虚言帳

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2008.11

2008 年 11 月 1 日 うっかりどっぷり

 昨日、ふらーっと古本屋行ったら思いがけずいろいろと購入してしまって、それ読んでたら日が暮れた、という(爆)。
 それにしても、『ぼくらのミステリー学園』と『夜の神話』が入手できるとは。ぼろぼろだったけど安かった。わーい、ハードカバー。図書館で読んだのそのままー。あとはこれで、題名忘れたけど妙な料理の話ばかりが載ってる本…題名何だったろう、本当…それが揃えば、何度か読み返した児童書は揃うような気がする(苦笑)。
 あと、カクテルの本と(笑)。作り方が載ってるけど…作らないだろうなあ。名前と、組み合わせ(成分?)見て多分にやにやしてる(怪しい)。

 でまあ、今日は、残業してきました。
 …残してきた分があるから、思っていたよりは早く終わったけど…明後日がまたちょっと面倒かも。ああ、でもそれがなかったら無茶苦茶閑だったかもしれないし…まあどうでもいいか。
 しかし今日は仕事中、愚痴が止まらず困ったり。はははー。

 ラーメンスープにとろみをつけようと片栗粉を入れたのだけど、あまりつかず。うーん、思っているよりも量がいるのか…?

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「 学校の放課後 」

 見知らぬ教室で居眠りをしていた。
 ぐるりと周囲を見回すと、ありふれた、でも、今まで私が通ったことのあるどの校舎よりも豪勢だと判る教室。三十六個並んだ机と椅子には、教卓真ん前の私以外誰も、座っても立ってもいない。
 机に突っ伏したままでも眼に入る私の腕は、黒色の厚い布地に包まれていた。袖口には、蘇芳色の三本線。上体を起こすと、セーラー服と判った。スカーフも蘇芳だ。
「どこ、ここ…?」
 素朴な疑問は、静寂に飲み込まれた。
 窓の外はいっそ絶望的なほどに晴れ渡っていて――
「死神でもひなたぼっこしてそうやわ」
「っ」
「誰?」
 噴き出したような気配があって、とりあえず廊下に向けて言ってみたものの、返事はなかった。代わりに、軽い足音。
 思わず駆け寄って力任せに引き開けた扉の向こうには、角を曲がる人影があった。でもそれは言葉通りに「影」で、本当に人型だったかどうかすら、実は自信がない。
「もー、わけわからーん」
 呟いて、へたりと扉にもたれかかった。目を閉じる。


「お目覚めになりましたか?」
「ふえ?」
 聞き慣れない堅苦しい声。というかここはどこだ。揺れている車の中――?
「あ」
 うわやらかした、と思いつつ、とりあえず体を起こす。車の後部座席を占領して眠り込んでいたらしい。今日はじめて袖を通した制服も、どうにもしわができている。まあ、セーラーの冬服だからわかりにくいけど。
 そこで再び、声を上げそうになった。
 さっきの夢。人のいない見たことのない教室で目覚めたあれ。今と同じ格好をしていた。…まあ、だからどうってこともないのだけども。
 髪を手櫛で梳きながら、前を見る。ミラー越しに、運転中の秘書の人が一瞥を寄越したのが判った。苦笑も呆れも見られない。無表情で、何が楽しくて生きてるのか、と思わせる。それとも単に、雇用主の隠し子の面倒を見させられている現状が不満なだけだろうか。 
 とりあえず、頭を下げておくことにした。
「すみません」
「いえ。お疲れになったんでしょう。そろそろ到着です」
 淡々と、好意や気遣いが感じられない代わりに皮肉や嫌味も感じられない声音で返ってくる。こういう人は嫌いじゃない。ただ、そうですか、と返した私の顔は、バックミラーで見る限り微笑していた。とりあえず笑顔を見せてしまうのは、癖だ。
 窓の外をぼんやりと見詰めると、なるほど、田園風景の中にぽこりと、いっそ異様とさえ言えそうな校舎群があった。
 ちょっと見ただけでは、博物館か個人の豪奢な邸宅か、と思いそうな建物。大雑把には、中央に校舎が固めてあり、北側に宿舎が、南側にそれ以外の関連施設が配置されているとか。ああ、教員宿舎は西側。正門からすれば裏側だ。その後ろは山裾だったりする。
 ちなみに、私がそれらのことを把握しているのは、今朝方閑すぎて、学園案内のパンフレットを熟読してしまったから。
 それによると、この来栖学園は戦後間もなく創立された。全寮制で、幼等部から高等部まで男女合わせて一万数千人ほど、生徒でない者も含めても二万人は超えないだろう人数が暮らしているらしい。
 最寄の駅と商店街までは、車で一時間弱。辛うじてでも都市部と呼べそうなところに出るには、そこから更に電車で一時間ほど。ちなみに、学園に至るバスはなく、タクシーを呼ぶか学園の車を借りるしかない。必然、実務に関わる関係者も、ほとんどが宿舎生活というのが現実だとか。
 ネットで調べた情報によると、わけありで入学する生徒が多いとか。一例を挙げるなら、親が大物政治家で、それを恃みに万引きから始まり見初めた少女を妊娠させた挙句に母子共に殴り殺した馬鹿息子。さる大家の近親婚でできてしまった娘。そして面白いのが、それらの一方、汚れきった外気にさらしたくないという理由で入学させられた箱入り娘と息子たち。
 さて私は、どちらの理由だろう。…まあ間違いなく、前者なのだろう。
 ちなみに、来栖というのは創立者の苗字で、特定の宗教的象徴とは関係がない。が、それに乗じてか単に創立者か関係者が思うところがあったのか、宗教学が選択授業に取り入れられているのが珍しい。
 来栖学園には大学も大学院もあるが、それらは打って変わって、県庁所在地の華やかで適度に田舎な一角にあったりする。
「必要なものがあれば、いつでも声をおかけください」
「はあ」
 はて、常に「父親」の傍らにいるはずのこの男に、私は何を望めばいいものか。
 そうそう、私がここにいる理由。それは、生物学上と多分法律上も親子になる新城宗佑(あらきそうすけ)にある。 
 突然出現した「父親」は大手企業の代表取締役で、しかもその企業は、色々ときな臭い噂の絶えないところだった。多分、ヤのつく人々と直結のつながりがあるのじゃないか。
 ところで母親は、今頃第二の人生を踏み出せているはずだ。彼女に幸いあれ。己の子どもではあっても憎しみしか抱けない男の子どもでもある私を、愛情は注げないまでも、よくまあ虐待ひとつせずに育ててくれたものだと思う。私ならきっと、中絶したかそれが間に合わないなら密かに殺すか捨てた。
 そのところの事情を知ったのはついこの間なのだけど、そこではじめて、母からの愛情が感じられない理由を理解した。どうせなら、もっと早く教えてくれていた方が、私に悪いところがあるだろうかと思い悩まずに済んだというのに。
「ところで、本当にいいんですかね。むちゃくちゃ高そうなんですけど、学費とか」
 密かに死体を始末するのよりきっと高い。
 そんな物騒なことを考えているとは知りもしないだろうが、秘書の人は、バックミラーで見る限りはやはり無表情に言った。
「気になさるようなことではありませんよ。むしろ、貴女の意向も聞かずに決められたのだから、立腹されてもよろしいのでは?」
 リップク…なかなか漢字変換ができず、ちょっと困った。小娘相手に固い言い回しを使わないで欲しい。というかこの人、出会った当初からずっと敬語だけど、馬鹿らしくはならないのか。
 秘書の人は、多分二十代半ばくらい。でも、落ち着きすぎの雰囲気からすると、もっと上なのかもしれない。何と言うか、得体の知れない空気がある。
 長めの前髪は細いフレームの眼鏡が上手い具合に散らして、これで笑顔でも見せられたら、二枚目俳優ですと言われてうっかり信じそうになるだろう。でも、ずっと無表情。一月ほど前に出会って、昨日今日はほとんど一日中一緒にいたというのに、のっぺりとしたそれしか見たことがない。
 ついでに、指がすらりと長くて、ピアノでも弾かせたら凄く似合いそうだ。
「思うところがあれば仰ればよろしいでしょう。十数年に亘って養育を放棄していた父親です。そのくらい、当然の報いだと思いますが?」
「八幡さんって、あの人に対して容赦ないですね」
「日頃の行いの成果ですね。それと失礼ながら、八坂です」
「え。あ、うわ、ごめんなさい! 神社つながりで覚えてたらうっかり」
「…いえ」
 今の間は何だ、怒らせただろうか。鏡越しの能面からは何一つ読み取れない。
 しかし本当に、つかめない人だ。でもまあ、嫌いじゃない。うん、むしろ好きかもしれない。
 とはいえ、あまり知らない人なのだからなんとなく距離はある。というか、物心ついて以来、それを一切抱かない人がいただろうか。多分いない。まあいいか。
 私が投げやりな自問自答をしているうちに、正門前に到着していた。ゆっくりと、車が止まる。そして秘書の人は、当然のようにシートベルトを外した。   
「少々お待ちください」
「はい?」
 ドアを開けて外へ。何事かと見ていると、秘書の人は、これも当たり前のように、閉ざされた正門の端にあるインタフォンらしきもののところまで歩いて行った。何か話している。
「…つかれた」
 するりとこぼれた呟きに、自分で驚いた。が、納得する。
 うん、疲れた。
 前の家では、看護師という多少不規則な労働形態の母は、いないかいても眠っているかお互い顔を合わせないようにしているかで。人が傍にいるだけで、こんなに疲れるものなのか。
 …しまった。寮生活なんて、これ以上に人だらけじゃないか。昨日今日は少なくとも秘書の人だけで、ホテルはそれぞれに一部屋だった。寮だと、たしか相部屋。いつも他人がいる生活とはどんなものだろう。駄目だ、想像の埒外だ。
 流されるままだった行動を少し後悔したけど、もう遅い。
 正門は開きつつあって秘書の人も車に戻ってくる。そしてそれ以前に私は、どんなことをしても生きてやる、というほどの気概がない。どこをどう探したって。「父親」の庇護下にいれば楽ができると、知ってしまっている。
 ――まあ、いいや。
 なるようになるさ。「ケセラセラ」のメロディに乗せて、そんなことを嘯く。
「お待たせしました。まず、生徒会室に向かいましょう」
「はい?」
「ここは極端なほどに生徒の自治が進んでまして。必要なものも注意事項も、とりあえず全て、生徒会から受け取る必要があります」
「――日曜やのに、仕事してるんですか?」
 自転車にも軽々追い越されそうなくらいにのろのろと敷地内を走る車の中で、正直、呆れ返った。生徒の自治はパンフレットやネットにも特色として挙がっていたけど、いくらなんでもやりすぎじゃないのか。
 だけど秘書の人は、涼しい無表情で肯定した。
「ここでは、生徒会が国会のようなものですからね。ただ、本物よりも活動的かつ広範囲に及んだ上で身軽ですが」
 熱意や責任感はこちらの方が強いかもしれませんね、と、さらりと厳しいことを口にする。
 そして淡々と、着きましたよと、エンジンを切ってシートベルトを外す。
「私もご一緒しますので、少しお待ちください。ああ、荷物は後で運びましょう」
「一緒って…一人でも行けますけど?」
 助手席に乗せていた書類ケースから目当てのものを見つけ出したらしい秘書の人は、体ごとひねって私を振り返り、無表情に首を傾げた。
「お聞きになってませんか? 私も、事務職員としてここで暮らすことになっています」
「え?」
「臨時雇いですが」
 そう言って秘書の人は、A4の紙を差し出した。そこには、八坂篤朗を三ヶ月間雇うといったことが書かれている。採用通知か。私が読み取ったのを確認すると、するりと用紙を戻す。
「母校で教鞭をとる、というのもやってみたかったんですが、あいにく、教員免許を持っていませんでした」
「母校?」
「はい。わけあって、中学から高校まではここの住人でした。OBというやつですね」
「はあ………?」
 懐かしいな、と言いながら、顔はやはり無表情だ。私の視線に気付いたのか、彼は息だけで微苦笑した。
「表情がなくてすみません」
「え? えー…謝るところですか、それ?」
 と言うか、自覚してたのか。突っ込んでよかったんだ。
「お怒りになる方は多いですよ。悪い癖です」
「それはまた、習得の難しそうな。ポーカーにでも明け暮れてたんですか」
 何をどう言ったものか迷って、くだらないことを口走る。もう少し、回転の速い脳みそか気の利いた脳みそを持って生まれたかった。うん? この二つは、もしかすると同じ物だろうか。とにかく、最低に近い応答だろう。
 だというのに、一瞬。ほんの一瞬、彼は、ひらりと微笑んだ。 
 もっと笑えばいいのに、という、きっと無神経だろう言葉を飲み込んで、私は別のことを口にした。微妙に気が動転している。
「それじゃあ、生徒会室の位置を教えてください、先輩」
「そうでしたね。申し訳ありません」
 詫びられ、じっと、彼を凝視した。
「何か?」
「ずっと気になってて、でも少しの間ならいいかと思ってたんですけど。そうじゃないなら言います。気を使わなくていいですよ。あなたを雇っていたのは、私じゃなくて私の父だとかいう人ですから」
「けれど、間接的にはやはり、雇用主でしょう?」
「でも今は、学校に雇われてるんでしょ?」
「ああ。実は、給料は二重取りになります」
 さらりと。
 つまりは、ここに残るのも「父親」の指示ということらしい。「父親」が何をしたいのか、さっぱりわからない。        
 母がどうしようもない経済難に見舞われたと思ったら、唐突に出現した「父親」。それらを片付ける代わりに私の親権を手にしたかと思えば、一緒に暮らすでもなく、中三の十一月という中途半端にもほどがある時期に、陸の小島に入学させられた。
 仮説一。
 母からは視界に入れるのすらおぞましく思われているにも拘らず、感謝されなくても役に立ちたいと思うほどに愛している。今まで姿を見せなかったのが不思議なくらいの、いや、やったことを考えればそれは当然なのか、とりあえず、金持ちで献身にあふれたお役立ちのストーカー。とすると、過去に母をレイプしたのも、突っ走ってしまった若気の至りか。これは、嫌われていると理解しているだけましな部類に入るのかも知れない。
 仮説二。
 実は、母から話を持ちかけた。脅迫の類だ。なるほど、今まで嫌々私を育ててきたのは、こういったときの切り札としてということか。今ならDNA鑑定も容易く、私が誕生した一件は一度は警察沙汰にもなったらしいから、立証は可能だろう。長々と切り札を温存して今に至ったのは、これまではそれほどの危機がなかったからだろうか。
 仮説三。
 何らかの理由で、「父親」に直径の血縁者が必要になった。金持ちで顔は十人並みなんだから今でも遅くはないはずだけど、急遽必要になったのかもしれない。そうすると、入学は一時の隠れ蓑か。しかしその後に何が待ち受けているのか。ううむ、政略結婚くらいしか思い浮かばない。
 他にもいくらでも仮説は立てられるだろうけども、突っ込みどころを踏まえた上でありそうだと思えるのは、今のところ私にはこの三つくらいしか考えられない。     
 しかし、私係にされてしまったということは、この人は秘書ではなかったのか。まあどうだっていいけど。      
「間接的にでも私も雇用者なら、命令ということでお願いします」
「何がご不満で?」
「慇懃無礼っぽいところが」
 つい即答してしまったけど、彼――ええと、八幡は違って八坂青年(?)は、無表情にまじまじと、私を見詰めた。そうして、柔らかく微笑んだ。
「気が向いたらそうしましょう」
「…実は遊んでませんか」
「さあどうでしょう?」
 そう言えば、「父親」を批判していた気がする。雇用主に忠誠というわけではないのか。でもそうすると、はて、私の世話係でいくらもらって納得したのやら。それなりに自尊心やら矜持やらがありそうなのだけど。少なくとも、小娘相手に仕えてよしとする人ではないような。
 まあいいや。

