虚言帳

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日記連載履歴
2009.5

2009 年 5 月 1 日 春風舞う

 うん、風がね…落ち葉を促進するんだ…(爆)。

 今日は人の車に乗せてもらって移動したのですが、正直運転がお上手ではなく、寝不足なのもあったのか、気持ち悪くなった…(没)。
 しかも道がまた、大道理は混んでいそうだからと避けたのか、妙に回りくどい道行で。後から出発して且つファーストフードでご飯食べたはずの人に先越されたりしていましたよ。まあ、途中でコンビに寄ってたってのもあるのだろうけど。…いいってのに何故かパンを買ってくれた…本当、何故。
 そして帰ったら帰ったで、九時になろうとしているというのに両親は私を待ってご飯食べてなかった。…早くても八時くらいにはなるって言ってたのに。先食べてればいいのにさ!

 兵庫県立歴史博物館で、「妖怪大国ニッポン」という展示をしています。
 前々から行こう、とは思っていたのだけど、母が開会セレモニーに出席して図録を貰って来てくれて、その上、関連イベントの京極夏彦のトークショーに応募したら当選しました。
 六月にある、学芸員の方の講義(?)を聴きに行こうと思っているから、まだ展示は観に行けないのだけど(繰り返し行くにはちょっと高いよ)。
 しかし、トークショー。二〜三の倍率だったようで。…そのうち、遠方からの方がどれだけいらっしゃるのか…(苦笑)。
 こういった企画の座学物は、大体が定員割れと相場が決まっているので、六月の方は人が少ないといいな…!(今まで博物館の企画講座は二度参加しているけどどちらも閑散としていた) うっかり妖怪ブームと京極さんのあおりで参加できなかったら嫌すぎる。ある意味、こちらの方が聴きたいものだから。
 そしてどうでもいいことなのだけど、この展示、学芸員実習の課題で私が企画したやつに似てるなー。ちょっと嬉しい。

2009 年 5 月 2 日 意識しては駄目かもしれない

 うう…五連勤だるいー。
 シフト制だと休みと休みの間隔が幅広くって、一日行って休みとかあったりするものだから、四日超えると長いような気がするんだよ…。
 まあそういっても、明日明後日と行ったら二連休。あー、連休久し振り。夜っ引いて部屋の片付けでもしようかな(本気でやろうとしたら丸一日充てても心許ない)。随分と長いことやってない気がする。

 『ブロードアレイ・ミュージアム』…ブロードウェイ近くにある私設博物館で働く人々。
 連作仕立て。…というか実際、そうなのかな。雑誌連載で一話読みきり形式だった模様。
 まあ…「いい話」でした。うん。色々と裏の経歴もある、癖のある人たちが協力して事件にすらなっていない「事件」をどうにかする、という。その要が少女というのはいいなあ。
 ちょっとばかり、描きが薄いと言うか切込みが浅いと言うかで、誰に感情移入するにも足りず。主人公すら微妙だったからなあ…うーん。短編形式よりも、長編一本を腰を据えての方が面白かった気がする。

 『リッターあたりの致死量は』…タナトスシリーズ四作目。
 誘拐もの+少年犯罪、かな…違うか。前作から続いてエライ具合に三角関係継続中でちょっと噴いた(苦笑)。…でも、二千円のセーター、のくだりがいまいちわからなかったのは、私の金銭感覚が貧相なのか服に構わなすぎるのか。
 あーさくさくと読めるなー会話が結構な内容言ってる割に軽くていいなあ、と読み進み。ちなみに、推理もの期待はしていないしそもそも推理して読まないし(爆)。ん? でもこれ、推理物ではないよね? 一作目二作目は推理物かもと思うけど。
 …が、最後の方でやられたー。あああもう、痛いってか辛いー。ううう、落ち込んでるときに読まなくって良かった、本当…(泣)。冒頭にあれ持って来てそれはないよ…泣きが入った。誰に思い入れしてたのかよくわからなくなってくるし…。

 とりあえず寝ます。
 明日は、定時退社で図書館滑り込めるかなー。がむしゃらに走れば二十分、かからないと思う(十五分くらい?)から、どうにか行けるかなー。息切らしながら閉館間際の図書館に滑り込むのはできれば遠慮したかったけど。
 明後日は残業の気配があるから、明日を逃すと、次行けるのは十日…は、行けるかどうか判らないし。この間母には返して来てもらったところだから、借りてきてーと言うのも何かあれだし。でも予約流れるのは勘弁して欲しいところ。
 あー、どうして月曜開館で火・水が休館なんだ。祝日と本来の休館日が被ったら開館、というよくわからない法則は知ってるけど、そうすると最寄分館は水曜開館のはずだろうに。他に足並み揃えたな。(最寄分館だけ入っている施設の関係で休館日が違う。けど、祝日は多分開いてる…)  

2009 年 5 月 3 日 重なり続き

 営業さんが入院したそうな。…はじめ、「腰」で「入院」と聞いて、ぎっくり腰?と笑っていたらもうちょっと深刻だった…だ、大丈夫か…て言うか私そんなのばっかだな…(出だしを間違えるというか)。

 『霊降ろし』…インチキ霊能者を演じていた少女の話。
 二編収録で、デビュー作らしい「裏庭の穴」と、表題作。
 前者は、うーん、あー純文学だなという感じというか…(多分私「純文学」ってのに偏見持ってるな)。ちょっと角度を変えたら、「世にも奇妙な物語」に使えるきっもち悪い話、になると思う。
 で、後者。表題作。
 結構好きだなあこれ。死んだ姉の霊が怒っている、という母親を言いくるめられて、降霊術の真似事をすることになった女子高生。母親を見切ることもできず、真似事を続けるうちにただの振りだけともいえないようになっていって、という状況で、真っ当に思い悩んで親しくなった友人もいて。
 この出て来る友人がまた、いい子なんだ。誠実、というのかな。ああ良かった、と思ったもの(苦笑)。
 どこがどうというのはさっぱりわからないのだけど、少し好き。

 今日は予定(?)通りに定時上がり→疾走→図書館→ついでに古本屋、に行って来ました。間に合ったー。
 古本屋で、この頃行ってなかったから何かあるかなーとふらふらと店内をさまよい歩いていたら、横から衝撃が。…いるはずのない人がいました。
 えーなんで偶然っていうか帰ってたんかよ! 連絡くらい寄越せー(まあ二日ほどしかいないということだったから会う時間取れなさそうだと思ってのことだろうけど)。
 うん、元気にぶつかってきた奴がいたと思ったら遠山。千葉じゃなかったのかよお前、という。
 その後、遠山は前勤務先の友人とご飯を食べに行くということだし私は私でお腹がすいたしで、ろくに話らしい話もせずに別れましたが(苦笑)。
 あー吃驚。偶然って凄い。

 そう言えば、「幼なじみ」ってどのくらいからを言うのだろうか。
 こう、イメージとしては学校行く前から、家族ぐるみで付き合いがあったりする、というのがあるのだけど。でも、小学校の同級生を幼なじみって言っていたりもする気が。
 んー?

 以下、いつが最後だったか忘れた日記連載、続き。
 きりのいいところまでは一番上に履歴として別頁、それにあと少しだけ書いていたから、その分はまとめて下に。…実はあまりはっきり展開を決めてないのだけどどうなるかな…。

