虚言帳

2004 年 2 月 1 日  「欲しかったものは」

「あんた? 金貨を火にくべた上に川に流したなんて大馬鹿者は」  古ぼけた服を身にまとった少女は、良く通る声でそう言って、大股で歩み寄ってきた。大きな、薄茶色の瞳で睨み付ける。
「間違いない?」
 きょとんとしてただ眼をぱちくりとする少年に、相手を間違えたかと心配したのか、少女は幾分声つきを和らげて言った。
 噴水の縁に腰掛けていた少年は、何も言わずに、ただじっと少女を見つめるだけだった。物珍しげだ。自分の前に立っているのは、長い髪を編んでいるから女性のようだけれど、本当にそうだろうか。そう、悩んでいるのかもしれない。
「あれ、ロイ? ロイじゃないか。どうしたんだ、お前役人になったんじゃなかったのか?」
「久しぶり、ジャン。悪いけど、今は楽しく話をする気分じゃないの。少し待っててもらえる?」
 友人に笑顔を返して(しかし返された方は、少女の氷点下の怒りに顔を引きつらせていた)、改めて、少女は無遠慮な視線に向かい合った。
「・・・役人か? そうは見えないけど。僕が硬貨を不正に滅却したから、その取り締まりに?」 
 小馬鹿にしたような態度と返答に、少女は無言で黄色に近い色の髪をした頭を、力任せに殴りつけた。
 鈍い音がした。
 周囲にいた人の何割かは、進行形らしい騒動に注目して、歩みを止めて視線を向けたようだった。
「目は覚めたかしら、勘違いの小人さん。それとも、まだ眠ってる?」
「・・・なっ、な、何を・・・」
「こたえを聞いてるの。起きてるの眠ってるの?」
「・・・眠って、ない」
「そう。それじゃあ、これから言うこともちゃんと聞こえるわね。――自分が何をするのかちゃんと理解してから行動を起こしなさい、このろくでもなし。金なんて掃いて捨てるほどあるから、もう飽き飽きだからってあんなことをやったらしいけど、冗談じゃない。要らないなら、欲しくても手に入れることのできない人にでもやれば良かったでしょう。お礼が嫌いなら、せめて捨てるだけでいいわ。誰かが幸運を感謝するとすれば、それは神にでしょうからね、役立たずの小人さん。――さあ、聞こえたわね? 理解できなかったのなら、何度でも繰り返すわよ」
 少女をぐるりと取り囲む周囲は、しんと静まり返った。都市に住む小鳥や人々のざわめきが、遠い。
「どうなの?」
「理解は、できた」
 もう一度あれを繰り返されるのかと、慌てて、少年は首を振った。
 そう、と少女は言うと、傍らで固まりきっていたジャンを振り返った。
「ジャン」
 やはり引きつった顔を向けると、少女は苦笑した。そこには、柔らかい表情が戻ってきている。
「話は終わったわ。行きましょう、久しぶりに皆に会いたい。このところずっと、到底人間が暮らすとは思えない環境で生活してたのよ、冗談じゃない」
 そう言って肩をすくめて、思い出したように少年を見た。
「もう帰ったら? 色んな人が探してるみたいよ」
 そうして、気軽にジャンの隣に並んで歩き出す。
 ジャンは、つられて歩きながら、おずおずと少女に声を掛けた。
「・・・ロイ、なんだか前よりたくましくなった?」
「だから、人間の暮らす環境じゃなかったんだって。試験に試験、その後でも試験」
「役人の?」  
「宮廷魔術師」
「なれたの? 凄いな!」
「残念。もうクビよ。説明は後でいい? どうせ、皆聞きたがるでしょ?」
「ああ」
 幼なじみの二人は、他の友人たちを探して路地の裏に入ろうとした。ところが、袖を引っ張られたような感じがして、少女が振り返った。
 少年が立っていた。
「何か?」
 少女の隣で警戒を露わにするジャンに、敵意のないことを示すためにか、軽く両手を上げた。
「・・・名前を、聞いていないと思って」
「ああ、そうだったかしら。悪かったわね。ローランド=イルフ・エル。名前だけは立派なの」
「僕は・・・」
「知ってるわ。軽々しく名を表に出すと、誰かが泣くんじゃないかしら。それじゃあ、今度こそお別れね。もう二度と会うことはないでしょうね、馬鹿王子」  

 笑顔で去ってしまった少女が、自分の護衛となる宮廷魔術師だと知ったのは、この少し後のこと。辞退したと聞かされたが、王子は諦めなかった。
「やっとみつけたんだ。ちゃんと怒ってくれる人を」
 そう言ったときの笑顔は不敵で、聞いたキィツの面々は、揃って気の毒に、と溜息をついて同情したのだった。
 かくしてロイは、失業することもなく――しかし、無事にはどうかは判らないが――就職が決定したのだった。

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 実は、「話置き場」にある「我が夢見るは幻」の過去の話だったりします。

   男女とも髪が長いのは一般的だけど、束ねるのは別だけど、編んだりするのは女性だけだとか。
 キィツの面々は、王子(リィン)と率直につき合ってはくれるけど、怒りはしない(ちゃんと心配していたりはするのだけど)とか。
 そんな裏設定ありです。
 ついでに、「ロイ」ってのは、私のバースデイ・ベアの名前です(笑)。本当は男名前だと思うのですがね。


 本編よりも、外伝や過去の話を考える方が好きってどうでしょう(笑)。
 そっちの方が好きというか、本編は放って置いても自分の中で勝手にできあがっているから、殊更に考えてつくるのが楽しいんですかね?
 うーん、何なんだろう。

 似非ファンタジーは、風習を誤魔化しながら書くのが楽しいです(爆)。多分、突っ込まれたら「似非だから!」と開き直る以外できないんだろうなあ・・・。
 どうよ、それ?

2004 年 2 月 2 日 忌まれる名前

「ないことないこと言うなっ、お前らっ!!」
「あることないことでしょ、言うなら」
「そんなこと言ったら、一部でも俺がやったみたいじゃないか!」
「・・・嘘を言うな、でいいじゃん」

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 教習。
 今のところ、やったところやったところ軒並み「要復習」で、ちょっとへこみ気味。めーんーきょーはーとれるのかー(没)。

 話は変わって(むしろ本題)。

 あるハリー・ポッターのサイトで、「ヴォルデモートを何故『例のあの人』と呼ぶのか判らない」というようなことを書かれていた人がいたのです。
 ・・・ええと(汗)。

 これは私のまとめですが、名を呼ばないというのには、大まかに分けて三つの意味があると思います。
 一 畏れ多い
 二 見下し
 三 畏怖
(一と二は少しかぶっているけれど、ここの「畏怖」は「おそれおののく」くらいの意味で。それと、天皇の名前のことはまた別ですが)
 一は、敬称をつけたり役職名なんかの肩書きで呼んだり。「師匠」なんかもそれですよね(なんでそんな例)。本心はどうなのかというのは於いて、形骸化していることも多いと思われますが。
 二は、それよりは呼び捨てにするとかの方が多いですかね。「名を呼ぶ価値すらない」というのは。昨日書いた「欲しかったものは」の「勘違いの小人さん」に、少しそれが含まれてます。
 で、三。ヴォルデモートがこれですね(多分)。おそろしさに、名を呼ぶことすら怯える。避ける。

 その人は、「名前を呼んだからって出てくるわけでもないのに」と書かれてまして・・・うーん・・・そこらへん、感覚的なものだからなあ・・・わからない、ですかねえ・・・うーん。

 いや、実は。
 「深紅」にそういった記述が出て来るもので、ね。わからないだろうか、どうしよう、と思いまして。
 削ろうとは思わないけど、どこかに注釈でも入れた方がいいんだろうか・・・でも前後で軽く説明してるし、いいかな・・・うーん。
 まあ、わからないところがあったら質問してもらえばいいんですけどねー。そこまで知りたいと思う人がいるのかどうかというのは。はは。・・・私は、流すか気付かないことが多いので(おい)。

 ちゃんと議論や説の展開をしたいのなら、まず、言葉の定義から始めなくてはならないらしいです。
 そういったことを実感するのは、大体、誰かとの会話やネット(主に個人サイト)から。
 下手をすると、自分の前提は皆の前提と思ってしまう傾向にあるので、はっと引き戻されます。まだそうやって意識できるというのは、少しだけ安心できることです。
 まあ、会話や人のやりとりなんて、そもそも誤解に誤解を重ねた、思い込みの上に成り立ってるんだとも言いますが。特に恋愛(笑)。  

 

2004 年 2 月 3 日 いろいろやね

 今日図書館で、ぱらぱらと読んだ本。ファンタジー小説を紹介したものだったんですが。
 まず目次を見る→知っているものを発見→なんとなく嬉しくなって読んでみる→・・・。

 なんか。
 なんか。
 なんかっ。
 ・・・あんまり、読んでも「読んでみようかなー」って気にはならないと思うのですが。何カ所か、表現に引っかかったりね。明らかに違う紹介をしていたりね(設定自体を間違えている)。
 まあ、人のやることなんだから間違いくらいあるんだろうとは思うのだけどさー。私がたまたま見たところにその間違いがあったってだけなんだろうけど(もしくは私が思い違いをしているという可能性もある)。
 でも、あの表現についてはちょっと。毒舌で文章を読ませる(あるいは話を聞かせる)というのもあるけど、そうじゃなくて、もっと質が落ちる感じなんですけど。そうじゃなかったら、けなされてても苦笑で終わるし。
 あと、断定(その本に対する、紹介者の勝手な)も駄目だったのかなあ・・・?

 一番の原因は、読んだ文章(それでも、五冊か六冊分の紹介は読んだのだけど)から、書き手が好きという感じが伝わってこなかったからなんですが。
 好きだから、面白いと思うから勧めるという感じがしなくて。そうでないのもあったけど・・・私が読んだ分では、少なかった。半分以上が違った。勧める側が楽しんでないものを、どうやって興味を持てと?
 まあ、系統ごとに分けて、系統ごとにほぼ同数を紹介していたみたいだから、たまたま私が読んだ分が、無理矢理引っぱり出してきた本なのかもしれませんけどね?  