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 先月末に呟いた、書きかけを書き上げよう!のための日記連載(何)。
 書き書けっていうか…書きかけには違いないけど、出だししか書いてない、っていう。これ、終わりが見えてないのだけど終わるのでしょうか。←
 相変わらずの現代ファンタジーにはなるはずだけど、その前に、あれ待って、現実味ある寮生活の高校生ってどんな?という難関が(爆)。
 まーとりあえずやってみます。期待せず、お付き合い頂ける方お待ちしています(え)。  

2008 年 11 月 2 日 いつの間にやら

 一日が終わった…(爆)。

 母が諸事情から帰省していたのですが、母恵夢と共に帰宅。
 …母恵夢、ご存知でしょうか。松山銘菓。食べたくなって、たのんでいたのです。たまーに生協で売っているらしいけど、私は一六タルト(これも松山銘菓)は見るけどこっちは見ないんだ何故か。
 そして何故か、我が家(と言うか母)の中で、母恵夢と言えばベビー母恵夢。考えてみれば、本家本元(?)の母恵夢は食べたことないかも…?
 帰省の理由は喜べることではないのだけど、でもお菓子がおいしくてちょっと幸せ(単純)。

 『怪談徒然草』…実録怪談。
 作家の加門さんが「見える」方らしく、その、怪談話の数々。やーこの語り口好き。
 それにしても、持っているのは文庫版なのだけど、その前のやつのが好きだったな…(文庫採録にあたって少し形式が変更されている)。図書館で何度も借りて読んでいたから、文庫を読んでいると違和感があるのですよね(苦笑)。いつか、ソフトバーの方の版もほしいな。

 『おまえは来るな』…これも実録怪談。
 こっちは、北野誠の体験談。幼い頃の話と、テレビ番組でそういうことに関わるようになってのものと。
 あまりテレビの怪奇番組って見ないのだけど(つくりが苦手)、そこの裏話のがこわい(というかいろいろある)のだろうなあ、というのを読んでて思ったような(何故あやふや)。

 『ある日、アヒルバス』…東京観光のバスガイドさん。
 五年目で、頼りにしていた先輩は転職、急に新人教育を任されたけどどれも曲者ばかり。日常の奮闘記、という感じ。
 日常と言ってもバスガイドさんの日常はよく知らないから興味も湧くし、でも同じと言えば同じなんだなーというところで妙な共感(笑)。
 からっと明るくて地の文(主人公)が突っ込み満載で楽しい。うんー、よっし頑張るか、という感じになる。…これ作者男の人って本当?(筆名を見ると)
 とりあえず、ピノの神様いいな!(笑)

 買い物に行ったのですが(九割お菓子で本命牛乳)、今月一日から市内のスーパー全店、ビニールの買い物袋無料は廃止になってるの忘れてた。
 で、無理矢理カバンに詰め込んだのだけど、これって…万引きした人みたいだ、いや、万引きする人はこんな風に中身出る大きさのカバン選ばないよ、と思いながら店を出ました(苦笑)。チャックが閉まらなかったんだ。
 しかし…これ、本当に役立つ(効果ある)のかな?

