『自分の「異常性」に気づかない人たち』
題名と表紙のインパクトほどには強くない内容の本。文章も読みやすい。
異常の真っただ中にあれば、なかなか自分が「異常」だとは気付かない、そこに気づくことも治療の一歩、というところなのかなあ。
本文中でも書かれているけど、精神の問題って、数値や検査で明らかにこう、と区切れるものは少ないから…大変。老いの問題もあるしで、「異常」も特別ではなさそうなのが怖いところ。
『吉祥寺よろず怪事請負処』
実家が代々造園業(?)をやっている大学生が主人公。現在、大叔父と職人さんと同居中。
さっくり読めるし最後の話にあるような「ここではない」場所の描写は結構好きなのだけど、うーん、何かが違う…。何かがしっくりとこないなあ。なんだろう。
『津波の霊たち』
あの津波のことを聞き取り調査していたら幽霊譚が集まった、という話かと思っていたら違った。小学校にいた子どもたちが避難が遅れたことで大多数が死亡した、という事件を中心に、被災した人々の話を聞いたり、日本特有の問題点を指摘したり。
子どもを喪った人たちの言葉が、文章だけなのにひしひしと重く。そしてそれだけに、無我夢中で明日も見えないところから少し落ち着いたときに抱いた「どうして」に特定の「恨める何か」を見つけてしまったことが、つらい。
『完パケ!』…映画を撮る。
あー…いいなあ…。こんなに厭で腹立たしくて心強い人と、巡り合うことはあっても友達になれることなんてきっと稀で。お互いがちゃんとそのことをわかり合えた上に言葉に出して知り合えるなんて本当にさあ…。痛くて痛々しくって、でもひたむきで、いいなあ。
映画がちゃんと完成するのかもはらはらしたし(苦笑)。双海もいいキャラクターだったなあ。
『オーパーツ 死を招く至宝』
そっくりな赤の他人の二人が、オーパーツ(疑い)に絡んだ殺人事件に遭遇するという短編集。
キャラクターとカトリックとかは、まあ、ありかなあと思ったのだけど、最後のエピローグでこけた。えええ…なんだその終わり…。
最後の講評の、むしろメフィスト賞で受賞しそうなのにそちらは歯牙にもかからなかったらしい、というエピソードに笑った。
『吉原の江戸川柳はおもしろい』…吉原ネタで詠まれた江戸時代の川柳の数々。
案外色事ネタは少なくて、その周辺が多かったかな。しきたりとか、あるあるネタとか。
『紫鳳伝』
うわあ、武侠小説。日本発でこんなにがっつり武侠小説があるとは思わなかったなあ。舞台は、中国ではなくて架空の国だから中華風ファンタジー、になるのかな。
いやあ、展開速い。たくさん死ぬ。そして武術の派閥の名前がぞろぞろ出てくる。さっくり死ぬ…。一気読みでした。
『超動く家にて』…短編集。
あはははは、馬鹿だ。好きだなあ、こういうの。
完全にネタ話で一冊かと思ったら、案外しんみりとする話もあったり、これでミステリの賞狙うってそりゃちょっと厳しいよ、という馬鹿ミス(?)もあったりで楽しい。
「今日泥棒」や「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の家族の会話も「犬か猫か?」のさらりと重みもありながらどこか気の抜けた会話も好き。あとがきの自作解説が一番笑ってしまった。「文学部のこと」、あとがきを読んで物凄く納得(笑)。「ゲーマーズ・ゴースト」、ミニムービーにしても面白そう。
解説まで見事に調和。
帰り道、「いまイエス・キリストを信じれば、必ず永遠の命が手に入ります」(正確性はあまり自信がない)…という、拡張器(マイク?)を通した声が。
通販かよ、っていうかこれどういう系統のキリスト教だ…? 敬虔で清廉潔白な信徒しか最後の日の復活はないのでは、と思ったのだけど。新興宗教?