 明日は学校です。また早起きです(苦笑)。
 そして、講義の後でカラオケ行って鍋をやるんですよー。泊まりがけで。鍋なべー。酒を飲むぞー♪
 そんな状況が、「『ネバーランド』みたい」とおもうあたり、ちょっと救えない(爆)。まあ、(少なくとも)私には、あんな風にさらけ出す秘密なんてないですけど(笑)。
 それらが明けたら、後期の成績が返って来るんですけどね?(爆)

 あ、それと。
 掲示板の方で書いていますが、「卒業」をネタに何か書くに当たって、卒業に関する事柄などを聞かせてもらえたらいいな〜と思っています。
 反映する保証はないですが、良ければお聞かせください。連想やあこがれなんかで構わないので。Web拍手のついでにでも、ぼそっと(笑)。
 私の場合桜なのだけど、卒業式の時って、このあたりでは咲いてないよなー、まだ。

2004 年 2 月 5 日 宴を終えて

 鍋と菓子を食べ漁り、酒をやたらと飲んで二日酔いで帰ってきました(おい)。

 寝る前に、少し風に当たろうと、近所の神社まで散歩に行ったのが楽しかった〜。帰りに、途中の公園で久しぶりに遊具で遊んで。
 ブランコとか滑り台とか。懐かしー。
 靴飛ばしがしたかったのだけど、そんなことをしたら多分、フェンス(低い)を越えて向かいの家にでも飛び込んでしまいそうで、断念。
 やー。酔ってて夜で。世界が面白いです(謎)。

 で、今日。
 成績返って来たー! そこそこの点数だー。よかったよかった。もっとも、学芸員の資格を取れるかどうかは、未だ判らないんですが・・・四月にならないと判らないんですが・・・。
 しかし所々、頭が気持ち悪くて(胸がむかむかするとかではなく)、それどころではなかった今日。そして明日は、また一時間目からだー。
 うう、眠い・・・。



 ところで、今日発売の『オゾン』。
 あー、やっぱり好きだなー、この人の漫画。しかし、なんて書き下ろしの贅沢な本だ。短編集とあったけど、続編はないのかなー。
 全体的に喜劇調で、その面白さにうっかりと見過ごしてしまいそうになるのだけど、核心を突くような言葉に、ひやりとします。作者がどういう意図でその言葉を選んだのか、そこに置いたのかは知らないけど。
 そんなところも全部ひっくるめて、いいなあ。

2004 年 2 月 6 日 とりあえずの一回目

 ゼミの一回目(正確には、準備段階)でした。
 四人。・・・四人(笑)。一学年、二百人弱はいるっていうのに。着いたら一人しかいなくて、少しして来た二人と、なんだか和やかに離していたら先生が到着。  

 中国文学です。
 基本的には、今年度一年間やってきた中国文学と同じような感じで、漢文に先生が訓読点を打ってくれているものを読むようです。
 『太平広記』という本で、どうも「竜」を取り上げてもらえそう〜。わーい。  

 ・・・眠いです。明日は博物館に行ってバイト〜。

2004 年 2 月 7 日 歩き通しか立ち通しか

 友人と神戸の市立博物館に行って来ました。「大英博物館の至宝」という特別展示。
 思えば、中学の時にも、趣旨は違ったけど、大英博物館の展示品を借りての展示に行きました。あっちのときのが好きだったな、展示品。
 予想通りではあったけど、人が凄かったです。午前中だったから、あれでもいくらかはましだったかもしれないけど。
 常設展示もなかなかに興味深かったけど・・・私としては、土産物売場にあった、江戸時代頃の(日本の)古地図の複製が印象強かったです。思わず買っちゃったし(笑)。 

 いやあ・・・いいよね、「世界一の泥棒博物館」!(笑)
 上の文句、誰が言い出したのか知らないけど、イギリスの人とかじゃないかと思うのだけど・・・どうなのだろう。違うのかな。もしそうなら、更に楽しい。
 しかしなあ。誰か、イギリスに住まないものだろうか。そして一週間や一月くらい、泊めてくれないかな(笑)。大英博物館や自然観に通い詰めるのにー(笑)。←でもきっと、展示説明が判読できない

 博物館を出てからお昼を食べて、古本屋を回ってきました。
 欲しい本があって、それが絶版なので、古書店を回るしかないかなと。それはなくて残念だったけど、本を見るだけで楽しかったし、欲しかった漫画が一冊あったので、まあ収穫はあった方でしょう。
 元町−神戸間のセンター街は、古書店が多いのもだけど、特に神戸側は、得体の知れない(?)店が多くて楽しいです(笑)。

 つき合ってくれてありがとうです、Aちゃん(私信)。

 帰ってからは、すぐにバイト。
 しかも、恐ろしいことに、今日は何故かやたらと忙しくて、通常の終了時刻よりも居残り。
 いや・・・あの、その前に。今日は、古書店巡りをしている最中に喉が痛くなっていて大変だったんですけど・・・最初の方はなんとかだましだまし声を出していたけど、最後の方ほとんど無言だったし(そして怒られた)。
 うー。間が悪いーっ。明日もあるのに、バイト。

 ところで、ふと気付くと今日は、朝起きてからバイトが終わって家に帰るまで、ほとんど、食事か乗り物(自転車か電車)での移動中以外ほとんど、立ちっぱなしだ・・・!
 予想では、明日は筋肉痛(爆)。もしくは関節痛か。

2004 年 2 月 8 日 痛いというより

 なんだか手が変です。
 皮が突っ張って、切れているところもある。どうも、しもやけだかあかぎれだかじゃないかと思うのだけど・・・膨れてはいないから、あかぎれ?
 とにかくこれが。ちょっと痛い。でもそれはいい。・・・気持ち悪いんです。
 指と指の間のあたりなのだけど・・・縦に、点よりは少し伸びただけくらいの赤い線がいっぱい入ってる状態になってるんです。こーれーがー気持ち悪いッ!!
 うー(泣)。
 湿疹があるみたいな状態というのが判りやすいのか。違うけど。気持ち悪いのに、見てしまう自分がいやー(泣)。いーやーあーぁーっ(涙)。

 だ・・・誰かなんとかして・・・(無理)。
 ハンドクリームでも塗りたいところだけど、下手に塗って悪化させても厭なので自重。

 ところで話は変わりますが、卒業で何を書こうかと考えていると、すぐに浮かぶのは、高校の狭い廊下(廊下にロッカーが並んでいるから狭い)。
 まだ、基本のところはあそこにあるんだなーと思うと、妙な感じです。大学を出たら、大学になるのかなあ。基本。

 漫画の、『天然素材で行こう。』にあった台詞。
「この優しくて生温かい籠にサヨナラ」
 ミョーに、残るんだよなあ。確かに学校って、そんな感じだ。籠というよりは、檻の方が合うと思うけど。  

 卒業の話。今の予定では、位置を変えて五つくらい書きたいところ。

2004 年 2 月 9 日 気付くと言い訳に

 中トップの「特設」を撤去しました。投票してくださった方々、どうもありがとうございます。コメントがかなり嬉しかったです。
 「まだ名前もない物語」というページのタイトル通り、まだ題名を決めていないあの話は、いつか続きを書こうと思います。いつになるかは判らないけど・・・「星降日」の次くらいにでも。
 開始までは、あの出だし部分だけでも部屋をつくって置いておこうかと考えています。今の「深紅に浮かぶ月」や「星降る日」と同じような感じで。
 案外、短く終わるかもしれないけど(苦笑)。
 目指すは、「童話物語」や宮崎駿作品、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品。・・・夢や目標は、高い方がいいんです(爆)。

 メールマガジン展開中(?)の「台風の目」は、もう一章は終わったっていうのに・・・まだ作ってませんねー。ページ。もういっそ、完結してからにしようか(没)。
 続きの話もまだ書けていないので、発行に追いつかれたらどうしようと、少し焦っています(じゃあ書けよ)。
 ここで書いていても仕方のないことだけど、購読者が一人減ったようなのは、やはり年齢どうこうのあの部分がやばかったのか・・・? そういったところになだれ込む話ではないし、省こうと思えば省けたのだけどなー・・・やっぱりまずかった?
 うーん。
 「台風の目」は、あれだ。話の運びやなんやは今までとそう変わらないのだけど、小道具というか小技というか、あちこちが少し妖しげです。そういったものが好きというわけではないのだけど(汗)。
 キャラクターや設定から、もし書き上がったらあそこらへんの文庫にでも送りつけようかなー、などと考えながら書いていた影響が出たらしいです。いやはや、どんな偏見持ってるんだか。

 「深紅」は。うーん。これも、妖しいといえば妖しいかなあ・・・(汗)。見ようによってはだと思うけど。どうだろう。
 いや、じゃなくて。
 来週くらいから、いろいろあって教習の日程があまり入れられず、丸々空いている日なぞあったりするので、PC打ちが進められそうです。・・・仮免の試験に受からなかったら、もっと時間できるだろうけどね・・・(滅)。←次の段階に進めないから
 全部書き上げないと、矛盾だらけで表に出せなさそうというのは・・・なんだかいやですねえ。サイト連載をしている人は凄いと思いますよ。作家さんの雑誌連載もだけど。
 このところろくに更新してないし、短期集中で一挙に載せたいんですけどねえ、「深紅」。予定と理想と現実は違うのですよ。はぅ。

 ああそれと、「企画所」にきゃらくたー投票設置。また懲りずに(爆)。
 いやあ、前回の結果を忘れたわけじゃないんですけど。なんとなく、ふと。
 投票ページで書いているように、期間も結果をどうするかもまだ決めてません。順当に考えると、上位キャラで短編か。
 一応、時間制限は掛けてますが、複数投稿可。実は、マイナー所に一票入ってたりすると面白いなと思っての設置です。だからどうというわけでもないのですが(爆)。
 でもやっぱり、猫屋あたりが上位占めるんじゃないかと予想したり。投票者がなさすぎて、契約が切れて終わりという結果もありです(笑)。

 そして明日は、仮免取得のための学科試験。・・・何もやってない・・・。

2004 年 2 月 10 日 ・・・近況?