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「お風呂は各部屋完備でトイレは各階。食堂があるけど、冷蔵庫は部屋にあるし簡単なコンロ程度なら各階のコミュニティールームについてるわ。まあ、しばらくは一緒に行動して回ることになるだろうからそのときに説明するし、気になることは遠慮なく訊いて。…何?」
 外見欧風ホテル、内面もどこかホテルっぽい鳳凰館。
 足を踏み入れた途端に迎えたのはお仕着せのホテルマン、ではなくて、二階のフロア長にして私の同室者になる女の子、三崎綾歌だった。同い年で同じクラス、ある程度の行動の連帯責任を負うパートナーでもあるらしい。
 長い髪をくるっと内側にカールさせ、髪色は少し淡い。黒ではなくて、ダークブラウンとか言うやつか。染めている感じはなくて、よく見れば眉毛も同じ色。瞳も少し薄い色をしているから、地毛だろうか。とにかく、欧風ホテルにはぴったりと嵌る女の子だ。
 …などと、うっかり見入ってしまったせいで、滑らかに説明をしながら私の部屋にもなるらしい部屋の戸を開けたところで、彼女は怪訝そうに眉根を寄せた。
「あ。えっと、いえ、ありがとうございます」
「…どういたしまして?」
「わ。結構広い。学校の寮なんてもっと狭っ苦しいとばっかり思って…ました」
 三崎さんが身体を引いてくれたおかげで見えた部屋の中が、思っていた以上でつい地が出た。まあ、いくら広いと言ったって同じ部屋の中で暮らすのに地を隠すなんて出来るほど、私は器用ではないのだけど。
 私の身体を軽く押して部屋に入れ、戸を閉めると、三崎さんはくくッと笑った。途端に、纏っていた空気が変わる。品行方正なお嬢様から、おてんば盛りの女の子に。
「いいわよ、無理して敬語使わなくても。と言うか、あたしが苦手。使われる意味もわかんないし」
 馴れ馴れしくない程度にざっくばらんに、三崎さんは笑ってそう言うと、カーペットの上に置いたクッションに腰を落とした。仕草が、好感の持てる感じに雑だ。
 部屋は、入った右手側にカーテンつきの二段ベッドとクローゼットが並び、左手側に、多分風呂場につながる扉とミニ冷蔵庫、引き出しのついた机が二台。入り口のすぐ上には、据え付けの棚のようなものが作られていた。
 ただひと部屋だが、狭苦しい感じはない。それは多分に、三崎さんの腕のおかげでもあるのだろう。
 …しかし、風呂は完備でトイレは別、机やベッドは随分と高価そうなのに一部屋きり、というのはかなり謎だ。金の使いどころが随分とばらけてやしないか、鳳凰館、もとい来栖学園。
「どうぞ座って。もう少ししたらこたつを出そうと思ってるの。いい?」
「こたつ?」
「ええ。必要ないって子もいるけど、やっぱり冬はこたつがないとね。音弥君は?」
 こたつなんて一体どこに仕舞ってあるんだ。思わず辺りを見回すが、よく判らなかった。収納名人か。
 ぽかんと見つめると、三崎さんは嫌味にならない可愛らしい仕草で首を傾げた。ああこの人、きっと人気あるだろうな、男女問わず。
「私も。あると、嬉しい」
「良かった。やっぱり、日本の冬にこたつとみかんは定番でしょ。空調だけじゃ駄目なのよね。とりあえず、座ったら? ちょっと早いけどお茶にしない? それとも、先に荷物片付けちゃう?」
 少しだけ迷ってから、お茶にすることにした。
 電気ポットやIH調理具は部屋に持ち込んでいいらしく、三崎さんのものだろうものが置いてあったが、今日は給湯室に行こうか、と案内され、一旦外に出る。
 二階のほぼ中央に位置する談話室の隣の給湯室でお湯を沸かして、ヤカンごと部屋に持ち帰る。数人、行き違ってその度にお互いを紹介される。次に会っても会ったことがあるかどうかを思い出せる自信すら、正直ない。
 そして部屋に戻って。はじめて、紅茶をティーバック以外で淹れてもらった。蒸らし時間なるものがあるのも、はじめて知った。
「あ。お菓子切らしてたわ。ちょっと、隣でもらってくるわね」
「三崎さん、」
「名前で呼んで。アヤでも綾香でも、あだ名つけてもいいから」
「う、うん」
 思いがけず強い反応に、ちょっと驚く。本人は軽く言ったつもりだろうけど、少し注意すれば違うと判った。何かある…のかも知れないけど、向こうから話さないなら放っておこう。知らなければ、何もしなくていい。
 とりあえず、呼び止めた用件が先だ。
 確か鞄の中に、気遣いの八坂さんがくれたお菓子が、やっぱりあった。手作り風の絞り出しクッキー詰め合わせ。
「これ、どう?」
「いいもの持ってるじゃない。お皿出すから、ちょっと待って」
 ヤカンも収納されていた冷蔵庫の上の棚から、ガラスの器を出してくる。
 その間に私は、かけられたリボンをほどいて袋を開ける。ふわりと、バターと砂糖の甘い匂いが広がった。クッキーはどれも、一口サイズの小さなもの。ココア生地だったりチョコレートコーティングやチョコチップ、ナッツが混ぜてあったり、ジャムやザラメのトッピングなど、いろいろ。
 シンプルなローテーブルの上に爽やかな香りを漂わせる紅茶と可愛らしいクッキーが揃って、小さなお茶会が整う。
 三崎さんは猫舌ではないらしく、紅茶に口をつけ、にっこりと微笑む。
 その笑顔が急に固まった。何事かと視線を追うと、テーブルの上の掌に収まりそうな紙片に釘付けになっていた。クッキーの袋にくっついて出たのか、それは、名刺だった。
 肩書きは小さくそっけなく、くっきりと印刷されているのは、八坂さんのフルネームと携帯電話の番号。もらった覚えがないってことは…勝手に忍び込まされたのか。もしかして他にも、何か入れられているかもしれない。
「――八坂、瑞貴」
 え?と綾香さんに視線を戻すと、穴を開けそうな目つきで名刺を睨みつけていた。

2009 年 5 月 4 日 しまった。

 明日も出勤かもしれない〜。そういやうっかり。休めるぜ、と思っていたけど、そうとは限らないんだった。
 そんな出勤・休日は明日の朝判明するという(苦笑)。…ま、そういうこともあるな。うん。

 『青酸クリームソーダ』…殺人現場を目撃したら犯人から動機を解き明かせと迫られた話。
 …読むんじゃなかった。合わないやこれ。これ、というか多分このシリーズ自体駄目で、下手したらこの作者自体駄目。それでもなまじ、読み通せただけに辛いものがある…(没)。
 文のテンポやノリとしては、西尾維新調。の、度が過ぎる感じ。
 何が駄目って、無茶苦茶な設定や奇矯すぎる登場人物や軽すぎる人の死や現実感の希薄さ、ではなくて、「物語」として成り立っていないところ。何度も「物語」だと繰り返されると、ただの作り物になってしまって。わざわざ現実ではない、と知らしめる「物語」は物語じゃない気がする。「物語」の中では、そこに描かれた世界やその登場人物が「これは作り物です」ということはないから。あ、それをネタにした話は別(SFにそういうのがあったなあ、実際読んだ事があるのは漫画だけど)。
 うん、読まなければ良かった。わざわざ時間を使って不愉快になることはなかった。

 そろそろ睡眠時間が限界のような気がするので(限界の向こうにこそ実力がある、って言葉はこの際無視して)、今日こそは早く眠ろう…ってのはいつも思っているのですがね…。

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 不意にその注意が、私に向く。こわい。明るい空気をかなぐり捨てた綾香さんは、美人な分だけ迫力があった。
 眼が、据わっている。
「これ、音弥君のよね」
「は、はい」
「知り合い」
「一応」
「どんな人。何歳くらい」
「えーと」
 苦労して、目を泳がせる。どんな人って、よくわからない人、なんて言っても綾香さんの欲しがっている情報ではないだろうし。でもそれ以外にどう言えばいいんだろう。私は、八坂さんのことなんてろくに知らない。父親のことすら判らないのに。
 人の年齢を当てたり描写を話すのは苦手だ。だって、私に見えているものが正しいとは限らないから。考えるだけなら、いくらだってつらつらと考えられるけど。だけどそれを全部言ったところで無意味だし、何より気恥ずかしい。
「二十代くらい? 眼鏡しとって、前髪がレンズにかかるくらい伸びてて…あんまり表情ないのが癖とかで…」
 一体何をどう言えばいいのかと無難そうなあたりから話していると、不意に、綾香さんの目に確信の明かりが灯った。え、どこで確信?
 ありがとう、と私の言葉を止めて、じっと名刺に見入る。何をどう見たところで、そこに書かれているのはほんのわずかなことなんだけど。
 やがて、落ち着かない様子でそわそわとし始めたかと思うと、おそるおそるといった様子で名刺を手に取った。テーブルの上を少し滑らせて、丁寧に手の平で受け止める。
 またもやじっと見詰めて、不意に大きく息をつくと、私に向き直った。わざわざ、体ごと。
「音弥君」
「はい?」
「お願いがあるの。後で事情は全部話すから、この人に電話かけて、替わってくれない?」
「はあ…?」
 思い詰めた様子に何を頼まれるのかと身構えていたから、ちょっと気が抜けた。
 いや、でも待って。
 電話って…顔見合わせて話すのも得意じゃないのに。電話だと気楽に話せるって人も入るけど、私は苦手だ。電話だと、相手の様子が声や物音以外窺い知れない。相手がよほど親しいか余程どうでもいいならいいけど、知り合いでこれからも関わっていきそうな人が相手というのは、一番困る。
 私が怯んだのを察したらしく、綾香さんは、手を握らんばかりに押し迫ってきた。
「お願い! 一声二声喋って、替わってくれるだけで、ううん、音弥君のケータイからかけてくれるだけでいいから!」
 もしもこれが綾香さんがストーカーしてた人だから、といった理由だったら困るなあととても失礼なことを考えつつ、結局、肯いてしまった。綾香さんがあまりに切羽詰った様子だったのと、じっと見つめる瞳が潤んでいたのが敗因。
 まあ、八坂さんは嫌いじゃないけど、綾香さんと八坂さんだったら、当面は綾香さんに頼ることになるわけだし。父に関する諸々に於いて、あまり期待はしていないというよりも期待のしようがわからないから、しばらく生活の大半を頼りにするルームメイトと得体の知れない父の部下(多分)では、比べる前から答えは判る。まあ、悪いことになるとも限らないわけだし。
 ただ、私は携帯電話を持ってはいないから、綾香さんのものを借りた。線を引いた電話は、管理人室か管理人室横の公衆電話に限られるとのこと。とにかくこれで、私にかけさせる理由が綾香さんの番号だと着信拒否されている、ということは除外された。
 知らない番号からかかってきて出てくれるのか、出られる状況なのか、という問題はまだ残るけど。それは、かければはっきりする。
『何かありましたか?』
 二コールほど鳴って、そんな呼びかけで、さっき別れたばかりの八坂さんの声が聞こえた。明日にでも事務局に行けば会えるって言えばよかった、と気付いたのはこのとき。遅い。
「…音弥、です」
『はい、わかっています。この番号は、今のところ音弥さんにしかお知らせしていませんから』
 名刺に肩書きが入っていた意義は。
『ちなみに、一緒に入れておいた携帯電話にはすでに登録してあります』
「え、何それ」
『寮にはさすがに個別の電話は引いてませんから、不便かと。何かあれば、いつかけてくださっても結構ですよ。それで、何があったんですか?』
 微妙に頭痛を感じて俯いた視線に、綾香さんの縋るような眼が引っ掛かった。そうだった、そのためにかけたんだから、早く替わってしまえばいい。
「電話、替わります」
 八坂さんが何か言ったかもしれないけど、一方的に言い終ると、おそらくは年月によって薄汚れてしまった小さな毬のついた携帯電話を、持ち主に返す。
 綾香さんは、銀の薄い電話を両手で受け取ると、一度深呼吸をして、右耳に当てた。
「――お久し振りです、お兄ちゃん」

