなもんかねえ。少し、飲み足りないくらいだけど」
「それはお前がザルなだけ」
「いやいや、酔うときゃ酔うぞ?」
 騒ぎ疲れてか、無言になった和弥をそっと誘導しながら、奏は肩をすくめた。いくらか冷たい風が、火照った体に心地いい。
「どうだか」
「いやいや。徹夜明けとか」
「それは状況が悪すぎるだろ」
「・・・姫?」
 ふらりと、寄りかかられて高柳は訝しげな声を上げた。次いで、わ、と声を上げる。奏の目の前で、座り込みかけた和弥を、危ういところで抱きかかえたところだった。
 見ると、軽く寝息を立てている。
「子供か、こいつは」
 苦笑して、奏と同じくらいの、しかし大分しなやかさのある体を背負う。ぼんやりと、奏はそれを見ていた。
「タカといるときに見るのが、一番くつろいでる気がする」
「ん?」
「和弥」
「そうかあ?」
「何でわかれたんだ? 二人なら、十分共同戦線張れたと思うのに」
 そう言った途端に、それまで、のんびりとしていた高柳の口の端が、皮肉げに持ち上がった。水銀灯の明かりでそれを目にして、不愉快にさせたかな、と、少しだけ後悔する。
 しかし、疑問に思っていたのも本当のところだ。
「ただの、ガキの付き合いだろ? それに、こいつが好きだったのは、俺じゃない」
「ええ?」
「くつろいでるのは、俺を男だって思ってないからだろうな」
 嘘だろ、と言いかけて、闇を隔てて見える、苦々しげな表情に口を閉じる。いつもの、自信ありげなものでも、何かを仕掛けるような表情でもない。
 少し、意外だった。
 好きなように動いて、周りも、いつの間にかいいように動かしている。勿論、そこには大きな努力があるのだが、大げさに言えば、できないことはないという、そんな思い込みがあった。

2004 年 12 月 22 日 冬休みっ!

 先行(試験期間は本来年明け)の試験も無事に終えて、冬休み突入です。わーい。
 これで、年賀状を書き終えたら大掃除でバイトしつつ読書三昧です(家事手伝いは?)。
 余談ですが、あるアンケートで、現在の生活について「非常に幸せな方だと思う」から「非常に幸せでないと思う」までの選択肢五個で、少し迷いながら「非常に幸せ〜」を選択しました(笑)。幸せっていうか。恵まれてると思うよ、確実に。
 そして、友人の持っていた『うつを治す』という本の、簡単な鬱病チェックは、「うつの心配はない」と早々に判断されました。あはは。いいことだけど、何か、全く悩みのない人のようだ・・・(笑)。
 何はともあれ冬休み。友人たちに会えるかどうかは微妙なところだけど、そして厭な感じにバイト入ってるけど、明けたら試験だけど、楽しみます。
 ・・・説明会にも奔走せず(爆)。

 ところで今日、学校帰りに(また)図書館に寄って、本を借りてきました。二冊ほど、返却が怪しいのがあるのだけどなあ・・・。
 『冷たい校舎の時は止まる』という、上中下の小説。前から読みたかったのだけど、いつ見ても上巻がなかったのだよね・・・。
 上巻がなくて、中と下だけがあるという状況は一緒だったのだけど、何気なく調べたら他の館に上巻があったので、取り寄せを手配してもらいました。そして、中と下を借りてきた。
 明日が休館日で、金曜はおそらくバイトに行くぎりぎりまで本を読んでいるだろう(その日返却の本、まだ半分くらいしか詠めてない。そしてその次の日返却はほぼ未読状態)から、土曜に取りに行くつもりで。
 わー、楽しみ。

 そう言えば、来月は購入予定の漫画が多いです。四冊(総計二千数百円)と、最終的には購入するだろうけど新本で買うか中古を待つかというのが三冊。今月、あまり出ていなかったのを考えると・・・何故にまとめて。
 その上、季刊の文芸誌も出るはず。うむ。
 本屋に財布を狙われてるー・・・(笑)。

 昨日、まだ契約が続行していることが確認されたサーバー。折角50MBあるから、何かに使いたいなあと思うものの・・・やることないですね。
 中国文学関係は、ブログ借りてるし。本の感想も、別のところ(これもブログだった)借りてるし。話載せるのはここで十分だし。
 うーんー。
 ああ、ゲーム作るとか。別館で。・・・と思っても、造るソフトがないよ・・・。絵も描けないから、淋しいしねー(やる側としては、文章ばかりよりも綺麗な絵が入った方が断然好き)。
 つまらないなあ。