 今日、新しいデジカメが届きました。
 今使っているものを買ったのがもう数年前で、届いた機体(?)の薄さと軽さに吃驚。店頭で見て知ってはいたけどさー…掌に収まる。わー。
 買い替えの理由は、父が仕事で使っているデジカメが壊れたようだ、というので、そろそろ買い換えようかなーでもまだ使えるものなあ、と迷っていたところに付け込まれました(笑)。今まで使っていた分は父に回るという。
 通販便利。な、反面、ちょっとこわくもあるのですけどねー。うーん、何が、かはよくわからないのだけども。

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 とりあえず、車を降りないと話にならない。父だという人が何を企んでいようと、八坂従業員(?)が何を任命されていようと、流されるままに来ようと決めたのは私だし、実際問題、車の中で押し問答をしていて何になる。
 着替えや日用品一式はすべてトランクに収まっていて、手荷物すらない。車に乗るまで羽織っていたコートを持つと、ほとんど身一つで外に出た。肌寒いくらいの風が吹いているけど、日が照っているから、外で過ごすにはちょうどいいかもしれない。コートを着るほどでもなさそうだ。
 寝転んでいたせいで妙なことになっていないかと制服をはたいている間に、八坂さん(これが一番無難)は自分も車から出ると鍵をかけ、あらかじめ空けておいたらしいトランクの上蓋を持ち上げた。
 しまった、出遅れた。
「すみません」
「蓋、閉めてもらえますか?」
「…はい」
 荷物出してもらって、と言うつもりで手まで出したのに、小学校の修学旅行用に買った大きすぎる旅行カバンと使わないから、とくれた母のものだったボストンバッグ、それから自分のものだろうトランクを軽々と引き出した八坂さんは、空になった車のトランクを示した。
 わかってやっているような気がするが、だからといって怒るようなことでもない。大人しく、言われた通りにする。
 では行きましょうか、と、八坂さんは前に立つ。ほっそりとした力のなさそうな見かけによらず、三つの荷物を軽々と持ち上げて歩き出す。少し迷って、横に並んだ。
「荷物、持ちます」
「ああ、助かります。落ちそうだったんです、実は」
 そう言って示されたのは、脇に抱えた書類ケース。いやそうじゃなくて。絶対、わかってやっている。
 

2008 年 11 月 3 日 ぐだぐだです

 …眠かった…。
 定時の一時間くらい前から、眠くて眠くッてどうしようもなくて、今日はとっとと帰ろう帰ってご飯まで寝よう、と思っていたのだけどお菓子を食べる誘惑に負けて寝ずにいたら、ご飯食べてから一時間半くらい眠っちゃったよ…。
 あー、今日こそは早く寝よう、って、いつも思ってるのですけどね(汗)。

 『火村英生に捧げる犯罪』…推理小説短編集。
 表題作、結構好きだなー。ああそれありだよね!という。いや、ないけど(現実としては)。『赤毛連盟』を想起しました。
 傾向がばらばらのものが収められていて、それがちょっと面白い。
 「四風荘〜」は、え、片桐さん(編集者)、どうしてそんなに浮かれてるの?という。うーん、この人は、火村ネタでは常にはしゃいでるイメージがあるな(苦笑)。

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「私の、荷物。自分で持てます」
 と言うかそもそも、持ってもらう理由もない。付き人や執事じゃあるまいし。手を出すと、無表情がこちらを向いた。
「遠慮は必要ありませんよ」
「だから、持つって言ってるんです。人に荷物運ばせるのが当然なお嬢様暮らししてませんから。大体、ここの職員になるわけでしょう? 特定の生徒を贔屓するのは問題あると思いますけど?」
「正論ですね」
 やはり無表情ながら、素直に頷く。だからてっきり荷物を渡してくれるものと思ったら、書類ファイルを抱え直し、相変わらず姿勢正しくさっさかと歩いて行く。
 えええっ、と思わず間抜けな声が洩れて、数拍遅れて後を追う。
 喰えない人だ。狸親父の部下も狸なのか。いや、むしろこの人は狐っぽい。伏見神社の辺りで売ってる狐面が似合いそうだ。
「正論なら、どうしてそうなるんです」
「一般的には正論ですが、残念ながらこの学園ではそうでもないんです。生徒の関係者が職員として働いてることが多くて、あまりにも度を過ぎなければ見て見ぬふりがまかり通っています。まあ、それはそれで社会の風潮を学べていいんじゃないですか」
「ちょっ、学校教育ってもっと、公正とか公平とか」
「それを建前に、実はそんなものは通用しない、というところまで教えるのも教育の一環かもしれませんね」
 いやどうなんだそれ。
 段々面倒になってきて、がっちりと持たれているカバンは諦めて脇に挟んだ書類ケースを取り上げた。すかさず、ありがとうございます、と返されるのが少し悔しい。

2008 年 11 月 4 日 期限は何時だ

 あまりにもがさがさな顔(の肌)に、化粧水+乳液(一つの瓶に入ってる)を塗ってみました。いつ買ったんだか覚えてないやつ。
 …いや。えっと、薬局辞めた後だから、最長でも二年。…あれ、それって大丈夫…?
 うーんだって、乳液って苦手なんだべとべとして。でももう、年齢考えても化粧水だけじゃ駄目だよなーと思って買った…のだった、気がする。しばらくは使ってたけど、吹き出物がたくさんだった時期があったこともあって、使うの止めて…大丈夫なのか?

 そう言えば(?)今日、夜に携帯電話(マナーモードに設定)を抱えて二十分くらい寝よう、としてたら友人からメールが。
 下手に長々と寝なくて助かった、というべきなのだろうなこれは(笑)。
 しかし、懐かしい話を聞いた(?)。

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 だけどまあもう、どうでもいい。ここでそれが常識なら、そういうことにしておこう。
 おそらく今、一番問題にすべきはここでの生活に馴染めるかどうかで。何しろ、一体何の目的で引き取られたのか、ここに入学させられたのかが判らない。それはつまり、いつ呼び戻されるか判らないということだ。最大、三年間はここにいることになる。それが短いのか長いのかはよく判らないけど、居心地は良いにこしたことはない。
「教科書なんかも、生徒会室でもらえるんですか?」
「ああ、いえ」
 どっちだ。
「共通授業のものは寮に用意されています。選択授業のものは、時間割を提出した後ですね」
 時間割を提出。ちょっと不思議な響きだ。
 総合学科というわけではないはずなのに、この学園はやたらと選択授業が多い。しかも、選択でないはずの共通授業も、ほとんどが習熟度別に分けられている。これは、途中でも変動ありらしいが。
 やはり今朝の閑にあかせて、一通りの説明には眼を通しているけど、細かいところはこれから行く生徒会室ででも解説してくれるのだろう。してくれなかったら、少し困る。

2008 年 11 月 5 日  何だかんだ言っても

 そう遠くない(気軽に行ける)距離に古本を扱っている店が二件あるというのは、まあいい方なのかな…?
 先日、ようやく集め始めた『からくりサーカス』を探して、二件回ってきました。今で多分半分くらい。この人の漫画は、面白いけどこわいのだけど…(色々な意味で)。
 そう言えば偶然、連日で同じ人の漫画を購入。ほしいなーとは思ってたけど、安くならないなあ、と見送っていた二冊(その前に定価で買えよ)。時代物は微妙だったけど、短編集は面白かった。『もやしもん』も好きだけど、短編上手くないかこの人? 茶化したO・ヘンリー…と言ったら褒めすぎかもだけど。

 『終末のパラドックス』…バイオテロとその対応(?)。
 …何か、切なくなってしまった。主人公(??)の女の子が強くって、それが辛い。その子を守る位置に立った男の人たちがかっこいいのはいいけど、その年で甘えないってのは。
 どう転がるの?というはらはら感は結構あって、ちょっとお前ら待てよー、という政治のやり取りに苛立ったり。うん、そこそこ面白かった。視点の切り変わりが多くて、感情移入はしにくいけど。

 先日ネットで購入したデジカメ。
 同封の保証書に、店印のないものは無効ってあったのになくて、問い合わせてみたら希望者にはシールを発送しています、と返事があり、今日届きました。
 えーとそれ、問い合わせなかったら放置だったってこと? いやまあ、問題起こってから問い合わせても送ってくれたのだろうけど。でも、最初から同封していれば手間も郵送費もかからなかったのじゃあ。
 不思議。そして、保障期間内外問わず、問題起こらないといいのだけどなー。それは難しいか?

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 迷いそうに広い敷地内を、八坂さんは躊躇なく進んで行く。数年前に在学していたからといって、覚えているものなのか。まあ、迷子の心配はなさそうだから助かる。
 と思ったら、それを見透かしたように、急に立ち止まり、一言。
「すみません、こっちは高等部でした」
 自信を持った迷子って。
「黙って遠回りしても気付かなかったと思いますけど」
「ああ、それは失敗しました」
 口調はにこやかなのに、顔はにこりともしない。癖と言っていたから構わないけど、不便なのか便利なのか判らない人だ。
 少し戻って、真っ直ぐ来た道を曲がる。その隣なのか後ろなのかはっきりしない位置で追いかける。歩く速さを合わせてくれていると気付いたのは、校舎に到着してからだった。考えてみれば、私よりもずっと背が高いのだから、歩幅からして違う。
 ガラス戸を体で押し開けて、入るのを待ってくれる。しまった、そのくらい先に開ければよかった。気遣いを半ば放棄して生活してきただけに、気付くのが遅い。
「ありがとうございます」
「どう致しまして」
「…この先も一緒なんですか? 事務局とかじゃなくて?」
「お厭ですか?」
 厭と言うか、単純に、いいのかと。それこそ、付き人じゃないのだから。
 ふっとほんの一瞬、微笑がひらめいた。
「貴方をお守りするのが、役目ですから」
「……どこの漫画の抜粋ですか、それ」
「秘密です」
 …冗談なのか本当なのか、八坂さんも「父親」もよく知らないから判らない。笑ったということは冗談か。それなら笑えない。
 何かもう諦めて校舎に入ると、やはり八坂さんは迷いなく進んで行った。生徒会室は、職員室の隣の校長室の隣にあるという。そして、扉は人がいれば常に開け放してあるのだとか。もっともこれは、八坂さんの在籍当時は、との注釈が入った。
 それは、今も受け継がれているようだった。
「失礼します、よろしいですか?」
「どうぞ。新城音弥さんと八坂瑞貴さんですね」
 私と同じセーラー服を着た女子生徒が、めくっていた書類から顔を上げて言った。名前が即座に判ったのは、さすがにこの中途半端な時期に、他の転入生はいないせいだろう。まさか、全校生徒の名前を覚えているということはないはずだ。そうだったとしても困らないけど。
 真っ直ぐな髪をさらりと肩に流した、着物を着せて琴でも弾かせれば絵に書いたような大和撫子になりそうなその人は、眼鏡を外して立ち上がった。
 新しい苗字と組み合わされると別人の名前みたいだ、とぼんやりと思っていた私は、うっかりと八坂さんの肩越しに目が合って、何故か慌てた。向こうは、慣れたように微笑を浮かべる。
「とりあえず、お座りください。生徒手帳と書類を何枚かお渡しします。八坂さんは、同席されますね」
「はい」
 返事をしそびれたまま、八坂さんと生徒会役員とに促されて、片隅に置かれたソファーに腰を落とす。三人くらい余裕で座れそうなそれは、いかにも生徒会室めいた雑然とした部屋の中で、浮きながら調和している。

