虚言帳

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2018.11

2018 年 11 月 1 日 

 『ある日 失わずにすむもの』…反戦小説。
 戦争が始まり、否応なくそれまでのささやかな生活を変えたり終えたりすることになった人たちの、十二編。
 静かに淡々と、儚く去って行く「日常」。読みながらずっと、何故か、降り続ける雪景色を見ているような心地だった。

 『本所憑きもの長屋 お守様』
 殺されたら喜ぶ人がいる人が殺されるという事件。少し変形のあだ討ちというか、必殺稼業…にしては報酬は貰っていない(苦笑)。
 幼馴染たちと長屋に祀られているお守様はどう絡んでくるのか、というところ。
 とても読みやすかったしぐいぐいといけるのだけど、筋はほぼ思った通りで、あともう少し意外性があれば嬉しかったなあ。
 そして弟君の上司、思ったよりも出番がなかった。随分とキャラが立っていたから、がっつり出てくるのかと思ってた…(苦笑)。

2018 年 11 月 3 日 

 『幻屍症』
 閉鎖された生活環境(社会)の中で、より良く生き延びる方法を探す。
 うーん、読みやすくはあるのだけど、好きな系統の話ではなかった。この人初読みだから、他も読んでみるか迷うところ…。  

2018 年 11 月 4 日 

 『鍵のかかった部屋』
 トリックは同じ、それなのにこんなにも違った五編。面白かったー。
 芦沢さんのだけは読後の感想がかなり違って、騙された!っていう(笑)。
 そして思い出すのは、このトリック実際使ったことあるよ、っていう思い出…(苦笑)。
 中学時代、部活のない日に二者だか三者だかの面談があって、居場所がないから部室で時間をつぶそうと勝手に入り込んで(古いサムターン錠で窓枠ごと揺すれば開いた)、出るときにセロハンテープでこのトリック使って施錠。閉めなくても、ただの閉め忘れで終ったと思うけど、つい。

2018 年 11 月 7 日 

 『掟上今日子の乗車券』忘却探偵、旅に出る。
 押しかけ営業の旅ということだけど、さて。…こんな旅の同行者は厭だな(苦笑)。
 親切くん頑張ってるなー、そして本当に、この人の眼を通すと厄介くんが胡散臭いっていうか怪しいっていうか(爆)。

2018 年 11 月 9 日 

 『2.43 清陰高校男子バレー部 春高編』…最終巻?
 あああ…。
 高校の部活動、中学でもいいけど、三年あると思っても実は同じ面子というのは一年限りなのだよね…というのをしみじみと思ってしまった。会社とかバイト先とは違うよなあ、そういうところ。
 結果と、選択肢と、きっとそれを「よかった」に持って行くだけの力はあるのだろうけど、でも淋しいとも思ってしまった。あああー…。

 なんとなく。
 続き書こう―と思っている話の展開というか着地点というかを(あと少しで終わりなのに長く止まってる…)考えつつ、先日少し書いたのだけど、何かこれって、シュレディンガーの猫というか、書くことで確定するなあと、ふと。
 元々(?)、一度書いた文章を多少書いたり削ったりはともかく、あまり変えるのが得意ではないのだけど。だから、とりあえず書くだけ書いて後で推敲がてら書き直そう、がなかなかできないのだけど。
 考えている間はいくらでも変えられるし表現も固まっていないのだけど、書くと固定されるなあ、と。書き終えた部分をもう考えることはほぼなくなるし。それって、無限にある未来が収束した一点で選択されたことで決定するというのに似てるなーと。
 …まあとりあえず、そんなことつらつら書き連ねてるなら続き書けよって話だよな。うん。

2018 年 11 月 10 日 

 『ランドスケープと夏の定理』
 がっつりSF。全三章というか中編三部作という感じ。
 色々と理論がわからなくてどうにかこうにかそこは素通りして物語の動きだけを楽しんだ感じ(苦笑)。
 姉に振り回されるよくできた弟。面白かったとは思うのだけど、そういった読み方なので理解できたかと言えばできてない気がする(爆)。

 『銀河食堂の夜』
 東京の下町に居を構えた小さなバー「銀河食堂」を舞台にした、常連さんやお客さんたちの話。
 パターンとしてはよくあるけど、じんわりしんみり、いいなあ。謎を解くとかお節介を焼くとかではなく、こういうことがあったんだよとの話に耳を傾ける感じ。
 「意見には個人差があります」に笑ってしまった(苦笑)。

2018 年 11 月 11 日 

 『北海道オーロラ町の事件簿 町おこし探偵の奮闘』
 札幌で就職していたものの、父の病気のために一時帰省した主人公が遭遇・解決した事件など。
 ささやかで、ほのぼのとまではいかないけどどちらかと言えば平和な事件ばかりと安心していたら、最後には自分勝手な殺人事件…。主人公への喚起材にはなったかもしれないけど、娘さんのことを考えると遣り切れない。
 そして何より、どこか自信を持って踏み切れない主人公の後ろ向きへの批判が刺さる…(没)。