 もうすぐクリスマス。今日、ピザの配達人がサンタさんでした。すっごく、着崩してました(笑)。
 クリスマスかー。クリスマスネタで、ぼんやりと書きたいものがあるのだけどなあ。サンタさんの話。もっとも、サンタと言っても本物(?)ではなくて、今日見掛けたようなバイトサンタ(笑)ですが。
 不思議じゃないけど不思議な話か、思い切り不思議な話か。そこらへんを書きたいけどなあ。多分、気力が足りないでしょう。
 
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 なんとなく会話が途切れたまま、和弥の家まで到着した。恐る恐る呼び鈴を押そうとしたら、その前に内側から開いた。
「すまないね、わざわざ」
 店の制服とそう変わらない私服姿で、和弥の父親は、娘を抱き留めて申し訳なさそうに微笑した。
「一杯、お茶でも飲んで行くかい? 店の残りで良ければ、ケーキもあるけど」
 そう穏やかに誘われたが、丁重に断わった。ケーキはともかく、酔い覚ましにお茶は惹かれるところだが、時間が時間だ。いくら親子共に親しいとは言え、上がり込むのは気が退けた。
 和弥を送り届けたことの礼を言われ、二人はその家に背を向けた。
「・・・いいよなあ、ああいう親父さん」
「うん・・・そうだね」
 高柳が、父親とあまり仲が良くないとは聞いている。それは、高柳の母が元は愛人だったというところに起因しているのだろう。そして、同年の異母兄弟がいるというところに。
 もっとも、そもそもの性格の反りが合わない、というのが大きなところらしいのだが。
 呟くような声が静かで、それだけに、実感がこもっているように思えた。案外、高柳も酔っているのかも知れないと思う。考えてみれば、養護教諭の仕事をこなしながら、週に何日か病院の当直を勤めるというのは、かなり無茶な話だ。
 そこで唐突に、声を上げる。
「あ、そうだ。佐々木京香に話聞かれたかも知れない」
「誰?」
 わざとらしくぼんと手を打った高柳に、訝しげに首を傾げる。風に当たって歩いたことで、酔いは、完全にではないものの醒めていた。
「あれだ。昨日、保健室で顔会わせてただろ? 二年の子。朝、お前が出ていった後、入ってきたから。確証はないけど態度も微妙だったし」
 今日の朝、メールに返事のなかった高柳に、直接どうするかを訊きに保健室に行った。そのときに、メールに返事がなかったのが病院に当直に行っていたからだと知って、ついでに色々と話を聞いた。
 だから、直接聞かれてまずいようなことは言っていないはずだが、それそれに愛称や下の名前で呼ぶほど親しいというのは、少し聴いていれば判っただろう。それは、少しばかりまずいかも知れない。ましてや、あの少女は高柳に好意を抱いていたようだった。
 それで睨まれたのかと、職員室から生物教室までの移動途中にすれ違った時のことを思い出す。
 迂闊だった。
「もし、直接何か訊かれたら、『舘奏』の兄と仲がいいって言っといてくれるか? 嘘じゃないし」
「ああ、わかった。名前は? 経歴はそのままお前でいいだろ」
「あー・・・カサネ、とか」
「珍しい人名だな」
「響きが似てる方が、何かの時にいいかと思ったんだけど。やっぱり変かな」
「まあいいか。訊いて来るとも限らないしな」
 肯いて、妙な感覚を覚える。今まで奏は、探偵事務所の所員ではあったが、小説に出てきそうな探偵行とは縁がなかった。地味な調査や張り込みが、主な仕事だ。それなのに今回は、絵に描くにも無茶苦茶な潜入調査。一体、何をやっているのだろう。
 そしてこれは――成り立っているのが薄気味悪いほどに、物凄い綱渡りだ。
 それなのに、お芝居のような感覚でいた。
「教えてくれてありがとう。とりあえず、極力保健室には行かないようにする」
「無難なところだな」
「ああ。――ありがとう」
「じゃあ、またな」
 肯定も否定もせずに、高柳は、分かれ道で軽く手を振った。奏も応じて、手を挙げる。
 そう言えば、まだあのアパートに住んでいるのかなと、今更に思った。考えてみれば、携帯電話やラインで連絡が取れるからと、現住所すら知らない。
 得体の知れない不安と、間抜けさを感じた。