2008 年 11 月 6 日 ばたばたばた。

 昨日の夜から、わさわさと敬老の日付近の仙台行きの話を詰めて。…おかしいな、話自体は何ヶ月か前からあったのに、何故こんなに切羽詰ってから…。
 ぐだぐだとメッセで話して、切り上げてから一緒に行く、かも知れない(予算や日程の都合で計画決まりきるまで保留)友人たちにメール送って。
 うーん…無事に行けるんだろうか。ってか、このままだと下手したら私と発端になった友人の二人旅だな! 別にいいけど、このところ私の旅の最大人数は三人なのですが。それ超えたのって、大学のときの貧乏旅(青春十八切符で東京まで←)だけっていう。むーう。
 ところで今の私の一番の不安は、飛行機乗るってことなのですがね! ぎゃー、修学旅行以来! 鉄の塊が空飛ぶのはどうでもいいけど手続きしたことないからこわいよ!

 …会社で…この頃私の仕事自体は順調で、このあたりで気を引き締めないとまた何かやらかしそうだな、と日々どきどきです(爆)。
 それにしても、理路整然と話ができるようになりたい…説明下手すぎる…(ほとんどの人に理解してもらえない説明)。…小学生のとき、唯一褒められた作文は説明文(お手玉の作り方)だったのですが…(没)。
 人の話最後まで聞かない奴は論外ですけどねっ。私は話すのとろいかも知らんがさ。でも人の話を聞かずに意思疎通ができると思ってる某営業に吃驚だ。というか、当人は皆まで聞かずとも、と思っているのでしょうが。電話するだけで徒労感に襲われるって何だ。
 そう言えば今日、課長と「何か色々ややこしくなってきてるのは気のせいですかー?」「気のせいちゃうなあ」という会話をしてました。私が休みのときは、主に課長が代わりに日常業務をやってるから…。
 しかしやはり、気のせいじゃなくて手間やら厄介やらは増えてたのか…!(え)

 あ。今日の件名、「混線するニューロン」にしようと思ってたのに忘れてた。

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 低い小さなテーブルを挟んだ向かいには、病院の待合室にありそうな背もたれのないビニールシートの椅子。少し遅れて、生徒会役員は完璧なスカート捌きでそこに座った。
「改めて、はじめまして。来栖学園中等部副生徒会長の清長美鈴です」
 これはご丁寧に、だとか何か言ったような言わないような調子で、ぺこりと頭を下げる。雲泥の差が。本当にこの人、同世代なのか。それとも実は、今日びの中学生はこのくらいの挨拶、さらりと交し合えないといけないのか。
 まあどうだっていい。
 生徒手帳だろう青いビニールカバーのかかった小さな冊子とA4の紙を何枚か手にした清長さんは、私と八坂さんの向かいで、人当たりの良さそうな微笑をたたえている。 
「大まかな規則は、この生徒手帳に載っています。もっとも、校則はあまり厳しくはありませんし、学校よりも、寮生活の方に戸惑う人の方が多いですね」
 穏やかに、清長さんは簡単に学園生活に必要だろうことを話してくれた。
 まずは授業のことで、一時間半が日に六時間。とは言っても、選択の関係で、六時間みっしり授業があるとは限らない。月曜から土曜まであるが、これも、選択次第で休みの日は増やせる。大学みたいだと思っていると、清長さんもそう言った。やはり大学と同じように二期制で、その分試験は少ないけど範囲は広いとか。
 授業の簡単な説明や部活については、一覧表を貰った。そのうち、残り四ヶ月足らずで途中から始めるのが難しそうなものには注釈が書き込んであるとか。なんて丁寧な。
 あとは、今年はあまり関係がないだろうけれどと前置きして、年中行事の話や、簡単に、構内図を見ながらの案内。
 寮は二人部屋で、同室者がパートナーとなり相互責任を持つので、そちらから説明があるだろうと言われた。他には、何枚か、申請書類を書いて、授業選択のために必要な時間割票と入部届けなどを手渡され、話は終わりと告げられる。
 このくらいなら、わざわざ休みの日に待っていなくても案内冊子にでもまとめて渡しておけばいいようなものだけど。少し拍子抜けした。
「そうそう。生徒会室は、基本的には開放されてます。気軽に来て下さいね」
「…はあ」
 縁はなさそうだけど。
 開け放された生徒会室の扉の向こうから見送られ、私と八坂さんは部屋を出た。荷物は少し増えたけど、相変わらず、カバンは持たれたまま。どこまでついてくるつもりだ、この人。

2008 年 11 月 7 日 穴を掘りたいっ

 埋まるのでなくて、王様の耳、の方の。あ、でもあれだと最後に全部筒抜けになっちゃうのか。それでもいいけど。

 まあ、愚痴ってーか愚痴。
 …くどい。しつこい。うざったい。すっごいなー三拍子ー、とか。確認は必要だし有効けど、やりすぎると鬱陶しいだけなのだけどなー。もっと効果的にやれよ、それこそ何年営業やってんだ、と思う…。遅いし。
 重ねられると、反感呼び込むだけでむしろ逆効果の気がするのだけど。

 『オケ老人!』…アマチュアオーケストラの人々。
 老人ばかりのアマチュアオケ。そこに勘違いから転がり込んだ三十代の中学教師。そこから変化が、というのは常套手段だけどやっぱり面白い。しかもそこに、プラスロシアの諜報員の暗躍。
 いいなーばたばた。主人公がうだうだして悩んで振り回されて、ってのも楽しい。何より、老人の活躍っていいよね!←

 ところでついさっき気付いたこと。
 …ごめん、友よ。結婚式二次会にスーツはともかく(ともかく?)カバンがリクルートってないと自分でも思う。でも、あわせられそうなのがそれしか見当たらないんだ…(爆)。
 も、もっと早く気付いたら買いに行くとかあったのだけど。何も考えてなかった(おい)。

2008 年 11 月 8 日 うなうな

 二次会行って、久々の友人に会って、カラオケ行ってきましたー。
 楽しかった。
 と言うか、幸せそうだった(今日式を挙げた二人の話)。うん、おめでとうー(ってここで言ってもあれだけど)。

2008 年 11 月 9 日 一日が短いです(自業自得)

 …起きて、ばたばたっと出かけて、友人と仙台旅行の計画を詰めてきました。…二週間ほど先の話を今頃…。まだ宿も決まってないというか交通手段も完全には確保できてないという(没)。
 そう言えばお昼を食べたのはスペイン料理店でした。
 友人はセットの飲み物を紅茶にしたのだけど、これが…食事を始めてから通りかかった店員さんが、「薄いですね、すみません取り替えます」と。…私も友人も、スペインの紅茶って薄い色なんだなーと思ってた(爆)。が、これが、通りがかりに見ただけで明らかにいつもと色が違うと判るほどに薄かったのですね。勘違い。

 途中で、閉店(移転)セールで現品処分の座椅子をとても安く購入。…が、送ってもらうと届くのが一週間ほど先になるものだから、抱えて帰りました(爆)。さ、さすがに腕が疲れたー。でも居心地(?)はいいです。