2009 年 5 月 5 日  新緑に誘われて

 母から「給付金分」とお金をもらいました。え…回ってくるなんて思ってなかったよ。
 返そうかと思ったけど、不思議そうに要らないのかと訊かれたのでとりあえずもらっておきました。い、要らないわけじゃない…。
 やっぱりマウンテンバイク買おうかなー。今日話だけは聞いていたけどはじめてのケーキ屋に行く道すがら、自転車でその辺りをふらふらするの楽しいなーとも思ったし(私は大体同じ道ばかり通って同じ所に行くものだから少し小道に入っただけで全く知らない場所に出くわす)。
 …ただそうなると、自転車整備…うぅう、弟子入りできそうな個人経営の自転車屋さんないかな…(家から少し離れていたけど好きだったところは閉店されてしまった)。最低限の整備はやれるようにしたいものだと思い続け、結局何もしてないのだよなあ。
 さーてどうしよっかな、自転車屋を何件か回って来ようかな、マウンテンバイク〜。

 『恋細工』…職人の跡継ぎ問題とか恋とか。
 簪や小物?をつくる職人たちの、次代選びの奢侈厳禁の御時世(水野さんの治世だから…)下での話。傲岸不遜なのに飛び切り技術の優れた、でも職人とは言い難い(今言うなら芸術家というところ)新入りが入ったことで色々と揉めて、政府の締め付けが厳しくなったことでの問題もあり。
 後味が悪いということはないのだけど、必ずしもハッピーエンドではないよなあ。ううむ…面白い、のだけど。
 この人は、時代小説でいくのかなあ。チャンバラの斬った張ったとは違った時代小説で、かといってファンタジーだとかなんちゃって江戸、というのではないから、よくある時代小説とは趣が違っていてありだと思うけど(デビュー作は現代日本に江戸区…と言うか江戸国?があるというものですが)、現代物もちょっと読んでみたいのだけどなあ。軽ーい現代男子をこの人が書いたらどんな感じになるだろうか、と。デビュー作は微妙にそうだけどいやでも違うし。

 どうでもいい話。
 「お兄さん」か「兄さん」か「お兄ちゃん」か、呼び方迷ったな、そう言えば…。

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 声も出ずに驚く私に気付く余裕もなく、綾香さんは、一拍だけ置いた。その間に八坂さんが何か言ったのかまでは、聞こえなかった。
「覚えていらっしゃいますか、十歳年の離れた妹のことを。母や、父のことを。貴方が捨てた家族のことを。私が、いたことを、覚えていらっしゃいますか。凄い偶然ですよね、まさか貴方の知り合いと捨てたはずの妹がルームメイトになるなんて。神様なんていないと思っていましたが、悪戯好きか思い切り性格の悪い神が、どこかにいるかもしれませんね。それとも、悪魔かしら。――言い訳、なさらないのですか? ――そう。それなら、本当に、貴方は私を捨てたんですね。――わかりました」
 冷たい声で、張り詰めた声で、綾香さんは電話を切ってしまった。
 通話が終わっていることを示す画面をぼんやりと見つめる綾香さんは無言で、等身大の人形が座らされているかのようだった。湯気の立つ紅茶も、クッキーも、まるで、ままごとにあつらえた偽物のように。
 声をかけるべきかどうかと迷って、私は、とりあえずクッキーを齧った。味なんてわからないかと思ったら、とてもおいしいとわかった。なるほど、案外冷静らしい。それなら、選択肢はとりあえず三つ。
 いち、八坂さんが勝手に荷物に忍ばせたらしい携帯電話、あるいは綾香さんの携帯電話をひったくって、八坂さんに電話をかけて色々問いただしてみる。何をどう訊けばいいのかさっぱりわからないし、そもそも私が立ち入っていい類の問題とも思えないけど。とりあえず、綾香さんともっと話をするようにでも仕向けるべきなのだろうか。
 に、綾香さんに前言を遂行してもらう。後で全部説明する、というそれ。呆然としている彼女を揺さぶるなり声をかけるなりして、さっきの電話は何なのか、苗字が違うだとか捨てたってどういうことだとかちょっと複雑そうな家族関係を掘り下げてみる。芸能人に群がるゴシップ記者にでもなるつもりか。
 さん、さりげなくこの場を後にする、もしくは荷物を整理する、このままお茶を飲んでクッキーを食べ続ける。つまりは、放置。一番惹かれる選択肢ではあるけど、正解かどうかは不明だ。この状況で部屋を出たり荷物整理をすれば気遣っているのはばればれで、お茶を続けるというのは…現状だけど、それもどうなのか。
 ああ、人間関係なんて放り出して隠居したい。山裾に掘っ立て小屋でも建てて、畑を耕したら暮らしていけるだろうか。虫が嫌いだからやっていけない気がしないでもないけど。
「…何も、訊かないの?」
 訊かないわけじゃなくて訊けないんだけど、とは口に出せる空気じゃなかった。まだどこかぼんやりとした綾香さんの視線を受けて、三択以外の選択肢ができたことに、密かに安堵する。
 ティーカップを傾けて、少しだけでも表情を隠そうと試みる。
「話したくなったらどうぞ。聞くだけしかできないけど、それでいいなら。訊かれたくないなら、とりあえずなかったことにしてみる」
「音弥君は…あの人と、どういう関係?」
「えーと…あの人の雇用主が私の父とかいう人、なんやと思う多分」
「多分?」
「何分、父の存在を知ったのが一月前くらいなもんやから、色々と謎に満ち満ちてて。お目付け役を押し付けられてもたんかなあ、っていうのが今のところ一押しの推測なんやけど」
 先ほどまでとはどことなく種類が違う感じに呆けて、綾香さんは私を見た。呆れられただろうか。
 しばらくは、そのままだった。
 綾香さんは、何故か笑うと、柔らかそうな髪をかき上げた。携帯電話は、折り畳まれてテーブルに置かれている。私は、兄妹揃って見目がいいってことは血筋なんだろうなと、どうでもよさそうなことをぼんやりと考えていた。
「話、聞いてもらっていい?」
「どうぞ」
 少しだけ、厄介なことになったなと思った、なんてことはこの際秘密だ。

2009 年 5 月 6 日 いいご身分

 ごろんごろんしていて三食出て来るって凄いよね…いや本当。

 深夜バラエティーの番組で、早押しクイズ対決の特訓、なるものを見ていました。
 早押しクイズ、問題文を全部は聞かずに途中で続きを推測して早く押そう!という特訓。それ以前に問題全文聞いてもわかんねーと思いつつ眺めていたのですが。
 …何ですか、これは…超能力でも開発したいのか…?
 それにしても、そんなことばっかりやってたら人の話聞かない奴になりそうで厭なのですが。反対するにしても賛成するにしても、最後まで聞けっていうね。うん、人の話聞かない奴は嫌いだ。