乳癌の検査(?)受けて来ましたー。
ちょっと気になっている部分があって、病院探したらオンライン予約がさくさくと進んで予約取れてしまってね…最終確認とかないんだね…(それはネットショッピング)。
初で、最近ましになったけど痛いよと聞いていてどきどきしてた。あと、迷わずたどり着けるかも心配してた(笑)。
ネットの口コミで、五十分くらいで一通り終わったとあったから、後の予定を二時間くらい後に設定したらぎりぎりだった…。土曜か…土曜だからか…? お会計で待っていた時には、座る場所ないくらいに人いたし。
結果は、「これにあなたの人生を変えるほどの力はないね」という言葉を貰い(苦笑)。多分皮膚の炎症じゃないかなあ、皮膚科行ってね、とのこと。
で、年代的に乳癌の危険性が高くなってくるから、来年の予約入れておくねーと。
うんまあ…初期なら結構簡単に治療できるということだから年一くらい検査受けてもいいかなとは思うけど…次からは全額負担かああああ…。
(今回は病気かも知れない何かの自覚があったから健康保険が使えたけど、基本、予防検査は保険が利かない。らしい)
市のクーポンとか会社の健康診断での補助とかあるけど、あれ、もっと年齢上になってからだし、二年に一回とかじゃなかったかなあ。
何事もなくてよかったのだけど、あー…次は皮膚科か。首回りで気になってるところもあるから行きたいけど、面倒だなあ…お金と時間かかるなあ…。
母の携帯電話の機種変について行ったら、家の電話の回線変更もすることになった件。
ほとんど勢いで決めたけど良かったのかなー。そして証明書が面倒で私名義だし私支払いだよ。お金…(怖)。
他部署の手伝いに駆り出され、高校の制服販売に行ってきましたー。
やー、たまにはいいなあ。接客自体はそこそこ好き。いや、最終の会計担当してただけだから接客という程ではないのだけど。
でもまあ、疲れるのは疲れるのな…。半日で終わったから、午後からは普通に仕事だったし。もう、半日終わった時点で帰りたかった(爆)。
『RDG 氷の靴 ガラスの靴』…シリーズスピンオフ。
深行視点の掌編三本と、真響が主役の中編一本。うーんやっぱり、既刊読み返してからにした方がより楽しめたかなあ。一読したきりだったし、細かいところ覚えてない。
掌編が、どれもおまけの書下ろしっぽい感じだなあと思ったら、本当におまけ書下ろしだった(苦笑)。ディスク購入の特典だったり販売促進の抽選プレゼントだったり文庫版のおまけだったり。なのでまあさらっと、別視点、というもの。
で、中編は本編その後。実質、主役を移した続編のようなもの。恋バナひとつでも大仰なのがあれこれくっついてくるんだなあ…。しかし、やきもち焼かれてるなら嬉しいって言っちゃう深行がけなげでもう(苦笑)。
これを契機に、シリーズ再開してくれても嬉しいのだけどな。そうはならないのかな。
今日ふと思い出して、好きだったシリーズ、途中で終わってたけど続刊出てたりしないだろうか、と調べたら。
続きの本は出てなかったのだけど、続きは書かれてた! 「小説家になろう」に投稿されてたー! もう数年前で、今頃発見かよという感じではあるけど、うわ、嬉しい。
ただもう、「好きだった」ということしか覚えていないから、既刊二冊読み返してからだなー。…いつ読めるんだこれ…(爆)。
とりあえず、投稿されてる分コピーしておこう。
そして、作者がアニメの脚本家というのは知っていたのだけど、今も現役で結構な有名作品にがっちり関わっているのを初めて知った。…そのうち私が見たのって一作二作だけど(苦笑)。
ってことは、お元気ってことだよなー。もう小説は書かないのかもだけど、なんとなく嬉しい。
『幻想リアルな少女が舞う』
廃屋で一人死んだ少女。少女の死は自殺ではないとの告発からどうしてだか調べることになった少年と少女。
独特な(?)VRゲームが大きな鍵になるのだけど、読んでいて、あれこれって…? と思ったらやはり、同じようにVRゲームを使ったデビュー作を読んでいた。でも、そちらと関連があるのかないのかが判らず、肝心の物語と関係のないところでもやもやしてしまった…結局どっちだったんだ…。
話自体は、少し冗長なところはあるけど、結構楽しかった。視点人物が素直でいいなあ。
『折りたたみ北京』…現代中国SFアンソロジー。
面白かった! 近現代の中国小説って、ごく一部の武侠小説くらいしか目にしなかったこともあって、あまり手に取ることはなかったのだけど…うわあ面白い。