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「生徒会から説明を受ける必要があるのか、と思われませんでしたか?」
「え。あ、はい」
「印象付けることが第一ですからね、ああいうのは。…それにしては、生徒会長の姿がありませんでしたが」
「休み通り休みにしたんじゃないですか?」
「…そうかも知れませんね」
 まだ少し納得がいかない、とでもいうようにわずかに首を傾げる。やはり無表情だけど。
 そこで会話は途切れ、いくらなんでもどこまでついてくるのか、と問い詰めるのは気が引けてさてどう切り出そうかと頭を悩ませる。もっとも、気分どうこうの前に、真っ向から言ってもまたはぐらかされるような気がする。
 そう思っていたら。
「あ。八坂さん、ですか?」
「はい、そうですが、何か?」
 ずらっと並ぶ靴箱。集靴場に出たところで、張りのある女性の声に呼び止められる。八坂さんは、体ごと振り返って訊き返した。
 立っていたのは、八坂さんと同年代くらいだろう女性。わかりやすい事務服を着て、ああこの人は事務員さんなのかと、一目で判る。学校の事務局でも事務服、着るのか。
 八坂さんの無表情をものともせず、女性は、眼鏡の奥で眼をぱっと輝かせた。
「良かった、間に合って。お知らせしたいことがあるんです、事務局に立ち寄って頂けますか?」
「今すぐ…ですか?」
「はい。あ、そちら、明日から通学される新城さん?」
「はい」
 二人のやり取りを見るともなく見ていた私に話が飛んで、どうにも気の抜けた声が出た。事務員さんはきにせず、にっこりと笑いかけてきた。
「寮は、山裾の大きな風見鶏がついた鳳凰館ですよ。山に向かって行かれたら、すぐに判ります」
「ありがとうございます」
 これは一人で行けということか。元々そうしたかったところだから、正直助かる。今度は割とあっさりと、荷物の奪還に成功した。今のうちだ。
「八坂さんも、ありがとうございました。では、失礼します」
 ここは、とっとと逃げるに限る。「父親」からどんな指示を受けていようと、一旦集団生活に紛れればそうも構っては来れないだろう。これで、むず痒い扱いからはおさらば…したい。
 八坂さんが何か言ったような気もするけど、事務員さんを振り切って追いかけてくるようなことはなかった。安心して、山に向かって歩き出す。
 寮はたしか、鳳凰館と麒麟館、龍館の三つ。どれも瑞祥の幻獣で、随分と仰々しい名前だ。しかも、鳳凰館に風見鶏って。それじゃあ、麒麟館はキリンで龍館はヘビかタツノオトシゴでも目印についているのかもしれない。だったら、ちょっと面白いかも。
 そんなことを考えていたせいか、うっかり、道を逸れていた。たどり着いたところには、山裾は山裾だけど寮らしき建物がない。倒壊寸前の二階建ての建物なら、ある。
「…どこ、ここ。って言うかいくら広くっても学校の敷地内! 何で迷う、阿呆か私! 間抜けやん!」
 地図、さっきもらった地図、と取り出そうとして、書類カバンを持ったままと気付く。しまった、これは私の荷物じゃない。辞令入ってるし、まずくないか。
 …まずい、なあ。きっと。呟いて、溜息が落ちる。
「気が重い…逃げて来たのにこれって。うーわーもう、何やってんだ」
「元気いーねー」
「っ?!」

2008 年 11 月 10 日 何がもやもやしてるのかすら判らんのですよ

 …厭んなって、仕事途中で投げてきた。今日から四連勤だし市場の休みも挟むから、まーどうにでもできるだろ。

 あ、そう言えば。
 二年先?の、大河ドラマ、ちょっと楽しみかも。坂本龍馬で脚本が福田靖。

 『いっちばん』…若旦那シリーズ(しゃばけシリーズ?)最新刊。
 んー…ぬるま湯に使ってのほほーんとしてる気分になるなあ、このシリーズ読んでると。一冊目はそうでもなかったけど。
 とりあえず、栄吉が…うわあ、もう、何と言っていいか。きついなあ、でも気付けてよかったんだよなあ、と。ううん…。
 そんな栄吉のこれからや、若旦那のこれからや、の悩みも詰め込まれ始めて。うー、何かこわい。これはあれだ、未来がこわい、の怖さだー。

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 誰もいないと思いこんで一人呟いていたというのに、外れかけの扉を押し開けて人が出てきた。同年代で、学ラン着用。いや、学年章が三だから、同年代どころか同い年…とは限らないのか。三つ上かもしれない。
 やや崩れた感じが逆に女の子に受けそうな、そんな感じの男子生徒。埃がついているのは、もしかして、この倒壊寸前建築で寝てたのか。
 にっと男子生徒は笑った。
「迷子だって? 保護者にアナウンスかけてあげようか?」
「結構です」
 これ以上の厄介事はごめんだ。速やかに、踵を返す。来た道を戻れば、少なくとも中等部の校舎には辿り着けるだろう。書類カバンも返さないとだし。
「つれないなあ、音弥ちゃん」
 どれだけ有名人だ、私。驚くよりも呆れて、溜息が落ちる。いくら珍しい時期の転校生だからって。
 待てよ。休みの日に、制服姿で潜んでて、転校生の名前を知っている生徒。
「…生徒会長?」
「おお、正解。知ってたの?」
「今知りました」
 八坂さんの引っかかりはもっともだったらしい。この人も、制服を着てる以上一度は仕事をしようと思っていただろうに、どうしてこんなところに逃亡してるのか。
 まあそんなこと、どうだっていい。
 目的も目的地も変わらず、背を向けて歩き出す。とりあえず八坂さんに書類カバンを返して、今度こそ、真っ直ぐ進むだけでいいはずの寮を目指そう。

2008 年 11 月 11 日 まあ自分でも甘ったれてるとは思う

 あああ…自分の部屋じゃないところに荷物があふれてるー。むぅ。姉や父を見て、ああはなるまいと思ったのにー。

 「深紅に浮かぶ月」も、そろそろ終わりです。あと二章あるけど…これは、結構一気にやってしまう気がする。
 終わったら、クリスマスネタ(もう二、三年時期を逃して放置している)とお正月ネタ(同じく)を書こうかなー。ああでも何か、どうでもいい気もする(爆)。うーんだって季節あまり関係ないし、今、書きたい!と思っているわけでもないし。
 そう言えば先日、友人が最近のファンタジーを読んでると突っ込みどころ(経済やら政治やら)がありすぎるから考えない、あれはただの雰囲気なんだね、と言っていたのを聞いて。…耳が痛かったです(爆)。私も同類ですからねー…。

2008 年 11 月 12 日 あーしまった明日休みにしときゃ良かった

 某営業が出社してくる(普段は出社しない)らしいです。社長と私の件で直談判するらしいです。あの会社、会話基本筒抜けなのですが(会議室はないし会議室代わりは戸を開け放って使っている)。…休みたいなー(苦笑)。
 クビ勧告されるまではこちらからやめる気ない、でも言われたら仕方ないなー、というのは変わらないので、まあどうとでもなれ。←
 仕事投げるつもりはありませんが。ピンポイントで特定の誰かだけに迷惑かけるならそれでもいいけどさー。あ、引継ぎ書…まあ、誰かがどうにかできるだろうから、なくても大丈夫か。

 『きのうの世界』を読んでいます。…何故か、一気に読もう!って気分になれず、途切れ途切れ…あれ、こんなに読むの遅かったっけ?(汗)
 これ、初出を見たらちょっと面白かった。地方新聞を、北の方から南にかけて(?)順次連載、という。えっ、それで話わかるの?? 不思議な掲載方法だ。

 実況中継(?)。
 私:飛ばさん、といて、な?
 父:努力はする。
 私:結果を出せ。
 …秋刀魚を食べる傍らでノートPC使ってます。うっかりポン酢でも飛ばされた日にゃあ…!(汗)

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「死神がひなたぼっこなんかするかなぁ」
「は?」
 つい、振り返ってしまった。生徒会長は、にやにやと笑っている。何を突拍子もないことを。――ん?
 死神。ひなたぼっこ。…青空。
 夢の光景を思い出した。雲ひとつなく晴れ渡った、晴れやか過ぎてこわくなるくらいの空。のどかなのに、おそれるべき何かが潜んでいるような、そんな青空。
 それを見て、何気なく呟いた言葉。どうしてそれを、ついさっきまで見たこともなかったこの男が言う。
 思わず生徒会長を見ると、笑っているのに眼の奥が、値踏みをするように冷静だ。ぞくりと、何故か背筋が寒くなった。それでも眼を逸らせないのは、逸らせば逃げたような気分になるからだろう。
「迷子なら、案内してあげようか?」
「ありがとうございます、結構です」
 我ながら、かわいげのない。
 それでも、生徒会長は笑みを崩さなかった。八坂さんとは逆の状態で無表情ではないのか、これは。こっちの方が鬱陶しいけど。

2008 年 11 月 13 日 質素な豪勢

 会社で、お昼用にお味噌汁を作ります。えーと、だし汁は自社製品、味噌は買ってきて、豆腐と揚げを取引先から購入。
 で、ねぎやら白菜、もやしキャベツなんかが余ったときに使って〜と回ってくるのですが。…今何故か、白菜が大量に。プラス、キャベツともやしとにんじん。
 キャベツはやめたけど、他を全部入れると…これに、ささがきごぼうと豚肉があれば…ッ!と、ついつい。豚汁っぽかったー。油っ気が揚げだけじゃ足りん。
 と言いつつ、私は味噌汁、食べてないのですが。←

 『鍵穴ラビリンス』…ショート・ショート集。
 何故か題名を『鍵穴迷宮』と思い込んでた。勝手に和訳(爆)。
 んー…ネタ勝負、ですねやはり。較べてしまうとどうしてもあれだけど、やはりショート・ショートは星新一…。この人は、ある意味お弟子さんですが。最後のあとがき代わり、のやつが…(泣)。

 「風のガーデン」、ああ…。
 ガブリエル、ここで来るのかそれ伏線だったのか…! やられた(苦笑)。
 そういや、深夜に「リンダリンダリンダ」やってた。しまったー、これちょっと見たかったのに。始めの二十分ほど見逃して、さすがに最後までは起きてらんないなあ…。うー、早く気付いてたら録画したのに。
 学生生活っていいなあ。←