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 片手をティーカップに伸ばして取っ手を掴まず手の平で覆って、もう片方の手で頬杖をついて、綾香さんは、視線を遠くに向けた。多分ここに、私がいる必要はないのだろう。ただ、「誰か」がいて、話を聴いている振りでもしてくれたらそれで十分。だから私は、たまたま、居合わせただけだ。
「両親が、再婚だったらしいの。お兄ちゃんは、お母さんの連れ子。十歳離れてて高校はここに入れられたから、そこまで記憶はないはずなんだけどね。でも大好きだったのは覚えてる。それなのに数年前、高校卒業目前に急に行方がわからなくなったの。学校にはいなくて、うちにも連絡はない。それまでは私には手紙はくれてたんだけど、それもなくなって」
 親を説き伏して中等部から来栖学園に入学を決めたのは、八坂さんを追い出した形になる両親への当てつけと、少しでも手掛かりを得られないかという目論見のためだったのだという。どちらかと言えば前者が強かったらしく、少々早い反抗期でもあったのだろう。
 兄弟がいるってどんな感じだろう、兄弟のために頑張るってどんな気持ちだろう。兄弟どころか親子の情すらよくわかないから、いつものように、凄いところは凄いんだろうなあという予測で終わる。
 まあ、どうだっていいんだ。
「本当はね、今会ったところで、何を話したらいいかなんてわからないの。会いたいかどうかもわからない。あんなこと言っておいて、酷い話よね。本当は、私たちの方があの人を捨てたのに」
 少し俯いて、声は震えてはいなかったけど、泣き出しそうだと思った。でも、きっと泣かないだろうとも思う。
 話はそれで終わったのか、綾香さんは黙ったままでいる。湯気の勢いがさっきよりも弱まったのを眺めながら、この役回りを私に持って来るのは徹底的に間違ってるなと思った。もっと気遣いができて、優しい人が適任なのに。そう考えると、綾香さんも運が悪い。
「確信持ってたみたいなんは、なんで?」
「…え?」
「特徴聞いて電話かけてって言ったとき、どこでお兄さんや、って思って踏み切ったんかなって。ごめん、ささいな疑問なんやけど」
「ああ…無表情が癖って、そんな人お兄ちゃんだけって、考えてみたら、そうとも限らないんだろうけど。いつだったかな、どうして笑わないのってきいて、そうやって言われたことがあって。考えてみたら、それって私たちのせいだったんだろうね」
 ポーカーのせいじゃなかったのか。いや、そんなものは本人に訊いてみないとわからないし、訊いたところでわかるかどうかもわからないのか。本人だって判らないかも知れないんだから。
 …多分これは、お節介とか余計なことじゃなくて、どうせ判ることだ。
「八坂さん…綾香さんのお兄さん、ここに勤めるみたい」
 やたらに鋭い動きで顔を上げ、私を見た綾香さんの眼は、怯えているようでいて、期待めいたものも混じっていた。
 何となく目を逸らしたくなって、またもや紅茶を飲むふりをして、いや実際飲んだけど、目を逸らす。強い感情は、苦手だ。たとえそれが、悪いものじゃなくても。
「事務局で。とりあえず三ヶ月、やったかな。辞令所持ってたし、話とか、あれで終わりにせんでもいいと思う」
「……音弥君が天使に見える」
「いやーなんか微妙に縁起悪い気がするんやけどそれ。今にも昇天しそうやん」
「そんなことないわよ。…うん、そっか。ありがとう、音弥君」
「何もしてないって」
「ううん。よし、今度はもうちょっとましに対戦しなくっちゃね」
 対戦て。
 とりあえず、やせ我慢でも強がりでも自棄でも、綾香さんの顔が上がって笑みも戻っていたから良しとしよう。私は正義の味方でも慈愛の人でもないんだから、複雑な事情を抱えたまま落ち込んでいる人の問題を完璧にどうにかしようなんて、思ったところでできるはずもない。私は、私のことでさえ満足にどうにかできもしないんだから、余計に。
 それでも、綾香さんは笑ってくれる。
 

2009 年 5 月 7 日 色々あるさ

 会社にて。
 件の入院した営業さんの、入院見舞いは総務でまとめて持って行くのかなーと訊こうとして。
「○○さんの入院祝いって…」
 …爆笑されました。ご、語感似てるじゃんよ!!(言うまでもなく、正しいのは「見舞い」ですよ…)
 こ、これきっと、複数ルートで本人の耳に入るんだぜ…!

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「…あれ…?」
 机に突っ伏して眠っていた。机といっても寮のローテーブルや勉強机ではなくて、学校の、教室に並んでいる机。そして制服を着ている。
 一瞬、授業から寝倒して一人取り残されたのかと思いかけたりもしたけど、転校先の高校にはまだ生徒会室しか足を踏み入れていない。それに、寮で夕飯を食べたしお風呂にも入った。うん、そのあたりはちゃんと覚えている。新しい布団にくるまって…ということは、夢か。
 そういえば昼間も、こんな夢を見た。
 窓を見ると、黒々と夜のものらしい闇色に塗りつぶされている。おかげで景色はほとんど見えなくて、私の、間抜け面が反射して映っている。ああそうか、電気がついてるんだ。今更の事に気付く。
「寝てまで学校? どんだけ好きやねん私」
 昼間と同じように教室には誰もいなくて、独り言が虚しい。それにしても、こんな夢を続けてみて、精神分析をしたらどんな心理状態が解析されるだろう。
 ここで眠ったら目が覚めるかな、と思いはしたけど、とりあえずふらふらしてみようかと思った。この校舎が、私の通っていた小中高のどれを元にしているのか、ひょっとして複合体なのか、というのは少し気になるところだ。

2009 年 5 月 10 日 ぱたぱたぱたぱた。

 昨日の夜は、友人とご飯食べてきました。
 行ったお店のメニューが、前に行ったときと何か違っていて、二人で首を傾げつつ、店員さんを捕まえて
「あのー、メニュー減りました?」
「ゴールデンウィーク中は少し変えさせてもらってるんです」
「…ゴールデンウィーク!」
 という一場面が(苦笑)。ゴールデンウィークなんて私たちの中では終わってたさ(友人は土曜も勤務)。というか私には、そもそもなかったさ…。
 メニューから消えていただし巻き卵は、お時間頂けましたらできますけど…という事でたのみました。臨時裏メニュー?

 そして今日は、別の友人と姫路城に。
 天守閣手前の広場に人員整理のため(並ぶ人の誘導用)のロープが張ってあって、「…こんだけ人がいたのか」と吃驚したり。姫様と殿様(多分ボランティアの人が仮装して時々出没する)に遭遇して、一緒に写真を撮ってもらったり。
 春の特別公開、ということで、普段は閉めているところも見たり。
 因みに、そこにいたときの話題は大河の新撰組…(苦笑)。城からの連想か、シンケンジャー(明らかに私の出した話題)とか銀魂とか新撰組(ドラマ・小説・漫画)やらが主な話題になったような。

 その後、昼食を食べて、セットメニューについていたデザートのソフトクリーム(ミニパフェでコーンフレークとフルーツの上にソフトクリームとキャラメルソース)がおいしい!と言ってました。うん、あれおいしかった。またそのうち、ソフトクリームかパフェだけでも食べに行こうかな。
 で、一時ごろにお別れ…うっかりしてたんだ、どうせなら午後もまったりしたかったのに…。ごめんよ…。

 その原因となったのが、兵庫県立歴史博物館の企画講座、京極夏彦のトークショーでした。
 事前申し込みが必須だったのだけど、約三倍の応募があったそうですよ。やー、当たってよかったよかった。そして、人がいっぱいで吃驚した。ああいう企画にしては若い人が多かった、気がするけどどうだろう。あまりちゃんと見回さなかったしなあ。
 使用された会場は、筆記用にテーブル(?)が引き出せる仕様でした。メモを取る気満々だったから、あってくれてよかった。席の間隔が狭いから、書いている内容が隣の人に見えてしまう、というのが難点。
 いやぁ、大学のノート並みにメモを取っていました(笑)。大筋は、それまでに読んだ京極さんの妖怪関係の文章や講演記録に同じ(言う場所場所で違ってたら厭だ)、だったからまとめやすかった。
 とりあえずあの人、語り本当にお上手…。笑いを取り入れつつ、滔々と。友達の結婚式の司会者とか素人ながらに上手くやっちゃいそうな感じ?(笑) 話のまくらがあったところが、噺家かい、と思ったり。
 質疑応答の方が面白かったかも(苦笑)。
 一番記憶に残っている迷言が、「一から十まで違う」。えーと何だったかな、例示で、座敷童の説明で十数年前にこの部屋で亡くなった女の子の霊だ、って言うような、一から十まで違うじゃないか、というようなこと、という話だったような(曖昧)。
 とにかく、面白かったです。

 『鋼鉄のワルキューレ』…第二次世界大戦期のドイツ・ソ連戦。
 ヒットラー政権下末期の局地戦。敵味方ともに、ほぼドイツが負けるのは目に見えている状態での戦場で、主軸はドイツ側の女性将校。貴族で通信兵だったものの上官が斃れ混乱した戦局で武勲を立て階級が上がったものの女性を前線に出すことのない方針のために閑職に回されていたら、それどころじゃない戦局で借り出されてしまった美貌の女性。…とまあ、ソ連軍の野望と復讐に燃える青年、かなあ。この人の立場はかなり微妙なのだけどな…女性将官の好敵手位置ではあるのだけど、物語としてそこまで大きく割かれていないというか。途中まではこの二人が軸なのかな、と思ったのだけど、下るにつれてそうとは言い難く。
 近代の戦争に関しては、教科書に載っている程度のことすら把握できていない部分も多くて(時間が押してろくに授業でやっていない)、この小説ではじめて、ああそうなんだ、と思った部分も。…いや、小説鵜呑みにするとかなり危ないのですがね。実録と銘打ってあるやつでさえ丸呑みは危ないのだから。まあその辺はおいおい、今後照らし合わせて真偽を知るということで。
 とっつきにくいけど、戦局の説明部分はかなり読み飛ばしたけど、物語としてはまあまあ面白かったです。多少都合いいな?ってとこはあったけど、でもそう目に付くほどではなくて、決定的にご都合主義だ、と言いたくなるところはなかった…と思う。どう言えばいいのか、かなりの部分が至極真っ当で、それがいいなと。
 …まあ、視点が移りまくってそこのところちょっと微妙なのだけど。これって、漫画や脚本を書いている人に多いのかな。この作者も、(おそらく現役の)漫画家らしいのだけど。唯一、一人称の登場人物がいるのだけど、それも数回のみで(それが各章一度ずつとでもするならともかく)中途半端だし…。 

