後年、魔導師のエバンス・リードは魔導・魔物に関するギルドを創立する。
国家からは独立した組織ではあるものの、治世の安定したキスリングがその根幹を成す。魔導による国家の征服機関だ、との批判もあるが、魔導・魔物に関する騒動が持ち上がれば、多くの者が彼らに判断を仰ぐまでに、組織は成長する。
構成員には各国の者が入り乱れているが、人と魔族の間に生まれた者や、魔導や魔物によって命の危機にさらされた、あるいは助けられた者が多い。そのため、二大派閥が対立している。
その勢力を持つに至る前に、人々は、魔族による悪夢のような虐殺を目の当たりにすることになる。一人の魔導師によって起こされ、一つの国の名を地図から消し、代わりに、人々の記憶には深く刻み込むことになる。
失われた国の名は、リーランド。後にリーランドの災禍と呼ばれるそれは、皮肉にも、組織の創立者の出身国での出来事である。
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