勿論作品によって好みは別れるのだけど、どれも、訳が上手いのかすんなり読めた。独特な世界観が楽しくて、中華ファンタジーの要素を持っていると、更に嬉しい。
作家紹介が丁寧なこともあって、長編が読みたいと思う作家さんも何人か。
『スフィアの死天使』…天久鷹央の事件カルテ一冊目。
宇宙人に手術をされて自分が自分でなくなっていく、と訴える患者。宇宙人と交信ができると謳う新興宗教が怪しいのか、と進んでいく物語。
『推理カルテ』のシリーズの番外編という位置付けなのか、こちらはこちらで数冊出ている模様。そして、主要人物の出会いからの話。やはり、長編の方がキャラクターの掘り下げはできるなあ。
なんとなく、鷹央のキャラクターって、色々な名探偵の性格や行動を見て「これってアスペルガー?」ってところから出て来たのでは、という気が(苦笑)。
『天久鷹央の推理カルテ』二巻
三本(三章?)収録。人としてもだけれど、医者としては避けられないこととの対峙。
『チュベローズで待ってる AGE32』…前編(?)から十年後。
ああー…。結局、みんなが狡いし、「隣の芝生」を見ているような気がする。
実際の地名を書いているし現実的な描写も多いのに、なんだかふわふわとしたファンタジーっぽさもあるのが不思議な感じ。面白いなあ。
『天久鷹央の推理カルテ』三巻
それほど専門知識がなくても見当がつくようなことをお医者さんが見逃すってのは、専門外だから見落としがちってことでいいんだろうか…実際にあり得ることとして。総合診断が必要ってそういうところだし。
いやまあそもそも何件も日常的に診察してる中での診断と、小説として特徴づけて書かれているものを読んでぼんやりとこういうのあったよなーと思い出すというのとでは全然違うものなので、これで「わかった」というのはアンフェアなのだけど。
コンビとしてお互いはっきりと自覚した巻?
『アーサーとジョージ』
ホームズの作者、アーサー・コナン・ドイルと濡れ衣で投獄・服役した弁護士のジョージ・エイダルジ。この濡れ衣を晴らすのに一役買ったのがドイル、ということで現実の謎解き話なのかと手に取る。
ちょっと違って、あからさまな冤罪なのに罪が認められてしまい刑が執行されたがために撤回できなかったことを改善するのにドイルの知名度が役に立った、というのが大きなところのよう。
そして主には、ドイルやジョージの自伝のような。
『走れ! ! 機関車』…初のアメリカ横断鉄道を題材にした絵本。
それまで馬車で行くか船で行くか、何か月もかかる旅路を数日に短縮した鉄道の道行きを描いたもの。蒸気機関車の仕組みや動かし方(?)もさらっと描かれていて、やはり、しくみ解説とかは児童書がわかりやすくていいなあ。
『掟上今日子の色見本』…誘拐事件。
お、この巻は結構好きだなあ。
親切さんから見た隠館さんが怪しすぎてなんだか…(苦笑)。一人称描写はいろいろ隠すというけれども。
そしてちらっと今日子さんの過去も垣間見え。十代で各地を…うーん、ストレートに委員長なのかなあ。でもなあ。というか、作者がそのあたりを開陳する気があるのかがわからん…。
『本のエンドロール』
印刷会社の営業さんを軸に、主には裏方に力を入れて本を生み出す人たちを描いたもの。
取り分け大きく事件や変化が起きるわけではなくて、ありふれていると言えばありふれている日常。日々を働き、しっかりと生きている人たちの話。読後感もいい、所謂お仕事小説。
…ただ、あまりにも地に足がついたリアルさと葛藤に、私自身の日常が重なって、比べてしまって、読んでいて物凄く疲れた…。現実に寄り添った話は、こういうのがあるからなー。活力を貰う人もいるだろうけど、タイミングが悪かったのか、とりあえず「今の私には結構しんどい」本でした。
『最後の晩ごはん』9冊目
冒頭のあれや舞台鑑賞のこれやでカイリの今後の話というか、芸能関係の話が展開するかと思いきや、なんとなくにおわせるだけで今回の「お客さん」の剣呑さに持っていかれる。
うーん、そっちはゆっくりかー。まあ、もしも芸能界に戻るとなるとシリーズ終わっちゃうし。
話に聞くだけだった最低男には、もっと穏便かつ深刻に、悪夢でも見せられたらよかったのになあ…(物語の傾向が変わる)。
『下鴨アンティーク』最終巻。
毎巻、最後の話はお兄ちゃんメインだったけど、今回は融合した感じでこれも良し。最終巻ぽい(笑)。
ただ…源氏物語持ってきたところでちょっと勘繰ってしまった…。年齢差が二十近くあろうと、出会いが十歳なら、若い方としては恋愛感情もありだよなあ…と。うーん。