 またもや本を大量に借りてきたので、読書期間読書期間。

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 夢の中で夢だと気付くのは、明晰夢といったか。やりようによっては好きなように夢の展開を導けるようだけど、私にできるのかどうかは判らない。まあ、これが悪夢でなければ何だっていい。
 とりあえず教室を出ようと思い、立ち上がってから気付く。机の高さがぴったりだ。ということは、とりあえず机は小学校のものではない。
 ついでにぐるりと見回すと、やはり、昼間と同じ教室のように見える。教室なんてどれも似たようなものだけど、後ろに据えられた棚や掃除用具入れ、掲示板や黒板の感じが同じだ。
 戸を開けると、煌々と電気のついた、何の変哲もない廊下が広がっていた。おそらくはここと同じつくりだろう教室が右に二つと左に三つ、階段が右のすぐ隣に、階段か渡り廊下と思しき途切れが左端にある。教室の数は入り口の上に突き出ているプレートで判断した。
 私の頭上には「1−4」。左奥が「1−1」になっている。
「えーっと…」
 とりあえず、片端から覗いてみようか。教室の電気はついたりついていなかったりだから、ついているところに誰かがいる可能性が高い気がするけど、しらみつぶしに行ってみよう。
 カツン、と響いた靴音で、ローファーをはいていることに気付く。色々と遅い。スニーカーの方がいいな、と顔をしかめたら、前の高校ではいていた、白いスニーカーに変わった。
「…便利や。てことはあれか、ウエディングドレス着たいーって思ったら着られるんかなあ…なんや、変わらへんや」
「本気で思ったら着られるよ、きっと」
「え」
 笑いながらの穏やかな男の人の声。しまった人がいるかもしれないってことは独り言やめとけばよかった、と思っても遅い。
 ゆっくりと振り返ると、私よりは少し年上くらいの男子生徒が立っていた。学ランにスニーカーの、ありふれた男子学生の格好。さっぱりとした髪型で、声と同じように、穏やかに笑っている。どことなく見覚えがある気がするのは、私の夢の中だから当たり前か。
 眼が合うと、にっこりと改めて笑った。
「ここははじめて?」
「…はい?」
 思わいがけない問いかけに間抜けな声が出て、顔は多分、明らかに怪訝そうになっているだろう。にも拘らず、苦笑気味にはなったものの、相変わらず穏やかだ。爽やか青年、と勝手に決め付ける。
「その反応は、やっぱり初めてだね。ようこそ、夜の来栖学園へ」
 何だそれ。

2009 年 5 月 12 日 ぐたん。

 うーんだるい。そんなわけで明日は、がっつり出かけるつもりだったけど規模縮小。要件のみ済ませてしまおう。

 先日友人と話していて。
 お城登っていたときのこと。普段公開していない櫓に上がれて、普段上がれないものだから通常公開のところのように、階段に手すり装備ではない状態でして。しかも、出入り口が一箇所しかないので、完全入れ替え制(?)のために出入りの際に前後至近距離に人がいます。
 そんなところでまあ、色々と馬鹿話をしていたわけです。(会話内容が前後している上に捏造してそうだけどきっちりは覚えてないから仕方がない。そして発言者も前後している疑惑。…雰囲気だけお楽しみ?ください)
「うわ怖! 怖い、手すりないって怖い! 落ちそう!」
「足滑らせたらそのままいきそうやな」
「池田屋の階段落ちかって!」
「でも、昔の人も急いでたら落ちそうやん。急ぐときってそうなさそうやけど。で、ずだだーんって落ちて大丈夫かってわらわらと人が集まって来る」
「んー、集まって来るならまだいいやん。一人ひっそり落ちてる方が厭や。冷たくなってから発見されてさ」
「死んでる!って」
「そうそう」
 …この、「死んでる!」部分で、すぐ前にいた女の子の肩がびくりと動いたのですよ…え、そんな大声? て言うかその前部分も聞こえてたよな、え、何でそんな驚かれるん? でも何かごめん。
 そのことには友人も気付いていたらしく、離れてからそんな話に(苦笑)。
 しかし、無軌道な馬鹿話って思い出そうとしてもあまり覚えてないのな…そのときは凄く楽しんでるのに。

 先日友人と話していて、そのに。
 感情の起伏の話になって、来条は安定してるよなーと言われたのですが。…はい?
 取り分けその友人には、不機嫌なときとかそのまま対応してた気がするのだけど…わけもなく機嫌が悪いときに限って連絡来たりしたから。うーん、あれ?
 そっかー人の見てる部分って違うもんだなあと、そのときしみじみと(?)思ったのでした。
 ああでも私、感情表現平坦なときあるかも。お酒も、酔ってても全くそう見えないらしくって不思議なのですが。うーん、当人としては露骨なつもりなのですがね。でもまあ、露骨なときとわかりにくいときとある、というのが正解のようだけど。

2009 年 5 月 13 日 爽やか気候

 今日は随分と気持ちのいい気候で。
 銀行の振込みに出かけたのだけど、やーもう、風に吹き飛ばされるかと。…いえ、とても気持ちのいい気候でしたよ? 強風好きだしな…。

 『英雄の書』…クラスメイトを死傷させた兄を追う少女の話。
 んー…宮部みゆきのファンタジーは微妙…。どうにもゲームっぽいというか、RPGってヒントを手に入れて指示された場所に行って戦闘して、という一連の流れがあるのだけど、それが透けて見えるというか何と言うか…。ゲームのノベライト、ではなくて、ゲーム用の脚本をそのまま小説にしたような感じがして微妙。
 アジュはかわいいなあ、アジュは。

 『花の道は嵐の道』…高校の貧乏華道部の奮闘。
 家元の孫だけど華道はやっていなかった男の子が高校で華道部に入ったら、そこは花代にも困るくらいな上に茶道部に和室を追い出されかけていて。そして家には猫又がいて。
 軽くさっくり…でもこの高校生たち、やたらと落ち着いてないか…? 
 猫の一人語りを見ると、かの有名な一人称が思い浮かぶのは日本人特有の呪いですかね?(笑)。

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「正確には、夜の学校よりも夢の学校とでも言うべきなんだろうけどけどね」
「えーとつまり、わけのわからん夢を見てる、と。うん、それはわかってるから大丈夫」
「夢は、と言うよりも人の意識は、実は奥底では全て繋がっている、という説は知っている?」
 いかにも気のよさそうなこの人も私の創造物なんだろうなあ、つまりは話すことも私が知っている内容のはずで。どこかで聞いたか見たことはある気がする。
 そんなことをつらつらと考えているうちに、青年はにっこりと微笑んだ。この人、笑顔が地顔なのかも知れない。
「集合的無意識や普遍的無意識と言って、ユングの説なんだけどね。遠く離れた場所で似たような神話が伝えられていたり、全く関係のない人同士の夢や空想に似たものがあったりといったことの説明とでもいえばいいのかな」
「…はあ」
「ということで、俺は納得してるんだけどね。まあそのあたりは、自分で納得のいくものにすればいいと思うよ。とりあえず現実として、来栖学園の関係者が夢を見ているだろうときにこの校舎をうろついてるんだ」
「あなたも実在する人物やと」
「うん。もっとも、必ずしも実際の姿と同じとは限らないけどね。だから、見ただけではクラスメイトがいてもわからないことが多いよ。カメやウサギになってる人や芸能人、別の生徒の姿になってる人もいるし」
 何か、そんな設定の漫画か小説を読んだかなあ。読んだんだろうなあ。
 四分の一くらい聞き流しながら、引っかかるものがあることに気付いた。昼間の、居眠りのときの夢。死神のひなたぼっこ。生徒会長との、短い会話。
 いや。
 そんな馬鹿なことがあるはずがない。きっと、生徒会長とのあれにも何か気が抜けるような理由があって、今のこれも、あれが引っ掛かってるものだからそんな説明になってるんだろう。
   

2009 年 5 月 14 日 いかにも五月

 というわけで(?)、昨日に続いて良い天気。
 あー、こんな日には丘にでもピクニックに出かけたい…本格的でないなら山登りでもいいよ。
 そう言えば友人が、たまーに父親に本格的な山登りに連れ出される、というのを聞いて。いやいや妹の前に兄誘えよ、と思ったものですが、ちょっといいなー。うちの父親もがっちり野外活動の人ですが、さすがに今となっては蕨取りがせいぜいだしなあ…(数年前はお正月のくちなしは山に摂りに行っていたけどこの頃はそれすら行ってないし)。
 でも虫が駄目だから実は山野との相性はよくないです(爆)。

 『はかなき世界に、最期の歌を』…不審な祖母の死を探る女子中学生。
 主人公(?)が、弱いし揺らぐけど、だからこそ強いのが印象的。あー、うん、もしかしてこれ「いい話」に入るのかな。主人公を通しての幕切れが凄く清清しくていい。
 狂言回しの役どころとでもいうのか、「謎」を解く役回りは小野篁の子孫。が、暮らし振りはあまりよくないしやる気もないし主人公と同い年の「家臣」(と言いたくなる)にはびしばし言われ。…でもこの人見てる(?)と、『はらったまきよったま』のテルちゃん思い出すなー。あれに人当たりの良さと地味な外見被せたらこんな感じ?
 登場人物たちのキャラクターが、語り手(傍観者)に回ってしまっている主人公は措くとして、その級友で家臣の頭の中は明治時代の坊ちゃま第一!の女の子(でも家での仕事着は代々伝わる?メイド姿)、文句を言いながらも何だかんだと面倒事を引き受けてしまっている弁護士(手厳しいようで案外人がいいというか情けないというか)と、上の子孫と。会話のテンポがいいからか、さくさくと読めるし、その割には心情も結構書き込まれている感じだし。