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 が、その「無表情」が崩れた。少し落胆したような、不満そうな表情になる。
「番人付き、か」
「はい?」
「音弥さん、すみません、荷物をお持たせしたままで」
「え」
 置いて来たはずの八坂さんが何故ここに。
 無表情に佇んでいる。別に息を切らしているわけでもなく、ただ、生徒会長を見る眼には妙に力がこもっているような。気のせいの可能性が高いけど。
 とりあえず、書類カバンを渡す。
「そちらの方が、生徒会長ですか。綿ぼこり、付いてますよ」
「あれ。これはどうも」
「いえいえ。ああ、音弥さん、寮はあちらです」
「あ。えーと、何でここにいるって…?」
 まさか、発信機とかつけてないだろうなこの人。というか、この人の雇い主。そんな馬鹿げたことを考える。
 でもだって、一目で生徒会長を生徒会長と見抜いたり、別れてから姿を見失うくらいには時間が経ってるはずなのに追いついたり。ただ鋭いだけなのかもしれないけど、何か得体が知れない。
「真っ直ぐ、と言われて道なりに来たでしょう? 違うんですよ、ここの真っ直ぐは、色違いのレンガなんです」
「は?」
「主要な通りのレンガの色が故意に変えられていて、ちょっとした道標になっているんです。慣れていないと、説明が足りませんでしたね」
「詳しいですね」
 私ではなく、生徒会長が反応する。八坂さんは、無表情に視線を向ける。
「事務員の履歴書にまでは目を通されなかったようですね。卒業生です」
「センパイでしたか」
 無表情対笑顔。見ていてはらはらするのは何故だ。
 数瞬置いて、生徒会長は、ふっと力を抜くようにして息を吐いた。
「では、今回の案内はお譲りします。またね、音弥ちゃん」
 もう二度と会わなくても多分困りませんが。そう思いつつ、倒壊寸前建築に消えて行く生徒会長を見送る。何だったんだ、あの人は。
 そしてこの人も、何なんだ。
「折角ですから、ご案内します」
「え、でも」
「こちらですよ」
 一度迷子になった手前、あまりにも自然に先導されると断りにくい。その上八坂さんは、大きい方の荷物を、これもさりげなく奪い取った。 
 

2008 年 11 月 14 日 遅い

 前から気になっていた漫画を購入しました。古本屋で見かけて。
 で、これの一巻の折り返しに「五年ぶりの新刊」とあったから、前何書いてたのかなー調べたら判るかなーと著者名を見たら。持ってるし。
 …ええ、今でも『パパムパ』はギャグ漫画の中で(私判断において)最高峰ですよ。四巻ないのかな、と思ってましたよ。この人だったのか、と激しく納得。でもさ。
 絵を見て気付け?
 ↑読み終わってから発見した

 『きのうの世界』…失踪した男が縁のないはずの町で殺された話。
 うわあ、ってなった(何)のだけど、なかなか読めなかった…淡々としていると言うか、まどろっこしいと言うか回りくどいと言うか。うん、いや、面白いですよ?
 わりとさらっとしていて、どろどろした感じも不気味さも(比較的)少ないです。全ては語られていないところが、やはり恩田陸特有の闇、というか土着感(?)を思わせる。噂とか地域の仲間意識とか伝承とか、そういったのを扱うのが上手いのだよねえ。
 それにしても、最後の二章のぶれが気になるのだけど…?

 無性に書きたくなってしまったものが、ぽん、と出てきてしまいました。
 待って、今、書き終えようと頑張ってるのだけでも二本あるだろ私! 書きかけはもっと多いだろ私! 短編や掌編ならともかくまた長編ってさ…!
 珍しく少年(青年?)主人公で、思いっきりライトノベルで。…書ききれる自信がないよ?(爆)

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 空を仰ぐと、まだ昼過ぎで青々とした空には、水彩絵の具を刷毛で伸ばしたような雲が浮いていた。
「お邪魔、でしたか?」
「…はい?」
 慌てて、視線を八坂さんに向ける。真っ直ぐに前を見ていて、目は合わなかった。
「差し出がましい真似を」
「えーと。だから敬語、いいですって。それに、一度戻ろうと思ってました。書類持ったままだったし位置判らなくなってたし」
「すみません」
「いやだから。謝る必要、ないでしょう? 過保護って言いませんか、それ」
 母はまったくの放任だったから余計に、どうしていいものやらわからない。てっきり、学校に入ったらその後は放置、だと思っていたのに。

2008 年 11 月 17 日 何やってたんだっけ

 土曜は夜に友達とご飯食べに行って、日曜は父にせがんで古本屋回ってもらって、帰って来て漫画読み散らしてたんだった。
 …何やってんの、私。
 そして今日も今日とて、漫画読んでます。小説が…図書館の本、また溜まってきてるのに…。
 『ツバサ』と『ブラッディ・マンデイ』はあと数冊で終わるのかなー、それともまだまだ続くのかなー。コナンはいい加減終われ…(爆)。『ソラとアラシ』が、次から題名変わって版形も変わるそうです。ちょっ、それっ、値段高くなるだけじゃ…(黙)。そして、『花よりも花の如く』が地味に面白い。

 今日、どう考えてもおかしい余りが出まして(会社の話)。…どこをどう考えても余るはずないのに、大量に余ってるって何それ。
 うー、明日行って何もなければいいのですが。って言うか、何もなくってもそれはそれで問題なのですが。…誰の責任、ってのは二の次でいいから原因解明だけはできないと困るよ…(いやそこからの改善のために責任も誰にあったかは見るべきなのだけど)。

 この間ふっと書きたくなってとりあえず書き止るところまで、と書こうと思っているもの(そればかりだな)を書いていて。
 …回帰してきたなー。
 えーと、一人称に、という話。今ここで書いてるやつもだけど、一人称で書くのも面白いな、と。小学生のときとか一人称ばかりだった気がする。まあ私の場合、三人称で書いてても視点が誰かに寄っていたのですが。
 とりあえず、一人でだらだら考えて突っ込んで、ってのが書きやすいらしいです。はい。その分迷走しやすいけど…。

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 八坂さんは無表情に、わずかに肩をすくめた。
「敬語と過保護は関係ありませんよ」
 ああ、そうか。
「そうですね。敬語は、どちらかと言えば距離を置くものですね。ある意味、防御壁」
「これは手厳しい」
「そうですか? まあ、いいです。寮、そっちですか?」
 倒壊寸前建築に向かって右。さっき、八坂さんはそっちを示したはずだ。木立に隠れてはいるけど、建物がありそうな感じはする。
 八坂さんは虚を突かれたように瞬きをして、はい、と答えた。
 ああ、この人、完全に無表情ではないんだ。判り難いけど、車の中で笑ったみたいに、ちゃんと表情がある。当たり前と言えば当たり前のことに気付く。
 まあ、だからってどうってこともないけど。
「行きましょう。そうすれば、早く子守りからも解放できますよ」

2008 年 11 月 18 日 うだうだうだ

 …仕事行って漫画読んで一日が終わるってどうよ…(没)。

 とりあえず明日は、旅行の切符買って来て髪も切ろうかなー。

 ああ…書きたいものはたくさんあるのに、書き進まないー。

2008 年 11 月 19 日  何の我慢大会だ

 …寒い…。
 昨夜だったかその前だったかに出てきたヒーターの灯油が切れてました、さっきまで。…でも、灯油がないのじゃなくて止めてるのだと思ってた。←
 あー寒かった(今も寒いけど)。いい加減、色々と直す癖をどうにかしようとした方がいいのかもしれない。

 『イギリス旅行に行きたい』…イラストふんだんの旅行記?
 イラストと手書きの文字が半々、くらいの。スケッチボードに文字も書き込んだ、という感じの旅案内。こういうの好きー。
 イギリスは行ったことがない(というか海外自体)のだけど、語学に堪能な友人が連れてってくれたら行きたいなー(どれだけ他力本願)、という国では一位二位を争います。多分競争相手は中国(余談)。
 あ〜いいなー。

 『血液と石鹸』…ショート・ショート集。
 ベトナム系作家のアメリカ文学、ということらしいですよ。書評で見かけたのだけど、「まずは一本立ち読みなさってください」というコピーに惹かれて(その言葉自体を書いたのは訳者さん)。
 う、ううーん。何か…意味、わかんない…。少なくとも、私が理想とする「物語」からは遠くかけ離れている感じ…? 壊れているというか破綻しているというかそもそも成立していないというか。
 あと気になったのは、女性の存在が薄いか酷いかなのは故意なのか無意識なのかな、と。どちらにしても好きではないな。

 今朝は、勘違いから始まりました(苦笑)。
 朝一番に、「7:30過ぎてる!」と言われ、飛び起きたものの…あれ今日休みだよね?とカレンダー(休日を書き込んでいる)を確認。母の勘違いでした。
 でも朝食ができていたので、食べて、二度寝しようかと思っていたのだけどそのまま漫画読んでました。←
 で、切符買いに行ってついでにいるものいくつか買って。服を、仙台行きに備えて何かあったかいの買おうかと思ってのだけど面倒になってやめて(爆)。明日、時間があったら帰りに寄ってみよう。

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「子守ですか」
 声音だけではっきりと苦笑して、八坂さんはひらりと進行方向を示した。手品師みたいだ。優雅さと、胡散臭さの絶妙な同居。
「そちらで正解です。行きましょうか」
「…はい」
 自分から水を向けたはずなのに、八坂さんに誘導されている気がするのは何故だろう。多分、気のせいなのだろうけど。
 歩きながら、日本離れした風景だと改めて感心する。何だろう。足元のレンガやら石畳やらと、建物が東欧風のせいか。ああでも、木が多いせいもあるのかもしれない。いや、でも木だけなら日本の田舎も多いはず。
 …ああ。
 緑が多いのに、日本の田舎特有の田んぼも畑も見当たらなくて、それどころか土もなくて。そのせいだろうな、きっと。
 そうかここは別世界なんだ。私にとって、本当に。
「八坂さん」
「はい、何でしょう」
「――新城宗佑さんは、何で私を引き取ったか知ってますか」
 母に酷いことをして、私のことはきっと存在も知らなかった。突然湧いて出たあまりにもはっきりとした犯罪の証を、何だって。放置したはずの疑問が、頭をもたげる。
 八坂さんは、歩みを止めることはなかった。
「知っています」
「教えてください」
「ご自分でお訊きください。プライベートの携帯電話の番号は、名刺の裏にありますよ」
「口止めされてるんですか」
「いえ。これは、私の独断です」
「む」
 さらっと言われると引き下がりにくい。…もう、いいや。
 いつの間にか、風見鶏のある館に到着してしまったし。欧州のホテルみたいだ。

