『帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく』5巻
今回も笑いっぱなし。でも、やっぱりしんみりしたりも。
ウエディングドレスの誕生パーティー、こういうのって実は企画側が一番楽しいよね、と思っていたら、最後の二本のサプライズ話でやる側が楽しい、とあって頷くことしきり(笑)。いいなあ、さすがにここまで全力で遊んでくれる人はそう周りにいないなあ。
そして、匍匐前進のあたりのくだりが面白すぎた…いっそ奇跡的だなそれ!
『うき世櫛』…女髪結い見習い。
両親を亡くし、首をくくろうとしたところを助けてくれた女髪結いが弟子に取ってくれることになった主人公。だけど時代は、江戸の奢侈禁止令の厳しい最中。
日々の生活すらままならない人々に、不器用な主人公に、ちょっと訳ありなお師匠さん。丁寧な連作集。
…だけど、主人公のあまりの察しの悪さがちょっとしんどかったり、ぎすぎすとしてしまった世の中と人が疲れるし、最後もこの先の厳しさが示されているしで…少し疲れた。
『よき群れより放たれ』…バンダル・アード=ケナードシリーズ。
表紙折り返しの作者コメントもあって、まさか、と思ったらそれまでもが仕込みだったよっていう…! 騙された!(笑)
しかし、最終巻、とあって、だけど全然戦況変わらないけど終わり…? と思ったら、大人の事情でした…。あとがきでそればらしちゃうあたり含め、一体何がどうなったのだか…。出版社変わって続けられる見通しは立っているようだけど。
『運のいい日』…前日譚の短編三本と中編一本。
三本は、アメリカのティーンエイジャー、という感じがとても。ジャズの視点で語られる最初の話はともかく、あと二本がそれぞれ、ほぼハウイーとコニーの視点だったのが新鮮。
中編は、保安官のG・ウィリアムの視点の逮捕劇。お父さんの普通さがつらいなあ…。
『あなたのいない記憶』…幼なじみの再会から発覚した、記憶と事実の相違。
造り替えられた記憶の明らかになった理由は、たった一人のための優しい嘘とエゴ。
もやっとが残ってしまったのは、単にハッピーエンドではなかったから、というだけだろうなあ…みんな幸せになってほしかった。
『産業遺産JAPAN』
各地の産業遺産を、来歴+写真で(当時の写真も少しだけど収録)。
現状も様々で、廃墟となり果てているところも、撤去されたところも、逆に保存運動が起こっていたり、観光地として整備されているところも。
姫路のモノレールもあって、解体に間に合ったんだなーと思ったり。
『雨利終活写真館』…遺影専門の写真館。
祖母の突然の死で関わったそこで働くことにした主人公。遺影を撮る人たちの物語。
主人公以外の写真館の面々の背景は語られず。カメラマンがお店の名前と同じ雨利さんだけど経営者じゃないっぽいのはなんで? というのもそのまま(苦笑)。お客さんたちの事情は…まあ、最後まで待たなくても大体わかる。
これ、どうにも主人公があまり好きになれずに終わったなあ。
『三鬼』…三島屋変調百物語四巻。
四話収録。
ひだる神、呑気だなあ、可笑しいなあ、とほのぼのと読んでいたけれど、不意の別れが切ない。置き土産がだるまやさんのものだったことも、さみしいなあ…。
どの話も、さみしいし切ないし、でもどこか力づよい。
『無貌の神』…短編集。
どれもこれも、異界とこの世が交わるようなあやふやでありながらずしりと重みのある不可思議さ。おそろしいのにどこか惹かれる感じがあるのは、表題の光る神のような。
『狩人の悪夢』…火村シリーズ長編。
対談をきっかけに、ホラー作家の家に泊まりがけで出かけることになった有栖。必ず悪夢を見るという部屋、雷雨の夜、夢遊病、という小道具が雰囲気たっぷり。
でも、事の真相は…。やっちゃ駄目だよそれは、と思うけど、もしもそれぞれが本当に納得していたなら、ある意味、酷いのは彼の方だったかもというのもあって、もやっとが残るのだよなあ…。すべては藪の中だけど。
『白い衝動』
人を殺したいという、衝動。性欲や利益に結び付くのではなく、ただ、抑えるのが難しい、当人すら困惑する衝動。そんなものがあるのなら、当人は、周囲は、どう付き合えばいいのか、という話。
もちろん唯一絶対の結論なんて出ない。
『時が見下ろす町』
同じ町が舞台の、誰かが誰かの犯罪(未遂)や嘘を見抜く短編集。時間軸は、ゆっくりと遡っていく章構成。
淡々と穏やかに、人を紡いでいく物語だなあ。
『下鴨アンティーク』五巻
三話目を読んで、これで大きく変化するのか、と思ったけど…四話目を読んで、でもどうだろうと。
必ずしも、ずっと一緒に居る=恋情、ではないよね…。もう一人の兄(だけどいつかは縁の切れる他人)への慕情なのか、恋なのか、ここまでではよくわからないな。
そう考えると、一話目も幼なじみたちの関係も意味深で。赤い糸だけど恋愛としての結びつきで閉じなかったあたりが。
『渚にて』
あの日。あの場所に縁のある人たちのまとめた、怪談話。距離も関わりも影響も、それぞれ。
「怖い話」がないのは、黒木さんの話に書かれていたように、ある種身内の視点から描かれているからかな。