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 連載って・・・取り消せないのが辛いなあ・・・(一回やったけど)。
 だから、一度全部書き上げてからじゃないと人に見せられないのだよなあと、今更思い出しました。ああ・・・時間軸通りに、朝の保健室の会話入れとけば良かった(大差はないと言えばないだろうけど)。

2004 年 12 月 23 日  寒日

 寒いよー、と小さく叫びつつ、自転車で五分。バイトに行ってきました。
 寒いと温かいものが食べたくなるのか、そこそこ忙しかったです。無茶苦茶忙しかったわけではないけど。だけどあれは、夜の面子でやると少し大変だったかも知れない(基本的に、昼に入っている人との方が私が動きやすい)。

 今、友人にダビングしてもらったMDを聴いています。女性の二人組なのだけど、澄んだのびる声とどこか不安定な曲調が好き。えーっと・・・グループ名忘れた(汗)。
 なんていうか、曲を聴いていると、勝手に「あの話のテーマ」なんて決め込んでしまうことがあります(爆)。
 曲というか、歌手を位置付けてしまうこともあるのだけど。飽くまでイメージの問題で。
 ちなみに、森山直太朗が「猫屋」と「桜」で、ポルノグラフィティが「深紅に浮かぶ月」(あるいは「敷衍遊戯」も)。(敬称略)
 物凄く、我ながら意外なことに、ある声優グループの歌は、「台風の目」だったり。壊れてるのに、変に甘いとこら辺りが(誉めてるのかけなしてるのか判らん)。

 あ、グループ名調べたら出て来た。「東京エスムジカ」です。
 歌詞無料掲載のサイトで調べたら、二曲しか登録されてない・・・。一番好きな曲は、載っていないようです(だから、さっき調べても出てこなかった)。

 まだ途中ですが、企画参加してくださっている方々、ありがとうございます!
 新年企画(?)が投票数増えてて吃驚したー(笑)。コメントも頂いて・・・「敷衍遊戯」全く更新なくてごめんなさいっ(汗)。なんだかもう、随分書いていないよねそう言えば・・・。
 一万ヒットの方は、頂いた条件を色々と考えてわくわくしながら・・・自分の首を絞めている気がして仕方がありません(爆)。当たり前のことだけれど、条件が増えるほど難しいですよねっ。楽しいのが救いです。ってか、楽しくなければやってませんか、そもそも。

 そしてこんなところであれですが、住所を教えて送っていただけるなら、喜んで言いますよ(笑)。全く知らない人ならともかく、悪用されるとも思いませんし。
 しかし売り物なら、それも申し訳ないですね・・・。

 ところで、クリスマス。
 バイト中、ぼーっと考えてたら、本当に書きたくなってきた・・・でも、明日中に読み切らないとな本と年賀状が・・・。
 うーんー。
 ひょっとしたら、明後日(クリスマス当日)辺りに、駆け込みで更新してるかもです。ないかも知れないけど。
 
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「う・・・?」
 ぼんやりと目を開けて、枕の上の方にある目覚まし時計を見遣る。約九十度の針の角度に、寝過ごした、と呻く。
 六時間くらいは寝た計算だが、疲れがあまりとれておらず、動きの鈍い体を引きずって階下に降りる。まずは、顔を洗って歯を磨いて。そこでようやく、ちゃんと目覚めるのだった。
 自分の部屋に戻って服を着替えてまた一階に降りると、机の上に残された二枚のメモが目にはいる。それと、卵焼きとサラダの朝食。
 一枚は夏雪で、可愛らしくも綺麗な字で、昼食を家で食べるなら昨夜の残りの肉じゃがを片付けてほしいということ。
 もう一枚は義兄の角張った癖のある字で、今日は休みで事務所にも来なくていいということ。
「ふうん・・・」
 事務所で、すぐに済みそうな仕事か書類の整理でもするつもりだったのだが、あてが外れた。休んでいいと言われて、無理に行くほど仕事熱心でもない。
 食パンをトースターに入れて、ヤカンの湯を沸かす。
 何をしようか。読みかけの本はあるし、そろそろ部屋の掃除もしたい。紅茶やコーヒーがそろそろ切れかかっているはずだから、それを買いに行ってもいい。気になっている映画もある。それとは別に、学校の宿題や劇の――
「あ」
 劇の台本を覚える。
 それを考えて、自分の迂闊さに気付く。奏は、選択授業で、代役とはいえ役を配分されている。しかし、発表は夏休み直前で、それまで学校に通うのかは定かではない。むしろ、あと二月近くも騙し果せるとも思えず、解決できなくても、それまでに切り上げる可能性の方が高いのではないか。
 あそこで、とことん突っぱねるべきだったのだ。
 遅すぎる思考の到着に、奏は歯噛みした。この調子では、他にも色々と、まずいことをやっていそうだ。
 どっと、疲れと嫌悪感に襲われる。それまでの、体の疲れを押しやっての、明るい気分は吹き飛んでしまった。
 トースターが鳴り、パンにマーガリンをぬって囓りながら、奏は、自分の馬鹿さ加減に愛想を尽かしていた。