 とりあえず、仮免取得のための学科試験は合格。

 やー、ぎりぎりでした。
 九十点以上合格で、九十二点。しかし、九人受けて三人合格ってどうなんだろう。受かったから言えることだけど(爆)。
 焦った焦った・・・。次の卒業試験の時は、もうちょっとゆとり持って勉強したいやね。免許とるのに要る試験もあるし、運転し出して要る知識でもあるし。
 技能は・・・知らない・・・(滅)。  

 ところで、明日。
 ・・・バイト、何も聞いてないけど行かなくていいんだよなあ・・・? 祝日は忙しくなるからなー(だから大抵頼まれる)。誰か入るのかなー。まさか、夜になって突然電話かかってこないだろうな・・・(不安)。
 かといって、確認の電話を入れるのも面倒。どうなんだそれも。

2004 年 2 月 11 日 何でもない日だけど

 今日は親父殿の誕生日でした。
 でも仕事で帰ってこないよ、あの人! ・・・折角のケーキを食べ損ねたね・・・?

 まあ誕生日だからどうってものでもないんですが。ましてや、歳喰ってくると嬉しくもないのかもしれないけど。
 でもなんとなく、そうやって口実を作ってのんびりするとか、ちょっと楽しいことをするとか。そういうのはいいなと思います。・・・って、どうやら今年の自分の誕生日は、バイトの入る曜日のようなんだけど・・・(泣)。

 そういえば、一時流行った誕生日ベア。
 あの当時(ってもそんなに昔ではないのだけど)、第一弾を姉にもらいました。何日か前に書いたけど、名前が「ロイ」で。なんとなく、英国の人を連想するのは何故だ(笑)。
 ・・・そして、その名前が『鋼の錬金術師』に出てくることに気付いたのは数日前の話。いつも「大佐」って思ってたから気付かなかったよ・・・。
 閑話休題。  

 誕生石とか誕生花とか、なんとなく見てしまうのは何故だろう。確か・・・ルビーと姫ひまわりだったような。多分。
 知ったからどうするというものでもないんですけどねえ。そもそも誕生石なんて、どこの宝石会社の陰謀だ。高価なものが多い気がするのは気のせいか?
 まーあ、頑張ってるねーってことで。
 売る側のいろんな戦略には、本当に頭が下がりますね。時々、というかしょっちゅう(汗)、それが鬱陶しかったりもするんですが。  

 戦略といえば、バレンタインも凄そうですが。
 私としてはあの日は、そういえば友人の誕生日だったっけ、というくらいのものでしかないんですが。そして友人に贈り物をするわけでもなく(爆)。
 今年はどうなんだろう。バイト先が、男の人が多いところだからなー。その日、入ってるし。持っていった方がいいのか。でも面倒だ。・・・ばっくれてようか。
 うーん。まあどうでもいいや(え)。

 バレンタインは、恋愛ものを扱ったサイトさんでは企画をしたり更新をしたりするのかなというのでは、少し期待(笑)。
 ここではないですけどねー。だって、そういう柄のキャラがいない。あー・・・でも、書いてもいいかなー。こういうの、「ないな」とおもっていて「あ、ありか」と思うあたりちょっと厄介。
 で、大体は期限切れになるんですけども。あはは(乾)。

 まあ、そういった関連の更新があれば、「ちったぁ頑張ったんやな」と思ってやってくださいませ。多分ないだろうけど(爆)。

2004 年 2 月 12 日 「はたり」

「ら?」
 深夜の住宅街。黙々と歩を進めていた結城は、唐突に足を止めて首を傾げた。
「何――やってんだっけ?」
 あれー、と言って、不思議そうに周囲を見回す。家からはまだ少しある、住宅街だった。
 空を見上げる。まばらに星が浮かんでいた。
 確か、今日は友人との飲み会ではなかっただろうか。居酒屋で、食べ放題飲み放題。少人数だが一応予約を入れて、ちゃんと待ち合わせ通りに店に入って。
 はじめは、久しぶりに会った時間を埋めるかのように、近況の交換。ほとんどが記憶には残らないものの、笑いを交えての雑談。
 それから――。
「あー・・・そっか。酔い醒まそうとして・・・歩いたんだっけ」
 冷静に考えたら、こんな深夜の一人歩きは危ない。明らかに武器のなさそうな、貧弱そうな体。
 何やってんだ、と、あらかた酔いの抜けた頭で考えた。バスで帰るつもりでいて、まだ最終でもなかったはずなのに。そういえば、心配する友人に笑って、手を振って分かれた覚えがあった。
 その間も、足は動いていた。右手に、小さな公園が見えてくる。
 はたと、立ち止まる。
 音がした。ぎぃ、と。誰かが、遊具で遊んでいる? おそるおそる、半ば怖いもの見たさで覗き込む。
 同い年くらい――二十歳前後くらいの、女性がブランコに乗っていた。まるで子供のように、無邪気に一心に、前に後ろに揺れている。街灯に照らされて、星空の下で影が揺れていた。
 ぽかんと、結城はそれを見ていた。と、女が顔を上げる。
「・・・あや」
 ぽつりと、小さな呟き。しかし、大通りからも離れた静かな夜にはそれで十分だった。 
 思わず見つめ合ったまま、どれだけかの時間が過ぎた。その長いような短いような間を置いて、女はにこりと笑った。
「やー。怪しくないですよ、ゼンゼン、わたし」
 ブランコを揺らしながら、やはり無邪気に笑う。
「この近くに住んでる友達のところに泊まりに来たんですけどねー。お酒飲んでて、火照っちゃって。散歩に出たんですよー。そしたらブランコ、懐かしくって」
 その気持ちは、なんとなく結城にも解るような気がした。
「ちっちゃいんですねー、これ。低いし。すっごく、こぎにくいんですよ。・・・こんなの、乗ってたんだなぁ」
 のんびりと言って、どうやら、少し笑ったようだった。
「乗ります?」
 隣の空いている一つを指さしたが、結城はゆっくりと首を振った。いいよ、と首を振る。そうですか、と女はまた、笑った。
 女は、ブランコをこぎ始めた。
 ゆっくり、こぎにくそうにぎこちなく始まったそれは、どんどん早く、高くなっていった。まるで、闇を泳いでいるようだった。
「気をつけて、帰りなよ」
「はい。あなたも、気をつけて」
 声を聞いて、結城は公園に背を向けた。家に、足を向ける。
 空を見上げると、星がやけにきれいだった。この世界に一人だけのようだと、錯覚する。ついさっき出会ったばかりの女のことは知っているし、振り返らなくても、まだブランコの音が聞こえる。
 それでも。
 この夜の底には一人なのだと、今このときだけは一人なのだと、そんな気がした。きっとそれは、家に着くまでの他愛もない幻想なのだけど。

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 ネタの出所が、(数日前のここを読まれている方には)ばればれ。
 でも、夜に暗いところで空を見上げてたら、なんだかこんな気になりません? 正に幻想、錯覚なのだけど。 
 

2004 年 2 月 13 日 一般人としてどうだろう

 昨日(だっけ?)、バレンタインもうすぐだー、なんて書いておきながら・・・今日友人に言われるまで、きれいさっぱり忘れていました。

 ・・・あはははは。

 いや、だって。もう学校はほとんど休みだから、日にち感覚が怪しいんですよ。曜日の方は、バイトやテレビ番組で大体判るのだけど。
 ・・・もっとも、だからといって、少し前に話題にしていたことを忘れた言い訳にはならないんですけどねーっ。  

 そういえば、『嘘をつく記憶』という本。
 大分前の書評で見かけて、メモを取ったまままだ読んでないなあ。市立図書館に置いていることは確認しているのだけど。
 人は、後付で記憶をつくってしまうということが書かれているのじゃなかったかな。目撃の証言とか、後催眠とか。
 違ったかな? まあ、そのうち読もう。
 閑話休題。

 ところで話は飛びますが、私の髪は、それなりに真っ直ぐでそれなりに短いくせに、寝癖がつきやすいです。むしろ、長い方が寝癖はつきにくいのか?
 まあ、それで。
 全くつかなくて、ほとんど梳かなくても大丈夫かと思うような日もあれば、水をつけて撫で付けても直らない日も。
 整髪料をつけるのも厭で、もうそのまま出掛けてしまうのですが。
 どうなんだろうそれって?
 人が寝癖をつけたままいるのを見ると「あ」と思うのに、自分のは見えないから気にならない〜。←我が家の親父理論

 あれ。・・・ずぼら?  

2004 年 2 月 13 日 ある意味ツボ

 品名「郵便ポスト型メモホルダー付き鉛筆立て」

 ↑父が銀行でもらった粗品。可愛らしさを目指したようなのだけど、どうにも不気味だよ・・・。
 そして、この品名。見た途端に読み上げて、そのままほぼ息継ぎなしに「長ッ!」・・・。なんだか妙なノリだ。何なんだ、自分。

 しかしまあ、なんですねえ(小枝口調)。
 何かを彷彿とさせるよね、この品名。何かをね? あれは、「兼」や「及び」だったけどもね?(爆)  

 そう言えば、あの長い台詞を一気に言ってくれた後輩が、洋菓子屋さん(?)でバイトをしていました。
 今日は、明日のバレンタイン戦に向けて、チョコの味見を勧めていました。
 正に立石に水といった喋りに少し、聞き惚れていたとか(笑)。少し話もしたかったのだけど、通りかかる人に勧めるのに忙しそうだったので、そっと声援を送って(?)その場を離れまして。
 今思うと、一声、「がんばれー」とでも聞こえる大きさで言っておけばよかったー(爆)。
 凄く久々に会ったのになあ・・・。

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 ――そりゃあ。チョコが欲しいとは思った。単純に食べるのもだし、少しでも好意を寄せてもらっているのだと思えば、嬉しい。しかし。
「バレンタインに懸賞で当たった板チョコもらっても嬉しくないッ!」
 積み上げられた段ボール箱には、一年分という板チョコがぎっしりと詰め込まれていた。