2018 年 11 月 14 日 

 『山怪 参』…山人が語る不思議な話。
 うーん、やはり、『日本民話考』を思い出す。とても興味深く面白くはあるのだけど、まとめて読むと少し眠くなるのも一緒(苦笑)。
 今回、山の話よりも、里の話が多めだったような。そして、光る物体の話が多かった。人魂はこの辺ではよく出るよ、なんて会話訊いたことないよ(笑)。狐も狸も、あっちこっちで活躍しているなあ…(笑)。
 そういえば、百人一首って、というギャップに話者さんが笑っていたやつは、そもそもは猫がいなくなった時のあれでは。

2018 年 11 月 15 日 

 『IQ』
 何故キャッチコピーにホームズが出てくるのかと首を傾げつつ読了。本文中でそう呼ばれているというわけでもなくて、読んだ人が勝手に連想しただけ? それにしてもそれほど…? どちらかと言えばハードボイルドっぽいなーと思いながら読んでいたのだけど。
 エピローグの引きが狡いし(褒め言葉)、読みやすさもあるしで次も読みたい気はするけど、何かちょっと合わないというかしんどいなあ(苦笑)。

2018 年 11 月 16 日 

 『別れの霊祠』…溝猫長屋シリーズ最終巻。
 前で終わったと思ってた(苦笑)。そしてまた、終わりらしくない終わり。帰って来ちゃったしね。これ、セカンドシーズン開幕、って来るところじゃないの?(笑)
 お紺ちゃんの二人の婚約者候補、ありがち設定だけどそれを組み合わせてきた上に、そっちに流れるんかい、っていう。お紺ちゃん…好きにはなれないんだけど、物語を動かす人ではあるなあ…。

2018 年 11 月 17 日 

 『探偵は教室にいない』
 中学校にほぼ通っていない幼なじみに探偵役をたのむ女子中学生が主人公の話。なるほどそれでこのタイトルだったのか、と。
 度々、中学生ということを忘れて高校生と勘違いしかけるけど、まあそれは。
 日常の謎系統で、それほど重い感じはないけど(そもそも謎解きの必要はあったのか、時を置けばわかったのじゃないか、とかで)、良かったな。むしろそれが良かったのかも。
 最初の話は…もやもやはするけど、はっきりさせるのも望んではいないだろうとも思うし…かといってそのままも…うーん…。

 『祭火小夜の後悔』連作短+中編。
 はじめ、少し読みにくかったのだけど、なかなか面白かった。
 怖さは…ちょっと微妙なところはあったけど、でも、前三本は結構オーソドックスに「怪談話」だった気も。最後の話はちょっと趣が違っていて、それも好きなのだけど、ホラーを期待して読むと肩透かしを食らうかも(苦笑)。
 お兄さんのエピソード、もうちょっと読んでみたかったな。続編でお兄さんの捜査編とか出ないかな(笑)。

2018 年 11 月 18 日 

 『文豪ストレイドッグス 太宰治の入社試験』
 漫画を読んでいて、アニメも観ていたけど…アニメはこれずいぶん短くまとめたな(苦笑)。
 漫画原作者の小説、ということで…読みにくい…。漫画でもだけど、回りくどいのが文章だと引き立つなあ…(苦笑)。

 『銀色のマーメイド』…泳ぐ少年少女たち。
 なんとなく手に取ったのだけど、「マカン・マラン」の前日譚じゃないか! メインは水泳部員の中学生だけど、シャールさん(御厨さん)と柳田さんの再会も描かれている。
 「マカン・マラン」のシリーズもだけど、これ特に、思春期で性自認のことだけじゃなくても、色々と不安に思って自分を出せない子には心の支えになるような話じゃないかなあ。

 『火のないところに煙は』
 作者=語り手。実話怪談と同じ手法で書かれ、でも小説なので、どこまでが本当でどこまでが創作なのかがわからずそれも怖い要素(苦笑)。
 最後の章が余分と感じた、という感想を読んでいたからどうなのかと思ったけど…いやむしろ私、これ、最後の章があってめっちゃ怖かった…。
 牽強付会な部分も感じられなくはなかったけど、気のせいでなくて本当に全てが結びついたらと考えると、その向こうに聞き分けてなんてくれない「神」(人に益を与えてくれるとは限らない)そのもののような禍々しさが感じられて…。
 で、どうして私は、怪談話を夜に読む。←  

2018 年 11 月 20 日 

 『走馬灯症候群』
 記憶の初めから「今」まで、アルバムをめくるように、ゆっくりとした走馬灯のように夢を見て、死に至る奇病。罹患した人が主な視点人物。
 時代設定は平成の初め頃で、主人公の語る「いつか果たせるかもしれない技術」は現在叶っているものがほとんど。その「未来予想」が正確すぎて、もうちょっと現在は至っていないものや未来技術も織り込んでくれた方が面白かったのになあ(主題そこじゃない?)。
 うーん、それなりには面白かったけど、ちょっと文章に説明が多いというか…語っている部分が、エンタメとして楽しむにはバランス悪かった感じが。

