『吹上奇譚』…第一話 ミミとこだち
奇譚、という題名に惹かれて。
…いやあ…前から、読んでもいないのに、多分この人の小説って私はあまり好きじゃないなーと思っていたのだけど…ファンタジーっていうし、変な思い込みかも、と…うん…合わないな…。
要素はかなり好みな感じなだけに、無念。
『曼珠沙華』…新・知らぬが半兵衛手控帖
白縫様のシリーズ再開!
亡くなった彼の不在を淋しく思いながらも、新しい出会いもありつつ、お役目も復帰。
世知辛い世の中に、こういう人がそこそこの地位にいてくれるといいなあ。
『ガイコツと探偵をする方法』
面白かった!
大学の非常勤講師をするシングルマザーの主人公の、六歳から友達の、骨だけのシド。こんなにも心強いガイコツっているのかな、という(笑)。
肉も皮もあった頃の記憶のないシドが見覚えがあるという女性をきっかけに、過去を調べ始めたら遭遇した殺人事件や空き巣事件など。シドは何故誰に殺されたのか、何者なのか。
軽快に読めるのに、シドの不安にぐっと来たり。
それにしても、非常勤講師の大変な立場って、日本だけじゃなかったんだ…。
『怪社奇譚〜二十五時の社員〜』…実録怪談集。
で、題名にある通りに会社が舞台のもの、というくくり。
淡々と描写されるからおどろおどろしくおそろしい、というものは少ないのだけど、描写が静かなだけに地味ーに想像をかき立てられる。あっさりと投げられる一文が効いてきたりするのだよなあ…。
『おとなりの晴明さん』
引っ越したらお隣には安倍晴明さんが住んでいました。…羨ましい! なんて役得…! と、読みながらひそかに呻いていたり(苦笑)。
ちょっと異界(?)へ踏み込んでしまった日常の物語、という感じ。
からくさ図書館(というか冥官)の面々も出てきて嬉しい。もっとがっつり出てきていいよ。桃花ちゃん、からくさ図書館行こうよ(笑)。純真な女子高生から見た篁の時子様への様子が気持ち悪くてあれだけど…。
しかし、いいなあー。
祖父の通夜と葬式のため、愛媛へ。
『架空論文投稿計画』
馬鹿馬鹿しい…!(褒め言葉)
架空の嘘八百な論文をでっちあげ、雑誌に投稿したら果たして審査を通るのか。そんな社会実験をしたところ…という徹頭徹尾架空ながらいろいろと現実を下敷きにしていてもう、何これ面白い。細かなネタは全然わからないのだけど、地味な馬鹿馬鹿しさは満喫。
これ、研究職(だったはず)の遠山に送り付けてみようかな…しかし遠山にはホラーかも(笑)。
しかも、代書屋ミクラにつながるっていう。発端を知るとなおさら、よくもまあ…と楽しくなる。
『白霧学舎 探偵小説倶楽部』
戦時下、寄宿舎のある学校に転校して来た主人公が、友人たちと殺人事件を追う。なんだか、遣り切れないなあ…。
『お人好しの放課後』
面白かった。ほぼ名目だけだけどボランティア活動のようなことをやる、という「帰宅部」に所属する高校生たちの日々の四篇。日常の謎。
なんだろう、懐かしいというか、こういう高校生で居たかったような。ありふれた、穏やかで楽しそうな日々の中にざらりと混じる「現実」の感じが、とても好み。
これがデビュー作ということだけど、もっと読んでみたいなあ。今回借りたけど、買おうか…。
『思案橋』…新・知らぬが半兵衛手控帖2巻
白縫さまの「しらんかお」は厳しさも含んでの優しさだとは思うのだけど、案外、裁かれた方が気が楽になることもあるはずで。…と考えると、やはり、「罪を抱えて生きろ」というのは単純に優しさとだけ言い切れない気もする。
いやまあ、お江戸の法律は結構厳しくて割合簡単に死罪を言い渡されたり、牢が不衛生でそこで体調崩す(下手をすると死亡)なんてこともざらだったらしいから、裁きを受けた方がいいとも言えないけど。
恒例になりつつある、東灘のスイーツめぐり行ってきましたー。
『世界をまどわせた地図』
古地図の図版たっぷり、文章もたっぷり。
様々な理由で実在しないのに実在するように地図に描かれた、主には島。他には国や都市や川や生き物や。
地図全体を示した上で、該当の箇所を拡大してくれているのもかなりわかりやすい。そして読みごたえも見ごたえもあった…!
これ、地図を眺めているだけで楽しい人にとっては物凄く楽しい一冊ではなかろうか。
それぞれにまつわることを綴った文章も、思ったよりは読み辛さもなく。まあ難点は…重くて手が疲れるってことか(苦笑)。
『風待町医院 異星人科』
実は地球には数多の異星人が訪れていて、ふとしたことから異星人を対象とした医院とそこに関わる人たちを知った主人公。
既に大人になった主人公が、小学生のころを振り返る態の文章…なので、最終的に現在の主人公が出てくるかと思ったけど、そんなことはなかった。
さらっとした感じなのだけど、なんだろう、主人公のフラットな感じなのか、何かが引っ掛かるというか残るというか。この偏見のなさ、羨ましい。
物凄く面白い、夢中になる、というのではなかったけど、うーん、なんだろう。好きだなあ。
『鯖猫長屋ふしぎ草紙』3巻
やっぱり面白かったしやり取りも楽しかったのだけど、実に厭な話だった…。
そして貫八がなあ…。悪い奴じゃないんだろうけど、本当にちゃんと考えてる? というところにちょっとイラっと。
『御手洗潔と進々堂珈琲』
…御手洗潔って探偵じゃなかったの…? という程度の認識で、読んでみたら推理云々はなくて、各国放浪記のような…?