2004 年 12 月 24 日  サンタはやってこない

 きっと寝るの二時くらいだー(また日付偽り中)。
 うう・・・っ(泣)。
 そして、そろそろ目が限界・・・考えてみれば、そこまで頑張る意味は全くないのだけどね・・・。
 サンタの話は一行も書いておらず。過ぎて何日かしてから更新とか、ありそうで厭です(爆)。
 そんな夜更かしの私のところには、多分サンタは来ないかと。いやそもそも年齢・・・子供?

 ところで、バイトに行ったら、三十分や一時間くらい、客が全くいない時間があって驚きました。さすがクリスマス(イブ)?
 そんなわけで今日は早々に切り上げて、店長(?)が買ってきてくれていたケーキを食べていました。一人だけバイト終了時間が違うから、独りで。
 バイト仲間曰く、「皆が働いてる中、一人裏で食べてるのって、家で一人でケーキ食べるのと同じくらい淋しいと思うけどな」。
 うーん、でも、のほほんと食べてて「働かんでいいんか?」とは思ったけど、別に淋しくはなかったっすよ・・・? ←昼を独りで食べても平気な奴

 とりあえず寝ます。

2004 年 12 月 25 日  いいご身分

 はじめ、手早く部屋の掃除(大掃除)をしてしまおうかと思ったのだけど、寝過ごして午後からは父と古本屋に行くし、と、だらけてしまいました(汗)。
 とりあえず図書館に本を返しに行って、予約していた分の二冊を受け取って。
 家に帰ってから、学校で借りた本(『ICO 霧の城』)を読んでいました。途中うたた寝したりとか(汗)。
 ちなみに、今日やった家の手伝い(?)は、風呂洗い(日課)とタイマーが鳴ったのにケーキを焼いていると気付かずに、こがしはしなかったものの焼きすぎたくらい(え)。
 うわあごめんなさい・・・(汗)。

 ところでさっき、手首を少し紙で切ってしまいました。紙で切った傷って、なかなか止まらないのだよね・・・!
 で、固まってない(酸化してない)血って、わりと綺麗だなーと見ていたのですが。リストカットする人も、綺麗って思うのかなーとか考えていたのですが。
 とりあえず服に付いたら厭だから早く止まってくれ。
 ・・・そう思った時点で、多分私はリストカットしないなーと思いました。ははは。
 まあそもそも、「生きている実感云々」ということを考えもしないですが。生きてるのって面倒だなあ、と思ったことはあるけど。哲学にはほど遠い人間かも知れない・・・(汗)。
 思うに私は。川原泉の漫画に出てくる人たちのように生きたいのではなかろうかと思います。

 今日行った古本屋で、『東京物語』(ふくやまけいこ)の全巻セットを発見。購入してしまいました。
 これ、以前何気なく、豪華版の一巻だけを入手して、面白かったから続きが欲しいなと思っていたのだけど・・・豪華版、処分しないと・・・(本棚の問題)。そして昨夜、新装版が出ていると知ったばかりの出来事でした。
 ふくやまけいこさんは、雑誌の「なかよし」で知っていたのだけど、断然、子供向けでない話の数々の方が好き。
 そして、田中芳樹の『夏の魔術』を漫画化するそうです。漫画化しすぎだ、田中芳樹(汗)。・・・嬉しいけどさ・・・。