『宝石商リチャード氏の謎鑑定』6巻目…第一部完。
知らなかった家族の過去と、複雑な恋愛事情と、呪いを解く話。
思い込みや決め付けというのは、一種の呪いかと。しかもそういうのって、はじめは他からかけられたものでも、自分で繰り返すことで深く強くなるのだよなあ…。このシリーズ、本当にいろいろな人が描かれる。
エトランゼは異邦人に優しいお店、というのが全てを集約しているような。
…そして何を差し置いて、冒頭と末章の彼女の人物造形がかなり好みなので、第二シーズン(?)には再登場してくれないものかな。正義との粗忽が二乗になりそうで楽しいと思うのだけど(笑)。
『次の突き当たりをまっすぐ』…ショートショート集。
どの話も悪意が色濃くてつらい…。短い中で話をまとめるから、意表を突くために毒をというのはある程度有用だけど、まとめて読んでどれにもそれがにじんでいるときつい。一話が短い分、一冊にまとまると数が読めるだけにね。
ショートショートで好きな作家さんを見つけるのは難しいなあ。
ショートショートの書き手で好きなのは、今のところ、星新一は別格として、太田忠司くらいしか。
坂木司は微妙なところで、悪意も結構含まれるし好きでないものもあるけど、そこそこ好きなのもあったり。
ショート・ショートの復興(?)をかなり頑張っている田丸雅智は、何冊か読んだけどあまり面白いと思えず…申し訳ない気がするけど、でも、布教活動は頑張って…という、ちょっと酷い感じに(爆)。
江坂遊は、それなりに面白いとは思うけど、もっと読みたいな、という程ではないのだよなあ。
何にせよ、ショートショートって、本にまとめて読むには難しい形式なのだろうなあ。返す返すも、星新一は凄い。
ところで物凄く久々に、更新してます。
「虚言帳から」にちょろっと。…虚言帳に書いていたやつではないのだけど…それほど長さもないし、そのためだけに一頁つくるのも面倒で。
もう何本かあるので、そのうちちょろとちょろと足していきたいと思います。
「台風の目」の最後も放置してた気がするし、そこから何年か後設定の長い話もまだ載せてなかったような…。
最近あまり書き進んでいないのだけど、それでもまだ載せてないやつもそこそこあったのかっていう…どれだけ書き散らしてたんだ、私…。
『カーテンコール!』
廃校が決まった女子大で、半年の延長期間を得た学生たちがそれぞれの問題にゆるりと向かい合っていく連作短編。
家族であっても、愛情であっても、特には害を成すというのがつらい。そして、人の異常はよく見えても自分の事には目をつぶってしまう。病名がつくことを免罪符にしてはいけない、ってのも。
穏やかな話なのだけど、ああそうだなあ、っていう。…そして唯一、委員長の話が怖い…。
『筋読み』…警察もの。
別々の事件の、年齢も違うはずの被疑者と被害者のDNAが一致した、という冒頭からちょっと飛躍した感じのSFが入るような設定かと思ったらそんなことはなく、上手く行き過ぎのところはあっても地に足のついた感じ。
文章というか物語は結構淡々としているのだけど、一息に読めてなるほどなあ、と納得できたのが良かった。
途中、理解が追いついていないのか文章が分かりにくいのか考え込んだところはあったけど、全体的には読みやすかった。
『吉原で生きる』…ルポ。
そもそも…吉原って、もう普通に住宅地になってると思っていた…。なので、タイトルは性産業の比喩なのかなと思っていたのだけど。そうではなくて本当にがっちり、吉原という土地で生きる人たちに取材をしたものだった。
『憑き御寮』…三冊目。
旧家の蔵を不用意に暴いた(本人が自覚している通りに半ば犯罪だよねー勝手に売り払ったりしたらきっちり犯罪だよねー)ことからあふれ出た、過去の因縁。
被害者も加害者も、裏を返せば相互に加害者だったり被害者だったりで痛ましい上にややこしい。
憑物筋の裏に風土病や毒性物質があるかもよ、というのはなるほど。
…で、そういった民俗学系統の見解や儀式やの裏づけ資料ってどんなものなのかな、ってのを知りたいけどそこは参考文献に挙がってないのか…前二巻に載ってたかな…?
仕事帰り、本屋に寄った途中で道路と歩道(?)の段差を乗り越えられず自転車ごとこけた。
わーズボン破けて膝ずる剥けたー。
いやもうねえ…いい歳して…(爆)。もう、新陳代謝もあまりよくないから傷治りにくいのになあ。
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