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「あなたも、元の姿とは違う?」
「一応は。もしも向こうで見つけられたら、何か一つ願い事を叶えようか? ケーキ食べ放題とか、できる範囲でのことなら」
 もしもこれが願望を反映した夢だったら厭だなあ、と思う。何か、とても厭だ。
 にっこりと笑い続ける青年は、私の視線に気付いたのか、軽く肩をすくめた。欧米式のそれは、肩こりをほぐしたかのように見えて、そこにだけは親近感めいたものを感じる、ような気がする。いやよくわからないけど。
「とりあえず、折角だから案内でもしようか。明日学校に行って、同じ造りだと判ったら納得しやすいかもしれないし、突っ立ってるのもどうかと思うしね。どう?」
 私が頷くのを待って、青年は、当たり前のように手を差し出した。迷うと困るから、という言葉に、まあ夢だしいいかと戸惑いながらも手を取った。
 ひんやりとしていた。
「名前は、どう呼べばいい? ああ、俺はミキで」
 苗字か下の名前かあだ名か全く関係がないのか、迷うところだ。まあ、どうだっていいんだけど。
 夢の中だけど、でも万が一ということもあるのかないのか。一瞬だけそんなことが頭を掠めたものの、考えるのも面倒になった。でも。
「深雪」
 口を突いて出たのは、母の苗字だった。微妙に偽名のような気がするけど、問題はないし、まあいい。

2009 年 5 月 16 日 なんやかんや。

 『通い妻』…白縫様シリーズ第六弾。
 ええと…どうしてシリーズのうちの一冊飛んでるですか市立図書館…!(五冊目がない) これは購入希望出すべきなのか、一体何だってこんなことに。
 白縫様が順当に(?)秋山様と親しくなっていて、何だろう、人って集まるものだなとか…あれ、何か違う何だ。とりあえず、お互いのやり方がわかっていてそこに信頼があるっていいな。

 ふっと思い立って(?)、「台風の目」を読み返していました。まだ終わってないのだけど…え、こんな書いたんだっけ…?
 すっ飛ばしで言葉足らずなところは多々あるけど、…面白いなー…とか思って…。や、やっぱり、一番の読者って自分だものね! 言ってしまえば、読みたいものを書いているのだから、自分で面白いと思わなかったら書く意味ないよね!
 …とかまあ、そんな言い訳を呟きつつ…(没)。
 いい加減そろそろ、メールマガジン発行しなきゃだなあ。今のところ、本編で過去編と国を出る手前の話を書いたら終わり、のつもりでいたのだけど、短い話が一本かけているもののどうしようかというのと、エバンスたちの短いものが一本思い浮かんでしまって…いつ終わるんだろうこれ。はじめは、一本きりで終わりのつもりだったのになあ?

2009 年 5 月 17 日 ぱたぱたぱたぱた

 小雨降る中、図書館に行ってきました。…今日借りないと次の休み休館日だし予約流れちゃうのだもの…。
 そして本屋にも行ってきたのだけど、うっかり一冊探し忘れていて、とりあえずネット検索。
 …そうしたら、本の販売はしているもののあらすじの一行もなく、レビューもなく(まあ発売昨日だし)、いっかな情報がない…。好きな漫画家さんなのだけど、BLも描いている(というかそっちがメイン? よくわからない)ので、それじゃないならほしい、どっちなんだ、とひたすら検索かけて…今時ウェブ頁持ってない出版社があるなんて…!
 結局、作者さんブログ見つけて落ち着きました。あー、良かった。まあ、ネットの本屋の分類が「少年漫画」になっていたから大丈夫だろうとは思ったけど…ただこれ、一巻らしく。…二巻、ちゃんと出るの…?
 そこでうっかり、小説の同人誌の表紙描きますよー(有料)、という募集を見かけて…いやいやいや出さないし、同人誌。…でも原稿自体は「台風の目」か「深紅に浮かぶ月」が…とか、一人でぐるぐる考えてしまったり…いやいやいやいやいや。

 友人たちと、友人の結婚祝い品を買って(何を買うか自体は決まっていた)ご飯を食べてきました。
 品が圧力鍋だったので、電気屋→鍋は見つかるが圧力鍋は見つからず、で、ホームセンターに行ってきました。そこでうっかり、天然石フェアで天然石の輪切り(?)を購入してしまった…。こういうの、綺麗だなーと買ったところで埃かぶるのがオチなのに。
 ご飯はバイキングの店にいって、多分一番私が食べていたような…(放っておくといつまでもだらだらと食べ続ける)。思っていたよりも種類が多かったのですよそのお店。揃って、もっとしょぼいのを想像していたんだ(爆)。
 とりあえずこれで、ケーキバイキング行きたいなー質より量でもいいからーという欲望は満たされました(何)。
 プレゼントにメッセージをつけよう、ということでテーブルでもそもそと書き込み。…これ、ペンを持って行くのを忘れて、時間差を置いて合流した友人にペン持って来て!とメールを送ったのだけど理由を書いていなかったからボールペンのみというぐだぐだっぷりでした(苦笑)。そして私は、メッセージ書くの苦手なんだ。絵が描けたらそっちに逃げるのに、と今まで何度思ったか…!

 えーとしばらく(?)日記連載止まります。何故だか数日前から「台風の目」の波が来ていて、これ逃したら面倒だ!(←)というので。
 …まあこういうのは、面白い面白くないは別物で困るのですけどね…。
 とりあえず書いていて、一体私はエバンスの話にけりをつける気があるのだろうかと思ってしまった。(それがどうなるかの結末は決まっているものの話として書くつもりはなかったのだけど、今書いている部分を書いたら最後まで書ききらないと気持ち悪いんじゃないかとか…いや別に私は気持ち悪くないのですが)

2009 年 5 月 18 日 うわあぁん!

 ウ、ウイルスが…生物学上のやつとゼロワンなデータ上のやつと…さんざん振り回された…!

 えーととりあえず生物学のやつ。
 いやまあ、神戸で出たよ!ってので、あーそりゃ姫路まですぐ来るわーとは思ったものの、週末挟んで一挙に現状になるとは思いもせず…。
 会社が、ばったばたでした…。何でこんな日に二人出勤…。しかも主に動くのは市内関係だから私はいまいちよくわからないっていうね、先輩ごめんなさい…(汗)。
 出勤した時点で、市内の幼稚園や学校関係が注文止めてくださいーとの連絡があったらしくて、そうなると逐一確認を取る必要が出て来るから大変そうだなあと眺めていたのですが。(ただ、小中は一律休校だけど高校は各自判断らしく注文そのままで、というのもあった)
 で。
 スーパーあたりが、乾麺の類の日持ちする分だけでなく、外食もできないからか売れて…「取りに行くので用意してもらえますか?」という電話がかかるかかる。データ発注のところも、明日の分増やしてください、という電話もあり。…多分、今日明日の売り上げがいつもより凄いかと…。
 その対応にかかりきりで本来の仕事ができてない、と言う先輩を置いて、帰宅しましたけどね…(爆)。いや私も仕事残ってたけど、明日あるしもういいやーと。…確か先輩は明日休みなんだ。
 まあ驚いたのは、社長がインフルエンザ状況を全く知らなかったらしくて電話の嵐も何事?と言っていたらしいことなのですがね! ちょっ、社長…!

 で、ゼロワンの方が。
 昨日知ったのですが、まーた、ウェブ頁見るだけで感染する型のやつが出てきたそうで…しかも、対応しているウイルスソフトが少ない(対応が繁殖に間に合ってない)とか。今私が使ってるやつ、対応してるのかどうかがよく判らないのだけど…。
 とりあえず↓(クリックで別窓)

 同人サイト向け・通称「GENOウイルス」対策まとめ
 http://www31.atwiki.jp/doujin_vinfo/


 同人向けと銘打ってありますが、そうでない大手…というか、企業サイトも感染しているとか。あと、創作系の個人サイトもね…。同人系では、サーチが多いような。詳しくは、上記リンクをどうぞ。
 とりあえず私のPCは感染していないようで…良かった。だって対策がリカバリしかないとか、本気で勘弁して…(とりあえずどうしても失くせない分だけフラッシュメモリにコピー取り直したけど…基本は人にもらった絵とか好きなサイトからの収集物、書いているものなので、2GBでもどうにかぎりぎり。音ファイルをどうにかしないと…これは入りきらなかった。
 サイトも、確認したところ大丈夫、のはず…み、見落としてないよな…?(汗)
 昨日と今日と、何か気付いたら時間が消えてたよ…サイト、だらだら頁増やさず整理した方がいいのかなあ…。


 『闇の城、風の魔法』…呪いを解くため中世に行く話(?)。
 高校生の、ちょっとした魔法を使える女の子と代々呪いをかけられていて実は凄い魔法を使えるのだけど全てに気付いていない男の子とが主人公。
 二人の視点が交互くらいで書かれているのだけど、最後の章のあたりはそうでもなかったけど、互いの視点で見ても自己評価のところでも、あまり好きになるのがわからない、のだけどな…?
 そしてついつい、これローク視点で書いたらどんなのかなー、多分私がやったらローク報われない奴になるなー、幸せにするにはどうしたら、と…うん? 何故だかロークのが主人公たちより好きですよ? 何故だ、好きになる要素がないのに。次点はマルコム(笑)。

 インフルエンザ…会社と家を往復してる分には、多分さほど問題ないはずだけど。
 でもまあ、普通のインフルエンザもなんだかんだ言って感染してないし大丈夫かなーと思いつつ、この頃、体力だの健康だのにはめっきり自信がないです(没)。

2009 年 5 月 19 日  ぐったり…

 ウイルスパニックよりも…己の過失っぷりにうんざり…(没)。
 ああもうよくクビにならないよな! そしていいのかそれで会社!?