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 ・・・と、いうのを明日にでも書きたいかなーとか。
 だけど、現時点でほとんど何も考えていない時点でほぼ無理だ(爆)。
 余談だけど、チョコが食べたくてたくさん買ってきたところなのに、帰ったら姉が友人たちとチョコレートケーキを作っていて、それをもらったからそんなにはほしくないという・・・まあ、どうせまた食べたくなるから良いのだけど(チョコ好き)。

2004 年 2 月 14 日 やはり。

2004年02月14日  やはり。  無理でしたね。バレンタインで短編。

 今日は、朝から教習行って車に乗って(やはり要復習の嵐で技能は延長になるらしい)、それから図書館に行って来ました。
 友達と待ち合わせて、本を貸して借りて図書館でも借りて。
 友人に借りたのは、本といってもほとんどが漫画。漫画は好きです。かなり。

 しかし・・・漫画もだけど、本(小説)。返却期限の迫った本が続々と積み上げられているというのにまだ借りるか・・・。読み切れるんだろうか。・・・無理だろうなあ・・・(没)。

 そう言えば、図書館のおすすめ本のコーナーを見て気付いたこと。『モモ』、読んだことないや。ミヒャエル・エンデの。『果てしない物語』(映画「ネーバーエンディングスト−リー」の原作)は、二、三度読んだのだけど。
 『モモ』は、孤児の少女が時間泥棒から時間を守るとかそういう話じゃなかったかなぁ? 姉が読んでいたのを簡単にあらすじを聞いたのと、これもやはり姉の撮っていた映画を少し見たくらいか。床屋が出てきてたなあ。
 エンデの書く物語は、ファンタジーの王道のように言われてますね。私が読んだのは、上に挙げた一冊だけだけども。
 とりあえず、今度読んでみよう〜。

 ・・・本当に、速読を身につけることを考えるべきか? 読みたい本に対して時間が足りないって、絶対に。

2004 年 2 月 15 日 呼んでもないのに飛び出るもの

 この目が見えなければ
 この耳が聞こえなければ
 きっと幸せでいられた

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 上の文と似たような(上二行はほぼそのものだと思う)歌詞の歌があったと思うのだけど・・・曲も頭の中で微妙に流れているのだけど・・・誰(何)だっただろう。女性ボーカルで。
 うーん?
 誰か、判ったら教えてください(願)。

 歌詞というのは、何か独特で少し好きです。
 詩そのものでもなくて(いや、詩の一種だとは思うのだけど)、散文でも小説でもなくて、でもそれに近くて。
 曲とセットで、ある意味それが優先のため、よく考えると意味が無茶苦茶になっていたりするのだけど、それはそれで面白い。本当、独特。
 一度、友人たちと組んで(?)話を作っていたときに、そのキャラクターで歌を作りたいなあ、というようなことを考えて歌詞のようなものを書いたりもしたけど・・・頼む、あれは破棄していてくれ・・・!  

 ・・・なんだか、過去を振り返るとろくでもないものを友人連中にばらまいている気が・・・。自分の絵をあげたがらない某遠山の気持ちが少しわかるような。でももらうけど(鬼)。
 友人に押しつけた、というのでは一つ、ちょっと読んでみたいものがあります。小学生の時に書いたやつで、自分用も作ったはずだけど、もうどこにいったかわからなくて。多分、西遊記を下敷きにしていたと思うのだけど・・・?
 きっと、見たらのたうち回るだろうけど(爆)、どんな話だったか、本当に基本の部分(物語が始まるときの登場人物の簡単な位置付け)しか覚えていないから、気になる。しかし、その友人が置いているかもわからないし、会って渡してもらうには遠いところだし、PCに打ち込んでもらうとか絶対に厭だし! ・・・いやそもそも、そんなことを言って発掘されて、今読まれるのが厭だ。
 ある意味幻(笑)。
 あー・・・でもあれ、小学校の買い物集会(手作り品を紙のお金でやりとりする買い物ごっこのようなもの。通っていた小学校では、年に一回程度、全校規模でそれがあった。クラス単位でも時々やったけど)で売った気もするなー・・・コピーを。まあ、そっちはいくらなんでも捨ててるだろうけど。  

 以前にも書いたことだけど、小学生の頃やなんかに書いたものが今になって恥ずかしいということは、今やっているあれらも、きっとそのうち破棄したくなるんだろうなあと思う反面、案外ずっとこのままじゃないかとも思います。
 前者の方が有り得るけども。  

 ・・・ところでこのところ、更新が面倒で何もしてないなあ・・・。ここだけは何故かほぼ毎日更新ですが。タグ打ちしなくて良いから楽なのか?

2004 年 2 月 17 日 あぁああぁ・・・

 今日の教習は、夕方から。先々週の土曜だったかに日程を変更してもらったら、詰まってるらしく(そらな)そんな時間になりました。別に構わないのですが。
 まだ「試験へGO!」の判定(どんなテンションや)がもらえないため、補習せねばならず、しかし実技の試験期日は迫り、今更日を移すのは余裕がないらしく、丁度キャンセルもあったので、予定よりも一時間多く乗ってきました。
 暗い〜。怖い〜。前が見えても遠くが見えない〜。・・・などと、心中呟きながら(笑)。
 結局A判定(次は試験)はもらえず、試験の日の、その前の時間が空いていたらしく、そこで一時間やってから受けることに。
「ここでA判定もらったら、ここで試験ね?」(日程表を指さしながら)
 ・・・「Aもらえなかったらどうするんですか」とは、怖くて訊けなかったさ(爆)。
 どうするんだろう。とりあえずAにして、試験の方を何度も繰り返すことになるんだろうか? うーん。まあ、なるようになるか(え)。  

 しかしね。

 入ってくるなり、「鍵壊せるような物貸してもらえませんか」と言った奴はそういないだろう・・・そんなので珍しくても、嬉しくないんだけど・・・。
 しかもそれで、
「鍵なくしちゃったん?」
「いや・・・鍵壊れてて、それは使わんようにしてたんやけど、間違えて使って、鍵かかってもて・・・」
 って。・・・どうよ?
 はい、鍵を壊してもらいました。その人の手は真っ黒でした(爆)。そしてその間、どうしていればいいか判らず、私は適当なところに座って寝てました(滅)。
 やー。なんだって、あっちをかけてしまったんでしょう。別の鍵を使うようになって大分経つというのに。

 ところで今、「深紅に浮かぶ月」をようやく半分くらい(書いている分のうちの。全体から見れば、五分の二くらい?)打ち込めたところ。
 思い浮かばなくてすっ飛ばしたところを今書いていて・・・ここだけ長くなったらどうしよう(汗)。いやそもそも、章の長さとかバラバラなのだけども。
 書いていて一番(?)楽しかったところがそこの次なので、なんともまどろっこしい気分でいます。早く次行きたいなーと。
 そしてちょっと大変なことに気付いたのだけど、これ、二十七日までに打ち終わらなかったら、家で印字しなくてはならない!(見直しは印字して。目が疲れるから)
 未だワードの縦書き設定が判らない身としては、家で印字した方が見やすい(家のワープロソフトはロータス)のだけど、紙とインクが・・・馬鹿にならない。
 うーん。急がねば。  

2004 年 2 月 18 日 今日は朝から

 朝、母が出掛けるついでに起こしてくれてました。
 そういえばダビングしておきたいビデオがあったんだとデッキに入れようとしたら、入らない。あれー、と思って見てみると、テープが入ったまま。ありゃ入れっぱなし、と、出そうとしたら出なくて。おかしいなと思ってもう一度ボタンを押すと、出てきて。
 そこらへんで、頭が動くようになってきまして(朝一でダビングのビデオなんぞ思い出すな)、ひょっとして撮ってたのかと気付く(再生は、見る人がいない以上無意味)。
 慌てて出したテープを入れ直して再生して確認。やっぱり撮ってるよ。あぁーっ! 
 ・・・とまあ、慌てて録画ボタンを押したものの、どこまで撮るつもりだったのか判らない(予約だと簡単に途中で消すことはできないけど、消す時間だけを設定したものなら簡単に消せる。母が何も言わずに出掛けた以上、当然その設定をして行ったのだろうと思った)。
 とりあえず、その番組が終わるまでを撮って(その後は多分見ないだろうと思われる内容の番組だったので)、消して。帰ってくるのをどきどきして待って、帰ってきてすぐに謝ったんです。
「ごめん、ビデオ一回止めてもた」
「ビデオ? ・・・あ! 止めるん忘れとったんか!」
「え。・・・つまりそれは、撮ってなくても良かったってこと?」
「うん」
 ・・・それはないよ、母上様(泣)。そりゃあ、実害はなかったと言えばなかったんですけどー。うう。

 そして午後から、友人と「好古園」なるところに行って来ました。あれはなんなんだろう。日本庭園? まあ、そんなところ。
 植えてある木が眼に気持ちよかったです。姫路城も見えるし、景色は割と良い。池があって、鯉も沢山いましたねー。
 しかし、ああいうところにいると、昔は空が広かったろうなと思いますね。姫路城の近くは、景観を守るためか、建物の高さ制限がしてあるんです。そして、園内の建物は平屋。
 そりゃあ、山登れば遠望が望めるよねー、と思いました。それだけに、城の高さが浮き彫り。親父の言ではないけど、それなりの威圧感はあった・・・のかなあ?