ようやく語れるほどに、と思う半面、もう語ってしまっていいのか、とも思ってしまう。この本だけではなく、あの震災は、随分と語りへの移行が早いような気がして、少し戸惑う。
『詐騎士』八巻…最終巻。
…これ、終わってない気がするけど…? そりゃあ外伝も特別篇も出るよ(苦笑)。
ペンギンが川猫、ってのが楽しかった。
登場人物の名前が、カタカナ三文字が多くて覚えにくくすぐには誰かがわからなくなるのが私にとっての難点。
これ、なんだろうなあ。人名事典から選んでいるとかでなければ、いやそれでも、三文字名前が落ち着くのかな。日本人の名前って三文字多いから…。私もうっかりそれをやりやすいから、カタカナ名前の時は、極力人名集から探す(苦笑)。
『僕が恋したカフカな彼女』…高校生の一風変わった恋愛模様…?
うーん。主人公もその相手役もあまり好きになれず。何かちょっと痛々しいというかむず痒いというか(苦笑)。女の子が、設定としては聡明だろうのになんだか変に馬鹿っぽく感じられたのもあって。
あまり合わなかったなあ。残念。
昨夜、寝ようと布団の中に入っているときにそういえばバレンタインネタの話って書いたことあったかなあ、というところからふと思いつき。
あーこれ、明日になったら覚えてるかなあ。覚えてても書かない気がするなあ。…というところから、短いし三十分もあれば書けるかなと起きて(苦笑)。
いやこれ…そのうちここにでも載せようかとは思うけど…何故かオチがホラーに入ったのだよなあ。なんでだ。書き終えて思わず呟いたくらいには、謎。←
『美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻』
鳥獣戯画の失われていた断簡が発見された…というところから始まる、美術界隈の騒動と殺人事件。
推理ものとするには殺人事件が起きるのが遅すぎるし安易すぎるし、美術ミステリーと見るには殺人が邪魔だった印象。視点人物の物語として読むには、欠けが多いというか内心が窺えないし。断簡の醸していた謎自体は興味深く読めたのだけど。
情報量が多くて読みごたえがあるしそれなりに楽しめるけど、二度目読むことはないだろうなあ、というのは、デビュー作と同じく。
うーん、何かがちょっと惜しい気がしてしまう。
『失われた地図』
装丁楽しい…! 図書館で借りたから外せないのだけど、これは購入して改めて見るべきか。
特殊な一族の短編集ということで…あれこれ常野のシリーズ? 別? 更には帯がある種ネタバレ…と、場外のところで混乱してしまった(苦笑)。
短い横浜の話が放り出されたままままな気がして、まだ続くのかと思ったけど、最後の話を読むと、続き書けるとしてもだいぶん経ってからな気もする…ていうかやはりきな臭いよね現在…。
もしかしたら、そういった危機感から発生した物語なのかな。だとすると、数年前からそういったものがちらほらと出てきていて、やはり作家さんほど危機感は強いだろうと…いやだってあれだよね、京極さんの序破急にしても、「今」がもうちょっと進んだら、発禁処分になるようなやつだ…。
『クローバーズ・リグレット』…ソードアート・オンラインのシェアワールドもの。
こちらのゲーム設定は妖あふれるお江戸風。偶然の出会いからクエスト達成のお手伝い(?)。
渡瀬さんの陰陽師物の話が、もうろくに覚えていないのだけど、面白かった、という記憶だけが残っていたので手に取る。うわあ…うん、面白かった。
本家のつながりや抱えているものを崩さず、かつ、別に切り取ってきちんとこの主人公の物語。ゲーム世界の説明や設定自体は、本家よりもこちらの方が遊んでみたいと思う(笑)。
主人公、人に恵まれていて良かった。
ところで、渡瀬さんの陰陽師物、で思い出した。
どこでどういう経緯だったか覚えていないのだけど、多分中学生のとき。「陰陽師」「新選組」に興味を持って、でも当時パソコン通信はしてないしインターネットはないし、図書館にリファレンスがあるとも知らず、検索機械はある状態で。
まあ、まずは単純に単語検索。でもって、あとは参考文献とか作者とか分野とか芋蔓で探していって。この時に分類番号(十進分類法)知った気がするなー。必然的に。
ってのを考えると、インターネットって便利。
でも、ああやって探すのもあれはあれで楽しかったから、まずネット、でなくてもいいなーとも思う。ネット検索だと、情報が多すぎて絞り方がわからなかったらひたすらおろおろするってときもあるし。それなら、少ない中でいくつか見て、こうやって絞るか、という指針も作れるし。
とりあえず、参考文献の芋蔓は楽しいよねって話(違)。
『新米ベルガールの事件録 チェックインは謎のにおい』
ホテルを舞台にした日常の謎ものかな、お仕事ものかな、と…後者はともかく前者はまあ、外れてはいなかったのだけど。
うわー主人公も脇キャラもゲストキャラもほぼ好きになれない。びっくりする。
主人公に至っては、このキャラ立ては無理。読んでてきつかった。個人の性格や感覚はともかくホテル業でそういうのやったら駄目だろう。全てではないけど、私には受け容れがたい部分があまりにも多すぎた。
仕事帰りに、「ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」観て来ました! めっちゃ良かった!