この設定の時代の頃はまだ、戦争は若者にとっては遠くても、でもそれなりに近かったのかなーと思いつつ読了。
そういえば作中の風船爆弾、少し前に「科捜研の女」にも出てきてたけど…どれもこれも、遣り切れない。
『夢と幽霊の書』
大量に集められた怪異譚。しかもそれを、分類して多分それ以前に精査もして。だからまあこれは、「怪談話集めました!」ではなくて、一種の学術本なのだろうな。
何も知らずに手に取ったので、訳者あとがきと解説(?)の吉田篤弘さんの文章でいろいろと納得。というか吉田さんの文章は、よかったねえというか、あるあるネタというかで、ちょっとにやついてしまった(苦笑)。
『ミステリークロック』
セキュリティ会社をやっていて裏で泥棒もしている榎本と弁護士の青砥先生のコンビの(?)シリーズもの。
…青砥先生、ここまで的外れなことしか言わなかったんだったっけ…? さすがにこれじゃあ、青砥先生がいない方が話がさくさく進む…間抜けなワトスン、にしてもちょっと…。
短編二本と中編二本。
『今からあなたを脅迫します』2巻
脅迫屋は姿を消したまま、相変わらず「正しさ」を枉げられない主人公。
突き刺さった自転車から妙なナンパ師と関わり、気付けばあっちこっちつながってきて。
あー…こういう「組織」、そこそこある設定だけど、いつも厭な気分になる。
そして些末なことなのかもしれないけど、彼女を「偽善」と呼んだことに、ちょっと考え込んでしまった。そこの判断基準はそれぞれではあるけど、例え本当に偽善というものがあるとして、それは断罪されなければいけないことなのか、と。偽とつけても、善と呼んだそれを。では善とは何か。
友人に映画をおごってもらって、東灘のスイーツめぐりに行ってきました。
観た映画は、「泥棒役者」。それほど期待はしていなかったのだけど、でも、うん、何も考えずに楽しめるいい映画だった。エンドロールで、着ぐるみってあるけどなんだろう、と思ったらちゃんと出てきた…(笑)。
『キノの旅』21巻
寓話のような短編集。
『今からあなたを脅迫します』3巻
今回は、章ごとに事件(?)は解決の短編集。
栃乙女、いい子だなあ…。いやまあ、実際に付き合いがあれば面倒くさい気はするけど。というかそれは出てくる主要キャラみんなな気がするけど(苦笑)。
主人公、良いのか悪いのかは措いても、変化してきるなー。
そして表紙、スナオも入れようよ、一味として(笑)。あと目黒さん…副業あったのか…。
『サーチライトと誘蛾灯』
虫好き青年が行く先々で殺人事件をふらふらーっと解決してしまう短編集。ふらっとやって来てふらっと去っていく。
視点が事件に関わりのある人だから、探偵役の青年のことはよくわからないまま。
これ、文章の終わり方が、潔いというか、すぱっと切って、もうちょっとあってもいいのじゃないかと思う半面、あれば蛇足になるかとも思うさじ加減。
突飛すぎずキャラクターの立った造形で、事件の謎解きも端正。まだまだ読んでみたいなあ。
『欺きの童霊 溝猫長屋 祠之怪』
銀太…。これ、お多恵ちゃんを無邪気に(?)拝んでいていいものなのか、という気がしてきた。それともそこはもう、生者と死者の感覚の違いということにするしかないのか。
そして先生が怖すぎる(苦笑)。
『鳥獣戯画』
題名に惹かれて手に取る。
あー…うんしまった、苦手な感じのやつだった。「物語」が特になくて、私小説めいた小説があまり好きではなくて。それでも語り口で好きなものもあるのだけど、これは合わなかったなあ。なんで鳥獣戯画?
『京都寺町三条のホームズ』8巻
主人公が大学生になって、ホームズさんは修行の旅(?)へ。
考えてみたら、作中の時間の流れが速い。一つの研修先で一章だから、さくさくと経ってしまうという(苦笑)。
はじめの話の、友人と出かけるのに土日に、というのにちょっとびっくり。大学って、結構空き時間があるから平日の方が出かけやすかったりしたけど…。
そして本編全く関係ないけど、上田さんはどこの人だ。京都弁じゃないよなあ。今巻で播州弁かと思える台詞があって、いやいや、と思ったのだけど、大阪弁にそれほど詳しくないし、はて。
『警視庁 生きものがかり』
警視庁の生き物全般を専門に扱う部署の第一人者(?)。主には密輸とか販売禁止の動植物に関して。
読みやすい文章と、専門家への敬意、本当に生きもの好きなんだなー、というのが感じられて楽しい。
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