2004 年 2 月 18 日 「予見の王」

「お腹空いた――っ!!」
「あー・・・はいはい、これでも食ってな」
「わぁいっ!」
 干し肉に嬉しそうに囓りつく。
 カフは、そんな少年を横目で伺いながら、そっと頭領に囁きかけた。
「言いたかないですけどね。あれが救世主ってのは、ちょっとどころかかなり、間違ってません? 俺はどうでも良いですけどね、あんな、釣り針の先に餌つけてりゃ釣れそうな奴に命運かかってるなんて知ったら、暴動の一つや二つは起こるんじゃないですか?」
「・・・そこまで言うか」
「俺だって、言いたかないですよ。でも、事実に目をつぶるとろくなことがないってのは、爺さんの口癖でね」
 その口調は軽く、我ながら信憑性に欠ける。もっとも、常に適当に時を過ごしてきたカフにとっては、万事が万事、そんな感じだった。
 因みに、カフの祖父は未だ健在だ。
「お前は、あれをどう見る?」
 ちらりと視線を向けてきた頭領に、「あ、厭な予感」と軽く呟いて、少しだけ、考える素振りをした。
「うーん。とりあえず、足が二本に手が二本、胴体と頭も正常な位置についてるし、目も二つに口と鼻が一つずつ。食欲も旺盛みたいですしね。病気の心配はないんじゃないですか?」
「誰がそんなことを訊いた!」
「どう見る、って訊かれたから答えただけじゃないですか。正確な応えが欲しければ、きちんと定義してからにするべきでしょう? 違いますかね?」
「・・・いや。そうだな。悪かった」
「いえいえ、俺も、婆さんにしつこく言われたことをそのまま言ってるだけですからね」
 にっこりと、押し殺した声の頭領に笑い掛ける。嫌がらせだ。
 因みに、カフの祖母も健在。今頃、漬け物でも作っていることだろう。
「君は、未来視の予見で我々の一族の困窮を救うとされている、あの少年は、本当に予見通りの救世主となると思うかね?」
「判りませんよ」
 あっさりと、断言する。頭領は、一瞬、ぽかんと呆けた表情をして、次の瞬間には怒りに顔を染めた。
 しかしカフは、それもあっさりといなす。
「だってそうでしょう? それが判るなら、俺が予見者になってますよ」
 ・・・そのあたりが、限界だったらしい。
 怒鳴り声と共に、カフは少年共々屋敷を飛び出した。兄の怒声の説教になどつき合ったら難聴になってしまう、とは、カフの弁だ。

 幼い頃によく遊んだ川岸まで出ると、カフは日当たりのいい場所に腰を下ろした。少年は、川に目を輝かせて飛び込んで行った。
「おーい、溺れてもいいが流されるなよー」
 忠告なのか何なのか判らないことを言う。
 数年前までは子供で溢れていたこの川も、今は人気がない。子供が、ほとんどいないのだ。生まれないとしたらそれはそれで問題なのだが、生まれはする。ただ、育たない。
 そこのところに、この村の一族の苦悩があった。呪いなのだと言うが、本当のところは判らない。
「ねえっ、何これ何っ?! これっ、この動いてるの!」
「んー? ああ、魚だよ。魚。お前も、食ったことはあるだろ?」
「魚! 動くんだ、生きてる?」
「ああ」
 ただ一人、生き延びた赤子。今では、もう七歳になるか。
 予言を受けて、屋敷の中で厳重に育てられた子供には、常識というものがほとんどない。それが、予言の年に当たる今年、初めて外に出された。つい先日のことだ。
 その世話に当たったのが、引退を宣言した祖父の代わりに頭領となったカフの兄だった。両親は、既に亡い。  

 結局、その日は夕方まで川におり、日が暮れて帰った屋敷では、兄が笑顔で待ち構えていた。――背筋が凍ったとは、女中の談。

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 なんとなくの産物。

 最近ほとんどがそうなのだけど、どうも長くなりそうだったので、適当に切り上げました。・・・適当?(汗)
 全く何も考えていなかったので、一体どんな一族なんだか・・・どこだ場所は、時代は。


 気が向いたら、日記連載ということで。多分次はないだろうけど(爆)。

2004 年 2 月 19 日 馬鹿だけど面白いね!

 「だけど」なのか「だから」なのか。

 いやもう。
 前に買ったビデオ(中古)の「今泉慎太郎」を見てたんですが・・・「古畑任三郎」の番外のようなものなのだけど・・・面白いです。
 馬鹿だー。馬鹿だー!(笑)←会話でこう言われると腹が立つ(関西人)のだけど、文章はそうでもない。
 短いのがぽんぽんとあって、小ネタ集のような。
 いいなあ。阿呆やなあ。くだらんなあ。←誉めてます

 そうして話は変わって。  

 久々にサイトの更新〜。友人のサイトのキリリクのアップと、「台風の目」のページを作りました。
 特設コーナーを作っていた話は、「まだ名前もない物語」というタイトルを付けていたのだけど、とりあえず「まだ名前のない物語」で落ち着きました。  

 しかし、本当に。どうしてこう、やることがあるときには関係のないことをしたくなるんでしょう(例:試験前の大掃除)。
 今日は、明日のゼミの予習をしなくちゃなと思っていたんですよ。やるつもりだったんですよ。・・・何を思って・・・(滅)。
 三、四時間掛かり切り・・・。
 とりあえず、バイトに行くまでの残り時間と帰ってからの時間でなんとか終わりましたが。ゼミの予習は。読みたかった本とかに回る時間がー・・・。  

 そういえば、キャラ投票。
 「烈様」ですか。やー、ありがたいです。自分が気に入ってるだけに、見て余計に嬉しくなってしまいました。
 アイリも・・・まだ本編始めてなくて悪いなあ、と思いつつ。しかも、本編後の話ばかり書いていたら、本編の主人公たちが幼く思えてきた。本末転倒。
 あう。

2004 年 2 月 20 日 一週間ぶりに学校

 ゼミでした。
 やー、楽しい。『太平広記』読解(?)。先生が細かいところの解説や、発展へのきっかけをくれるのが面白いです。
 色々と不安だったけど、この調子だと大丈夫そう。
 ・・・しかし、色々質問できそうで答えてもらえそうなのはいいけど、あまり色々訊くと「何やってるん?」とか訊かれそうー。やっぱ地道に調べるべき?≪「敷衍」資料

 帰りには、三宮でやっていた古本市に寄ってきました。図書館の本五冊(全てハードカバー)と、漢和辞典と漫画十一冊抱えてね!(爆)
 とりあえず大丈夫だったけど、ちょっと背が縮んだんじゃないかと思うよ・・・。暑くて脱いだ上着も邪魔だったしなあ。
 まあそれは置いて。
 欲しい物は山ほど。しかし予算は雀の涙。斯くして、買うこともなく後にしました。うー。欲しいのあったけどなー。でも本当にいるのか、一度読めば十分なのかとか・・・二千円超えると、やっぱり迷うし。
 それでなくても、教習所の代金を払って貯金が・・・(滅)。  

 やはりというか何というか、主に目がいったのは民族学関係、中国関係でした。他に平安時代のものや、西洋の中世の頃とか、錬金術や黒魔術や・・・って、挙げてくときりないけど。
 なんて言うか・・・浅く広く? 理想としては、深く広くなのですが(無理)。
 高校の時の世界史の授業が好きでした。ノートの端に、一生懸命先生の言う余談を書き込んでいたり(笑)。もう一度受けたいくらいです。
 勉強は嫌いじゃない(ものによっては好きだ)けど、結果を求められると困る〜。ただの趣味が好きです。・・・それは意味があるのか。

2004 年 2 月 21 日 話術

 話のうまい人は羨ましいです。あこがれる。
 まあ、話がうまいと一口に言っても色々あるのだけど。面白くてついつい聞き込んでしまうとか、話し口につられて聞き入るとか。  

 ある友人は話し方が上手いです。
 話を聞いていると、その情景が丸々浮かぶ。ある種、小説を読み聞かせてもらっているようなものです。
 本人としては、ただ解りやすいようにと、細かいところも言っていってしまうだけということらしいのだけど。私にはそれはできんよ。

 口下手というか説明下手というか・・・。話すこと自体は好きなのだけど、聞き手の方が向いているようです。聞いていて面白くない話をしてもねえ・・・そういっても、つい話してしまうのだけど。

 あと、難しいことを易しく言える人とかね。
 難しいことを難しいまま言うのは、材料さえ集めて、なんとか頑張ればできるかもしれない。けど、それを消化して、なおかつ逸れずに解りやすく言うのは難しい。
 学術を一般に広めるときにぶつかる壁のようですね。
 だから、子供にちゃんと話のできる大人は凄いと思います。そんな大人になりたいよ。

 話は変わりますが、今日、バイト先で卵の殻で指を切りました。
 ・・・同じバイトの人には「卵になめられとんちゃうん(なんでや!)」と言われ、父に「卵の怨念や(鶏じゃないんか!)」と言われ・・・。二人ともに、「そんな話聞いたことがない」と言われたさ。
 でも、切れたんやって。
 ゆで卵を剥いていて、その殻が固かったのだけど、きれいに取れるものだから調子に乗って剥いていたら。剥き終わってしばらくして気付いて、自分で驚いたさ!
 でもまあ、血が出なくてよかった(右親指の外側の付け根の皮一枚のところがずたずた)。だって、血染めの卵なんぞ出せないよ・・・。
 しかしこれ、地味に滲みるんだ・・・!