 企画。
 お正月企画(?)。
 ほぼ、「敷衍遊戯」で決まりそうです。助かった、一本に決まってくれそうで。・・・人気、確かに偏ってます(笑・for 一言メッセ)。
 限定ページを作ることにしようかと思います。フォームにメルアドを入れたら自動返信、という方が、人目に付きにくい点ではいいのですが(汗)、少しどうだろうという気も。
 うーん。もうちょっと考えてみます。
 一万回転。
 締め切り一時間前で、もう来ないだろうとふんでいます(爆)。そして、現時点の参加者は、前回と同じだったりします(笑)。ありがとうです!
 それにしても、考えるのは楽しいですが。それを形にできるかというとまた別で。やはり首絞めてるよ、自分で。

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 しかし、後悔に浸っていても何もならない。奏は、そのことを厭になるほど知っていた。
 手早く朝食を済ませると、夏雪と義兄の残していった食器共々、洗って棚に仕舞う。この家では、基本的には食器洗いは順番だが、朝は各自で誰かが休日の場合は、休みで一番遅くに食べ終えた人物に任される。
 そうして奏は、シャツの袖をまくりながら移動して、家中の窓を開けて回った。
 次いで、自分の部屋と夏雪の部屋、義兄の部屋に入り、それぞれの布団を引っぱり出してくる。奏は、なるべく二人の個室には立ち入らないようにしていたが、布団を干すときだけは別だ。
 奏と夏雪のものは、それぞれのベランダの手すりにかけ、義兄のものは、狭い庭に立っている物干し台にかける。
 すぐに身を翻して、洗濯機の中の量を確認して、湯と洗剤を入れて回す。その場を後にして、風呂場の脱衣序の隅に立てかけてある掃除機を引っぱり出して、夏雪と義兄の部屋を除いた家中を徘徊する。その間、目に付いた大きなごみはごみ箱に投げ入れ、崩れている本や雑誌は本棚に整え、ばらけている新聞は束ねてビニール紐で括る。
 掃除を終えて、洗濯物を干しきると、昼に丁度いい時間になっていた。
 何かに行き詰まったり、考えても仕方のないことを考えてしまうときに掃除をするというのは、姉の癖だった。いつの間にかそれは、奏自身の癖にもなっていた。一種の逃避なのだろうが、逃げたり回り道だって、悪いことばかりじゃないのよ、と言っていた明るい声がよみがえる。
「・・・何食べようかな・・・」
 呟いてから、肉じゃがか、と思い出す。冷蔵庫を開けると、一人分には少し多いくらいの肉じゃがが入っていた。
 それを鍋に移して温め、卵を割る。冷蔵庫の中の冷やご飯を丼に移してレンジで温め、空いている方のガスコンロで湯を沸かす。食器棚に収まっている四角いタッパーの箱の中から、インスタントのみそ汁を一袋出して、汁茶碗に中身をあける。
 温まった肉じゃがに溶き卵をかけて、蓋をして火を止める。あとは、みそ汁のもとに湯をかけて、肉じゃがを丼のご飯の上に乗せるだけ。漬け物が欲しいところだが、生憎、それは切らしていた。
 食べながら、午後の算段を立てる。自分の部屋の片付けをして、その間に夏雪や義兄にメールで必要なものを訊いて、布団を取り込んで買い物に出かけよう。夕食は何にしようか。

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 なんだか奏、このまま嫁に行けそう・・・。
 しかし、世間はクリスマス一色(そして正月)だって言うのに、何故、この連載は黄金週間明けなのでしょう(爆)。

2004 年 12 月 26 日 年の暮れ

 今更ですが。
 しかし、それを実感したのが「笑点」の一時間スペシャルを見てというのがわけがわかりません。何故?!
 ・・・とりあえず、歌丸さんは凄かったです。そして、赤穂浪士のコントは、カンカラだけでいつものノリでやった方が面白かったと思うよ(爆)。サービスではありますが。

 さて年末。
 今年は何やら、バイトで明け暮れそうです。一日に入る時間はそう長くはないのだけど、バイトがあると思うと、遠出(?)もしないからなー。
 明日、部屋の掃除をします。とりあえず自室のみ。もう一つ片付けたい部屋もあるけど、あそこは母や父がいないと、何をどうしようかの判別がつけ辛いよ。
 そして自室は、山積みの本をどうにかしなければなのだけど、一月末頃に本棚が一つ届くから、大整理はそれを待って。とりあえず、半年近く溜まっている(汗)ほこりをやっつけます。それと、服の整理。着ないものは処分してしまおう〜。
 ああ、試験対策を忘れてる(汗)。まとめて、覚えないと・・・。