明日有給取れるなーレディースデーだから安いなー気になってるけどどうしようー、ともだもだして、行くか!と有給宣言したら、あれちょっと待て雨…?(自転車移動なので帰りはともかく行きに降られると大変面倒くさい)と、直前までぐるんぐるんと考えた、末(苦笑)。
いきなり、予告編なしで本編始まって、しばらく見ても見なくてもな映像だろーと眼鏡を外していたので慌てる(爆)。あ、そうだ、空席挟んだ隣の人がそこそこ年配の男性一人で、ちょっとおおっとなった。
いやあもういいなあ、やっぱり好きだなあ。
お約束だなと思うけどでもやっぱり嬉しいところきっちりと押さえてくるし、いろいろと動かす原動の人の想いに違和感が少ないし。これまでのこと、を、丁寧に重ねていっているところも好き。今回、最終的に今までの総キャラがんばって出してきた?!とかも(笑)。
あと、このシリーズが好きなのはヒロインがヒーローと並んで闘うところが大きいなあ、と再確認。最終的にヒーローがかっさらっていくとしても、何と言うか、二人が同じ舞台の上にいるなあ、と。
(微妙にネタバレなので一応反転。あまり意味がないと聞くけども、まあ、一応)
だからこそ、あそこではアスナが来て嬉しかったし、キリトはやっぱり剣二本だよね、とか。ラスボスのくだり本当に好き。
そして茅場さんは…ずるいなあ、本当。何か好きなんだよなあ。絶対にキリトの目線というか作者の書きようのせいだと思うんだ! ←
でも、最後のはちょっと微妙。アリシゼーションもアニメやるの? テレビシリーズ、には戻らないような気がするから、映画で複数に分けてとか? うーん…どうだろう、そうなったら…観に行くかもなあ…(←)。だって多分、映像の方が原作の冗長さは抜ける。十数行の描写が数瞬の表情と一呼吸で表現される、なんてことも映像ではできたりもするし。
…ところでどうしても気になってしまったのが、今回メインのゲストキャラの、Eijiと教授。どうにも喋りが素人っぽいなあ…感情を載せてないわけではないだろうに棒読みに近く聞こえるよなあ…と思ったら案の定、声優さんではなく。ユナも、そうと言えばそうだけど、そこそこ声優業もされているようだからか違和感がなかったのだけど。
俳優と声優だと、必要な技法が違うと思うのだよなあ…。舞台と映像で違うように。
似ているし、それぞれを兼ねている人も多いから混ぜがちだけど、一つの分野で秀でているからといって、必ずしもそのまま他でも通用するとは限らないよ。声だけの演技を意識してやって来ていない人って、起伏が足りないことが多い気がする。結果、棒読みに聞こえるというか、もたついて聞こえるというか。結構なところ、視覚で補ってるんだなあ、と思う。普通の人でも、電話だと声高くなったり普通に喋るよりはっきり喋ろうとする人が多いのって、意識してか無意識か、それに気付いてじゃないかと。
『シアター!』を読んでなるほどと思ったのは、声優をやっている人が舞台に立ったところ、声の演技は際立って上手いのだけど体の演技がついていっていない、となっていたという部分。特に、その人の設定がかなり年若い年齢から声優業をやっていて、というものだったから、説得力があって。専門学校経由だと、結構授業の一環で舞台もやるらしいし。そのへん、取材の中で出てきたのかなー。
しかもそういうのって、他がその道のプロの中にあると、余計に目立つのだよなあ…。そのへん、もうちょっとなんとかならんものか。
で。
帰って来て「怒り新党」を見ていたら、アプリで画像(映像)の文字を自動翻訳をするものがある、とちょっと取り上げられていて。
マツコがだったか有吉がだったか、「未来だ! 今が未来だ!」って言っているのが、本当によくわかる。
いやだってこれ、もうちょっと翻訳がスムーズでウェアラブル端末とかで違和感なく視界の中に送りこめたら、もう完璧にSFの中だったはずの世界にようこそだ。