 ところで、無茶苦茶余談。今日ふっと気付いて愕然とした(?)事実↓
 最後に好きな人(恋愛対象として)がいたのって、小六だ・・・! 
 何年前の話だよ。


 大学の担任の先生(言っている大学は、二年までは担任制)曰く、「二十歳までに恋愛をしなかったら一生しない」。・・・無理?(笑)

2004 年 2 月 22 日 雨が降る

 雨が降ってます。
 その前に、風がものすごく吹いていて、台風でも来てるのかと思いましたよ。嵐だね、嵐。  

 いやまあ、そこらへんまではいいんだ。
 ・・・家の中でも降ってるって、どうよ・・・。

 正確には、ただの雨漏りなんですが。ただの。ええ、ただの。・・・いい加減、この家も古いからなー。でも、ほんの数年前に建て増しした部分も漏ってるってどうだろう。
 どうも最近の物は壊れやすい気がする、とか言う私は、果たして本当に年齢通りの人間なのか。実は、二、三十年前に生まれたんじゃないかとか(笑)。
 そのころの時勢とか全く知りませんけどね。

 風にびびって、そこに予報通りに雨も降ってきたものだから、どこか窓が開いていて吹き込んできやしないかとびくびくしていたときのことです。
 どこかしら隙間があって、風の吹き込んでいる家なので、カーテンとか揺れてるんです。で、その向こうの窓あいてないかなあ、大丈夫?と母に確認して。
 その直後に、なんか水音が。
 走って(って、そんなに距離はなかったのだけど)見に行ったら、どばどばと水が滴ってまして・・・。
 後はもう、慌ててバケツを持って来て。多分、今もバケツに水がたまってるんじゃないかと思います(滅)。

 そういえば、店に泥棒が入ったらしいです。三万盗られていて、戸が開いていたんだとか。
 うーわー。
 そして「いつかは入るやろなと思っとった」というある人は、自分が最初の時は、いつもまずトイレを確認してから仕事を始めるんだそうな。
 そして、本当に中に人がいたらもう・・・笑うしかないなあと。  

 身近な怖い話ですね。

2004 年 2 月 23 日 眠りの国

 眠ること。

 大体私は、欠伸をしてます。眠いです。寝てるのに眠いって何故さ、納得がいかん!
 なぞと、日々思ったり思ってなかったり。

 眠るのは嫌いじゃない。
 むしろ、好きではあるんです。
 でも。
 その間にできるだろうこととか思うともうーっ、眠りたくない! 眠らずに、その時間をやりたいこと(やらなければならなこと)に充てられたら!
 多分、「時間が足りない」と思う人が一度は思うんじゃないかということですね。  

 バイト先でそういうことを言ったら、「何かで読んだけど」と前置きをして、「睡眠時間を削っても、その分早く死ぬから最終的に起きてられる時間は同じらしい」と言われました。
 ものすごく眉唾だなー、と思ったのだけど、どうなんだろう。
 だけどね。・・・これは、そのとき思いはしたけど言わなかったことなんですが(機を逸した)。
 その時々によって、やれることとやれないことってあるわけじゃないですか。勢いとかもそうだし、体調やなんかでも変わってくる。
 あのときなら一晩で論文一本が大まかに書き上げられたけど、一度寝てしまって無理だ、とか、昔は沢山読めたけど、目が悪くなってしまってもう本が読めない、とか。
 それを考えるとねー。  

 やっぱりあれがいいな。眠らないが無理なら、「眠り貯蓄」ができるの。
 「眠り」を溜めておいて、眠りたいときにすっと寝て、それ以外は眠気なしに起きてるんです。ドラえもんの世界やね(笑)。

 あ、そういえば、寝溜めって無理らしいですね。科学的には。
 だから「寝溜めしてる」ってのはプラセボ効果(プラセボ、あるいはプラシーボ=偽薬。薬の効果を調べる実験で、本物の薬と偽物をどっちか知らせないまま使用して、本物の効果が顕著であれば有効と判断する。偽薬でも、「新しい(よく効く)薬」というだけで、治ってしまうこともあるため)のようなもので。思い込みってことですね。
 まあこれも、私が実際に確認したわけでも、信用のおける報告書を読んだわけでもないから、眉唾といえば眉唾ですが・・・。
 それにこれ、ついつい言ってしまうのだけど、寝溜めができてると思う人には言わない方がいいんですよね、多分。それが有用ならそれでいいんだし。・・・書いてるけど。
 でもだって、寝過ぎは却って良くないんですよ?

 そして余談ですが、上の「プラセボ」。
 「プラセボ効果」というのが小説だとか、そうでなくても時々出てくる表現なので知っていたのだけど、正確には覚えていませんでした。良くやることなのだけど、大体の響きと視覚の印象で覚えてた。
 で、「あるある大辞典」だと「プラシーボ」らしいんです。
 そして、友人が「プラシーボ」と言って、「え、なんかそれ違わん?」と。「のばし棒は入ってなかった気がするんやけど」・・・言われても判りにくい説明ですが(苦笑)。
 で、そのときは移動中だったのだけど、友人の携帯電話が辞書検索のできるのもだったので、調べてもらったところ、「プラセボ」と「プラシーボ」は同一と判りました(広辞苑を引いたら、「プラセボ」は載っていなかった。携帯電話のが詳しいやん!)。
 この一件、なんだか、不思議だなあと思いました。
 二人とも、同じ事象を知っていて、でもその一方の呼び方しか知らなくて。どちらかが間違っていたというのはよくあるけど、どっちも正解なんですね、この場合。
 どこがどうと具体的には言えないのだけど、そこらへんが何か不思議な感じがしました。



 ところで、馬鹿だと思うことが一つ。
 ついさっきまで、居眠りしてたんですよ。眠るつもりなかったのに・・・! 明日はいつもよりは少しだけ早く起きるので、というか教習で車乗らなきゃなので、早めに寝ようと思ってたのに・・・。
 あう(泣)。

2004 年 2 月 24 日 今更だけど

 「新撰組!」、第一回目冒頭場面は「池田屋事件」と書いていたけど、友人によると、どうも「柳屋」らしいです。
 その事自体は、一回目のあった週に聞いていたのだけど・・・自分がここで書いているということを忘れていたよ・・・。昨日読み返していて、気付きました。
 こっそり名前だけ差し替えておこうかと思ったのだけど、池田屋事件の内容にも触れているので、そうなってくると内容自体変わってくるので止めました。
 だから、本当に今更なんですけどね。もう一月以上経ってるよ(汗)。

 でも本当に、池田屋事件はどう書くんだろう。
 有名なのは、沖田総司は池田屋の時に結核が発症していたという逸話。実際には、それは考えにくい(その後の様子から考えると、喀血するほど病状が進行していたとは考えられないんだそうな)らしいんです。子母沢寛(って、実はこの字で合ってるか自信ないんですけど)の創作ということらしいです。
 よく知られている方を取るのか、おそらく事実だろうという方を取るのか。
 史実と違うというので歴史考証の人(大河ドラマにはそういう係の人がいるらしい)から指摘を受けるかもしれない、とも思ったけど、どうやら「物語の嘘」は大丈夫らしいですし。今までの話から見るに。  

 どうやら批判も多いようですが、物語としてはあれくらいでいいんじゃないかと思います。

 それにしても、沖田総司が軽やかで明るくて嬉しいです。
 ・・・これも今更だけど、沖田総司を主人公にした小説を読むと、どうしても悩みだとか葛藤だとかが出てきて、それが自分のイメージに合わなかったようです。悩みがなかったとは思わないけど。
 だから、沖田総司以外が主人公のものを読めば、まだ面白いと思うかもしれない――と思いつつ、それでもやっぱり面白いと思うものに出会えなかったらどうしようと、二の足を踏んでいます。
 や、単純に、他に読みたいものが山積みだということもあるんですけどね。

 返却期日の迫っている本を先に先にと読んでいくと、どうしても自分の本や、ちゃんと返す日を決めていない友人からの借り物が後回しになって困ります。
 しばらく図書館で借りるのを止めようかとも思うけど、ついつい行くと借りてしまうし。返却には行くから、つい・・・。
 友人たちから借りているものが、二、三時間もあれば読めるだろうやつだから、返す直前でも何とかなるかなと思ってしまう辺りも原因だと思うのだけど。実際にはなんとかはならんだろうと思うのだが。

 そして読んでいると、「深紅〜」が進まないんですよね・・・。

2004 年 2 月 25 日 今更なこと その2

 改めていうのもなんですが、今、普通自動車の免許を取るために教習所に通っています。
 が。
 本当は、自動車よりもバイクに乗りたいんだよね・・・!

 ある漫画を読んで、てっきり、二輪免許を持っていても、教科免除とかの得点はないものと思いこんでいたんです。車の方が便利は便利だから、それなら先に車取って、それでも本当に乗りたいなら後で二輪を取ろうと。
 そうじゃなくて、二輪免許を持っていても、いくらか教科が免除になると知ったのは通い始めてからのこと。
 今更替えるわけにもいかず。どうせ取るつもりなんだと観念して通ってるんですが・・・。
 バイクー(泣)。

 いやまあ、車でこれだけ手こずってるんだから、バイクなんてもっと大変だったんじゃないかとかも思いますけどもね。
 でも・・・(涙)。
 そんなわけで、またお金を貯めて、今年の夏か来年の春には二輪免許も取りたいと目論見中。でも、それでどこかに乗っていくのか・・・使うのかというところが悩みどころ。
 何か、根本的なところが違う気がする(爆)。

 ところで、教習中の指示は「右」「左」だとかなんですが(もちろん、前もって言われます。直前でなんてことはない)・・・何故か時々、左右間違えるんだよね!
 これは、焦ってたり緊張してたりするからなのか。どうなんだろう。だけど、友達と自転車で走ってて、「次右ー」と言いながら左を指さす辺り、怪しい。
 そもそも、なかなか左右の区別が付けられない子供だったんですよね。どうにか一般的に覚えられたのは小五・六の頃で。
 あまりに覚えられず、右手首に髪ゴム(髪をくくるゴム)をつけて、「これしてるのが右!」などとして覚えましたよ。
 ・・・そうしたら、友人に不思議がられまして。さすがに「左右が判らんから」というのは恥ずかしく、適当に誤魔化していたら「おまじない?」「ああ・・・うん、そう」とほらを吹きました。そして友人も真似をしたんですよ。
 当時純粋だった(笑)私は、友人を騙したことに心を痛めたものでした。今じゃ完全に笑い話ですが。そして、それから少ししてだったか大分経ってからだったか、私の周囲でもミサンガが流行ってほっとしました(笑)。

 色々と、今更。
 でもまあ、今更だと思うことを山ほど抱えて、それが「思い出」のような気もしますけどね〜。大体私は、後悔だとかは思い出してのたうち回って落ち込んで、こっそり忘れる方ですから(「方」て)。  

 話は変わりますが、昨日、父に「帰りに買えたら買って来てー」と電話をしました。そして買って帰ってきてくれました。
 が。
 さっき話していて判明した驚愕の事実。
 私が全く言った覚えのない言葉を聞いていて、確実に言ったと覚えている言葉を聞いていない!
 ・・・どうなってるんだ、この親子の記憶(もしくは耳)は・・・。



 ついでですが、「深紅」はようやっと次で第七章。多分、全部で九章か十章になるんじゃないでしょうか。
 ・・・って、全然載せてないから、もういい加減どうでもいいってハナシでしょうが。
 しかし、改めて読むと話の展開の悪さを実感して凹む凹む。だけど、そこを直そうとしない辺りがなんとも・・・。