 ええと、お正月企画・・・というか更新。
 「敷衍遊戯」で日本昔話、ということで本決まりです。投票してくださった方々、ありがとうございます!
 元旦くらいには載せられるように・・・頑張ります。多分。
 発行待機中の「台風の目」でも、一本書いて送りたいしなあ。とりあえずネタは浮かんでいるのだけど、あとは、根気と運ですね〜。
 そして来年こそ、「星降日」と「夢戦」(次回発行予定のメルマガ)を書き上げたいのだけど。さて、どうなることやら。

 今日は、連載は休みで。しばらく、休みが続くかも知れません。

2004 年 12 月 27 日 (大)掃除

 部屋の掃除はすぐに終わりました。まあ、本を動かさないから、基本的にはほこり取るだけだし。
 むしろ、服の整理の方が時間がかかった感じで。そのわりに、さして減りませんでしたが。というか、「家の中でだけ着る服」が大量にできて、それの収め所が大変になってますが。
 しかし、手持ちの服を全て積み上げた光景は、何か凄かった・・・。
 それにしても、丈の長いコートの置き場がなくって困ります。今かけているところは、新しい本棚が届いたら明け渡さないとだし・・・。どうしよう。

 「敷衍遊戯」で日本昔話。
 昨日、配役をあみだで決めたら大笑いでした。順当に、考えて役を振ろうかとも思ったのだけど、くじでやったら・・・(笑)。
 ちなみに、「桃太郎(一応)」です。
 順当に役を振ったなら、まず間違いなく、戻が桃太郎だったのですがねー。あはは。

 そして今は、「台風の目」の新年用の短編を書いています。短く済ませるつもりが、中途半端に長くなりそう・・・。
 その上、「どこが新年やねん」ってな内容になりそうです。うわあ。
 えっと・・・メルマガ登録者さま、期待せずにお待ちください(爆)。
 多分、その短編と、次作の予告(のみ)を送信するはず。予告といっても、発行申請に辿り着くにはまだまだかかりそうですが(汗)。

 ふと思い浮かんだ、(有り得ない)状況。「敷衍」の面子が勢揃いで忘年会をしたら(え)。

 烈:活き活きとあちこちにちょっかいをかけつつ、最終的には呑み比べに突入。「お姉さん、もう一本追加よろしくー!」
 望:気付けば烈と呑み比べに。早く潰れろと思いつつ、意地でも呑むのを止められない。「くっ・・・うわばみ共め」
 昌:辛気くさく、おいしいとも思わずに黙々と酒を飲む。「・・・つまらん」
 累:意外に酒に強く、ご飯を食べつつ呑むが、うっかりのみ過ぎて泣き上戸を暴露。「みんな俺が悪いんだ・・・っ!」
 空:酒を一気飲みして表(笑)は眠り、裏(?)が出て来て、狂宴を眺めつつ飲食。「元気だねー」
 蓮:隅の方で食べていたら烈に引っぱり出され、何故か陸に愚痴ってる。「あの方ほど扱いにくいお人はおりませんぞ」
 陸:酒を飲んでほろ酔い気分。人嫌いも、いくらか後退。「そりゃあ大変だなあ」
 蘭華&幸:呑むより食べる。意気投合して、即席、料理の品評会。「ねえねえねえこれ、すっごくおいしい!」「うーん、ちょっと甘すぎるわよ」
 戒:いくらでも呑みながら、にっこり笑顔。呑み比べにも参加。「お酒がいいと、食事も進みますね」
 戻:酒に弱いと自覚して呑まずにいるが、うっかり烈にのせられて飲んでしまい、隅で寝ている。「・・・采」

 しかし、これを見て誰が誰だか判ったら、凄いと思います(予想では作者のみ)。二人ほど、二部からしか出て来ませんしね・・・。
 そんな様子を書こうかとも思ったのだけど、あまりに無茶苦茶そうなので止めました(笑)。
 我ながら、蓮が中に入っているのが不思議。この人、多分番外編にしか出ないのに。

 ところで。三十センチ離した本の字がはっきりと読み取れない現状。一体私の視力はいくつなのでしょう。

2004 年 12 月 28 日 わあ凄い空!