 『吉野北高校図書委員会』二巻…地方の進学校の図書委員たちの話。
 委員長の初恋、いいなぁ。いいですねー、恋に気付く瞬間。「遠回りする雛」思い出した!(笑) 実らない、という通説で終わりそうな上に本人が出だしから諦めてるけど、ああいいなあ恋する人。
 ゆったぁとしたかけがえのない時間、があって、なんだか懐かしい。というか、羨ましい(苦笑)。
 続き勿論出るよね! 楽しみだな。

 漫画をまとめて購入。『しゃにむにGO!』の最終二巻と先日購入していいものかと悩んでいた『DUAL BLOOD』と坂田さんの『たぷたぷだいあり』『海に行かないか』。
 『しゃにむに〜』は、何かもう、泣きそうだった。ああぁあもう、カッコいいよあんたらー!(苦笑)。
 『DUAL〜』は…うん、まあ…。この人の漫画、面白いとは言えないのだよなあ、実は(爆)。ただ、設定やら要素やら好きな部分があって、ついつい出ていると読みたくなる。どうか、話術(違)を磨いてください、と祈る(笑)。うーん、設定は好きなのに面白くない、とこの人の違いがわからないのだけど…何なのだろう。多分、『神異伝』があまりに好きすぎる、というのも一因だとは思うけど。…これも、かなり未熟な話ではあるのだけど、途轍もなく好みだったのですよね。「台風の目」は多分ここから来ているし。
 あと二冊はまだ読みかけ。しかし、『たぷたぷ〜』のあの密度(濃度?)は凄い。

 …今更な話、私、柚子得意じゃないかも。
 匂いは好きなのだけど、だから匂いつけ程度に料理に使われるのはいいのだけど、そのもので柚子を使った場合。今、柚子酒飲んでて気付いた(遅)。
 まあ、甘すぎる、ってのもあるのだけど。氷浮かべて飲んでるよ。

2009 年 5 月 20 日 眠いっす

 不要不急の用事での外出は避けましょう、ということだったのだけど、約束だし仕方ないなーと出かけてきました。
 で、ついでだから図書館とチケットショップ(頼まれて)と古本屋に行ってきました。…ああぁあ、図書カード買おうと思ってたのにすっかり忘れてたー…!
 
 図書館で偶然、友人に会いました。
 はじめ、帽子+マスク+スーツ、で、全然わからなかった…(苦笑)。例に依って、気付いてくれたのは先方です。
 地元に友人知人は結構残ってるはずなのに会わないなーと思っていたけど、今月だけで珍しく何人かに会っているなあ。そういうめぐり合わせの時期?

 それにしても、朝は近所の子どもたちが元気に遊んでいる声が聞こえ、駅前行ったら中高生と思しき子らがわらわらといて…意味ないよ学校閉鎖。予想ついてたけど。
 いいなあずるいなあ、学生って何て楽なんだ! 会社閉鎖もして欲しい。でもそんなことしたら生活成り立たないか。…って言うか会社閉鎖って、それって強制捜査とか営業禁止とか倒産とかやばい方向か…(爆)。

 ついつい気になって、『しゃにむにGO』読み返し中。ついでに急に気になって、『カードキャプターさくら』も(苦笑)。
 先に後者を読み返したのだけど、…わー、かわいい話だー。何かのインタビューで、読者だか知り合いだかに、きっと怖い話になるんだ、と言われ続けて連載が終わった、というのがあったなあ。まあ、それまでのCLAMPの漫画読んでれば…(笑)。
 改めて、小狼好きだなあとか。桃矢が「かっこいい」じゃなくて「かわいい」と思えるようになったのは過ごした年月の問題として、それでも小狼が相変わらず「かっこいい」なのは何故だろう。や、「かわいい」というのもあるけど。…アニメは、今思えば苺鈴が結構好きかも。
 後者、英語の筆記体なんて読めない、と無視してきた中表紙(って言うの?)の英文。どうにか読んでみたらああ、という内容で…え、英語なんてっ(逃)。ああもう、高校生いいな!←

2009 年 5 月 21 日 へばりついているのはきっと不安

 とうとう(?)、事務所もマスク着用になりました。…まあ、通勤時には外してるからいまいちあれですけどね!(つけて帰れよ)
 しかしマスク、邪魔だし息苦しいし…どうせインフルエンザウイルスは素通りなんだしさー、外してちゃ駄目?と言いたくなって仕方がない(苦笑)。だって今の時期乾燥はあまり気にしなくていいしさあ。うう。
 話は変わりますが、私は視力が裸眼でコンマ一を切っているにもかかわらず極力眼鏡をかけていません(爆)。だ、だって…動くと気持ち悪いから…コンタクト怖いし。いやまあそれで、パソコンを使うときには眼鏡をかけているのだけど、これが。マスクをつけていると、うっかりと外し忘れる。…私の眼鏡認識は耳に何かがかかっている状態、だったのかもしや…(マスクをしているとこれが満たされる)。いやまあ、妙に見えるな?というので気付くのですが。遅。
 そしてマスクは、つけていると耳が痛くなってきた(引っ張られるから?)…帰る手前は、早く外したくッて仕方がなかった。そんな日に限ってちょっと残業したり…。

 いやー…今、『学校裏サイト』という本を読んでいるのですが、これ…思っていた以上にえげつないな…。
 私が高校生当時(いくらなんでも中学生のときはなかったと思う。携帯電話が普及し始めた入り口あたりだものな。ネット普及もまだだったし)、多分そういったものはなかったし、あったところで私は関わっていなかったと思うのだけど(携帯電話を契約したのは大学卒業手前の就職活動期だったからなあ。ネットはやってたけどアンダーには全く触れていないし)。
 テレビのニュースで知った感じでは、まだ…何と言うか、書き手が誰か判らないようになってる回覧ノートのようなイメージだったのだけど。うわー若くないわな私(どこで自覚してるんだ)。
 まだ出だし。

 空耳アワー。
 どうしても、「キセキ」の「二人寄り添って歩いて」という歌詞が、「太陽に沿って歩いて」にしか聞こえない…。大体、歌詞の聞き間違えはちゃんと確認したら間違えなくなるものなのに何故。
 そういうのがもう一つあって、YUIの新曲の「叶えるために生きているんだ」という歌詞が「ナイトメアに生きているんだ」…どんな状況だそれは。
 ありえないなあと我ながら思いつつ、そうとしか聞こえないのですが…!

 友人が転職(でも希望のところは空きがなくて今無職は怖いと違うところに)して、別の友人も転職しようかどうしようかと悩んでいて、あー…そういう時期、だよなあ…(年齢的に一次上限が見える頃)。
 あー。宝くじ当たらないかなー(そもそも買ってない)。

2009 年 5 月 22 日 わからないものはわからない

 『学校裏サイト』…その名の通り。現状と対策、注意喚起など。
 …そもそもの時点で、ケータイがあまり好きではない私には別世界の観が…(苦笑)。
 しかしそうか、今の子どもって大変だな。以前と比べてどっちが良いのか、ってのはどっちもどっちで一概には言えないだろうけど。
 この本は、読む対象者に大人(取り分け親、教師かな)を想定しているからだろうけど、というか、書き手が「大人」だからどうしてもそうなってしまうのだろうけど、対策に重点。それも、指導・監督という立場での。うーん、そういう意味で、例えば私が「子ども」で何かの拍子にこの本を手に取ったのだったら、ちょっと反感抱くかも(勿論ただの想像ですが)。
 でもまあたまに、ブログや簡易サイトで何か危なっかしいな?と思ってプロフィール見てみると小〜高校生、というのはあるなあ。多少登録に手間のかかるそのあたりでもそうなんだから、プロフ(といっても私はこれを見たことはないのだけど)やケータイの使い方そのものは、もっと危なっかしくてもおかしくないだろうなあ。でも逆に、プロフィールの年齢(?)よりも随分としっかりしてるな、という子もいるし。そこはやはり人それぞれ。

 ウイルス…下手にネットうろついて感染したら困る、よく行ってるサイトも行っていいものか(情報を知る至近に訪れていたところはとりあえず大丈夫だろうと思うのだけど。行っていて感染してないから。そのうちに対策もとられたようだし)…と悩んで微妙に引き篭もっているのですが。一体収束はいつですか…。入れているウイルスソフトは対応しているものの一覧とか見当たらないし。
 インフルエンザもなあ…。
 中途半端にしか知識がないもので、闇雲に恐れてしまう、というね(苦笑)。

2009 年 5 月 24 日  いつものようにぎりぎりで

 図書館の本を返してきました。間に合ったー!(返却期限が今日のものが三冊)
 …が、上下巻のうちの下巻が手元にあり、返却期限は月末という。上巻が間に合わなかったら、一旦返却して再予約だなあ(汗)。予約した時点では、あまり開きがなかったはずなのだけどなあ(全体の予約数は見られるけどあと何人で自分に回ってくる、というのは確認できない)。
 巻数順に予約本を回してくれる図書館が羨ましいけど、でもそれしたら今以上に予約本の回転悪くなるのかなあ…それも微妙?