2004 年 2 月 26 日 ネタもないので

 ネタがないので(え)一部抜粋。
 「深紅」の七章の終わりの方です。・・・いい加減、この題を内容にはまるものに変えたいのだけど、他の案もなく・・・。

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 庇護を求められているなら別だが、共に歩くならある程度の強さを求める。ラオは、自分の他の者までいつも守れると確信できるほどには、うぬぼれていない。弱いのなら、自分からは離れているべきなのだ。
「ところでヒラク、お前、誓直子のこと知ってたっけ?」
「名前だけは、どこかで聞いたけど」
 本当に名前しか知らないらしいヒラクに、ラオと史明は手短に行状などを話した。
 ヒラクが、唸って首をひねる。
「そいつ、なんで死ななかったんだ? 地界って、死ねばそこで会えたんだろ?」
「自殺って概念自体がなかったんだろうと思う。それどころか、あの人の言ったことが当たってるなら、あの人を失って自分が悲しいんだってことすら、気付いてなかっただろうな」
「それって――俺みたいだ」
 小さく、ヒラクは呟いた。ラオと史明は一瞬、表情に困った。
 今であれば、ヒラク自身、小屋に閉じこめられていたときに感情と呼べるようなものがなかったと判っている。快や不快といった区別はあったはずだが、ごく単純なものでしかなかった。振り返るとそれは、淋しく哀しかった。
「今は、そうじゃないだろ」
 こちらも呟くように言って、それまでの呟きを無視するようにして、ラオは言葉を継いだ。
「それに、直子は一度死んだんだ。締歌に妖を引き入れて、その引き入れた報酬代わりかのように、惨状を見届けた後に体を投げ出してる。――ああ、これが自殺だったのかもな。でもその魂は、あまりに人々に畏れられ、力を持ちすぎていて神になってしまった」
 これには、史明も怪訝そうな顔をした。そんな二人に、ラオは皮肉めいた笑みを向けた。
「神ってのは二種類いる。一つは、彩みたいな自然発生の、生まれながらの神。これは、知識を始めからある程度持っていて、その大本になるもの――星神なら星、太陽神なら太陽っていったものがなくならない限り、死ぬことはない。死んでも、何度でもよみがえる。もう一つは、死んだ人間。こっちは、多くの人に知られていて、何らかの力を持っている者が、半ば強制的に押し上げられる。ついでにいうなら、仙人は一応は人のままだし、さっきいた結花なんかは、大本のない未成熟な天然神みたいなもんかな。だから神ってのは、なりたくてなるもんでもなれるもんでもないんだ。――そろそろ、朝だな」
 今や真っ青に染まった空を見上げて、ラオは言った。 

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 ってことで、七章の終わり部分。何がなにやら、ですね(汗)。
 しかし、書けば書くほど小説としての体裁を成さなくなっていく・・・。
 「ヒラク」というのが、当初の予定では主役の一人だったはずなのに、いつの間にか「史明」と役割を分けてしまって、準主役の一人になってしまった人物です。余談(爆)。

2004 年 2 月 27 日 色々と大変だった・・・

 とりあえず、一番地味に困ったのは・・・チーズの匂いでした。
 いえね。昨日親父が、おまけのDVDにつられてピザを買ってきたんです。Mサイズ。
 これ(DVD)はいいなあ、買うか。と、言っていたのは聞きました。ああもう実行しちゃうんだろうなこの人は、と思いました。でも、てっきり昼にでも買って食べるんだと思ってたよ・・・。
 バイトから帰ったら机に温かいピザの箱。
 冷凍物ならともかく、ピザ屋さんのピザなんて買わない家だから、新鮮は新鮮だったけどね。そして、今は食べられないから明日の朝だね、と当然のように言ったのは私です。
 ・・・多分、そんな脂っこいもの朝から食べられねーよって人は多いんだろうなあ・・・でもうちは家族揃って食べてたよ。さすがに二ピースは食べ過ぎたかと後で思ったけど。
 いやまあそれで。
 服にソースが付かないかとかの心配はしてたんですが、まさか匂いがつくとは思わなかった。しかも、ソースではなくチーズ。・・・そ、そんなものなんですか?
 まさかそんな事態になっているとは思わず、手は軽く水で洗っただけで、匂いに気付いたのは電車に乗ってから。
 あ。今日、今学期最後の学校だったんです。よりにもよって。
 焦ったもののどうすることもできず、学校に着いてから石鹸で洗って、ついでに口も漱いだんですが、あまり効果はありませんでした(滅)。
 友人に「チーズの匂いがするー」と言ったのだけど、笑って流されたため、他の人にも判るほどだったのかは不明。
 こういうとき、香水をつけていないのは幸か不幸か・・・。

 それと、打ち込めているだけの「深紅に浮かぶ月」を学校で印字してきました。見直し用に。用紙とか節約で(セコ!)。
 とりあえず、七章分。
 ワードの縦書き設定はすぐに判って、むしろ、何故今までできなかったかの方が不思議でした。何故だろう。2000とXPの違い?(まさか)
 まあそれで、印刷を実行したんですが・・・プリンターに、注意書きが張ってあるんです。「100枚を越える印刷は2Fの××に連絡してください」・・・79枚!
 いや。すいててよかった・・・!
 画像を使っていないし、行間を結構空けているから早いといえば早いけど・・・それでもやはりねえ。
 ところで、私の行っている学校は、入学から卒業までの間に使える印刷用紙の枚数が決まっています。三千枚。多分、普通はそこまで使わないだろうし、サークルのビラだとかで使うにしても、とりあえず足りるだろうという判断なのだろうと思います(しかしあてずっぽうではあるだろうなあ)。
 今、残りが二千枚くらい。
 ないとは思うけど、使い切ったら少しいやなものがあるなー。でもまあ、学費が高いからそれくらい使ったれ、とも思いますけどもね(爆)。
 しかし・・・最終的に百枚近い紙を抱えて見直しするのか・・・なんて面倒な・・・(没)。



 話は変わりますが、「猫屋」の台本を載せようかと考え中。実は一度挫折したんですが。
 そもそも基本的に戯曲や台本って、見たものを頭の中で再生しながらとかやることを想定してとかでないと面白くはないと思うのだけど、なんとなく。ましてや素人。その出来栄えは推して知るべし・・・会話に向いてない単語とか、ばんばん出てますしね(汗)。
 容量喰いそうなので、邪魔になったら即消すつもりです。 
 まあ、ぼちぼちとやっていこうかと思います。縦書きにできないのが気持ち悪いんですけどねっ・・・!

2004 年 2 月 28 日 「声が聞こえる」

「おい。うるせぇよ」
「は?」
 突然声をかけられて、見返した顔も、思わず洩れた声も、相当に間の抜けたものだった。
 しかし、うるさいと言われてもわけがわからない。
 今この場所は、それは、静かとは言えない。なにしろ、移動中の電車の個室だ。敢えて擬音語で表すならば、ごとごとだとかがたごとだとかがったんごっとんだとか。一番安い三等車両と会って、揺れに対する配慮はほとんどない。当然、音に対してもだ。
 しかし、この男はそういうことに対して言ったのではないだろう。
 この個室には、たまたま二人きりだ。独り言にしては大きすぎるし、何よりも、目を見て言われた。不機嫌そうに、睨み付けられて。これがファルに対して言うのでなければ、この男は、相当に自分の世界に入り込んでいるだろう。
 しかし、さっきから二人は、この男が口を開くまで黙ったきりだった。
 互いに全く見も知らぬ相手で、この電車でたまたま一緒になって、個室まで一緒になってしまったものの、それは単に他に場所がなかったからというだけのことで、ただそれだけの接点で、それぞれに自分たちの「世界」へと分かれていくはずだった。
「うるせぇっつってんだろ」
「・・・それ、もしかして・・・や、もしかしなくてもだけど・・・僕に言ってます?」
「お前以外に誰がいるってんだ」
 やはり、自分らいしい。
 そう判断して、首を傾げる。しかしそれが、男の気に障ったらしかった。「ちくしょう」かなにか、口の中で呟いたようだった。
「っく、だからやなんだよ、人間って奴は」
「は?」
 やはり、間の抜けた声を出す。
 男は、それに構わず立ち上がった。ファルは思わず身を引いたが、そこは狭い個室。背もたれに当たると、それ以上さがれるはずもない。
「あのっ、僕何かしましたかっていうかその、出ますから! ここ移りますから!」
「黙ってろ」
「でもっ・・・!」
 伸ばされた手で、頭を殴るのかと思った。しかし、男の手は額に少し触れただけで、そのまま胸の辺りまで下がっていった。
 軽く、触れたか触れないかくらいに撫でられたような感触だ。  
「やっぱここか」
 もう、声も出ない。ファルは、ひたすら男の手を凝視したまま硬直していた。男は、胸の辺りに手を当てて、突然強く突いた。
 思わず呻き声が洩れ、そして――
「冗談じゃない、あの親父、勝手にくたばって。散々迷惑かけるだけかけておいて、こっちはそれにも負けないでこつこつ地道に頑張って、見返してやるって、いつか俺にかかった金全部のしつけて返してやるって、それ支えにきたっていうのに。なんでいきなり死ぬんだよ! なんでくたばるんだよ! なんなんだよ、そんなの・・・」
 はじめはぼうっとしていたが、少ししてそれが自分の口から流れ出しているのだと気付いて、慌てて口を押さえた。
 まだ何か言うように動いているが、必死でそれを押さえ込んで、やっとの思いで男を見た。男は、やはり機嫌が悪そうにファルを見ていた。
「それだ。さっきから、それがうるさくて仕方がなかった。言っちまえよ。そうすりゃ、ちったぁましになる」
 思いがけず、優しい瞳だった。
 不意に――いや、それまで堪えていたたががゆるんで、口を塞いでいた手を緩めた。しかしもう、その口からは嗚咽しか出てこなかった。

 電車が駅に着くと、男とファルはそこで降りた。何の挨拶もなく、無言で別れた。
 そうして、おそらくは二度と、男とファルの人生が交わることはなかった。   

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 あー・・・楽だー、抽象書きー・・・。
 「聞こえない音(声)が聞こえる」(幻聴ではなく)というのは、なんとなく好きな設定。ちょーっと、選民思想のかけらとかありそうな気もして怖いですけどね。  

 全然全く関係ないけど、メールマガジン、登録者数が少ないだけに、解約されると判って痛いです・・・(滅)。
 面白くないからだといえばそれはそれまで。仕方がないのだけど。

2004 年 2 月 29 日 四年に一度の

 オリンピックではなくてですね(爆)。


 閏年。

 ほんの何日か前の天声人語(by朝日新聞)にグレゴリウス暦がどうだとか・・・いつから閏年が定められて、今の暦が完成(?)したのかということが書かれていたし、世界史でも少し触れたのだけど。よく覚えてません。
 私は、「聞いたことはある」という、試験最中に頭を抱えてのたうち回るような覚え方ばかりでして・・・。
 まあとりあえず、なんとなく面白いと思います。少し違ってるところが?