電子系が発達している設定の話って、十年二十年前は数十年程度「未来」だったのが、今となっては十数年や数年の「未来」になっている気がする。つまり、それだけすぐそこに「未来」があるんだろうなって考えると。
今日観た「ソードアート・オンライン」のやつだって、現実拡張の電子機器っていうそれ。
何かやっぱり、ちょっと、わくわくする(笑)。多分、現在の延長線上にほぼ確実にあるだろうと思っている層よりも、わくわくは強い気がするんだよねーそのあたりのSF系を読んでいた身としては。
だって、「ほぼ確実に来るだろう未来」じゃなくて、「いつかもしかしたら実現することもあるかも知れない未来」だったのだもの。
…寝すぎた。
目覚ましのアラームをかけずにいたら、目が覚めたら11時とか…(没)。
『広域警察 極秘捜査班 BUG』
濡れ衣を着せられ死刑囚となって十年を過ごした後、異なった名と経歴を与えられ公にはされない情報機関で監視と軟禁を受けつつも働くことを選んだ主人公。彼が起こしたとされる飛行機の墜落事故で死亡したはずの数学者の調査をきっかけに、自殺したはずの父も殺されたと知り、真相を求め、自由を求めて、誰を信用していいのかもわからないままの闘い。
主人公の境遇が辛すぎるけど、絶望だけではないところに少し救われる。
終わり方が「ぼくらの闘いはまだ始まったばかり!」という感じなので、もうちょっと続きが読みたい(苦笑)。
うーむ…昨夜、寝るときに何か思い浮かんで、あーこの設定いいなあ、話書きたいなあ、と思ったのに忘れてしまった。全く思い出せない。
寝る前に考えたこと、結構覚えていると思っていたけどそうでもないのか。むむむ。
『怪物執事』…ある殺人犯。
三章から成って、一章が本人の書いた(?)自伝をまとめたもの、二章は一章の主張と事実の照らし合わせ、三章は…経歴からの精神分析めいた?
タイトルに惹かれて手に取ったけど、名前負けというか…。結局のところ、妄想癖がある自分勝手な行き過ぎた小悪党、というところか。
執事と言っても、偽の紹介状を使っての少しすれば怪しまれてクビになるような程度のようで。英国で話題になったのも、この言葉の衝撃と、執事や使用人に象徴される階級社会の崩壊とあいまってのものだったようだし。
三章の人格形成の考察は結構興味深く読んだ。
『京都寺町三条のホームズ』6巻
うわあ、二人の距離がこそばゆい!(笑)
今回長編で…それは関係ないと思うのだけど、誤植?が、いつもに増してやたらと多かった…。まあそれは措いて。
いつもよりは事件も大掛かりで、あまり気分のいい話ではなかったけど探偵さんがなかなかにいいキャラクターだったから、私的にはトントン(苦笑)。
『屋上で縁結び』
会社の倒産で転職した主人公。人の顔を覚えるのが得意という特技から、ビルの受付に。
題名は、縁結びにもご利益があるとの噂のある、屋上に分祀されている神社から。
結構地に足の着いた物語で、もうちょっとファンタジー要素を期待していたので勝手にがっかり(苦笑)。
『S&S探偵事務所 最終兵器は女王様』
これ…題名、損しない…?
前作(というか前日譚というか)を読んでいるはずなのだけど、ぼやっとしか覚えていない。けど、前はもうちょっと硬い感じじゃなかったかな?
さくさく進む連作短編。
一作目、あの少年については…だけど、しっかりとやり返せて、よし、と思ったり。逃げ切れるとは思ってほしくない。そして、集団心理の恐ろしさ。
シリーズ化してくれたらうれしいな。
『209号室には知らない子供がいる』
ホラーだった…(あらすじくらい読みましょう)(ネグレクトとかそういう話かと)。
見知らぬ子どもの訪れに、気付けば「我が家」が崩壊している。短編集。
これどれも後味悪いやつか…と、途中で読むのをやめようかとも思ったのだけど、最後の章でいくらか緩和。やめなくて良かった(苦笑)。
やはり怪異は、正体を知られると力は半減するものなのか。
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