2008 年 11 月 20 日 寒い、です、よ…

 家の中いてもあったかくない…(没)。
 家が、風通しいいというか遮るもの(障子とか襖とか壁とかドアとか)が少ないから、この部屋をあっためようと思ったら、実は家の三分の一くらいをあっためる必要があるんじゃないかという…。さーむーいーよーぅ。
 こたつをー!と切望しているのだけど、出すと、父が寝るのですよね…こたつで寝るとあんまり疲れ取れないってのに。

 「風のガーデン」。…あああぁあ。
 何と言えばいいのか。全体としては明るくて軽くてのどかで、それが…辛い。誰も、何も、事細かな説明なんてしてくれなくて、それが逆に色々と考えてしまって、それが面白い。…面白い、って言うとちょっと語弊がありそうなのだけど、うーん…興味深い? それも何か違うような。
 ああ、いいなあ。こういうもの創れる人たちって。

 「深紅に浮かぶ月」、明日で終わりです。よっしゃ、年内完結達成!(いやまだだけど)
 あとがき書こうか書くまいか。…まあ、書き終わったの大分前だし、今更だな…。あーでもラオは卑怯だよねってのは言いたいかも…うーん。書くとしても、猫屋のように微妙に隠し頁(あまり隠れていない)になる予感。
 とりあえず、お一人でも終わりを楽しみ(あるいは淋しく)思ってくれる方がいらっしゃったら幸いです。…いるのかな(苦笑)。

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「ここからなら、迷うこともありませんね」
「はい」
 実はこの人、からかってるのか。顔色が読めないから判断しにくいけど。というよりも、本気で言われていたら厭だ。
 差し出されたカバンを手にして、とっとと入ってしまおう、と、そう思ったのに。ふと、立ち止まった。疑問の続き、というか、芋づる。
「八坂さんは」
「はい?」
「どうしてこんな役目を押し付けられたんですか」
 言った後で、しまった、と気付く。左遷ですか、何か失敗したんですか、と訊いたようなものじゃないのかこれは。
 八坂さんは、ふ、と、淡く笑った。
「利害が一致した、とでも申しましょうか」
「………は?」
「それでは、失礼します。また、後日」
 ってそれだけ言って去るなーっ、と、叫ぶこともできず。思わず呆然と、去って行く背中を見送ってしまった。イメージとしては真っ直ぐに姿勢正しく、だけど、わずかに猫背気味だった。ほんのわずか、だけど。

2008 年 11 月 21 日 何の我慢大会だ

 …寒いし眠いし…寝ろって話ですね!(爆)

 『風の邦、星の渚』…架空(?)の、都市史…?
 「若き騎士と宇宙生命体 故郷をなくした二人の出会いが神聖ローマ帝国の歴史を動かす!」という帯のコピーを読んで、SF…?と、なかなか手を伸ばせなかったのですが。読み始めたらするすると。読みやすいしわかりやすいですよ。勿論、面白いし。ちょっと、『デルフィニア戦記』に近いものを感じた。
 物語り全体の調子として、どことなく爽やかさがあるのですよねー。安心して読めると言うか。
 その「安心」は、私が作者に対して抱いている思い込みかもしれないのですが。この人の書く物語なら、決定的に酷い結末は迎えないだろう、という。…そうでもないものもあったけど、でも残る印象は酷くないのですよねー何故か。
 ゼロから都市ができていくさま、というのはわくわくします。…でもこの副題、「レーズスフェント興亡記」というか「興隆記」でいいのじゃないのか。

 えーと昨日の宣言(?)通り、「深紅に浮かぶ月」、終わりましたー。終章は蛇足のような気がしないでもないですが(爆)。
 で…しばらくは、書くのに専念してようかなー。ああ、日記連載は続けようと思っていますが。…しかしこれ終わるのか…。というか、今主に書いてるやつだけで三本平行…? 無駄なことしてる気が。

 さて、明日の夜旅立ちます〜。寒くなって行く時期により寒い地域へ!(爆)
 ということで、しばらく留守にします。急ぎで何か用のある友人・知人は携帯電話にどうぞ。

2008 年 11 月 25 日  北国は遠かった。

 はい、帰って来ました。…遠かった(笑)。
 また例に依って、主に自分用の備忘録。

 土曜の夜、新幹線逃したらやばい、といういつもの(…)状況でしたが、なんとか予定よりも早く帰宅。…焦っていたせいか、いくつかミスって帰って来たのが発覚したのは後日。でもそれ焦っていたというか…いつものうっかりというか…どれだけ使えない、私(没)。
 とにかく、予定よりも早かったために、シャワー浴びてご飯も食べられて(新幹線の中で食べようと思ってた夕食)。
 が。
 車に乗せてってもらうはずの父がなかなか帰って来ない。自転車で出てぎりぎり間に合う時間を過ぎた頃には、さすがに慌てたよ…。間に合ったけど。そして、夕飯を駅のコンビにででも買おうと思ってたけどそうしなくて良かった。
 あとは、三時間ほど本読んだり寝たりで揺られて、東京着。
 待ち合わせ場所にしたはずの銀の鈴広場の上で待っていました(爆)。←正確には、待つも何もなく電話かかって来たのだけど、位置は正にその辺りだった
 で、合流した友人に任せきりでバス乗り場まで行って、乗って寝たら仙台着いてました(苦笑)。途中、うとうとと何度か意識は戻ったけど起きた、というほどではなかったしなー。

 降りた仙台駅、ぱらりぱらりと雨が降っていたけど、しばらくして止んだ。助かった。
 とりあえずトイレ行って顔洗うー、と向かい、友人が化粧をしている間に駅近辺にあるはずのマクドナルドを探して散策。マクドナルド、あったのは駅の逆側だったのだけど。

 七時頃の電車に乗って、松島へ。日本三景の一つです。あとは天橋立のみー、そのうち行こう。
 遊覧船に乗って、辺りをふらふらと散策して。…そう言えば、遊覧船に乗るのにネットで予約をしていたのだけど、その特典なのか切符購入した人皆になのか…カッパえびせん(小)を一袋もらいました。な、なんでカッパえびせん?
 昼ごはんを探して彷徨っていたら…うん、ちょっとあれだった…。呼び込みのおばちゃんたちがこわかった。

 仙台駅に戻って、バスで青葉城址へ。
 …しっかり調べてなかった私が悪いのだけどさ…青葉城址って、本当に何もないのですね…。友人と二人で呆然としてしまった(苦笑)。
 どうも、お城のあった辺りには護国神社が鎮座しているようで。
 しかし、ここの絵馬が。絵馬が。イラストがたくさん描いてあって(ちらっと通りがかりに見ただけでもたくさんと判るほどに)…いやあ、ゲーム(だっけ、漫画?)の影響って怖い。うん、こわい。

 気を取り直して(?)、少し下った博物館に。中尊寺金色堂の展示をしてまして。友人が、行きたいなーでも仙台と岩手はちょっと離れてるな…と断念したんだそうで、良かった良かった。
 でも、伊達政宗関連のものを見てもだけど、金ぴかはちょっとなあ、と二人で言ってました(苦笑)。うーん、あまり魅力を感じない。
 常設展示も含め、時間が迫っていたことがあって、駆け足になってしまったのが残念。二度目、はなさそうだしなあ。

 食事はなるべく土地の名産品を!ということで、牛タン専門店に。昼から、友人が結構わくわくとしていた感じ。…えーと、私はあまり牛タン得意でないので、牛タンをミンチ状にちたキーマカレーに。
 しかし。
 極厚牛タン定食(だったかどうかうろ覚え)を食べた友人。
「私、あんまり牛タンが好きじゃないことが判った」…待てい。
 いやまー、あまり大量に食べるものじゃない、という意味でのものだとは思うのだけどさ。それにしたって、どうよその感想は。

 みやげ物を見て…BOOKOFFに…(爆)。呆れられました。はい。
 しかし懲りずに、福島県郡山のホテル近くにある店にも行ったさ(こっちは一人で)。しかもセールやってて七冊とか買った。おかげで翌日は重かったです、はい。…馬鹿だ。
 ホテル、一階と二階がネットカフェ?になっていて、四階からがホテルという建物で、どう入っていけばいいのか判らなくてぐるっと一周回ってしまった(苦笑)。
 そうして、仙台駅でたまたまやっていた東北近隣地(?)の物産フェアで買ったケーキを食べつつ、スーパーで買ったお酒を飲み。…今回一緒に行った友人はお酒を飲まないので、少し淋しかった(苦笑)。泊まりで飲み会したいなー。

命名:くろ

 翌朝、電車に一時間以上乗って会津若松に。
 会津若松のマスコットキャラ(?)がかわいくって! いっそわざとかってくらいぼやけて(曇って)いるけど、上のがそれ。あかべぇ。民芸品の赤べこから。郡山の駅でのぼりを見てからというもの、かわいいかわいいと言っていた(苦笑)。
 ストラップと、ぬいぐるみも購入して(笑)。てぬぐいもかわいかったー。
 
 会津若松では、レンタサイクルを利用。これ、十二月までらしくて。…多分、雪が積もるから。ぎりぎりセーフ。
 そう、雪。
 電車の中で山の上白いなーあれ雪?なんて話をしていたのだけど、途中、そう厚さはなかったけど一面雪景色、というのがあって…か、観光できる? 自転車やめてバス? とおののいたのだけど、大丈夫だった〜。

