人魚の言い分


         追記 番外

 夜の保護区に、月が昇る。

 月が昇り、歌声が上る。

 歌声が上り――ぼとりと、フェンスをよじ登っていた人影が落ちる。その隣の人影は黙々と登り続けたが、その頭上にふわりと何かが落ちかかり、結局は先の人影の後を追った。

「よし、かかったかかった」

「悪あがきの浅知恵、といったところか」

 月光の下で、フェンスを見上げる二つの人影があった。


         追記 番外


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