 雲がね・・・。
雨か雪でも降りそうに鉛色だったのだけど、途切れ目から青空が見えていたり。何か、不思議な感じでした。

 さて今日は、友人と約束をして「約三十の嘘」を見てきました。詐欺師たちの話。
 面白かったー。
 そして、ゴンゾウ(目の周りの部分が垂れずに横に真っ直ぐなパンダの着ぐるみ)のポスターに惹かれて(?)パンフレット購入。・・・や、どこに張るんだそれ。
 見終えてご飯を食べようとしていたら、帰省途中の別の友人に会って、三人で昼を食べまして。
 その後、その友人とは別れて、喫茶店で大きなワッフルを一枚食べたのは、食べ過ぎだと思う(笑)。きれいに平らげた自分が微妙。

 ところで、昼食前に立ち寄った店で視聴したのですが・・・「鋼の錬金術師」のキャラクターソング(大佐)。
 「雨の日はノー・サンキュー」という歌が・・・さわりを聞いた程度でしたが。大笑い。
 声こそ立てなかったものの、肩が揺れて、一人でなくて良かった、と思いました(笑)。
 なんて言うか。むかぁしの歌謡曲調? そして、歌よりも歌詞が読みたかったよ物凄く・・・!(笑)

 帰りの電車で、女性二人組の片方が持っている紙袋、「ソフマップ」と書かれたものを「リアップ」と見間違えて仰天したり(大違い)。
 あるゲームの話から、過去にタイムスリップしても、歴史を知らないなあという話になったり。過去に行ったら、歴史を知ってて有利に動ける、という設定のもの(漫画など)が多いような気がするけど、実際に行ったら、参考書でも持ってないと難しいなあ、とか。

 ちなみに今日、いつものように黒いコートを着て、黒のタートルネックのセーターを着て、寝癖おさえのために黒い帽子を被って。その上うっかり、黒いズボンをはきかけた(爆)。
 しかし、帽子が、(私には)珍しくつばの付いていない、もうちょっと高くしたらシルクハットになりそうだねえというもので。
 帽子を被っている(?)ときの癖で、つい、すぐにぬいで指先にかけて回してしまいます。そして、黒い格好でそれをしていると、ある小説の登場人物を思い出してしまう・・・JDCシリーズの龍宮城之助(字が正確か自信はない)。
 JDCシリーズは・・・と言うか、この作者の作品は、あまり好きではないのですが(爆)。「新本格派」の流れというか、物語が、一足飛びに完結していて。破綻ともとれるそれが、苦手。キャラクターは厭になるほど立っていると思うのだけど。
 ちなみに上記のシリーズは、一作目と最新作は読んでいません(爆)。二作目(これを最初に読んだ)を読んだときに、手の届く範囲に全部あれば、勢いで読んだだろうけど。一度離れると、読む気になれなくて・・・。

 そうして家に帰ると、頂き物の豆本が届いていました。ミニミニ画集。
 「阿吽」という題字の通りに、並ぶ一対の生き物たち。きれいー。かわいいー。
 そう言えば、狛犬は犬じゃない、というのをどこかで聞いたような気がします。片方が獅子、というのは覚えているけれど、もう一方は何だったかな・・・?
 (追記:狛犬は幻獣で、右の獅子が阿、左の狛犬が吽ということらしいです。色々と、地域や時代によっても異なるようですが。情報ありがとうございます、Tさま!)

2004 年 12 月 29 日 課題

 休み明けすぐの試験の、対策を終えて印字しました。
 そして、メールマガジンの正月発行分を書き終えて、発送予約完了。あとは、まぐまぐの発送システムの仕事です。わーい。
 次は、サイトの新年企画(?)だー。
 余裕があれば、二本ほど、友人知人たちに送る分の、正月短編を書きたいのだけどなあ・・・あと、今日入れて三日。無理かな。
 おぼろげながら、筋は浮かんでいるのだけどなあ。・・・やはり、三十五日くらいまで欲しい(笑)。

 そんなわけで、今日は一日、バイト(六時から)に行くまで、ほぼPCの前・・・視力が・・・。

 ところで、以前に話に歌(歌手)のイメージがある、と書きました。それで、ある声優グループの歌を「台風の目」と思ったけど、聴き直すとむしろ、次のメルマガ分に近い(汗)。
 戦いやら愛やらいうあたりがね・・・。
 「台風の目」は、要因はそこら辺に転がっていたのだけど、気付けば大事(?)に巻き込まれてるよ、という感覚で書いたから。それこそ、台風のような感じで。
 次のメルマガの話、主人公は、飽くまで個人的な理由のために、日本刀振るって戦ってますから。ええ、飽くまで個人。
 ・・・改めて思うに、来条の書く中に、世界のために戦う奴っていない気がする(前にも書いたけど)。まあ、私が、それって自分に酔ってそう(失礼)と思うからだろうなあ。うむ。