 鶴ヶ城→飯盛山、と走って来ました。
 お城は、やはり姫路城と較べてしまう…(苦笑)。でも、前日の青葉城があまりにもあまりだったので(苦笑)。中の展示が楽しかった。お城で働く人の紹介(?)で、穴を覗き込むようになっているのだけど、そこを見たら人の顔のところが鏡になっている、という仕掛けとか(働いている人の顔に自分がはまっているという)。
 しかし、日新館の「什の教え」というものの紹介もあって、「ならぬものはならぬものです」というのが締め。…これ、「為さねば成らぬ」と同じ意味なのだろうけど、一瞬、「どうにもならないよ」という投げ遣りな意味にとってしまって吃驚した(苦笑)。
 みやげ物売り場の白虎隊のトートバック、買えばよかったかなー。ちょっとデザイン好きだった。
 そう言えば、「荒城の月」の歌詞は鶴ヶ城をイメージしたものらしいですね。知らなんだ。

 飯盛山に向かい…刻々と、天候が怪しく…(汗)。
 碑のある場所まで、石段と有料のエスカレーターと。友人はエスカレーターを選んだ(笑)。でも、上れないことはないよ。しかも、二段階になっているのだけど、その継ぎ目で「ここからは大人百円」と…値下がりしてた(笑)。
 しかし白虎隊は…なんだかなあ。ひめゆりの塔も思うけど。どうして他の選択肢がなかったのかとか、考えてしまうなー現代っ子(?)としては。思想や風潮って恐ろしいな、本当。
 そして実は、一番見たかったのはさざえ堂でした(苦笑)。
 だって螺旋構造って。どこをどう考えてそんなものになるのか不思議だ。建てた理由って何だろう、と思ってたら…公式サイトに載っていた。帰ってから気付くって(苦笑)。
 現在では、片方の出入り口を途中で塞いでしまっているのがちょっと残念。

 お昼ごはんに、ソースカツ丼。ご飯にキャベツにソースカツって?と思ったけど、おいしかった。姫路に進出してくれないかなー(笑)。

 もう一度郡山に戻って、でも雨も降って、どうしようかと迷った末に予定より早く東京に。
 そこでうっかり「東京バナナ」製品を購入したり(苦笑)。以前もらったクッキーがおいしかったもので…しかし、袋が派手に主張するものだから、ぱっと見、東京観光して帰って来たみたいな。
 帰りの新幹線も、ほとんど寝倒してたなー。

 姫路駅に到着したものの、父に到着時間を勘違いされていて、しばし待ちぼうけ。
 あーしかし、移動中に寝倒したわりにはずっと眠かった。それだけ疲れていたということなのかな、やはり。

 …本当に、備忘録(苦笑)。

 明日っからは、少なくとも金曜まで、読書期間入ります。返却期限が迫っているというのに、四冊か五冊くらい、ほぼ未読本が溜まってるんだ(爆)。
 よーし読み倒そう。

2008 年 11 月 27 日 ぬがあ。

 …体調崩しました(爆)。

 こ、これさ、火曜に、ってんだったら納得できますよ?(旅行の強行軍疲れ) どうして一日半空けて来る! 水曜の昼休みに十五分ほど仮眠した後急にって何だ?!
 いやもー参りました。
 昨日、会社の忘年会(食堂で色々食べてカラオケ)があったのだけど、それに強制参加になっていたのだけど、これは無理、帰る、と帰宅(多分に言い訳と思われた感が)。
 帰って、早々にご飯食べて寝て、起きてお風呂入って寝ました。十時間くらい寝た。
 風邪は食べて寝て治す、ってのをもう、十年くらい実施しているもので、食欲のあるうちは大したことない、が原則となっています。食欲ない状態がどれだけ異常かっていうね…元気だな、私…(余談ながら、十年前は一食抜くなんて信じられない、と思っていました。今でも二食はきっと抜けない)。
 で、今朝、喉がえらい腫れてまして。唾を飲み込むにも痛い、という。声出せるのか不安だったけどそれはどうにか。
 …休みたい、休みたい、と思いつつ仕事してきましたよー(泣)。誰でもできる仕事に違いないけど、現状で抜けると周りが大変困るというね! 人員にもっと余裕持ってください…(没)。
 水分補給にちびちびとカルピスウォーター(家にあった)を飲んでいたら、口の中が甘ったるくて気持ち悪くなったり。喉の腫れた部分がどうにも乾燥しているようで気持ち悪くなったり。何度かうがいしたけどその度やっぱり喉が痛かったり…。
 定時で即刻帰って、夕飯まで寝てました。喉は、時間が経つごとに腫れはましになりましたけどねー。逆に頭は、時間経つごとに悪くなっていくという。…多分熱あるんだろうけど、計ったら余計にしんどくなりそうなので計りません。←何の意地
 そして今日は…明日、返却期限の本が四冊あるんだ…しかもそのうち二冊は予約も入ってるんだ…(乾いた笑い)。
 で、でも、早くは寝ます。PC画面見てるだけで気分悪くなってくるし(なのにこんなことしてる)。

 『故郷に降る雨』下巻…敵国からの脱出。
 ある意味、あとがき読んで全部吹っ飛んだ(苦笑)。面白い文(小説でなくて近況報告とか日記とかで)書けるのって不思議で羨ましい。
 本編は、うん…上巻を読んだのが大分前(の上に図書館で借りたので読み返しもできない)で、色々と記憶が怪しかった…まあ、読んでるうちに思い出しますけど、そういうのは。軍医さんがいいとこ取りだよなーこれ(笑)。

2008 年 11 月 29 日 こたつ君とーじょー

 ってことです。ぬくい。…しまった、無駄に居座ってしまう…(汗)。

 『退出ゲーム』…ある高校生たちの日常(?)。
 四編の連作。高校一年の、文化祭中止の危機を阻止し、部員集め(吹奏学部)に奔走し、揉め事解決に担ぎ出され…という一年間。
 変人ばかりだけど、飛びぬけて「ない」話ではないかなー…って思うのは、少し感覚麻痺してしまっているかもしれないけど(汗)。でも、気負いがなくってさらっと読めるのがいいな。
 演劇部v.s.吹奏楽部(違?)のくだりは、とっても楽しく読んでしまった(苦笑)。いいな即興劇! そんな機転ないけどね!
 痛みを伴っても前向きで、そして主人公(視点)が安定しているから、安心して読める。登場人物、個性ありすぎてそこだけでも面白いのがいるし。

 …えーと題名忘れた(調べに行くのも面倒←)、電話の受け答えについて、の新書を読んでいました。
 うー…書いてあることの数割はわかってるんだよー、でもそれができないんだよー(泣)。電話対応の教室とか、喋り方教室とかないかなと、ちょっと思う。研修受けさせて…(切実)。頭でわかってても咄嗟に言葉が出ないんだ、そうなりゃもう慣れるのみ、でしょうよ…実地訓練…。

 今借りているHPサーバーで、新たなサービスで「小説ブログ」ができましたよーって案内メールが届きまして。
 ……うっかり、登録してしまった…。
 「浅葱色」とかシリーズにしたいけど止まってるよ、というのを二本ほど載せたので、リンク繋いで今置いてるその分は消してしまってもいいかなーとか。
 色々借りてるけど、活用できていないという(爆)。

2008 年 11 月 30 日 ある意味自業自得

 …体調が戻りません、隊長…(誰)。
 一昨日大分回復したなーと思ったら昨日少し熱っぽく、今日起きたらえらく悪化していたという。な、何した私? PCの前居座りすぎた?

 それでも今日、図書館行って本屋行ってきましたー。←馬鹿
 父に頼んで一軒だけど、古本屋にも行ってきましたー。←大馬鹿
 ふっ…途中、熱でか気持ち悪くなったぜ…。←救いようがない
 近くのお菓子専門店が閉店するということで、処分セールをやっています。そこでマジパンとか日持ちするお菓子の材料を買い込んできた母が、ショートケーキ作ったり。夕食がすき焼きだったり。昨日買ったケーキを食べ忘れていたと気付いたり。
 …うん、食欲はあるよ。あるけどさ…何に対して意地張ってるのかわからなくなる食事のラインナップでした。どうせ豪華なら元気なときに…。

 『茗荷谷の猫』…ちょっとした日常の一部。
 連作、と言うかオムニバスと言うか…時代が流れているのだけど、舞台が近くて一遍一遍に出ている人が被ったり土地が被ったりものが被ったり。被る、というか、つながりがあります。
 割と淡々と。そして、ある人の行く末が別の話の脇で触れられていたりして、ああ…!となったり。庄助さんが一番堪えたかも…絵描きさんの話も、印象に残ったなあ。あとは、染井吉野の書付とか。染井吉野の話は、読み流してたけど書付のくだりを読んで物凄く…切なくなった。

 『フングリコングリ』…小学校の図工の先生の話す、六つの不思議な物語。
 図工室にやってきた生き物たちに話をする先生。話は、どれも学校が舞台で子どもたちが主役の不思議な話。あとがきもきっちり、物語仕様。
 児童書です。この人の物語、好きなのですよね。何故、と言われるとどう答えていいのか判らないのだけど。
 そう言えば収録の六篇はどれも、先生が出てきて、子どもたちと多少の不和はあってもお互いに信頼しあっている仲の良さがわかって嬉しくなりました。子どもにとって、頼れたり理想にできたりする大人がいるのはいいことですよね。
 先生と言えば、先日(と言っても結構前だ)に小学校の先生をやっている友人だったか子どもに関わっている仕事をしている友人だったか、あるいは二人が一緒にいたところでだったか聞いたのだけど、今の小学校って中高みたいに科目に寄って先生が違うのですね。専門の先生がいると。小学校って、基本的には一人の先生が全部教える、というのだったけど…。聞いて吃驚した。

 えーと、体調がこんななので、しばらくここすら変化がないかもです。
 木・金と部屋の大掃除のために連休取ってたけど、今の体調で埃なんぞ大量に吸って冷たい部屋に何時間もいたら確実に悪化する…! 下手したら、今年は大掃除なしだなあ…(没)。



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