 陰暦では、「閏年」ではなく「閏月」だったらしいです。少なくとも、日本では。
 しかもそれが、毎年同じとは限らないんだとか。今年は七月が二回あって、来年は五月が二回あるよとか、そういった感じなんでしょうか。多分、毎年だったと思うのだけど(そうじゃないと、一月が三十日ないのだから、大きくずれてしまう)。  

 それにしても、よくまあ頑張ったものですよね。凄いですよ。学者気質というか何と言うか。
 天体の動きだなんかを観測して、そこから法則を見つけ出して、系統立てて。多分、気の遠くなるような時間がかかってますよ。
 まあ、そういうのはあまり苦じゃないんだろうけど。それが駄目というなら、そもそもそういったことをやりはしないだろうから。でも、そうだとしても・・・やっぱり凄い。
 時間を計ることにしても、そういったことを思います。
 物心ついたときからあって、それがごく当然になっているから何も考えないけど、よく考えたら、なんて物凄いものなんだろう。

 「○○記念日」よりよほど、はっきりと判るだけにそういったことを考えます。だからどうというわけでもないのだけども(苦笑)。

2004 年 2 月 29 日 「四年に一度」

 きょろきょろと、早矢は辺りを見回した。
 一面に、本。
 ずっしりと並ぶそれらは、かなり威圧感があるが、早矢にとっては嬉しい限りだった。どれも、見たことのないものばかりだ。
 多分、勉強が好きなのにできないでいる、まだ書物の貴重だった頃の人が抱くような、そんな押さえきれない期待感がある。もしくは、よく知らない場所を探検する、子供のような。
 正に、よく知らない場所ではあるのだけど。
「・・・っわ・・・・ぁ・・・!」
 第一声が、それだった。
 早矢は国会図書館に行ったことなどない(何しろ遠い)のだが、もしかするとこんな感じなのかもしれない。しかし、こっちの方が凄いだろうという気もする。
 相撲取り二人がすれ違うのには足りるだけの間隔を空けて、いくつもの、天井まできっちりと届いた棚が立ち並ぶ。壁というものは、通路分だけ見える天井と床しかない。
 これはもう、本好き、あるいは読書好きの楽園と言うしかないのではないだろうか。
 思わず、手近な本を取って読み耽る。通路に座り込むことは、本来なら邪魔になるので避けたいところだが、他に人も通らないので、この際いいことにしてしまう。
 見るものがいれば、「取り憑かれたような」と表現したかもしれない。
 本をめくる手ももどかしく、読み終えると次を引っぱり出す。読んだ本は戻して、次の獲物を引きずり出す。
 そんな状態で、早矢が我に返ったのは、六冊目の本を読んでいる途中だった。ここにきてはじめての足音に、はっとして顔を上げる。
 すると、まだ若い、せいぜい高校生くらいにしか見えないのに、黒いスーツを着込んで水色のネクタイを締めた少年が立っていた。
「・・・見つけた」
「へ?」
「あーっ、ここかよ! ここだったのか! 俺もう、全ッ然見当違いなとこ探してて――って、それ何冊目!?」
 大きな独り言を言っていたかと思えば、慌てるように叫ばれて、早矢は、背もたれ代わりにしていた本棚に、強く背を押しつけた。逃げたいところだが、立ち上がっている間に取り押さえられてしまいそうだ。
 少年は、早矢のそんな様子に気付いてか気付かずか、畳みかけるように顔を近づけてきた。
「なあ、何冊目だよ?!」
「馬鹿者」
 今度は足音もなく、少年の隣に出現した青年に目を見張る。やはり黒のスーツで、こちらは緑のネクタイ。何故か、レンズの嵌まっていない縁だけの眼鏡をかけている。 
 顔立ちがいいところが、余計に胡散臭い。
 しかし少年は、馬鹿呼ばわりされたついでに頭をはたかれたにもかかわらず、ぴっと背筋を伸ばした。眼が、まるで主人を見る子犬だ。
「先輩!」
「この大馬鹿大王。万年未熟見習い」
「そ、そこまで・・・」
「言う。この子だって、好きで――」
 そこで、早矢がひしと抱えたままの本に目をやり、軽く溜息をついてから続ける。
「・・・結果はともあれ、好きで来たわけじゃないんだ。そういった人たちに、速やかにお帰りいただくのが俺たちの仕事だろう。怯えさせてどうする」
 うなだれる少年を放置して、青年は早矢に笑い掛けた。笑うと、ひょうきんな感じがして親しみが持てた。
「お嬢さん、ごめんな、驚かせて。こいつは、まだ未熟でね。色々と焦ってたんだ。ごめんな」
「・・・ちょっと、びっくりしただけだし・・・」
「そう? その本、面白い?」
 にこやかに持っている本を示されて、うん、と、大きく頷いた。
 ちょっと予想のつかない展開で、まるで本当にあることみたいで、凄くわくわくして。言葉のもどかしさを実感しながら、早矢は夢中で語っていた。青年は、それを相槌を打ちながら聞いてくれる。
 そうして一段落つくと、「他の本は?」と重ねて問われ、結局、早矢はここで読んだ本全てについて語っていた。
 全ての本について語り終わると、青年は、笑顔で「じゃあ、それで六冊目なんだね」と言った。何の疑問もなく、早矢は肯いた。
 さすが先輩、と少年が呟いた気がした。
「ところで、今日が何日か思い出せる?」
「今日って・・・二月二十九日?」
「その通り。ここは、四年に一度だけ開かれる書庫だ。残念だろうけど、長居は危険だよ。さあ、君を五ヶ月と十日と二十七分後の地点に返そう――」  

 くるりと。
 世界が弧を描いた。

 はっと、早矢は我に返った。その瞬間に、お弁当の唐揚げを口に放り込んでいた。
「ぐ?」
「早矢、どうした? 変なものでも入ってた?」
「ん――・・・んーん」 
 口に唐揚げが入ったままで喋ることもできず、早矢は、ただ首を振った。それだけで伝わったらしく、呆れ顔ではあったが、友人はそれ以上訊こうとはしなかった。
 ここは教室で、今は昼休み。
 当然知っているはずの記憶を呼び起こすのに、少しかかった。今は、七月の十日。期末試験も終わって、あと少しで夏休み。それを思い出すのにも、少し間があった。
 クラス替えがあって、文化祭があって、実力に定期に期末と、三回も試験を受けてと、記憶はある。
 しかし同時に、ついさっきまで家でそろそろ昼ご飯を食べようかと考えていて、そして突然見知らぬところで膨大な本に囲まれていたという記憶もある。
 何なんだこれは。
 呆然として、早矢は、機械的に唐揚げを頬張っていた。窓の外は、完全に夏空をしていて、開けても全く涼しくはならなかった。

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 ええと――なんだか、書いている途中で楽しくなってしまった(笑)。
 しかしやはり(?)どうにも抽象的なので、以下反転で解説とか設定とか。嫌いな方は無視してください。

 閏年の日の、そのときにだけ「道」ができるというか。迷い込むとか、そういった感じです。
 暦というのは、人が便宜的に造ったものなんですけどね。でもだからこそ、あの書架は文化だとかそういったものの象徴のようなつもり・・・です。多分(汗)。
 だから、あそこを訪れる人は、その人の文化圏、その人の常識の暦の閏の日に、行くとしたら行くわけです。全ての暦にそういった措置があるのかは知らないのだけどさ。ありそうじゃないか!
 つまり、旧暦(太陰暦)で生活している人は、閏月の間中、行く可能性もあるわけです(笑)。
 そして、向こうで読んだ本の分だけ、こちら(現実?)では時間が過ぎていると。一冊につき一月です。三十日三十一日の区別じゃなくて、一月。・・・月単位じゃない暦はどうなってるんだろう(爆)。
 戻った後の記憶なんかは、ある小説が元ネタです。題を書いてしまうとネタばれなのでやりませんが、ここで触れたことのある作家さんの作品――だと思います。違ったりして(汗)。
 少なくとも、「100の質問」のところの好きな作家の一人には挙げているのだけど。

 もうちょっとちゃんと書いて、シリーズ化もしてみたいけど、設定が単純(ただ偶然に迷うだけ)だから、無理かなー。それに、単発ものって、意外に書きにくいんですよね。どこが終わりか判らなくて。「猫屋」みたいに掲載物があれば別なんだろうけど・・・。
 学校に文芸部なかったのが痛いかな。他校のサークルに入るとか、ネットで探すという手もありだけど・・・なんとなく乗り気薄。やったら面白いだろうとは思うけど、微妙やなー。
 ・・・らら。いつの間にか、愚痴になってるよ(汗)。



 ところで関係ないのだけど、今日やっていた「新撰組!」で、見ながらそれぞれ自分のことをやっていた母と同時に、「お前のうなじは白い」という台詞で画面を見たのには笑いました。
 でも、「は?!」と思ったもんよ(笑)。
 因みに私はそのとき、友人に借りた『暁の天使たち』の最終巻を読んでいたという。・・・ええかげん、ながら動作はヤメロや・・・。



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