2018 年 11 月 21 日 

 『まれびとパレード』…人ではないもの(人ではなくなったもの)たちに出会う四編。
 泥侍の素っ飛んだ感じで実は順応性が高い感じが好き。最後の話も微笑ましい。まさか親分出てくるとは(笑)。

2018 年 11 月 24 日 

 Mちゃんとがっつり遊んできましたー。
 朝一でカラオケ行って、フリータイムで夕方まで。で、ほろほろ買い物しながら姫路城へ。
 去年からだったかもう少し前からだったか、今頃に光を使ったイベントをやっていて、ちょうど会うのに被ったからと。
 光る提灯(LEDライトが入っていて無線制御で色が変わる)を持って、一部区間を歩けるというもの。人がそれなりにいたから怖さはなかったんだよねー残念。←
 で、夕飯…営業時間が変わってたらしくて、もっとゆっくりできると思ったら閉店まで粘る客になってしまった…(爆)。最後の一組ではなかったけど。
 そして帰る道すがらの話が全然尽きず、分かれ道でちょっと立ち話のつもりが一時間弱は話し込んでいた…夜中に、話し声が迷惑になっていなければいいけど…。
 何かいろいろと話したけど、Mちゃんがドはまりしている「おっさんずラブ」の話というかその主演の二人の話が多かったような(苦笑)。
 そういう語りって、私はするのが下手なのもあってあまり言わないけど、聞くのは好きな方なので面白かった(←)。うーん、熱量凄いよなあ。羨ましい。

2018 年 11 月 25 日 

 『インド倶楽部の謎』…火村英生シリーズ。
 神戸が舞台で、作中でも触れられているけど、大体三ノ宮駅とか元町から歩いて行ける場所に関係者が揃っていて、なんだかコンパクト(笑)。
 そして折に触れて(?)カレー続きを思うアリス、かわいいな(苦笑)。
 事件というか、うーん、共同幻想、だなあ…。娘さんがまっすぐでそこはいいなあと思ったけど、大人たちがどこか逃避している感じがなあ。
 今回一番興味深かったのはあとがき(苦笑)。

 『ドアを開けたら』
 身近な人の死と思いがけず関わったことで揺らぐ想いや、人からの評判など。
 主人公のちょっとした狡さもわかる気がする。あと、他人への視線が柔らかくて好きだな。
 年の離れた友人というのは、現実の上でも物語の中でも好き。子どもだと軽んじず一人として対してくれる大人、という好きな人でもあった、主人公。
 あと、亡くなった人への哀切さも残った。

2018 年 11 月 27 日

 『30センチの冒険』…バスに揺られて降りた先は異世界。
 ファンタジーと思わせてSF? 岡田淳さんのお話のようだなーと思いつつの読了(題名のせい?)。
 今までの短編に出てきた設定を織り込みつつ、崩壊しつつある世界を救うきっかけとなる主人公。
 面白かったのだけど、だけど、三崎さんは日常の薄皮一枚隔てたような奇妙な世界具合が好きなので、がっつり異世界に行ってしまうと何か違う…。面白いのだけども。

2018 年 11 月 28 日 

 『日本酒ソムリエ』
 潰れかけのメイド喫茶とくすぶってた日本酒好きが協力してミシュランガイドに載る店を目指してお店を立て直す話。
 よくあるパターンだけど、それだけにそれなりには面白い。…のだけど、ラノベ目指してるのかの文章が凄く…パティシエ(?)の子が視点のやつはとりわけ、読むのやめようかと思うほどに合わなかった…。
 そして、これを読んで「日本酒美味しそう、飲んでみたい!」と思うかはちょっと微妙かなー。

 『ショートショート美術館』…一枚の絵を基に、二人の作家がつくりだしたショート・ショート。
 何も知らずに読んだら、発想の大本が同じなんて気づかないのじゃないかな、という違いっぷり。
 太田さんのショート・ショート、やっぱり好きだなあ。私にとっては、大当たりとはいかなくても外れがない。

 『天使たちの野外活動』6巻
 天才ってずるい、としか思えなくなって困るなこのシリーズ…。
 てっきり、開店(?)後はご想像にお任せします、かと思ったら収まりきらず次巻だそうで(笑)。

 『戒名探偵 卒塔婆くん』
 短編三本+中編。
 テンション高ッ。…と思ったら、パラオをこんな風に盛り込んで来るとはなー。
 主人公、自分探しから戻ったらかなりさっぱりした感じで良い。

2018 年 11 月 30 日

 『火焔の凶器』…天久鷹央の事件カルテ
 陰陽師の呪いをどうにかしてくれとの相談事。
 …古いお墓暴くなら、黴とか菌とかのことは考えとこうよ…? あと、陰陽寮や陰陽師について学校の教科書に書かれることはまずないと思う(笑)。警察が無能すぎてちょっと気の毒な感じが。
 それなりに面白いのだけど、ツッコミが前面に出てしまうなあ(苦笑)。



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