 あー・・・小説読みたいし、「台風の目」の見直ししたいし、「夢戦」と「星降日」を書きたいし、「星降日」は、台本(こっちが大本)を書き直して、演劇を続けている後輩に押しつけたい(爆)し。
 やりたいことは山積みです。しかしそれを全て、休みが明けるまでにやり終えたら、超人だと思うよ(泣)。
 山を登るには一歩一歩足を動かすしかなく、大量の洗濯物を片付けるには、一枚一枚洗うしかないですね。

2004 年 12 月 30 日 努力の成果

 お正月(一月中)限定ページ、作り終えました。当初予定したものよりも、ずっと大掛かりに・・・。
 そもそものあたりページが、物凄く貧相です。さして面白くもないし(爆)。
 九×九の升の中に、あたりページと、十くらいのはずれページ。・・・今までに書いた、一部にしか見せていないものとか山盛りです(爆)。これも、「猫騒動」というものだけ除いて、全て一月限定。
 あー・・・疲れたー。
 疲れすぎたので、もう、来年はメールも来た分に返信だけになる気がします(爆)。それか、やる気が起きたら、年明けからPC開いて書いてるか。今年はもう無理。

 今読んでいる『冷たい校舎の時は止まる』。
 まだ上巻の終わりの方(上中下巻)なのだけど、面白くて先が気になる。夢にまで見ました(笑)。
 ・・・夢というのは、続きとかその登場人物になってとかいうのじゃないけど、似た状況になってたのですよ、夢の中で。丸々。
 そして、現時点で十分に面白いけど、上巻の解説の人が書いているような、共感(少し違うかもだけど)はないなあ。ないというか、薄い。
 中途半端に、近いからかなあとも思うのだけど(高校の三年生)。それとも単に、個人の感覚?
 まあなんにせよ、残り二巻。面白いといいなあ。

2004 年 12 月 31 日 雪!

 朝起きたら、雪が積もってました。
 ええ、八時くらいまで雨降ってなかった?!(起きたのは九時半過ぎ)と母に言うと、それはみぞれと言われました。その後で積もるって珍しいなあ・・・(この辺では)。
 そして、午前中に外出した父によると、徒歩十五分くらいの小学校まで行くと、雪なんて積もってなかったよとのこと。おまけに、外出先で車を止めていたら、どこに行かれてたんですか、と声をかけられたらしい。知らなかった、ここは山奥だったのか(笑)。
 だけど、兵庫県各地で電車や高速道路が交通止めになっていたことを考えると、やはり、広範囲で降っていたのだよなあ・・・?
 おかげで今日は、家の中でも息が白かったです(爆)。

 午前中、おせち造りをちょこちょこと手伝い、片付けなければならない部屋(物置状態)を、箒だけかけて。
 ・・・後はほとんどずっと、本読んでました(汗)。
 面白かったー、『冷たい校舎の時は止まる』。久々に、ぐるぐる考えながら本を読んだなあ(推理、という意味で。推理ものとは少し違うけど)。
 三カ所、大きくあったポイントで、そのうちの一つは断言はできないものの推測していて、一つは明かされる寸前に気付いたのだけど、寸前に気付いた奴が悔しかった。伏線が、わりと判りやすく張られていたから、もうちょっと早くに判ってもよさそうなものだったのにーっ! 
 大きく外れるとそうでもないけど、惜しいと悔しい、という見本のような状態です。むう。
 やはり共感はなくて、ないよ、こんな人たち、と思うけど、不自然と思うわけでもなく、そういう意味で現実味はあったなあ。
 うん。次作、でたら買うかも知れないなあ(ハードカバーでなければだけど)。
 ちなみに、この作者(辻村深月)はこれがデビュー作で、私は、図書館で借りて読んだのです。

 ところで、「紅白歌合戦」(我が家は毎年これ)を見ています。
 とりあえず、こういった舞台衣装(?)って、え・・・それってセンスいいの?と言いたくなるような服が多いのは何故だろう。普通に、きれいなドレスや服というのもあるのだけど。
 それが不思議。

 さて、「台風の目」の見直しと、『現代民話考』でも読みながら年を越します(笑)。
 日付越えたら、とりあえず、限定ページだけ更新して寝よう。



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