 『親殺し』…近年の親殺しの事件総括?
 親殺しには子殺し(物理的なものではなく精神に於いて)が先行する、というのが著者の持論。
 ええと…何と言うか、私はどうにも書き口(?)が嫌いだなあこれ。んーと、説はまあいいですよ。ある程度は合致すると思う。ただ、何と言うか…先日読んだ『学校裏サイト』が現状をまとめた上で対策を展開、という、(私は上から目線だなとは思ったものの)ある種当事者という立ち位置に対して、これはただの解説書。しかも、生々しい情報を扱っているし著者の感情的な記述もあるのに、事件に対する視線は無機質というか、観測対象へのものでしかなくて。気持ち悪い。
 ただの研究書ならそれはそれでありだと思うのだけど、そう言い切るには感情的なのですよね、これ。かといって、その感情に寄り添うには事件の扱いが酷く冷たい。
 
 『博物館の秘密』…剥製博物館に埋もれていた秘密に男の子が巻き込まれる話(?)。
 父親が行方不明、母親は探しに行って、クリスマス休暇に博物館を持っている(?)親戚ところに行くことになった少年が、得体の知れない男とその娘や仲間たちと対決してしまうことになるという。タイムトラベルもの、でもあるのかな。
 とりあえず、鷲(あれ鷹だっけ? というかまあキメラですが)かっこいいな、と、あの二人が諍いはあっただろうけど親友同士なのがいいなあ、とか、モンゴルの職人って、というのが強く残った印象(何)。
 あ、でも、「トム」はてっきり二人いるものと。もう一人はどこで何をしてるんだろう、入れ替わってるのか?と思ったのだけど…だってそうじゃないと色々おかしくなるよ(とりあえずはじめのタイムスリップの状況が)。

 ぎゃーそろそろハードの整理しないと撮れなくなりそうだ!(汗)
 ルーキーズを焼きたいのだけど…撮るときちょっと誤って一旦ビデオに移してからDVDじゃないと順番通りに入れられないという。ビデオに移してそれを更にハードに移すのが面倒で止まってます…ううう。
 あとは、とりあえず見よう、と撮っている映画とか。再見するほどでなければ消そうと思っているから、見ないことにはどうにも処分できない。(見ろよ)
 ええと…「黒執事」は、どうせ見ないんだろうから消せばいいのに…。←

2009 年 5 月 25 日  …寒い?

 何かもう日中の夏日が平常のような心持になっているから、朝晩の気温が平常なのか寒いのかわからなくなっています。
 しかしまあそもそも、平年並みです、って言われても、はぁ、としか言いようがないしなあ。とりあえず、五月晴れ!という日々が続くのはちょっと嬉しい。

 空耳あわー続。
 GLAYの新曲、サビ(?)の部分を「メサイア」だと思ってた…(人名やハレルヤ風に)。だから題名かな?と思っていたら全然違う題で、あれーと思っていたら…違っていたのは私の脳内だけだったという。
 普段から聞き間違いが多いものだから、それぞれの歌の発音がそもそも怪しいのか私の耳(というか脳)がおかしいのかがよくわからん。

 今ふっと見たら…更新、先月で止まってたのかー。
 やー…書き直し途中の長いのが二本と短いのも何かちらほらあった気がするのだけど。あ、「台風の目」もこっちにはまだ上げてないな。
 そしていまだウイルスがよく…下手に検索かけたらそこから感染しそうな気がして、本当に、今ろくろくネットできてない。何かしら決着ついたら、今細々と通ってるサイトさんで告知出るか知らん、と思いつつ…(どこまで他力本願)。
 とりあえず今のところ、感染はしてないようなのですけどね…?

2009 年 5 月 26 日 ある日突然に

 風邪ひいた…(没)。
 熱っぽさはないのだけど、何なんだ一体急に(今朝起きたら咽がはれていた。他には鼻水・頭痛・悪寒?)。

 でも明日は本屋行くんだーっ。ほしい本が出ているのと…いつの間に出てたの、「岸辺の唄」シリーズの最新刊…(でもこれ、いつも行く本屋にはなさそうなのだよなあ。かといってさまよう気力はないぞ。いつものとことその近くのもう一軒に行ってなかったらネットか…ネット書店はあまり好きじゃないのにこの頃立て続けに買っているなあ)。

2009 年 5 月 29 日 一体私は何をやったんですか

 筋肉痛…両太もも(?)が痛い…ええっあの私昨日会社行って帰った以外特に何も動いてないですけど?! 家で変な体勢でいたとか妙な体操してたとかもないですよ??
 風邪はとりあえずほぼ収まったものの…な、何やってこんなことになってるのかが判らん…。

 『スターシップ――反乱――』…納得のいかない命令には従わない軍人さん。
 皮肉とユーモアに溢れていて、おお?と読み進めていたら…う、うーん、この人優秀、なの? 優秀なんだろうなあ…すごく偶然が重なっただけのようにも思えるけど。
 宇宙規模で二代派閥(?)が戦争を繰り広げている世界。の、上官の命令を実行しなかったがため(?)に辺境につまはじきにされた「英雄」が、そこでもせっせと働いて(でもやっぱり上官には睨まれて)、というような話。
 宇宙進出もので異星人(姿形が一目でそれと判る)がでてくるかどうかって、個人の趣味の問題?

 『マイナークラブハウスへようこそ』…「普通」じゃない高校生たち。
 弱小の文化部ばかりが詰め込まれた、森(?)の中にある洋館。そこにいる奇人変人たち。一章ごとに視点が変わる感じで、時間軸ははじめの一章が最後で後は順番通り…かな。
 それぞれ、思い悩んでそれでも少しずつよりよく在ろうとしているところが…かっこいい、なあ。傍から見たら「変人」だけど(苦笑)。
 一巻と打ってあって、伏線もがんがん残っているからこれからだろうなあ。

 そうそう風邪。
 基本的に私の風邪への対処は、食べて寝る、なので(原始的…)そうしていたらまあ大体大丈夫に。
 というか、原因に心当たりが。
 私昔から、捨てそびれたような埃被った雑誌を読み返しては体調崩していたのですよね…古書自体が駄目なわけじゃないから、多分、埃。とはいっても部屋は結構埃まみれだけど問題なく生活しているところを考えると、埃以外に紙に関するプラスアルファがあるのかなーとは思うのですが。
 今回は…『世界ミステリ全集』…。
 「九マイルは遠すぎる」が読みたい、と借りたのだけど、私の前に奇跡的に一人借りていた(いやだって利用者少ないからって回される地下書庫にあるのに検索したときに貸し出し中で吃驚した)にも拘らず、何か…埃っぽかった、のですよね…本自体の古びれ感はまあ措くとして。
 そんなで、目的の物は読んだし(多分私あれ『象と耳鳴り』で知ったのだよなあ、成立背景は有栖川有栖関連で読んだような気がするけど。あーなるほど恩田陸好きそうだな、と思った)、他のものも面白そうではあったけど途中放棄(短編集)。実際、手放して体調上向いたからな…読んでいたときは異変が出た翌日に更に重くなったけど。まあ、たまたま時期が重なっただけかもしれないけど。
 
 そう言えば(という話の振り方はあれなのだけど)。
 栗本薫さんが亡くなられたそうで。…友人からメールが来て、え?と思っていたらそのときたまたま流れていたラジオが語り出して時間の重なり具合にちょっと驚いた。
 で、友人の反応(?)が「『グイン・サーガ』どうなる?」で…多分、同じような会話がそこここであったんだろうなーと思うと…。
 まあ、途中になってしまった作品の結末を惜しまれるというのは、厭だし悔しいだろうけど、ある意味作家冥利にも尽きるんじゃないかなと思ったり。まあ、厭だろうけども。
 正直、私は一冊二冊読んだだけでしかもその話が合わなかったものだからあまりショックはないのだけど…田中芳樹に死なれたら、やっぱり「続きは?!」って叫ぶだろうなあ…(縁起でもない話だけど)。

2009 年 5 月 30 日 …本当に何をやったんだ

 筋肉痛続行中…本当に心当たりがないのだけどな…何日遅れかできた(年か)と考えても、思い当たる節がないのだけどなー。
 あ、でも明日も続行はほぼ確実。
 なんで自転車パンクしてんの…。しかも今日、会社でアイスもらった日に限って…(冷凍庫に戻して明日回収しようかとも思ったけど面倒になった)。
 で、とりあえず急いで帰ったですよ。本当に何なんだよパンク。しかも、あの感じだとまた、年末の時みたいにタイヤごと取っ替えとかになるんじゃないだろうな…。

 『北洋船団女ドクター航海記』…鮭鱒漁船団の船医記録(?)。
 本として発行されたのが二十年ほど前。実際に航海に同行したのは更に前。…船医の同行が義務付けられているとは知らなかったなー(規模によるようだけど)。
 筆者の人柄だろうけど、とても楽しそうで羨ましくなってしまった(苦笑)。大変ではあったのだろうけど…うーん、とっても生き生きと楽しそうなのですよね。

2009 年 5 月 31 日 筋肉痛が続くと何が何やら

 『篭の鳥』…白縫さま七冊目。
 「篭の鳥」と「強請り」と、後半に辛い話が続いて…うう、でも白縫さまがわかっててくれるからそう落ち込まずに済むよ…。←
 それにしても「篭の鳥」は報われない。ただの空回りだって言えばそれまでだけど、あー報われないー…。

 明日は自転車修理に持ってって図書館〜。



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